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監査法人トーマツはやばい?デロイトトーマツの評判の実態を解説【会計士の転職】

公認会計士

「監査法人トーマツ やばい」

その言葉で出てきたページを、たぶん半分も読まずに閉じたのではないでしょうか。

監査法人の話とコンサルの話が混ざっていて、どれが自分の行き先の話なのか分からないからです。

僕はひのと言います。

社会保険労務士をしながら、本業では会社の管理部門で給与計算と人件費の管理を担当しています。僕は公認会計士ではありませんし、監査法人で働いた経験もありません。

ひの
ひの

ただ、トーマツの名刺なら3種類受け取ったことがあります。有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツコンサルティング、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー。ロゴは同じで、会社が違って、請求書の宛名も単価も別でした。

【各トーマツの違い】
・往査に来るのが監査法人トーマツ
・決算の早期化を提案しに来るのがコンサル
・M&Aの話を持ってくるのがファイナンシャルアドバイザリー

です。

僕のように支払う側にいると、この3つがまったく別の会社だと嫌でも分かります。ところが外から見ていると、全部まとめて「トーマツ」に見えます。

口コミが噛み合わないのも、評判が人によって真逆になるのも、かなりの部分がここから来ています。

監査法人トーマツを数字で見ると
1,425億円
業務収入(第59期)
2025年6月〜2026年5月。前期から9.8%増
3,215社
監査関与会社数
2025年5月末日現在
1,058社
うち大会社等
内訳を公表している法人のなかで最多
6,241名
総人員数
2026年2月末日現在
出典:有限責任監査法人トーマツ「業務及び財産の状況に関する説明書類」、デロイト トーマツ グループ「有限責任監査法人トーマツ 法人案内」

この4つの数字が、そのまま「やばい」と言われる中身につながっています。

【この記事でわかること】
・監査法人トーマツが『やばい』と言われる5つの理由と、その中身
・トーマツがBIG4でいちばん広く張っている理由
・デロイトトーマツグループと監査法人トーマツの違い
・繁忙期、離職率、年収の目安と、BIG4のなかでの立ち位置
・向いている人と向いていない人、面接で聞くべき6つ、辞めた人の行き先

ひの
ひの

数字で言えることと、言えないことははっきり分けて記事を書きたいと思います。

ひとつ先に言わせてください。この記事を最後まで読んでも、あなたの経歴にいくらの提示が出るのかは分かりません。

それが分かるのは、いま実際に会計士へ求人を出している会社と話したときだけです。

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  1. この記事の執筆者の信頼性
  2. 監査法人トーマツが『やばい』と言われる5つの理由
    1. トーマツがやばい理由① デロイトのコンサルと混ざって、実態がつかめない
    2. トーマツがやばい理由② 拠点17か所。転勤の可能性がいちばん高い
    3. トーマツがやばい理由③ 上場大企業のクライアントが多い
    4. トーマツがやばい理由④ 非監査業務が4分の1を占める
    5. トーマツがやばい理由⑤ 法人が伸びていて、中の変化が読めない
  3. 【最新】監査法人トーマツの業務収入は1,425億円
    1. トーマツなどの伸びている法人に入るということ
  4. データで見る監査法人トーマツの規模
    1. 監査法人トーマツの被監査会社は3,215社
    2. 上場まわりの仕事量は770社。BIG4で2番目
  5. 監査法人トーマツはBIG4で最も大企業に寄り
    1. 1人あたりで割ると、トーマツは真ん中より下
  6. デロイトトーマツグループと監査法人トーマツは別の会社です
    1. トーマツの口コミが混ざる仕組み
    2. トーマツの口コミで繰り返し出てくる3つの話
    3. トーマツはグループ内で移れるのは、実は大きい
  7. 監査法人トーマツの繁忙期はいつ来るのか?
    1. トーマツだけは、法人自身の決算も5月末に来ます
  8. 監査法人トーマツの離職率と、辞めたくなる人
    1. 公認会計士のキャリアは、出ることが前提で作られています
    2. 監査法人トーマツで辞めたくなる3つのケース
  9. 監査法人トーマツに入る難易度と年収の目安
    1. 監査法人トーマツに入社する難易度 ~公認会計士試験という関門~
    2. 監査法人トーマツから退社する難易度 ~転職市場からは歓迎されます~
    3. 監査法人トーマツの年収目安
    4. 公認会計士には修了考査という、もうひとつの関門があります
  10. BIG4のなかでの監査法人トーマツの立ち位置
  11. 監査法人トーマツに向いている人と向いていない人
  12. 監査法人トーマツの面接で聞いておきたい6つのこと
  13. 監査法人トーマツを辞めた人が向かう3つの転職先
    1. 1.事業会社の経理・経営企画
    2. 2.FAS・コンサル
    3. 3.他の監査法人・独立
  14. 監査法人トーマツの残業と36協定の上限
    1. 日本の時間外労働の上限は、法律で決まっています
    2. 繁忙期の2か月に、実際に何が起きているか
    3. 面接で36協定を聞くと、何が分かるか
  15. 監査法人トーマツで3年働くと、何が残るのか
  16. 監査法人トーマツについてよくある質問
  17. まとめ

この記事の執筆者の信頼性

僕はひのと言います。

【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)

項目内容
本業事業会社の管理部門(給与計算・社会保険事務・人件費管理)
監査法人との関わり被監査会社側として決算ごとに証憑を用意し、往査に対応
コンサルとの関わりデューデリジェンスや決算早期化の案件で、発注し支払う側
採用との関わり中途採用に同席し、会計士の職務経歴書を読む側
資格社会保険労務士(令和元年合格・3回受験)、FP2級
書けないこと監査法人内部の人事評価や査定、特定個人の評判
この記事の立ち位置

僕は監査法人トーマツの中で働いたことはないので、法人内部の評価や査定の話はできません。

【この記事で書かないこと】
・監査法人トーマツの内部でしか分からない人事評価や査定の詳細
・特定の部署や個人を名指しした評判
・公表資料で裏の取れない離職率や年収の断定値
・過去の個別事案についての評価

この記事の数字は、すべて有限責任監査法人トーマツが公認会計士法にもとづいて公開している「業務及び財産の状況に関する説明書類」と、デロイトトーマツグループの公式サイトで確認しています。

ひの
ひの

往査に来た会計士の方に「いま何社くらい抱えているんですか」と聞くのが、僕の癖でした。日程を決めるときに、その答えで返信の速さがだいたい読めるからです。

監査法人トーマツが『やばい』と言われる5つの理由

監査法人トーマツが『やばい』と言われる5つの理由

「トーマツ やばい」という検索の裏側には、意味の違う5つが同じ言葉に押し込まれています。

【監査法人トーマツの『やばい』は5つに分かれる】
①デロイトのコンサルの話と混ざって、実態がつかめない
②拠点17か所。転勤の可能性がBIG4でいちばん広い
③上場大企業のクライアントが多く、監査が重い
④非監査業務が4分の1を占め、監査だけをやるつもりでも違う結果に
⑤法人が伸びていて、人の採用と育成が追いついていない

どれを気にしているのかで、この先の読み方が変わります。

トーマツがやばい理由① デロイトのコンサルと混ざって、実態がつかめない

これがいちばん多い誤解です。

検索結果に出てくる「トーマツはやばい」の多くは、デロイトトーマツコンサルティングの話です。監査法人トーマツとは別の会社で、仕事も評価テーブルも違います。

コンサルの残業時間の口コミを読んで監査法人を辞退する人がいて、逆に監査法人の落ち着いた口コミを読んでコンサルに入る人がいます。

ひの
ひの

うちに来ていたトーマツの3社は、担当者の雰囲気からして別物でした。同じロゴでも中の人は入れ替わりません。監査の人がコンサルの案件に出てくることは、基本的にありませんでした。

トーマツがやばい理由② 拠点17か所。転勤の可能性がいちばん高い

監査法人トーマツの事務所は、説明書類から17か所となっています。

EY新日本16か所、あずさ12か所、PwC Japan5か所。BIG4のなかで最も広く拠点を張っているのがトーマツです。

商圏が広いということは、行きたい土地で働ける可能性があるのと同時に、行きたくない土地に動かされる可能性もあるということです。

ひの
ひの

家庭の事情で動けない人にとっては、拠点が多いことがそのまま不安になります。ここは規模が大きいほど有利、が通じない数少ない項目です。

BIG4の国内拠点数
トーマツ
17か所
EY新日本
16か所
あずさ
12か所
PwC Japan
5か所
各法人の説明書類「事務所の概況」より。主たる事務所と従たる事務所の合計

トーマツがやばい理由③ 上場大企業のクライアントが多い

トーマツの被監査会社3,215社のうち、大会社等は1,058社です。

あずさは3,255社のうち954社。大会社等の内訳を公表している法人のなかでは、トーマツがいちばん多く抱えています。

大会社等は会計監査人の設置が義務づけられる規模の会社で、監査の手続も報告の期限も重くなります。社数が同じでも、中身が重いほうに寄っているということです。

ひの
ひの

被監査側にいると、往査の人数でクライアントの重さが分かります。3人で来る年と7人で来る年では、こちらの拘束時間も倍以上違いました。

トーマツがやばい理由④ 非監査業務が4分の1を占める

トーマツは第58期の業務収入129,788百万円のうち、非監査証明業務が34,006百万円。比率にして26.2%です。

PwC Japanの51.3%に次いでBIG4の2位で、あずさ24.6%、EY新日本19.2%を上回ります。監査だけをやるつもりで入っても、周りにかなりの数の非監査の案件が転がっている状態になります。

これを良い機会と取るか、余計な仕事と取るかで「やばい」の意味が逆になります。

業務収入に占める非監査証明業務の比率
PwC Japan
51.3%
トーマツ
26.2%
あずさ
24.6%
EY新日本
19.2%
各法人の説明書類より当サイト算出。非監査証明業務収入÷業務収入合計

トーマツがやばい理由⑤ 法人が伸びていて、中の変化が読めない

第59期の業務収入は142,548百万円で、前期から9.8%増えています。

伸びている法人は、案件も人も増えます。増えた案件に人の育成が追いつくかどうかは、外からは見えません。

ここでの「やばい」は、法人が危ないという意味ではありません。自分が入る部署がどの状態にあるのか読めない、という不安に近いです。

ひの
ひの

同じ『やばい』でも、①と③ではまったく別のことを言っています。自分がどれを気にしているのかを決めてしまうと、ここから先の読み方がずいぶん変わりますよ。

トーマツでは、配属される事務所と事業部で程度が変わります。法人全体の平均を何時間読んでも、自分が座るポジションの話は出てきません。それを知っているのは、いまその法人へ人を送り込んでいる人だけです。

監査法人の転職に特化したエージェントである「ヒュープロ」の担当者に聞いてみるのも1つの手段です。

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会計士・税理士に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」なら、BIG4それぞれの事業部ごとの募集状況や、直近の異動・退職の傾向まで把握しているので、口コミでは出てこない配属先の実態を確かめられます。登録は無料で、相談だけで終わってもかまいません。

【最新】監査法人トーマツの業務収入は1,425億円

【最新】監査法人トーマツの業務収入は1,425億円

監査法人トーマツの第59期(2025年6月1日から2026年5月31日)の業務収入は142,548百万円でした。

区分第58期(2025年5月期)第59期(2026年5月期)
監査証明業務95,782百万円104,615百万円
非監査証明業務34,006百万円37,933百万円
業務収入 合計129,788百万円142,548百万円
出典:有限責任監査法人トーマツ「業務及び財産の状況に関する説明書類」。内訳の合計は両期とも公表の合計と一致することを確認しています

金額にして12,760百万円、率にして9.8%の増加です。監査証明業務が9.2%、非監査証明業務が11.5%。非監査のほうが伸び率は高くなっています。

監査法人トーマツの業務収入の推移
第58期
1,298億円
第59期
1,425億円
説明書類の公表値を億円に換算(四捨五入)。第58期は2024年6月〜2025年5月、第59期は2025年6月〜2026年5月
ひの
ひの

発注する側から見ると、単価が上がったのか件数が増えたのかは請求書では分かりません。ただ、案件が増えている法人は担当者の入れ替わりが速くなります。これは経験的にほぼ当たります。

トーマツなどの伸びている法人に入るということ

業務収入が1年で9.8%増えるというのは、事業会社の管理部門の僕から見ると相当な伸びです。人件費を見ている立場から言うと、売上が1割増える年は、採用と教育が必ず後ろにずれます。

先に案件が増えて、あとから人が入る。そのあいだの数か月は、いまいる人が忙しくなります。これは入るタイミングによって、受け取る景色がまったく変わるということでもあります。

【伸びている法人で確かめたい3つ】
①直近1年で、その事業部の人数は増えたか減ったか
②増えた案件は、既存クライアントの深掘りか、新規の獲得か
③入所1年目に付く指導役は、いま何人を見ているか

データで見る監査法人トーマツの規模

データで見る監査法人トーマツの規模

口コミを読む前に、この法人がどれくらいの大きさなのかを知っておくと、見え方がかなり変わります。デロイトトーマツグループの公式サイトに、人員の内訳が区分ごとに出ています。

監査法人トーマツの総人員 6,241名の内訳
公認会計士(職員)
2,402名
その他専門職
2,149名
公認会計士試験合格者等
1,130名
社員(公認会計士)
453名
事務職
82名
特定社員
25名
出典:デロイト トーマツ グループ「有限責任監査法人トーマツ 法人案内」(2026年2月末日現在)。内訳の合計は6,241名で公表の総人員数と一致します

公認会計士は、社員453名と職員2,402名を合わせて2,855名です。試験合格者等1,130名を足すと3,985名で、総人員の6割を超えます。

残りはその他専門職2,149名と事務職82名。ITや税務の専門家、監査補助のスタッフがここに入ります。

この2,855名は2026年2月末日現在の数字です。このあとBIG4を1人あたりで比べますが、他の3法人と対象時期をそろえるため、説明書類の第58期(2025年5月末)の公認会計士2,714名を使います。

ひの
ひの

6,000人を超える組織になると、同じ法人名でも事務所とクライアント次第で見える景色がまるで違います。『トーマツはやばい』が当たっているかどうかは、どの事業部の話をしているかで決まってしまうんですよね。

監査法人トーマツの被監査会社は3,215社

監査関与会社は3,215社です(2025年5月末日現在)。

区分会社数
金融商品取引法及び会社法に基づく監査764社
金融商品取引法に基づく監査6社
会社法に基づく監査1,116社
学校法人に対する監査66社
労働組合に対する監査19社
その他の法定監査626社
法定監査以外の監査618社
合計3,215社
出典:有限責任監査法人トーマツ「業務及び財産の状況に関する説明書類」。内訳の合計は公表の計と一致することを確認しています

上場会社まわりの仕事量にあたるのが、上の2区分を合わせた770社です。一方で会社法監査1,116社、その他の法定監査626社、任意監査618社と、上場以外の幅も広いのが読み取れます。

学校法人66社と労働組合19社まで入っています。

ひの
ひの

配属されるクライアントによって、身につくものが変わります。上場会社の連結だけを見る人と、学校法人と中堅企業を回る人では、3年後の職務経歴書が別物になりますよ。

上場まわりの仕事量は770社。BIG4で2番目

7区分のうち、上の2つを合わせた数がおおよその上場会社まわりの仕事量になります。トーマツは764社と6社で770社。

金商法まわりの被監査会社数(金商法及び会社法+金商法)
EY新日本
857社
トーマツ
770社
あずさ
653社
PwC Japan
259社
各法人の説明書類より当サイト集計。2025年の公表値でそろえています

EY新日本の857社に次ぐ2番目で、あずさの653社を上回ります。ここにもトーマツの大企業への寄り方が出ています。

ひの
ひの

上場会社の監査は、期限が法律で決まっています。動かせない締切がある仕事を何社も持つと、その分だけ予定が固まっていきます。

この幅の広さは、場数を早く踏みたい人には武器になります。逆に、上場会社の連結だけを深く見たい人には、配属の運に左右される要素が増えることになります。

監査法人トーマツはBIG4で最も大企業に寄り

監査法人トーマツはBIG4で最も大企業に寄り

社数だけを並べると、BIG4はどこも3,000社前後で似たように見えます。差が出るのは、その中身のほうです。

法人被監査会社うち大会社等大会社等の比率
トーマツ3,215社1,058社32.9%
あずさ3,255社954社29.3%
EY新日本3,805社公表なし
PwC Japan1,447社322社22.3%
各法人の説明書類より。PwC Japanは監査の種別ごとに公表されている大会社等の数を合計した322社です。EY新日本は当該内訳を確認できませんでした
大会社等の社数(内訳を公表している法人)
トーマツ
1,058社
あずさ
954社
太陽
388社
PwC Japan
322社
東陽
88社
三優
84社
各法人の説明書類より。大会社等は会計監査人の設置が義務づけられる規模の会社を指します

大会社等が多いということは、監査の手続も、報告までの期限も、重いほうに寄っているということです。

同じ1社でも、上場企業の連結と非上場の会社法監査では、投入する時間が桁違いになります。

ひの
ひの

受ける側から言うと、大きい会社の監査ほど質問の数が増えます。子会社が20社あれば、20社分の確認が来る。担当する側の負荷も、そのまま比例します。

1人あたりで割ると、トーマツは真ん中より下

では社員の負荷そのものはどうなのか。被監査会社数を公認会計士の人数で割ると、法人全体の案件の密度が見えてきます。

1人あたりの被監査会社数(少ない順)
あずさ
1.08社
PwC Japan
1.15社
トーマツ
1.18社
EY新日本
1.24社
被監査会社数÷公認会計士数(社員+使用人)。各法人の説明書類より当サイト算出。第58期など2025年の公表値でそろえています

トーマツは1人あたり1.18社でBIG4の3番目。あずさの1人あたり1.08社より多く、EY新日本の1人あたり1.24社より少ない位置です。

この数字は「スタッフ1人が1.18社を担当している」という意味ではありません。社員も使用人も含めた公認会計士全員で割った値です。法人全体の案件密度を比べるための指標として見てください。

つまりトーマツの重さは、社数の多さではなく中身の重さから来ています。1,058社の大会社等を2,855名の公認会計士で見ている、という構造です。

ひの
ひの

人数で割った平均は、どの法人もそれほど変わりません。効いてくるのは、あなたが配属される事業部が何人で何社を持っているか。ここだけは面接で聞くしかないんです。

中小・準大手まで含めた1人あたりのランキングは中小監査法人ランキングの記事に、8法人ぶんまとめています。

デロイトトーマツグループと監査法人トーマツは別の会社です

デロイトトーマツグループと監査法人トーマツは別の会社です

「デロイトトーマツ」は、複数の法人が集まったグループの名前です。

監査を担当しているのが有限責任監査法人トーマツで、コンサルティングや財務アドバイザリーは別の会社が担当しています。

会社主な仕事会計士から見た位置づけ
有限責任監査法人トーマツ会計監査、IPO支援、内部統制監査公認会計士の主戦場。
この記事の対象
デロイトトーマツコンサルティング経営戦略、業務改革、IT導入会計士も入るが、監査とは別採用
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーM&A、デューデリジェンス、企業再生監査から移る人が多い行き先
デロイトトーマツ税理士法人税務申告、税務アドバイザリー税理士・会計士の税務キャリア
各社の公表情報をもとに当サイトで整理。同じブランドですが、それぞれ別の法人です
ひの
ひの

うちに来た3社は、契約書も請求書も別々でした。同じ打ち合わせに監査の人とコンサルの人が同席したことは一度もありません。独立性の関係で、そもそも同席できない場面もあります。

トーマツの口コミが混ざる仕組み

口コミサイトは会社ごとに分かれているのに、検索結果とSNSでは混ざります。

「デロイトは激務」という投稿の多くはコンサル側の話で、監査法人の繁忙期とは山の形が違います。コンサルの忙しさは案件が入った瞬間に来ますが、監査の忙しさは決算期に決まった形で来ます。

【トーマツの口コミを読むときの3点】
①どの会社の話か。監査法人か、コンサルか、ファイナンシャルアドバイザリーか
②いつの話か。投稿日ではなく、在籍していた時期
③どの事務所か。17か所あるので、東京の話が地方に当てはまるとは限らない

この3つが特定できない口コミは、参考程度に置いておくのが安全です。

ひの
ひの

採用に関わっていると、口コミの点数を見て辞退した人が、あとで同じ会社に応募し直してくる場面があります。他人の体験は、あくまで他人の配属先での話なんですよね。

トーマツの口コミで繰り返し出てくる3つの話

投稿を数多く読んでいくと、同じ話が何度も出てきます。

どれも公表資料では確かめられないので、事実としてではなく、面接で確かめる項目として扱ってください。

【監査法人トーマツの口コミで繰り返し出てくる話】
①リモートで働けるが、出社に戻す流れも見える
②中間層に業務が集中しやすい
③昇進や評価に時間がかかると感じる人がいる

①は、コロナ以降どの法人でも揺れている論点です。往査そのものは現地に行く仕事なので、監査法人は完全リモートにはなりません。

②は、規模が大きく案件が増えている法人ではどこでも起きます。第59期に業務収入が9.8%伸びたという事実は、この話と噛み合っています。

③は、6,241名という組織の大きさが背景にあります。母数が多いほど、上のポジションにいくまでの競争は長くなります。

ひの
ひの

口コミの点数そのものは、書いた人がいつどの事務所にいたかで簡単に上下します。ただ「何が起きているか」の記述は、たいてい公表されている数字と噛み合っています。

だから点数ではなく、本文を数字と突き合わせながら読むほうが役に立ちます。

数字で説明のつかない口コミは、その人固有の事情である可能性が高い。上司との相性の話を法人全体の話として受け取ると、判断を誤ります。

トーマツはグループ内で移れるのは、実は大きい

監査法人トーマツに入ると、監査からファイナンシャルアドバイザリーへ、あるいは税理士法人へ。転職ではなくグループ内の移動で領域を変えられる可能性があります。

外に出るより摩擦が小さく、監査で積んだ実務経験の扱いも相談しやすい。

ひの
ひの

FAの担当者に「前は監査にいました」という方が本当に多いです。数字の異常に気づく速さが違うので、あれは移って正解だったんだろうなと思います。

グループ内で移れるかどうかは、募集が出ているかどうかで決まります。そして、その募集は求人サイトには出てきません。

ヒュープロにグループ内の募集状況を無料で聞く

会計士・税理士に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」なら、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーやKPMG FASといったBIG4系ファームの求人も扱っているので、監査の外に出る場合の条件を具体的に確かめられます。登録は無料で、まだ動く気がなくても使えます。

監査法人トーマツの繁忙期はいつ来るのか?

監査法人トーマツの繁忙期はいつ来るのか?

年間の平均ではなく、山と谷の落差で見たほうが実態に近づきます。

被監査側から見た、監査法人の年間の波
1月
期中
2月
期中
3月
期末準備
4月
期末監査
5月
最繁忙
6月
総会
7月
落ち着く
8月
閑散
9月
四半期
10月
四半期
11月
落ち着く
12月
期中
色が濃いほど負荷が高い時期。当サイトが被監査側での実務経験をもとに作成(目安)

3月決算の会社が多い日本では、4月から5月に全監査法人の負荷がピークになります。監査法人は年中ずっと忙しいのではなく、2か月に極端に寄っている。これが監査法人の働き方の本質です。

ひの
ひの

人件費を見ていると、残業が多い部署ほど「山が読めているか」で消耗度が変わるのが分かります。決まった時期に決まった山が来るなら、人はわりと耐えられる。読めない残業のほうが、きついです。

トーマツだけは、法人自身の決算も5月末に来ます

監査法人にも自分の決算があります。トーマツの事業年度は6月1日から翌年5月31日です。つまりクライアントの期末監査がいちばん重い4月から5月に、法人自身の期末も重なります。

人事評価や人員配置の切り替えも、この時期を軸に動くことになります。

【監査法人トーマツの年度の区切り】
・法人の事業年度は6月1日から翌年5月31日
・3月決算クライアントの期末監査は4月から5月
・この2つが重なるため、6月が実質的な区切りになる
・退職や異動の話が動きやすいのも6月前後

ひの
ひの

被監査側にいたころ、担当変更の連絡が届くのは6月前後が圧倒的に多かったです。法人側の区切りも、やはりこのあたりにあるのだと思います。

時期監査法人側の動き被監査側から見えた様子
1月〜2月期中手続、四半期レビュー日程調整がしやすい。返信も早い
3月期末監査の準備、往査計画の確定資料依頼のリストが届き始める
4月〜5月期末監査の山。法人自身の期末も重なる夜と土曜に連絡が来る。日程が動かせない
6月監査報告書、株主総会対応、期の区切り担当変更の連絡が届く
7月〜8月閑散期。研修と有給平日の昼で打ち合わせが決まる
9月〜12月四半期レビュー、期中手続落ち着いているが、年末は再び詰まる
当サイトが被監査側での実務経験をもとに整理(目安)

監査法人全体の激務度と残業の目安は監査法人は激務?繁忙期の残業、BIG4と中小の違い、辞めどきの記事にまとめています。

転職して動く時期の決め方は公認会計士が監査法人から転職するタイミングはいつ?の記事が具体的です。

監査法人トーマツの離職率と、辞めたくなる人

監査法人トーマツの離職率と、辞めたくなる人

監査法人トーマツが離職率を単独で公表している一次資料は、確認できませんでした。

「離職率◯%」と断定している記事を見かけたら、その数字の出どころが書かれているかを必ず確かめてください。出典のない離職率は、ただの憶測です。推計値を法人別の実数のように並べている記事も見かけますが、根拠まで追えないものは判断材料になりません。

では何も分からないのかというと、そうではありません。会計士が監査法人を離れる理由は、構造としてかなりはっきりしています。

公認会計士のキャリアは、出ることが前提で作られています

公認会計士試験に合格した人の多くは、まず監査法人に入ります。実務経験を積み、修了考査を通って公認会計士として登録する。ここまでが共通ルートです。

その先には、事業会社の経理・財務、FASやコンサル、独立開業と、出口が色々とあります。

トーマツを辞める人が多いのは、労働環境が悪いからだけではありません。出口が豊富だからでもあります。

ひの
ひの

去年まで一緒に論点を詰めた担当者が、翌年の名簿から消えている。あれを見るたびに、僕は『あの人はいまどこにいるんだろう』と考えていました。

監査法人トーマツで辞めたくなる3つのケース

【監査法人トーマツで辞めたくなるのは、だいたい3つ】
①繁忙期明けに、次の1年が見えてしまったとき。
②担当クライアントが変わらなかったとき。
③被監査会社の経理部を見ていて、そちら側のほうが面白そうに見えたとき

①なら、環境を変えるより担当を変えるほうが早く効くことがあります。②と③は、転職したほうが解決します。

自分がどれなのかを見分けないまま動くと、次の職場で同じことが起こります。

辞めたくなる瞬間は、繁忙期には来ません
STEP 1
4月〜5月
走っている最中。考える余裕がない
STEP 2
6月
監査報告書が出て、最初の静かな週が来る
STEP 3
7月〜8月
「これをあと何年やるのか」が浮かぶ。相談が増える時期
STEP 4
9月以降
四半期が始まり、また忘れる。この周回が何年も続く
当サイトが被監査側・採用側での見聞をもとに整理(目安)

「これをあと何年やるのか」

会計士の転職相談が7月から8月に増えるのは、そういう理由によります。辞めた会計士がいまどこで何をして、いくら受け取っているのか。

それを知っているのは、実際に会計士の転職を成立させている人たちです。監査法人の転職に特化したエージェントである「ヒュープロ」の担当者に聞いてみるのも1つの手段です。

トーマツを辞めた会計士の行き先を無料で聞く

会計士・税理士に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」なら、監査法人から移った会計士の事例をまとめて持っているので、同じ職位・同じ時期に動いた人がどこへ行き、いくらの提示を受けたのかを具体的に聞けます。登録は無料で、転職を決めていない段階の相談でも大丈夫です。

監査法人トーマツに入る難易度と年収の目安

監査法人トーマツに入る難易度と年収の目安

監査法人トーマツの難易度は、入社するときと退社するときで別物です。

監査法人トーマツに入社する難易度 ~公認会計士試験という関門~

トーマツの定期採用の中心は公認会計士試験の合格です。

公認会計士の令和7年の合格率は7.4%、合格者は1,636名

この数字がそのままトーマツの入口の狭さになります。一方で中途採用では、IT監査や内部統制、アドバイザリー、コーポレート職といった枠もあります。

総人員6,241名のうち、その他専門職が2,149名、事務職が82名。会計士以外の入口が存在するのは、この数字からも分かります。

ひの
ひの

無資格からの正面突破は簡単ではありませんが、入口が1つしかないわけでもありません。IT監査は、事業会社の情報システム部門から移る人もいます。

監査法人トーマツから退社する難易度 ~転職市場からは歓迎されます~

採用側の実感として、トーマツのような大手監査法人出身という職歴は書類の段階でまず通ります。

【トーマツ出身者】
・会計基準を扱える
・期日に対する規律がある
・複数の会社の内側を見てきている

この3つは、事業会社の経理でもFASでも共通して欲しがられます。入社するのは難しいが、出るときは選べる側に回りやすい。これがBIG4のキャリア上の価値です。

監査法人トーマツの年収目安

法人別の年収を公表している一次資料はありません。BIG4の目安として、役職別のレンジが公開情報から整理されています。

監査法人の役職別 年収レンジ(BIG4・目安)
スタッフ 560〜600万円
シニアスタッフ 700〜880万円
マネージャー 896〜1,072万円
シニアマネージャー 1,088〜1,280万円
出典:マンパワーグループ公開情報をもとに当サイトで作成(あずさ・トーマツ・PwC・EY新日本の各水準の幅。いずれも目安)
区分目安
公認会計士・税理士の平均年収約797万円
監査法人以外で働く会計士の平均年収約960万円
経理職全体の平均年収約427万円
出典:職業情報提供サイト job tag(厚生労働省)、マンパワーグループ、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(会計事務従事者)

事業会社に移ると平均値だけ見れば下がるように見えますが、これは無資格者も含む経理職全体の平均です。会計士資格を持って上場企業の経理や経営企画に入る場合の水準とは別物になります。

ひの
ひの

人件費を見ている側から言うと、資格と実務経験がそろっている人の提示額は、社内の等級表を飛び越えることがあります。平均年収だけ見て諦めるのは、正直もったいない。

役職別・年代別の詳細は監査法人の年収は高い?役職別・BIG4別・年代別の実態の記事にまとめています。

公認会計士には修了考査という、もうひとつの関門があります

トーマツに入所したあとに待っているのが修了考査です。

実務経験と実務補習を積んだうえで受け、通ってはじめて公認会計士として登録できます。総人員の内訳で「公認会計士2,402名」と「試験合格者等1,130名」が分けて書かれているのは、この線引きがあるからです。

入所直後の数年は、繁忙期を回しながら修了考査の準備もする期間になります。

修了考査に通る前にトーマツを離れると、実務経験の積み方を自分で設計し直すことになります。辞める前に、日本公認会計士協会が公開している要件を自分の職歴に当てはめて確認してください。ここは転職先の人事に聞いても正確な答えは返ってきません。

ひの
ひの

入所2〜3年目の年収を見て「思ったより低い」と判断するのは早いです。修了考査後に一段上がるのが一般的な形ですから。

額面が同じでも、それを何時間で受け取るかで実質はまるで変わります。自分の経歴にいまいくらの提示が出るのかは、求人を見れば分かります。

監査法人に特化したヒュープロでぜひ求人を確認してみてください。(登録は無料)

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BIG4のなかでの監査法人トーマツの立ち位置

BIG4のなかでの監査法人トーマツの立ち位置

トーマツを選ぶか迷っている人の多くは、実際にはBIG4のどこかと比べているのではないでしょうか。

法人業務収入被監査会社公認会計士拠点
あずさ1,314億円3,255社3,011名12か所
トーマツ1,298億円3,215社2,714名17か所
EY新日本1,229億円3,805社3,061名16か所
PwC Japan842億円1,447社1,253名5か所
各法人の説明書類(2025年の公表値でそろえています)。トーマツは第58期。公認会計士は社員と使用人の合計で、特定社員は含みません
BIG4の業務収入(2025年・期をそろえた比較)
あずさ
1,314億円
トーマツ
1,298億円
EY新日本
1,229億円
PwC Japan
842億円
各法人の説明書類より。トーマツの第59期(1,425億円)は対象期間が1年新しいため、この比較には入れていません

上位3法人はほぼ横並びで、PwC Japanだけ規模が異なります。

トーマツの特徴は、収入でも社数でもなく、拠点17か所と大会社等1,058社という広がり方のほうにあります。

法人母体語られやすい特徴
あずさKPMG金融に強い。堅実と言われることが多い
トーマツデロイト拠点が多く地方も広い。非監査とグループ会社が近い
EY新日本EY被監査会社数が最多。幅広い業種
PwC JapanPwC非監査が過半。総合ファームに近い収益構造
この表はあくまで語られ方です。実際にどう感じるかは配属される事務所と事業部で決まります
ひの
ひの

法人名で選んだ人ほど、入ってから「思っていたのと違う」と言いがちです。逆に、事業部とクライアントで選んだ人は、多少きつくても納得して続けている。僕の見てきた範囲では、そういう差がはっきり出ています。

個別の法人については、あずさ監査法人はやばい?新日本監査法人はやばい?の記事に、同じ物差しで数字を並べてあります。

4法人の比較は四大監査法人はどこがいい?BIG4の規模・年収・社風の記事が入口になります。

パンフレットに並ぶ言葉は、どこの監査法人も驚くほど似ています。違いが出るのは、いま実際に募集している職種と条件のほうです。

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監査法人トーマツに向いている人と向いていない人

監査法人トーマツに向いている人と向いていない人

ここまでの数字を踏まえて、自分はどちら寄りだと感じたでしょうか。

【監査法人トーマツに向いている人】
・上場の大企業を早い年次から見たい
・監査以外の領域にも首を突っ込みたい
・地方勤務や転勤を前向きに受け止められる
・繁忙期の山があっても、時期が読めるなら耐えられる
・数年後にFASや事業会社へ出る前提で、土台を作りたい

【監査法人トーマツで苦しくなりやすい人】
・勤務地を動かしたくない事情がある
・監査だけに集中したい
・小さな会社を1社ずつ丁寧に見たい
・繁忙期と閑散期の落差そのものが苦痛
・すぐに裁量の大きいポジションに就きたい

向いていない側にチェックが多くても、あなたの会計の知識が無駄になるわけではありません。1社を深く見たい人は、準大手や中小監査法人のほうが合います。

勤務地を固定したい人は、拠点の少ない法人を選ぶほうが確実です。

ひの
ひの

向き不向きは能力の話ではなく、環境との噛み合わせの話です。同じ人が、法人を変えただけで評価が変わる場面を何度も見てきました。

準大手・中小の選び方は中小監査法人ランキングの記事に、大手準大手の8法人の数字を並べています。

監査法人トーマツの面接で聞いておきたい6つのこと

監査法人トーマツの面接で聞いておきたい6つのこと

採用側にいて思うのは、面接は評価される場であると同時に、こちらが相手を評価してよい場でもあるということです。

【監査法人トーマツの面接で聞くべき6つ】
①配属される可能性のある事務所はどこか。17か所のうちどれか
②将来の転勤の可能性と、その頻度
③その事業部が担当しているクライアントの決算月の分布
④大会社等の担当が何社あり、1チームは何人か
⑤非監査業務にどの程度関わることになるか
⑥入所3年目の人が、いまどんな仕事をしているか

とくに①と②です。

拠点17か所という数字は、あなたの生活にいちばん直結する項目になります。④も大事です。1人あたり1.18社という数字は法人全体の平均なので、現場の実数は面接で聞くしかありません。

ひの
ひの

こういう質問をする候補者を面倒だと思う採用担当を、僕は見たことがありません。むしろ長く働く前提で考えてくれている、と受け取ります。

面接で聞いたこと返ってきた答えの読み方
配属事務所即答できる=枠が決まっている。
濁す=調整中か、複数候補
転勤の頻度実績を年数で答えられる法人は、制度が動いている
決算月の分布3月に偏っているほど、4〜5月の山が高くなる
1チームの人数人数と社数を両方言える人は、現場を把握している
非監査の関与「希望次第」で終わるなら、実際は案件次第ということ
3年目の仕事具体的に語れないなら、育ち方も抽象的になります
当サイトが採用実務と面談での見聞をもとに整理

この6つを聞いて、全部にすらすら答えが返ってくるなら、その現場の状況を把握しています。どれかひとつでも濁されたら、それは入ったあとに自分で確かめるしかないということです。

監査法人トーマツを辞めた人が向かう3つの転職先

監査法人トーマツを辞めた人が向かう3つの転職先
ひの
ひの

往査に行くと、去年と名刺の肩書きが変わっている人に会います。監査法人側にも、被監査会社側にも、それは起きます。

6,241名の組織なので、毎年それなりの人数が動きます。転職してトーマツから出ていく先は、大きく3つに分かれます。

1.事業会社の経理・経営企画

いちばん人数が多い行き先です。

監査する側から、監査される側に回ります。決算を「見る」仕事から「作る」仕事に変わるので、最初の半年は別の職種に移ったのとほとんど同じ感覚になります。

往査で会った経理部長が、元・監査法人という会社は珍しくありません。

【楽になること】
往査の移動がなくなる。担当社数が1社になる。年間スケジュールが読める

【きつくなること】
四半期ごとに自分が締める。会計処理を決める責任が自分に来る。意見を言って帰ることができない

事業会社に移ったあと何が起きるかは会計士が事業会社に転職すると年収は下がる?の記事に詳しく書いています。

2.FAS・コンサル

M&Aのデューデリジェンス、バリュエーション、企業再生。

監査で身につけた財務諸表の読み方をそのまま持ち込めます。トーマツの場合、グループ内にデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがあるのが大きい。

外に出ずに領域だけを変えるという選択肢が、他の法人より近いところにあります。

ただし繁忙期の形が変わるだけで、忙しさそのものは消えません。監査の山は3月と5月に来ますが、FASの山は案件が入った瞬間に来ます。

ひの
ひの

デューデリジェンスで来た会計士の方は、こちらが出した資料の不備を的確に突いてきました。あの技術はそのまま監査で培ったものです。だからFASは、移ってすぐ戦力になれるんですよね。

3.他の監査法人・独立

監査という仕事自体は嫌いではないけれど、クライアントの規模や進め方を変えたい。その場合は法人を移るだけで解決することがあります。

中小監査法人では1人が担当する範囲が広く、若いうちから全体を見られる環境もあります。

独立は、収入の振れ幅がいちばん大きく、上限もありません。

行き先増えるもの減るもの向いている人
事業会社の経理・経営企画予定が立つ生活、数字を作る手応え担当社数の多様さ、監査の専門性の伸び1社を最後まで見届けたい人
FAS・コンサル案件の幅、意思決定への距離の近さ年間スケジュールの読みやすさ踏み込んで提案したい人
他の監査法人担当の幅、若いうちの裁量大手の看板と研修体制監査は続けたい人
独立裁量と収入の上限安定した給与と組織の後ろ盾営業から自分でやりたい人
当サイトが職務経歴書と面談での見聞をもとに整理(目安)

監査法人の中にいると、外の求人がどうなっているかが本当に見えません。往査先の経理部が何人体制で、どんな人を探しているか、監査調書には書いていません。

監査法人に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」で、ぜひ求人を確認してみてください。(登録は無料)

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会計士・税理士に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」なら、事業会社の経理・経営企画からFAS、会計事務所まで会計士向けの求人を幅広く扱っていて、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーやKPMG FASといったBIG4系ファームの募集も見られます。登録は無料なので、辞める前に自分がどう評価されるのかを確かめられます。

【監査法人トーマツの辞めどきの目安】
業種の違う会社を2〜3社担当し、期首から期末まで1周した経験が2回以上あれば、転職先を自分で選べる側です。

監査法人トーマツの残業と36協定の上限

監査法人トーマツの残業と36協定の上限

繁忙期の残業について、口コミの数字を並べても答えは出ません。投稿した人の職位も事務所も分からないからです。

かわりに制度の側から見ると、線がどこにあるのかははっきりしています。ここは僕の本職です。

日本の時間外労働の上限は、法律で決まっています

労働基準法では、時間外労働の上限が定められています。

原則は月45時間・年360時間。これを超えて働かせるには、36協定に特別条項を付ける必要があります。特別条項を付けた場合でも、超えられない線があります。

【時間外労働の上限(労働基準法)】
・原則:月45時間、年360時間
・特別条項を付けた場合でも、年720時間以内
・時間外と休日労働の合計で、単月100時間未満
・時間外と休日労働の合計で、複数月の平均80時間以内
・月45時間を超えられるのは、年6か月まで

監査法人の繁忙期が4月と5月の2か月に寄っているのは、この「年6か月まで」とも関係があります。山を2か月に集中させれば、残りの10か月は原則の枠内で回せるからです。

ひの
ひの

給与計算をしている側から言うと、36協定の特別条項をどう設計しているかで、その会社の働き方はだいたい読めます。年6回を使い切る前提の会社と、2回で収める会社では別物です。

繁忙期の2か月に、実際に何が起きているか

単月100時間未満という線は、1か月で見ると相当な量です。

月20日勤務なら、1日あたり5時間の時間外。定時が18時なら23時前後まで、という計算になります。複数月平均80時間以内という条件もあるので、4月と5月を両方100時間近くにすることはできません。

どこかで落とす必要があり、そのぶんが6月以降の調整に回ります。

ここに書いたのは法律上の上限であって、監査法人トーマツの実際の残業時間ではありません。法人が残業時間を公表している一次資料は確認できませんでした。上限の枠組みを知ったうえで、実数は転職エージェントの担当者や面接で聞いてください。

面接で36協定を聞くと、何が分かるか

36協定は、事業場ごとに労使で結んで労働基準監督署に届け出るものです。つまり事務所ごとに内容が違う可能性があります。

【監査法人トーマツの面接で労働時間を聞く3つの聞き方】
×「残業は多いですか」→ 主観の答えしか返りません
○「36協定の特別条項は、年に何回まで想定していますか」
○「配属予定の事業部で、直近の繁忙期の平均残業時間は何時間でしたか」
○「みなし残業が含まれている場合、何時間ぶんですか」

3つ目のみなし残業は、額面の見え方を大きく変えます。

同じ年収600万円でも、45時間ぶんが含まれているのと、20時間ぶんなのとでは、時間あたりの単価が変わります。

確認する場所どこで見るか何が分かるか
36協定の特別条項面接で質問する繁忙期をどれくらいの長さで想定しているか
みなし残業の時間数求人票と労働条件通知書額面のうち何時間ぶんが残業代か
事業部の平均残業面接で質問する法人平均ではなく自分の現場の実数
有給の取得実績面接で質問する閑散期に休みが取れる体制かどうか
当サイトが給与計算と労務の実務をもとに整理

求人票のレンジは、法人ごとに非公開のことが多く、検索しても出てきません。ここだけは、その法人の採用を実際に扱っている担当者に聞くのが最短です。

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管理部門・士業の転職に強い「MS-Japan」なら、監査法人や事業会社の求人を扱っているので、気になる法人の提示年収レンジやみなし残業の扱いを求人票ベースで比べられます。登録は無料・全国対応なので、相場を確かめるだけでも価値があります。

監査法人トーマツで3年働くと、何が残るのか

監査法人トーマツで3年働くと、何が残るのか

「やばい」と言われる環境に3年いて、手元には何が残るのでしょうか。トーマツは総人員6,241名のうち、公認会計士が2,855名、試験合格者等が1,130名です。

入所直後は公認会計士試験合格者等の側にいて、3年かけて資格者の側へ移っていきます。

3年で残るものどういう形で残るか
大会社等の監査経験連結、開示、内部統制。
事業会社の経理で即戦力になる部分
期日に対する規律決まった日までに成果物を出す訓練。
どの職種でも効く
複数業種の内側を見た経験トーマツは業種の幅が広い。
3年で3業種は珍しくない
大手監査法人出身という職歴書類選考の通過率がはっきり変わる
公認会計士の登録修了考査を通れば、応募できる求人の母数が跳ね上がる
当サイトが職務経歴書を読む立場から整理
3年では残りにくいものなぜ残らないか
数字を作る力監査は確かめる仕事で、作る場面には立ち会わない
事業の意思決定の経験独立性の制約があり、踏み込めない
1社を長く見続けた深さ担当が替わるため、結末まで見届けにくい
社内調整の技術クライアントの中の力学には関われない
当サイトが被監査側・採用側での見聞をもとに整理
ひの
ひの

残らないほうに書いたものは、事業会社に移れば全部手に入ります。逆に、残るほうに書いたものは、事業会社では3年かかっても身につきません。だから順番として、監査法人が先なんだと思います。

監査法人トーマツについてよくある質問

Q1. 監査法人トーマツは本当に『やばい』のですか。

A. 被監査会社3,215社のうち大会社等が1,058社と、内訳を公表している法人のなかでは最も大企業に寄っています。拠点も17か所でBIG4最多です。ただし1人あたりの被監査会社数は1.18社でBIG4の3番目で、突出して重いわけではありません。「やばい」の中身が転勤なのか、クライアントの重さなのか、コンサルの話と混ざっているのかで意味が変わります。

Q2. デロイト トーマツと監査法人トーマツは何が違いますか。

A. デロイト トーマツはグループの名前で、監査を担当しているのが有限責任監査法人トーマツです。コンサルティングはデロイト トーマツ コンサルティング、M&Aや企業再生はデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが担当しています。それぞれ別の法人で、採用も評価も給与テーブルも違います。口コミを読むときは、どの会社の話かを必ず確かめてください。

Q3. 監査法人トーマツの離職率はどれくらいですか。

A. 法人が離職率を単独で公表している一次資料は確認できませんでした。数字を断定している情報は出どころを確かめてください。会計士は監査法人を出たあとの選択肢が広く、辞める人が多いこと自体が環境の悪さと直結するわけではありません。

Q4. あずさやEY新日本と比べて、どこが違いますか。

A. 2025年の公表値でそろえると、業務収入はあずさ1,314億円、トーマツ1,298億円、EY新日本1,229億円でほぼ横並びです。差が出るのは拠点数(トーマツ17・EY新日本16・あずさ12)と、非監査証明業務の比率(トーマツ26.2%・あずさ24.6%・EY新日本19.2%)。トーマツは広く張っていて、監査以外の仕事も多い法人です。

Q5. 転勤はありますか。

A. 事務所が17か所あるので、事務所間の異動の可能性は否定できません。勤務地を限定したい場合は、面接の段階で確かめておくべき項目です。地方事務所は担当するクライアントの業種も本部と変わります。BIG4のなかでは拠点数が最も多いので、この点はトーマツ特有の検討事項になります。

Q6. 監査法人トーマツの年収はどれくらいですか。

A. 法人別の公表値はありません。BIG4の目安として、スタッフ560〜600万円、シニアスタッフ700〜880万円、マネージャー896〜1,072万円、シニアマネージャー1,088〜1,280万円です(マンパワーグループ公開情報)。法人差より役職差のほうが大きくなります。

Q7. 一番忙しいのはいつですか。

A. 3月決算の会社を担当する場合、4月から5月が最も重くなります。トーマツは法人自身の事業年度も5月末で終わるため、この時期にクライアントの期末監査と法人の期末が重なります。逆に7月から8月は落ち着きやすく、年間を通して一定に忙しいわけではありません。

Q8. 公認会計士の資格がなくても入れますか。

A. 定期採用の中心は試験合格者ですが、総人員6,241名のうちその他専門職が2,149名、事務職が82名在籍しています。IT監査や内部統制、アドバイザリー、コーポレート職といった入口があります。ただし会計士と同じキャリアパスにはなりません。

Q9. 監査法人トーマツの業務収入はいくらですか。

A. 第59期(2025年6月1日から2026年5月31日)は142,548百万円で、うち監査証明業務が104,615百万円、非監査証明業務が37,933百万円です。前期の129,788百万円から9.8%増えています。トーマツは決算期が5月末なので、BIG4のなかで最新期の数字が最も早く公表されます。

Q10. 大会社等が多いと、働き方はどうなりますか。

A. 子会社を多く持つ上場企業の監査では、確認すべき範囲がそのまま広がります。往査に入る人数も増え、期限も動かしにくくなります。反面、連結や開示の経験は早く積めるので、数年後に事業会社やFASへ出るときの評価につながります。重さと学びの量は同じ方向に動きます。

Q11. グループ内のコンサルやFASに移れますか。

A. デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーなど、グループ内の他社へ移る道はあります。ただし社内公募や募集の状況によるので、いつでも移れるわけではありません。募集が出ているかどうかは外から見えないため、実際に紹介実績のあるエージェントに聞くのが確実です。

Q12. 1年目や2年目で辞めるのはもったいないですか。

A. 修了考査までの実務経験が中断する点は考慮が必要です。ただし体調や適性の問題であれば、早い段階で方向を変えるほうが結果的に傷は浅く済みます。辞める前に、事務所の異動やクライアント変更ができるかを確かめておくと判断材料が増えます。

Q13. トーマツから事業会社に移ると、年収は下がりますか。

A. 一概には言えません。同じ「経理」でも上場企業の連結決算担当と中小企業の経理では提示額が大きく変わります。経理職全体の平均年収と比べると下がって見えますが、その平均には無資格者も含まれるため比較の対象として適切ではありません。監査法人時代の額面だけで比べず、賞与の割合や残業代の扱いまで含めて確かめてください。

Q14. 転職活動はいつ始めるのがいいですか。

A. 繁忙期の真っ最中は面談の時間が取りづらく、判断も鈍ります。トーマツは法人の期末も5月なので、落ち着く6月から9月に情報を集めるのが現実的です。求人を見て条件を確かめるところまでは、繁忙期でも少しずつ進められます。

まとめ

長い記事になったので、大事なところだけまとめます。

【この記事のまとめ】
・「トーマツがやばい」の多くは、デロイトのコンサルの話と混ざっている
・第59期の業務収入は1,425億円。前期から9.8%増
・被監査会社3,215社のうち大会社等1,058社。内訳を公表している法人のなかで最多
・拠点17か所はBIG4最多。転勤の可能性が最も広い法人でもある
・非監査証明業務は26.2%でBIG4の2位。監査以外の案件が近い
・1人あたりの被監査会社数は1.18社でBIG4の3番目。突出して重いわけではない
・離職率の公表資料は存在しない。数字より、辞める人が多い構造を理解するほうが役に立つ

もしいま入るか迷っているなら、あるいは中にいて動くか迷っているなら、次にやることは一つです。

法人の評判を読み続けるのをやめて、いま募集している求人と、そこで自分に出る条件を確かめること。ここが分からないまま考え続けても、答えは出ません。

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関連記事として、

・あずさとの比較はあずさ監査法人はやばい?辞めたい激務と言われる実態
・EY新日本との比較は新日本監査法人はやばい?EY新日本の評判の実態

にまとめています。

・準大手・中小監査法人まで含めた比較は中小監査法人ランキング
・転職時期の決め方は公認会計士が監査法人から転職するタイミングはいつ?
・辞めるかどうかの判断は公認会計士を辞めたい…辞めるべき人・残るべき人の違い

をどうぞ。

ひの
ひの

トーマツがやばいかどうかは、正直なところ法人ではなく、あなたがどこに配属されて何を担当するかでほとんど決まります。そこまできて初めて、答えが出ますよ。

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