こんにちは。ひのです。
行政書士試験の合格者は令和7年度だけで7,292人いて、行政書士会の会員は5万人を超えています。
同じ資格を持つ人が多いなかで、「行政書士だけで仕事を取れるのか」「次にどの資格を取れば強みになるのか」などなど、迷うことが多いですよね。

この記事では、現役社労士の僕が、行政書士と相性の良いダブルライセンスおすすめ10選を、業務の重なり、合格率、行政書士試験の知識の生かしやすさで比較します。
最強のトリプルライセンスや、取る順番も紹介します。
【この記事でわかること】
・行政書士と相性の良いダブルライセンスおすすめ10選
・資格ごとの業務の組み合わせ方と、行政書士試験の知識が生きる科目
・社労士、司法書士、税理士、宅建士、FPとの組み合わせの具体例
・最強のトリプルライセンス6選と、取る順番の例
・日商簿記2級の合格率と、建設業の仕事で生きる場面
・ダブルライセンスを取る順番と、試験日程の組み方
まず結論から言います。
①会社の設立から労務まで支えたいなら、社労士との組み合わせが最強です。
②不動産と相続に強くなりたいなら、司法書士か宅建士を選びます。
③最初の1つ目は、試験の時期と科目が重ならない資格から選ぶと続けやすくなります。

ダブルライセンスは「どの資格を足すか」で、取れる仕事がまったく変わります。
おすすめの10資格は次のとおりです。
①社会保険労務士
➡︎ 会社の設立から労務、社会保険まで一緒に支えられる
②司法書士
➡︎ 許認可と登記をまとめて引き受けられる
③税理士
➡︎ 会社の設立後の税務まで任せてもらえる
④宅地建物取引士
➡︎ 不動産の許認可と取引の両方に関われる
⑤ファイナンシャルプランナー
➡︎ 相続や遺言の相談に、お金の視点を足せる
⑥土地家屋調査士
➡︎ 農地転用や開発の許可と、表示登記をつなげられる
⑦中小企業診断士
➡︎ 補助金の申請と経営の相談を一緒にできる
⑧日商簿記2級
➡︎ 建設業の経営事項審査で財務諸表を読める
⑨社会福祉士
➡︎ 福祉事業の許認可と成年後見に強くなる
⑩弁理士
➡︎ 知的財産と契約書の仕事をまとめて扱える
- この記事の執筆者の信頼性
- 行政書士のダブルライセンスおすすめ10選の比較表
- 行政書士がダブルライセンスを取るべき理由
- 行政書士のダブルライセンスおすすめ① 社労士
- 行政書士のダブルライセンスおすすめ② 司法書士
- 行政書士のダブルライセンスおすすめ③ 税理士
- 行政書士のダブルライセンスおすすめ④ 宅建士
- 行政書士のダブルライセンスおすすめ⑤ FP
- そのほかの行政書士と相性の良い資格
- 行政書士のダブルライセンスで収入はどう変わる?
- 【場面別】行政書士とほかの士業の仕事の分担
- 【目的別】行政書士と組み合わせるならこの資格
- ほかの資格を持っている人が行政書士を足すパターン
- 行政書士の最強トリプルライセンスの組み合わせ
- 行政書士のダブルライセンスを取る順番と注意点
- 次の資格はどの講座で学ぶ?資格別の選び方
- ダブルライセンスの勉強を続けるコツ
- 行政書士のダブルライセンスが向いている人・向いていない人
- 行政書士のダブルライセンスに関するよくある質問
- 行政書士のダブルライセンスおすすめまとめ
この記事の執筆者の信頼性

僕はひのと言います。
【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
会社の総務部門で給与計算・社会保険事務を担当(現役)
僕は令和元年度の社労士試験に合格しました。合格までに3回受験して、勉強期間は2年半です。
社労士に合格したあとも、身についた勉強の習慣を生かしてFPや簿記の勉強を続けてきました。資格を組み合わせる楽しさと大変さの両方を、受験生の目線でお伝えします。
行政書士部門の記事は、法律専門家の監修を受けています。
行政書士のダブルライセンスおすすめ10選の比較表

まずは10資格の特徴を一覧で比べます。
| 資格 | 行政書士との組み合わせ | 行政書士試験の知識が生きる科目 | 試験の時期(例年) |
|---|---|---|---|
| 社会保険労務士 | 会社設立の許認可 +労務・社会保険の手続き | 少ない (労働・社会保険が中心) | 8月 |
| 司法書士 | 許認可 +登記(会社・不動産・相続) | 憲法、民法、商法 | 7月(筆記) |
| 税理士 | 会社設立 +税務・会計 | 少ない (会計と税法が中心) | 8月 |
| 宅地建物取引士 | 宅建業免許・農地転用 +不動産取引 | 民法(権利関係) | 10月 |
| FP(2級・3級) | 遺言・相続の書類 +お金の相談 | 民法(相続) | 通年(CBT方式) |
| 土地家屋調査士 | 農地転用・開発許可 +表示登記 | 民法 | 10月(筆記) |
| 中小企業診断士 | 補助金・許認可 +経営の助言 | 会社法(経営法務) | 8月(1次) 10月(2次) |
| 日商簿記2級 | 建設業の経営事項審査 +財務諸表 | なし | 6月・11月・2月 (ネット試験は随時) |
| 社会福祉士 | 福祉事業の指定申請 +成年後見 | 少ない | 2月 |
| 弁理士 | 知的財産 +契約書の作成 | 民法(一部) | 5月(短答) |
出典:各試験の実施機関の公表資料をもとに当サイト作成
合格率が公表されている資格を並べると、次のようになります。

宅建士は、行政書士より合格率が高い資格です。一方で、社労士と司法書士は合格率が1割を切ります。
合格率に加えて、勉強時間の目安や試験科目の重なりで比べた行政書士の位置づけは『行政書士の難易度は?』にまとめています。

行政書士の勉強で身についた法律の読み方は、どの資格でも必ず役に立ちます。
税理士は科目ごとに合格を積み上げる試験なので、ほかの資格と同じ物差しでは比べられません。令和7年度は36,320人が受験し、5科目すべてに合格した人は527人でした。
行政書士がダブルライセンスを取るべき理由

行政書士がダブルライセンスを目指す理由は、次の3つです。
【ダブルライセンスを目指す理由】
・1人で引き受けられる仕事の範囲が広がる
・同じ依頼人と長く付き合える
・ほかの行政書士との違いを出せる
行政書士がダブルライセンスを取るべき理由① 1人で引き受けられる仕事が広がる
行政書士は、官公署に出す書類の作成や、権利義務・事実証明に関する書類の作成を仕事にしています。
ただし、登記は司法書士、税務申告は税理士、社会保険の手続きは社労士というように、ほかの士業の独占業務には手を出せません。
ダブルライセンスがあれば、これまで他の士業に回していた仕事を自分で引き受けられます。
たとえば会社の設立なら、定款の作成は行政書士、設立登記は司法書士の仕事です。
両方の資格があれば、依頼人は窓口を1つにまとめられます。
行政書士がダブルライセンスを取るべき理由② 同じ依頼人と長く付き合える
行政書士の仕事は、許認可の申請のように1回で終わる依頼が多くなりがちです。
社労士や税理士の仕事は、毎月の手続きや顧問契約のように、続けて依頼を受けやすいのが特徴です。

単発の仕事と継続の仕事を組み合わせると、売上が安定しやすくなります。
行政書士がダブルライセンスを取るべき理由③ ほかの行政書士との違いを出せる
行政書士会の会員は、令和8年4月1日時点で54,186人です。
同じ資格を持つ人が多いほど、依頼人は「誰に頼むか」で迷います。
「建設業の許可と社会保険の両方に詳しい」のような組み合わせは、そのまま選ばれる理由になります。
行政書士単独の収入のしくみは『行政書士の年収』の記事で解説しています。
行政書士のダブルライセンスおすすめ① 社労士

社労士は、労働・社会保険の手続きや就業規則の作成、労務管理の相談を仕事にする国家資格です。
行政書士と社労士の組み合わせは、会社の設立から従業員の雇用、その後の労務まで1人で支えられる最強のダブルライセンスです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な仕事 | 労働保険・社会保険の書類作成と提出代行、就業規則の作成、労務相談 |
| 合格率 | 9.3%(令和8年度、受験者42,510人・合格者3,961人) |
| 試験の時期 | 例年8月の第4日曜日 |
| 行政書士との関係 | 行政書士試験に合格すると、社労士試験の受験資格を満たせる |
出典:厚生労働省「第58回社会保険労務士試験の合格者発表」、社会保険労務士試験オフィシャルサイト「受験資格」
行政書士と社労士の組み合わせ方
会社を作るときは、定款の作成や営業の許可申請で行政書士の出番があります。
会社が人を雇えば、労働保険や社会保険の加入手続き、給与計算、就業規則の作成が必要になり、ここからは社労士の仕事です。
建設業の許可では、適切な社会保険に加入していることが許可の要件になっています。
許可申請と社会保険の手続きを同じ人に任せられるのは、建設会社にとって大きな安心材料です。

僕は社労士として会社の総務で給与計算や社会保険の実務をしていますが、許認可と労務がつながる場面は本当に多いです。
行政書士と社労士のダブルライセンスで増える仕事
| 場面 | 行政書士の仕事 | 社労士の仕事 |
|---|---|---|
| 会社の設立 | 定款の作成、営業の許可申請 | 労働保険・社会保険の新規加入の手続き |
| 建設業 | 建設業の許可申請、経営事項審査 | 社会保険の加入手続き、労災保険の手続き |
| 外国人の雇用 | 在留資格の申請 | 雇用保険・社会保険の手続き、就業規則の整備 |
| 介護・障害福祉の事業 | 事業所の指定申請 | 職員の雇用契約、処遇改善に関わる労務の整備 |
出典:当サイト作成
どの場面も、許認可の手続きが終わった後に労務の手続きが続きます。
行政書士として最初の手続きを担当した会社から、そのまま社労士の顧問契約につながりやすいのが、この組み合わせの強みです。
社労士と行政書士の両方を持つと、1年を通して次のような手続きが続きます。
| 時期 | 手続き | 担当 |
|---|---|---|
| 毎年6月1日〜7月10日 | 労働保険の年度更新 | 社労士 |
| 毎年7月1日〜7月10日 | 社会保険の算定基礎届 | 社労士 |
| 事業年度の終了後4か月以内 | 建設業の決算変更届 | 行政書士 |
| 5年ごと(満了の30日前まで) | 建設業の許可の更新 | 行政書士 |
出典:厚生労働省・日本年金機構・国土交通省の案内をもとに当サイト作成
毎年決まった時期に必ず発生する手続きなので、顧問先が増えるほど売上の見通しが立てやすくなります。
社労士試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験の形式 | 選択式(8科目・40問)と択一式(7科目・70問) |
| 主な科目 | 労働基準法・労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、労働保険徴収法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、一般常識 |
| 合格基準 | 選択式・択一式それぞれに総得点の基準と科目ごとの基準点があり、毎年の合格発表で公表される |
出典:当サイト作成
選択式と択一式の両方で、科目ごとに基準点がある試験です。
苦手な科目を作らないことが、行政書士試験以上に大切になります。
行政書士から社労士を目指すときのポイント
社労士試験には受験資格があり、大卒などの学歴がない人は実務経験などで受験資格を満たす必要があります。
行政書士試験に合格していれば、それだけで社労士試験の受験資格になります。
試験の科目は労働法と社会保険法が中心で、行政書士試験とはほとんど重なりません。そのぶん、行政書士の勉強で身についた「条文を正確に読む力」がそのまま武器になります。
社労士の合格率は例年1割を切るので、通信講座で効率よく進めるのがおすすめです。
フォーサイトの社労士講座は、令和7年度の受講生合格率を63.0%と公表しています(算出条件はフォーサイト公式サイトで確認してください)。
↑行政書士の次は社労士↑
社労士の講座選びは『社労士通信講座ランキング』の記事、どちらを先に取るか迷う人は『社労士と行政書士はどっちが稼げる?』の記事で解説しています。
行政書士のダブルライセンスおすすめ② 司法書士

司法書士は、不動産や会社の登記、供託の手続きなどを仕事にする国家資格です。
行政書士が役所に出す書類を作り、司法書士が法務局に出す登記の書類を作るので、2つをそろえると手続きの窓口を1つにまとめられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な仕事 | 不動産登記、商業登記、供託の手続き、裁判所に出す書類の作成 |
| 合格率 | 5.2%(令和7年度) |
| 試験の時期 | 例年7月の第1日曜日(筆記試験) |
| 行政書士試験と重なる科目 | 憲法、民法、商法(会社法) |
出典:法務省「司法書士試験」の公表資料をもとに当サイト作成
行政書士と司法書士の組み合わせ方
会社の設立では、定款の作成を行政書士が、設立登記を司法書士が担当します。相続では、遺産分割協議書の作成と、不動産の名義を変える相続登記がセットになります。
相続登記は令和6年4月1日から義務になり、相続の手続きを一度にまとめて頼みたい人が増えています。

相続の相談は、書類作りから登記まで一人で完結できる人に集まりやすい分野です。
行政書士と司法書士のダブルライセンスで増える仕事
| 場面 | 行政書士の仕事 | 司法書士の仕事 |
|---|---|---|
| 会社の設立 | 定款の作成、許認可の申請 | 設立登記 |
| 相続 | 遺産分割協議書の作成、戸籍の収集 | 相続登記 |
| 会社の変更 | 許認可の変更届 | 役員変更や本店移転の登記 |
| 不動産 | 農地転用の許可申請 | 所有権移転登記 |
出典:当サイト作成
依頼人から見ると、書類ごとに別の専門家を探す手間がなくなります。
会社の手続きでは、行政書士と司法書士の仕事が次のようにつながります。
| きっかけ | 行政書士の手続き | 司法書士の手続き |
|---|---|---|
| 役員の交代 | 許認可の変更届 | 役員変更の登記(変更から2週間以内) |
| 本店の移転 | 許認可の変更届 | 本店移転の登記 |
| 相続 | 遺産分割協議書の作成 | 相続登記(相続を知ってから3年以内) |
出典:法務省の案内をもとに当サイト作成
期限のある手続きが多いので、両方を一度に頼める事務所は依頼人にとって手間が少なくて済みます。
司法書士試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 筆記試験 | 午前の部(択一式35問)、午後の部(択一式35問と記述式2問) |
| 主な科目 | 憲法、民法、刑法、商法(会社法)、不動産登記法、商業登記法、民事訴訟法、供託法など |
| 口述試験 | 筆記試験の合格者が受験 |
出典:行政書士試験研究センターの公表資料をもとに当サイト作成
民法の出題数が多く、行政書士試験で学んだ民法の知識が土台になります。
行政書士から司法書士を目指すときのポイント
憲法、民法、商法は行政書士試験でも出題されるので、行政書士の知識をそのまま土台にできます。
ただし司法書士試験は、不動産登記法や商業登記法などの手続法の比重が大きく、記述式も登記の申請書を書く形式です。
合格率は5%前後と、ここで紹介する資格の中でも特に難しい試験なので、長期の計画が必要です。
クレアールの司法書士講座は、合格に必要な範囲に絞る「非常識合格法」で学べる講座です。
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司法書士への道筋は『司法書士になるには』の記事、2つの資格の違いは『司法書士と行政書士の違い』の記事で解説しています。
行政書士のダブルライセンスおすすめ③ 税理士

税理士は、税務の代理や税務書類の作成、税務相談を仕事にする国家資格です。
会社の設立は行政書士、設立後の決算や申告は税理士というように、会社とのつながりを途切れさせずに続けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な仕事 | 税務代理、税務書類の作成、税務相談、会計業務 |
| 試験の形式 | 会計2科目と税法3科目の合計5科目に合格する科目合格制 |
| 令和7年度の結果 | 受験者36,320人、5科目合格者527人、一部科目合格者7,320人 |
| 試験の時期 | 例年8月 |
出典:国税庁「税理士試験」
行政書士と税理士の組み合わせ方
相続では、遺産分割協議書の作成と相続税の申告を一緒に引き受けられます。
建設業では、許可の更新や経営事項審査に決算書の内容が深く関わるので、会計に強い行政書士は頼りにされます。
税理士の資格があれば、試験を受けなくても行政書士として登録できます。
行政書士法第2条で、税理士となる資格を持つ人は行政書士となる資格があると定められているためです。
行政書士と税理士のダブルライセンスで増える仕事
| 場面 | 行政書士の仕事 | 税理士の仕事 |
|---|---|---|
| 会社の設立 | 定款の作成、許認可の申請 | 設立後の届出、決算と申告 |
| 相続 | 遺産分割協議書の作成 | 相続税の申告 |
| 建設業 | 経営事項審査の申請 | 決算書の作成と申告 |
出典:当サイト作成
相続と建設業は、行政書士と税理士の仕事が特に重なりやすい分野です。
行政書士から税理士を目指すときのポイント
税理士試験は会計と税法が中心で、行政書士試験とはほとんど重なりません。科目ごとに合格を積み上げられるので、働きながら1年に1〜2科目ずつ進める人が多い試験です。

まずは日商簿記2級で会計の基礎を固めてから、税理士の簿記論・財務諸表論に進むと無理がありません。
税理士の働き方や収入は『税理士の年収はいくら?』の記事で解説しています。
働きながら1科目ずつ進める試験なので、通信講座の資料を取り寄せて、科目の組み合わせや学習期間を比べておくと計画を立てやすくなります。
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行政書士のダブルライセンスおすすめ④ 宅建士

宅建士は、不動産取引で重要事項を説明し、契約書面に記名する国家資格です。
行政書士と宅建士を組み合わせると、不動産の許認可と取引の両方に関われるようになり、10資格の中で最も取りやすいダブルライセンスです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な仕事 | 重要事項の説明、重要事項説明書と契約書面への記名 |
| 合格率 | 18.7%(令和7年度) |
| 試験の時期 | 例年10月の第3日曜日 |
| 行政書士試験と重なる科目 | 民法(権利関係) |
出典:不動産適正取引推進機構の公表資料をもとに当サイト作成
行政書士と宅建士の組み合わせ方
不動産会社を開くときに必要な宅建業の免許申請は、行政書士の仕事です。農地を宅地に変えて売るときには、農地転用の許可申請も必要になります。
相続した土地を売る場面では、遺産分割協議書の作成から売却の相談まで、一つの窓口で対応できます。

宅建士は行政書士より合格率が高く、民法の知識も生きるので、1つ目のダブルライセンスに向いています。
行政書士と宅建士のダブルライセンスで増える仕事
| 場面 | 行政書士の仕事 | 宅建士の仕事 |
|---|---|---|
| 不動産会社の開業 | 宅建業の免許申請 | 専任の宅建士として勤務 |
| 農地の売買 | 農地転用の許可申請 | 売買契約の重要事項説明 |
| 相続した不動産 | 遺産分割協議書の作成 | 売却時の重要事項説明 |
出典:当サイト作成
宅建業の事務所には、業務に従事する人5人に1人以上の割合で専任の宅建士を置く決まりがあります。開業を考えている依頼人にとって、免許申請と宅建士の両方を相談できる相手は心強い存在です。
宅建業の免許にも有効期間があり、続けて手続きが発生します。
| 手続き | 時期 | 担当 |
|---|---|---|
| 宅建業の免許の更新 | 5年ごと(満了の90日前から30日前まで) | 行政書士 |
| 専任の宅建士の変更の届出 | 変更から30日以内 | 行政書士 |
| 重要事項の説明 | 取引のたび | 宅建士 |
出典:国土交通省の案内をもとに当サイト作成
宅建士試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験の形式 | 四肢択一式50問(2時間) |
| 出題分野 | 権利関係、宅建業法、法令上の制限、税・その他 |
| 受験資格 | なし(誰でも受験できる) |
出典:当サイト作成
宅建業に従事している人は、登録講習を修了すると5問が免除されます。
宅建士の側から見た相性の良い資格は、『宅建士のダブルライセンス』の記事で解説しています。
行政書士から宅建士を目指すときのポイント
宅建士試験は50問の四肢択一式で、権利関係、宅建業法、法令上の制限、税その他から出題されます。
権利関係は民法が中心なので、行政書士の学習経験がある人は大きなリードを持ってスタートできます。
宅建業法と法令上の制限は新しく覚える範囲ですが、暗記が中心なので短期間でも得点を伸ばしやすい科目です。
アガルートの宅建講座は、2027年合格目標の入門カリキュラムがフル107,800円、ライト54,780円です(税込)。
↑民法の知識を宅建で生かす↑
宅建の勉強に使う講座を比べたい人は、宅建通信講座おすすめランキングの記事で、料金や合格率、割引をまとめています。
宅建士への道筋は『宅建士になるには』の記事で解説しています。
行政書士のダブルライセンスおすすめ⑤ FP

FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)は、家計や保険、税金、相続など、お金に関する相談に応える国家資格です。
遺言や相続の書類を作る行政書士に、お金の視点を足せるのがFPとの組み合わせの強みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な仕事 | ライフプランや資金計画の相談(独占業務はない) |
| 試験の形式 | 2級・3級はCBT方式で、休止期間を除き通年受験できる |
| 行政書士試験と重なる分野 | 民法(相続・事業承継) |
出典:日本FP協会、きんざいの公表資料をもとに当サイト作成
行政書士とFPの組み合わせ方
遺言書の作成を手伝うときに、財産の分け方だけでなく、相続税や生命保険の使い方まで一緒に考えられます。
相続の相談は、法律の手続きとお金の話がセットになることがほとんどです。

僕もFP2級を持っていますが、相続の話をするときに「お金の全体像」を説明できるのは大きな強みだと感じます。
行政書士とFPのダブルライセンスで増える仕事
| 場面 | 行政書士の仕事 | FPの知識が生きる場面 |
|---|---|---|
| 遺言 | 遺言書の原案づくり | 財産の分け方と相続税のシミュレーション |
| 相続 | 遺産分割協議書の作成 | 不動産や保険を含めた財産の整理 |
| 事業承継 | 許認可の承継手続き | 後継者への資産の引き継ぎの相談 |
出典:当サイト作成
FPの知識は、行政書士の相談業務の説得力を高める役割を果たします。
FP2級試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験の形式 | 学科試験と実技試験(どちらもCBT方式) |
| 出題分野 | ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継 |
| 受験資格 | 3級の合格者、または2年以上の実務経験がある人など |
出典:行政書士試験研究センターの公表資料をもとに当サイト作成
相続・事業承継と不動産の分野は、行政書士の知識と特に重なります。
FPの側から見た相性の良い資格は、『FPのダブルライセンス』の記事で解説しています。
行政書士からFPを目指すときのポイント
FPは独占業務がないので、FPだけで仕事を取るのは簡単ではありません。
行政書士の仕事に「相談の幅」を足す資格として取ると、費用と時間に見合う効果が出ます。
2級・3級は通年で受験できるので、行政書士の仕事の閑散期に合わせて受けやすいのも利点です。
↑短期間でFPを取るならアガルート↑
そのほかの行政書士と相性の良い資格

5つの資格のほかにも、行政書士の仕事と相性の良い資格があります。
行政書士のダブルライセンスおすすめ⑥ 土地家屋調査士
土地家屋調査士は、土地や建物の表示に関する登記と、そのための調査・測量を仕事にする国家資格です。
農地転用や開発の許可(行政書士)と、土地の分筆や建物の表示登記(土地家屋調査士)は、同じ土地の手続きで続けて必要になります。
令和7年度の試験は、受験者4,824人のうち489人が最終合格しました。
民法の知識が生きますが、測量や作図の知識が必要になるのが特徴です。
筆記試験の午前の部は、測量士補・測量士・一級建築士・二級建築士の資格があると免除されます。
通信講座ごとの違いは『土地家屋調査士通信講座おすすめランキング』の記事で比べています。
測量や作図は独学だとつまずきやすいので、図面の書き方から講義で学べる通信講座を使うと進めやすくなります。
↑測量・作図から学べる通信講座↑
行政書士のダブルライセンスおすすめ⑦ 中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営の診断と助言を行う国家資格です。
補助金の申請書類の作成は行政書士の仕事になる場面が多く、事業計画づくりの助言ができる診断士の知識と相性が良い組み合わせです。
1次試験は例年8月、2次試験は10月に行われ、経営法務の科目で会社法などの知識が生きます。
1次試験は7科目で、科目ごとに合格を持ち越せる科目合格の制度があります。
通信講座ごとの違いは『中小企業診断士通信講座おすすめランキング』の記事で比べています。
1次試験の7科目に2次試験の事例問題まであるので、両方を通して対策できる通信講座を使うと、仕事と両立しやすくなります。
↑働きながら7科目を進めるなら↑
行政書士のダブルライセンスおすすめ⑧ 日商簿記2級
日商簿記2級は、商業簿記と工業簿記を学び、会社の会計と財務諸表の読み方を身につけられる検定です。
国家資格ではありませんが、行政書士の仕事のうち、建設業の分野で特に役に立ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 日本商工会議所・各地の商工会議所 |
| 試験の形式 | 統一試験(6月・11月・2月) ネット試験(随時) |
| 出題内容 | 商業簿記・工業簿記 |
| 合格率 | 統一試験15.1%(第173回・2026年6月) ネット試験32.9%(2025年度) |
出典:日本商工会議所「簿記 受験者データ」

統一試験の合格率は、回によって11%台から28%台まで大きく動きます。
ネット試験は30%台で推移していて、統一試験より結果が安定しています。
行政書士の仕事で簿記の知識が生きるのは、次のような場面です。
| 場面 | 簿記の知識が生きるところ |
|---|---|
| 建設業の許可申請 | 財務諸表から、自己資本などの財産的な要件を満たしているかを確かめる |
| 決算変更届 | 事業年度が終わってから4か月以内に出す決算の書類で、建設業用の財務諸表を作る |
| 経営事項審査 | 経営状況分析のもとになる財務諸表を読み、点数への影響を説明する |
| 補助金の申請 | 事業計画の売上や経費の見込みを、数字で組み立てる |
| 会社の設立 | 設立後の会計の流れを説明し、税理士へ橋渡しをする |
出典:当サイト作成
建設業の許可を持つ会社は毎年の決算変更届が欠かせないので、財務諸表に強い行政書士は続けて頼られます。
ただし、税務申告や税務書類の作成は税理士の独占業務なので、行政書士が引き受けることはできません。
簿記の知識は、許認可の書類に財務の数字を正しく落とし込むために使うと考えてください。
簿記2級から税理士を目指す道もあります。
税理士試験の簿記論と財務諸表論は、令和5年度の試験から受験資格がなくても受けられるようになりました。

僕も社労士に合格したあとに簿記を勉強しましたが、決算書が読めると、会社の相談の中身がぐっと分かるようになります。
簿記2級を短期間で取りたい人には、フルカラーのテキストで学べるフォーサイトの簿記講座があります。
↑簿記2級を短期間で取るならフォーサイト↑
ネット試験の受け方は『簿記2級のネット試験(CBT)とは?』、合格した後の進み方は『簿記2級に合格したら次にやること』の記事で解説しています。
行政書士のダブルライセンスおすすめ⑨ 社会福祉士
社会福祉士は、福祉に関する相談援助を行う国家資格です。
障害福祉サービスや介護サービスの事業所の指定申請は行政書士の仕事で、福祉の現場を知っていることが依頼人の安心につながります。
成年後見の分野でも、福祉の知識と書類作成の両方を生かせます。
社会福祉士の国家試験を受けるには、福祉系の大学で指定科目を学ぶか、養成施設を修了するなどの条件があります。
行政書士のダブルライセンスおすすめ⑩ 弁理士
弁理士は、特許や商標などの知的財産の出願手続きを代理する国家資格です。
弁理士となる資格がある人は、行政書士法第2条により、試験を受けずに行政書士として登録できます。
契約書の作成と知的財産の手続きを一緒に引き受けられるので、企業法務に強い事務所を目指す人に向いた組み合わせです。
弁理士試験は短答式・論文式・口述の3段階で、行政書士試験より難しい試験です。
試験の難しさは『弁理士試験の難易度は?』、講座の比べ方は『弁理士通信講座おすすめランキング』の記事で解説しています。
短答・論文・口述と段階が多い試験なので、段階ごとの対策がそろった通信講座で学ぶと、勉強の順番に迷いません。
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⑥〜⑩の資格を、行政書士の仕事との重なりで整理すると次のとおりです。
| 資格 | 行政書士の仕事と重なる場面 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 土地家屋調査士 | 農地転用・開発許可の後の分筆や表示登記 | 土地の手続きを一つの窓口で受けたい人 |
| 中小企業診断士 | 補助金の申請と事業計画づくり | 経営の相談まで受けたい人 |
| 日商簿記2級 | 建設業の許可の更新や経営事項審査 | 建設業の許認可を専門にしたい人 |
| 社会福祉士 | 障害福祉・介護サービスの指定申請、成年後見 | 福祉の分野を専門にしたい人 |
| 弁理士 | 契約書の作成と知的財産の手続き | 企業法務に強くなりたい人 |
出典:当サイト作成

⑥〜⑩は、行政書士の中で「どの分野を専門にするか」が決まっている人ほど役に立つ資格です。専門にしたい分野から逆算して選びましょう。
行政書士のダブルライセンスで収入はどう変わる?
ダブルライセンスで収入が変わる一番の理由は、「1回で終わる仕事」に「続く仕事」が加わることです。
行政書士の仕事は、許認可の申請など1件ごとに報酬を受け取るものが中心です。1件の単価は高くても、同じ依頼人から毎月依頼が来るわけではありません。
社労士や税理士の顧問契約を組み合わせると、毎月決まった収入が入るので、売上の波を小さくできます。
司法書士や宅建士との組み合わせでは、相続や不動産の取引で1件あたりの受注額を大きくできます。

どの組み合わせも、資格を足しただけで収入が増えるわけではありません。両方の仕事を案内できる窓口を作ることが大切です。
行政書士単独の年収の現実は『行政書士の年収』の記事で詳しく解説しています。
【場面別】行政書士とほかの士業の仕事の分担
ダブルライセンスの価値は、実際の手続きの流れで見るとよく分かります。
ここでは、依頼が多い「会社の設立」と「相続」の2つの場面で、どの士業がどの手続きを担当するかを整理します。
行政書士とほかの士業の分担① 会社の設立
| 手続き | 担当する士業 |
|---|---|
| 定款の作成と認証の手続き | 行政書士(司法書士も可) |
| 会社の設立登記 | 司法書士 |
| 税務署への設立の届出 | 税理士 |
| 社会保険・労働保険の加入手続き | 社労士 |
| 建設業や飲食店などの許可申請 | 行政書士 |
出典:当サイト作成
会社の設立では、登記の前後で4つの士業の仕事が続けて発生します。
行政書士と社労士を両方持っていれば、設立後の許可申請から従業員の社会保険の手続きまで、1つの窓口で引き受けられます。
行政書士とほかの士業の分担② 相続
| 手続き | 担当する士業 |
|---|---|
| 相続人の調査と遺産分割協議書の作成 | 行政書士(司法書士・弁護士なども可) |
| 不動産の相続登記 | 司法書士 |
| 相続税の申告 | 税理士 |
| 遺族年金の請求 | 社労士 |
| 相続した不動産の売却の仲介 | 宅建業者(宅建士が重要事項を説明) |
出典:当サイト作成
相続登記は令和6年4月1日から義務になり、不動産を相続した人は登記の申請が必要になりました。
遺産分割協議書を作る行政書士と、登記を申請する司法書士の組み合わせは、相続の依頼をまとめて受けやすい組み合わせです。

相続の相談は、最初に話を聞いた専門家にまとめて頼みたいという人が多いです。ダブルライセンスなら、ほかの事務所を紹介する手間がなくなります。
【目的別】行政書士と組み合わせるならこの資格
どの資格を足すべきかは、どんな仕事をしたいかで変わります。
目的ごとのおすすめをまとめます。
| 目的 | おすすめの資格 | 理由 |
|---|---|---|
| 開業して法人の顧客を増やしたい | 社労士、税理士 | 設立後も毎月の手続きや顧問契約が続く |
| 相続の分野で一番になりたい | 司法書士、FP、税理士 | 遺産分割協議書から登記、相続税まで一緒に扱える |
| 不動産業界で働きたい | 宅建士、土地家屋調査士 | 免許申請や農地転用と、取引・登記をつなげられる |
| 建設業の許認可に強くなりたい | 社労士、日商簿記2級 | 社会保険の要件と経営事項審査の財務諸表に対応できる |
| 福祉・介護の分野で働きたい | 社会福祉士、社労士 | 事業所の指定申請と、職員の労務管理を一緒に支えられる |
| 企業法務に強くなりたい | 中小企業診断士、弁理士 | 補助金や知的財産と、契約書の作成を組み合わせられる |
出典:当サイト作成

迷ったら、自分がいま働いている業界と近い資格から選ぶと、すぐに仕事に生かせます。
会社で働きながら資格を生かしたい人は、行政書士の求人の探し方も『行政書士の求人の探し方』の記事で確認しておくと安心です。
ほかの資格を持っている人が行政書士を足すパターン
すでにほかの資格を持っていて、行政書士を足すことを考えている人も多いはずです。
宅建士の人が行政書士を足す場合
宅建士の勉強で身についた民法の知識は、行政書士試験でも配点の大きい科目に生きます。行政書士試験は300点満点のうち民法が76点を占めるので、宅建士の経験は大きな武器になります。
不動産会社で働く人なら、宅建業の免許申請や農地転用の手続きを自分で扱えるようになります。
社労士の人が行政書士を足す場合
社労士の顧問先から、許認可や外国人の在留資格の相談を受けることは少なくありません。
行政書士の資格があれば、そうした相談を他の事務所に回さず、自分で引き受けられます。
外国人の依頼人が増えるなか、資格の組み合わせに英語力を足すのも1つの方法です。詳しくは『行政書士に英語力は必要?』の記事で解説しています。

社労士の僕から見ても、行政書士は顧問先の相談に幅を持たせてくれる資格です。
公務員として長く働いた人の場合
公務員として行政事務に20年以上(高卒者などは17年以上)従事した人は、行政書士法第2条により、試験を受けずに行政書士となる資格があります。
退職後に行政書士として開業し、ほかの資格と組み合わせる人もいます。
行政書士になる6つの方法は『行政書士になるには』の記事で詳しく解説しています。
行政書士の最強トリプルライセンスの組み合わせ

ダブルライセンスの先に、3つ目の資格を足す人もいます。
3つ目を足すと、1人の依頼人の手続きを、ほぼ自分の事務所だけで引き受けられるようになります。
よく検索されている組み合わせを、得意になる分野ごとにまとめます。

| 組み合わせ | 得意になる分野 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 行政書士×宅建士×社労士 | 不動産会社の開業支援から、従業員の雇用と社会保険まで | 不動産業界や中小企業を相手にしたい人 |
| 行政書士×司法書士×宅建士 | 不動産と相続を、許可・登記・取引まで一貫して扱える | 不動産や相続に特化した事務所を作りたい人 |
| 行政書士×社労士×司法書士 | 会社の設立登記から許認可、雇用、労務までまとめて支えられる | 法人の顧客を長く抱えたい人 |
| 行政書士×社労士×FP | 会社の手続き、人の手続き、お金の相談をつなげられる | 個人と中小企業の両方を相手にしたい人 |
| 行政書士×社労士×税理士 | 許認可、労務、税務と、会社のバックオフィスをまるごと任せてもらえる | 総合事務所を目指す人 |
| 行政書士×宅建士×FP | 不動産の取引と、住宅購入や相続のお金の相談を一緒にできる | 不動産業界で働きながら独立も考えたい人 |
出典:当サイト作成
行政書士×宅建士×社労士のトリプルライセンス
3つとも働きながら目指しやすく、検索でも特に多い組み合わせです。
宅建士で民法と不動産、行政書士で許認可、社労士で労務と社会保険をカバーできます。
不動産会社の開業支援なら、宅建業の免許申請と、従業員を雇うときの社会保険の手続きをまとめて引き受けられます。
試験は宅建士が10月、行政書士が11月、社労士が8月なので、1年に1つずつ順番に受けやすい組み合わせです。
社労士は受験資格が必要ですが、行政書士に合格すればその条件を満たせます。
| 順番 | 資格(試験の時期) | この段階でできるようになること |
|---|---|---|
| 1つ目 | 宅建士(10月) | 民法の基礎を作り、不動産の取引に関われる |
| 2つ目 | 行政書士(11月) | 行政法と許認可を学び、社労士の受験資格も満たす |
| 3つ目 | 社労士(翌年8月) | 労働法と社会保険を学び、顧問契約につなげる |
出典:当サイト作成

行政書士×司法書士×宅建士のトリプルライセンス
不動産と相続を、許可・登記・取引まで一貫して扱える組み合わせです。
農地転用の許可は行政書士、所有権移転の登記は司法書士、売買の重要事項説明は宅建士と、1つの土地の手続きを1つの窓口で受けられます。
相続登記が令和6年4月1日から義務になり、相続した不動産の名義変更から売却までをまとめて頼みたい人が増えています。
3つとも民法が中心になるので、勉強の範囲が一番重なる組み合わせです。
ただし司法書士は合格率5.2%(令和7年度)と難しいので、宅建士と行政書士を先に取り、最後に司法書士に挑む順番が現実的です。
行政書士×社労士×税理士のトリプルライセンス
許認可・労務・税務と、会社のバックオフィスをまるごと任せてもらえる組み合わせです。
社労士と税理士はどちらも顧問契約になりやすく、毎月の収入が安定します。
税理士は5科目に合格する必要がある試験で、令和7年度に5科目すべてに合格した人は527人でした。
税理士の資格があれば試験を受けずに行政書士になれるので、税理士を目指す人が行政書士の登録を足すパターンもあります。
行政書士×社労士×司法書士のトリプルライセンス
会社の設立登記から許認可、雇用、労務までまとめて支えられる組み合わせです。
会社を作るときは、定款の作成、設立登記、社会保険の新規加入の手続きが続けて発生します。
3つの資格があれば、この流れをほかの事務所に回さずに引き受けられます。
司法書士と社労士はどちらも合格率が1割を切る試験なので、取り切るには長期の計画が必要です。
行政書士×社労士×FPのトリプルライセンス
会社の手続き、人の手続き、お金の相談をつなげられる組み合わせです。
年金や保険の知識は、社労士とFPで重なる部分が多くあります。
FP2級・3級は通年のCBT方式で受けられるので、社労士の試験が終わった秋以降にも予定を組みやすい資格です。

僕は社労士とFP2級を持っていて、年金や保険の相談では両方の知識を使っています。行政書士を足すと、遺言や相続の書類まで一緒に受けられます。
行政書士×宅建士×FPのトリプルライセンス
不動産の取引と、住宅購入や相続のお金の相談を一緒にできる組み合わせです。
宅建士の令和7年度の合格率は18.7%で、行政書士の14.54%より高い試験です。
FPは独占業務がないぶん、行政書士と宅建士の相談の幅を広げる役割を果たします。
3つとも比較的取りやすく、不動産業界で働きながら独立も考えたい人に向いています。
トリプルライセンスは、資格の数より「どの分野で一番になるか」を決めてから選ぶことが大切です。

資格を集めることが目的になると、肝心の仕事につながりません。
行政書士のダブルライセンスを取る順番と注意点

ダブルライセンスの注意点① まずは行政書士を最優先に取る
これから資格を組み合わせたい人は、まず行政書士に合格することを優先してください。
行政書士試験は憲法、民法、行政法などの法律科目を幅広く学ぶ試験なので、ほかの法律系資格の土台になります。
さらに行政書士試験に合格すれば、社労士試験の受験資格も手に入ります。
行政書士の通信講座は『行政書士通信講座おすすめランキング』の記事で比べています。
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ダブルライセンスの注意点② 試験の時期が重ならない組み合わせを選ぶ
同じ年に2つの試験を受けるなら、試験の時期がずれている組み合わせを選びます。

司法書士は7月、社労士と税理士は8月、宅建士は10月、行政書士は11月に試験があります。
宅建士と土地家屋調査士は同じ日になる年があるので、同じ年に両方を受ける計画は立てにくくなります。

行政書士の試験が終わった11月から次の資格の勉強を始めると、翌年の夏の試験に間に合わせやすくなります。
行政書士に合格した後のダブルライセンスの学習計画
行政書士試験は11月に行われ、合格発表は翌年1月です。
試験が終わった11月から次の資格の勉強を始めると、翌年の試験に向けて9か月前後の時間を確保できます。
| 次の資格 | 試験までの期間(11月から) | 計画の立て方 |
|---|---|---|
| 社労士 | 約9か月(8月) | 年明けまでに労働法の基礎、春から社会保険法、夏は過去問と模試 |
| 宅建士 | 約11か月(10月) | 民法は復習程度にして、宅建業法と法令上の制限を中心に |
| 司法書士 | 約8か月(7月) | 1年で受かる試験ではないので、2年計画で登記法から固める |
| FP2級 | 随時(CBT方式) | 行政書士の合格発表を待つ間に3級、春に2級を受ける |
出典:当サイト作成
いずれも、行政書士試験で身についた毎日の勉強の習慣を切らさないことが一番のポイントです。
ダブルライセンスの注意点③ 登録費用と会費もそれぞれかかる
士業の資格は、名乗って仕事をするために、それぞれの会に登録して会費を払う必要があります。
ダブルライセンスで登録すれば、その分だけ登録費用と毎年の会費が増えます。
すぐに使わない資格は、合格だけしておいて、必要になったときに登録するのも一つの方法です。
ダブルライセンスの注意点④ 資格を取ること自体を目的にしない
ダブルライセンスで活動する行政書士は珍しくなくなり、資格を持っているだけでは差がつきにくくなっています。
どんな依頼人の、どんな困りごとを解決したいのかを先に決め、そのために必要な資格を足していくことが成功の近道です。
行政書士の資格の取り方から登録・開業までの流れは『行政書士になるには』の記事で解説しています。
次の資格はどの講座で学ぶ?資格別の選び方

ダブルライセンスの勉強は、仕事をしながら進める人がほとんどです。
次の資格ごとに、講座を選ぶときのポイントをまとめます。
| 次の資格 | 講座選びのポイント | この記事で紹介した講座 |
|---|---|---|
| 社労士 | 科目ごとに基準点があるので、苦手科目を作らない教材と質問のしやすさで選ぶ | フォーサイト (令和7年度の受講生合格率63.0%) |
| 司法書士 | 出題範囲が広いので、出るところに絞ったカリキュラムと長期の計画で選ぶ | クレアール (非常識合格法) |
| 税理士 | 簿記論・財務諸表論から始めて、科目合格を積み上げる計画を立てやすい講座を選ぶ | クレアール |
| 宅建士 | 民法は復習程度にして、宅建業法と法令上の制限に時間を回せる講座を選ぶ | アガルート (入門カリキュラム/ライト54,780円) |
| FP | 3級から2級へ、CBT方式の日程に合わせて短期間で進められる講座を選ぶ | アガルート |
| 土地家屋調査士 | 測量や作図でつまずかないよう、図面の書き方まで講義で学べる講座を選ぶ | アガルート |
| 中小企業診断士 | 1次の7科目と2次の事例問題を、通して対策できる講座を選ぶ | アガルート |
| 日商簿記2級 | 統一試験とネット試験のどちらにも対応し、工業簿記まで手が回る講座を選ぶ | フォーサイト |
| 弁理士 | 短答・論文・口述の3段階に合わせた講座がそろっているかで選ぶ | アガルート |
出典:各社の公式サイトの情報をもとに当サイト作成
講座によっては、教育訓練給付制度の対象になっているものがあります。
条件を満たして修了すれば受講料の一部が戻ってくるので、申込みの前に講座のページで対象かどうかを見ておきましょう。
値段だけで決めず、質問できる回数や記述の添削があるかまで見比べておくと、途中で困りにくくなります。

行政書士の勉強で講座を使った人は、同じ会社の講座を続けて使うと、教材の作り方に慣れているぶん進めやすいですよ。
ダブルライセンスの勉強を続けるコツ

2つ目の資格は、1つ目より「続けること」が難しくなります。
仕事や開業の準備と同時に進めることが多いからです。
合格した直後の勢いをそのまま使う
1つ目の試験が終わった直後は、勉強の習慣が一番身についている時期です。
合格発表を待たずに、次の資格のテキストを1冊読み始めると、習慣を切らさずに済みます。
過去問を中心に回す
どの資格でも、出題の形と頻出の論点は過去問に表れます。
テキストを最初から完璧に覚えようとせず、過去問を解いてからテキストに戻る順番のほうが、働きながらでも効率よく進められます。
1年に1つの資格に絞る
2つの試験を同じ年に受けると、どちらも中途半端になりやすくなります。
試験の時期がずれている資格でも、本命を1つ決めて、もう1つは翌年に回すほうが合格に近づきます。
スキマ時間をあてる科目を決めておく
通勤や昼休みのような短い時間は、暗記中心の科目にあてると無駄がありません。
まとまった時間がとれる休日は、過去問を本番と同じ時間で解く練習にあてます。

僕は社労士に合格するまで3回受験しました。遠回りしたからこそ、1年に1つに絞って過去問を回すやり方が一番の近道だと感じています。
行政書士のダブルライセンスが向いている人・向いていない人
ダブルライセンスは、だれにでもおすすめできるわけではありません。
次の表で、自分がどちらに近いかを確かめてください。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 開業して、依頼人の手続きをまとめて引き受けたい人 | まだ行政書士試験に合格していない人 |
| 分野を決めて、専門性を打ち出したい人 | どの分野の仕事をしたいかが決まっていない人 |
| 顧問契約などで、毎月の収入を安定させたい人 | 登録費用や会費の負担を抑えたい人 |
出典:日本行政書士会連合会・各都道府県の行政書士会の案内をもとに当サイト作成
まだ行政書士に合格していない人は、ダブルライセンスより先に行政書士の合格に集中するのが近道です。
2つの試験を同時に勉強すると、どちらも中途半端になりやすいからです。

行政書士の勉強で身につけた民法や行政法の知識は、社労士や司法書士の勉強でも土台になります。まずは1つ目の合格を確実に取りにいきましょう。
行政書士のダブルライセンスに関するよくある質問
行政書士のダブルライセンスおすすめまとめ
【この記事のまとめ】
・会社の設立から労務まで支えるなら、社労士との組み合わせが最強
・不動産と相続に強くなるなら、司法書士か宅建士
・1つ目に取りやすいのは、民法が生きて合格率も高い宅建士
・税理士や弁理士の資格があれば、試験なしで行政書士に登録できる
・同じ年に受けるなら、試験の時期がずれる組み合わせを選ぶ
・資格の数より、どの分野で一番になるかを先に決める
行政書士の資格は、それだけでも多くの仕事を引き受けられる資格です。
そこに相性の良い資格を足せば、依頼人に選ばれる理由がはっきりします。
まだ行政書士に合格していない人は、まず行政書士の合格を最短で目指しましょう。
↑行政書士の講座選びに迷ったらアガルート↑
関連記事:社労士のダブルライセンスおすすめ10選(社労士から見た組み合わせ)
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