「EY新日本監査法人はやばい」
検索候補にその言葉が出てくるのを見て、指が止まった人が多いはずです。これから新日本監査法人に入ろうとしている人か、いま中にいる人か、どちらかかもしれません。
ひのです。社会保険労務士をしながら、本業では会社の管理部門で給与計算と人件費の管理を担当しています。
僕は公認会計士ではありませんし、監査法人で働いた経験もありません。

ただ、往査に来た会計士の方に「いま何社くらい抱えているんですか」と聞くのが、僕の癖でした。日程を決めるときに、その答えで返信の速さがだいたい読めるからです。5社と言われた年と、9社と言われた年では、まるで違いました。
担当社数が多い人ほど、資料の依頼はまとめて来て、返信は夜になり、往査の日程は動かせなくなります。
この記事では、その体感を裏づける数字から始めます。EY新日本には、他のBIG4と比べてはっきり違う特徴が1つあるからです。
EY新日本を数字で見ると、こうなる
出典:EY新日本「業務及び財産の状況に関する説明書類」第26期、有限責任 あずさ監査法人「法人概要」。1人あたりは当サイト試算
口コミに出てくる話のかなりの部分は、この数字から来ています。
【この記事でわかること】
・EY新日本が『やばい』と言われる5つの理由と、その中身
・公表資料で見るEY新日本の規模
・1人あたりの担当社数がBIG4で最多という事実と、それが働き方にどう出るか
・口コミサイトの点数より確度が高い情報の集め方
・辞めたくなる方と、辞めた人の行き先、年収の目安
・BIG4のなかでの立ち位置と、向いている人・向いていない人

叩く記事でも持ち上げる記事でもありません。数字で言えることと、言えないことを分けて置いていきます。
ひとつ先に。
この記事を読んでも、あなた自身が転職市場でいくらと言われるかは分かりません。それが分かるのは、いま実際に会計士へ求人を出している会社と話したときだけです。
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- この記事の執筆者の信頼性
- EY新日本が『やばい』と言われる5つの理由
- データで見るEY新日本監査法人の規模
- EY新日本監査法人は1人あたりの担当社数が、BIG4でいちばん多い
- EY新日本監査法人の口コミサイトの点数を、どう読むか
- EY新日本監査法人の繁忙期はいつ来るのか
- EY新日本監査法人の離職率と、辞めたくなる人
- EY新日本監査法人に入る難易度と、年収の目安
- BIG4のなかでのEY新日本の立ち位置
- EY新日本に向いている人と向いていない人
- EY新日本監査法人の面接で聞いておきたい6つのこと
- EY新日本監査法人を辞めた人が向かう、3つの転職先
- EY新日本監査法人に入所して3年で残るもの、残らないもの
- EY新日本監査法人についてよくある質問
- まとめ
この記事の執筆者の信頼性

僕はひのと言います。
【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | ひの |
| 保有資格 | 社会保険労務士(令和元年合格・3回受験)/FP2級 |
| 本業 | 事業会社の管理部門。給与計算・社会保険事務・人件費管理を担当 |
| 監査との関わり | 被監査側として決算期の資料提出と往査対応。担当会計士との日程調整も |
| 会計士との関わり | 監査法人から移ってきた会計士の受け入れと、退職手続きの実務 |
| 採用との関わり | 中途採用で応募書類の資格欄と職歴を確認する側 |
EY新日本の中で働いたことはないので、法人内部の評価や査定の話は出てきません。

監査を受ける側にいると、監査法人ごとの色は担当者を通してしか見えません。だからこそ、僕が見えた範囲のことだけを書いて、あとは公表資料を基に検証していきます!
EY新日本が『やばい』と言われる5つの理由

「EY新日本がやばい」の検索の裏側にある不安を分けていくと、意味の違う5つが同じ言葉に押し込まれています。
詳しくみていきましょう。
新日本監査法人がやばい① クライアント数が多く、一人あたりの負担が重い
これが、この法人にいちばん固有の話です。
EY新日本(新日本監査法人)は被監査会社3,805社に対して構成人員6,517名となっています。
単純に割ると1人あたり0.58社になります。あずさは3,255社を7,362名で割って0.44社なので、EY新日本のほうが3割近く多い計算です。
もちろん実際には、社員も事務職員も含めた頭数で割った数字なので、現場のスタッフ1人が0.58社を担当しているわけではありません。
それでも、法人全体として抱えている案件の密度は、この比較で見えます。

往査に来る方の担当社数が多い年は、こちらの質問への回答が翌日ではなく翌週になりました。責める気にはなれません。単純に、抱えている数が違うので。
新日本監査法人がやばい② 組織が大きく、事務所が全国に分散している
EY新日本は国内16か所に事務所を持っています。
組織が大きいことは悪いことではありませんが、配属される事務所とクライアントで日常業務がまるで変わる、という意味でもあります。
「EY新日本はこうだ」という口コミの多くは、その人から見た1つの事務所と1つの事業部の話です。
新日本監査法人がやばい③ 繁忙期の集中がきつい
3月決算の会社が多い日本では、4月から5月に全監査法人の負荷がかかり始めます。
これはEY新日本に固有の話ではなく、監査という仕事の構造です。ただし①で見たとおり案件の密度が高いぶん、山の高さは他より出やすいと考えるのが自然です。
新日本監査法人がやばい④ 公認会計士以外には入口が限られる
構成人員6,517名のうち、公認会計士が3,061名(うち社員517名)、公認会計士試験合格者等が1,396名。合わせると全体の約7割です。ほかに特定社員が18名います。
残りは監査補助職員1,441名とその他事務職員601名です。IT監査やコーポレート職といった入口は存在しますが、無資格からの正面突破は簡単ではありません。
新日本監査法人がやばい⑤ AIと監査DXで先が読めない
監査は定型的な手続の比重が大きいぶん、置き換わるのではという不安が定期的に出ます。
ここでの『やばい』は法人が危ないという意味ではなく、手を動かすだけの人が価値を出しにくくなるという不安に近いです。
裏を返せば、業種の知見や会計以外の掛け算を持てるかどうかで差がつく、という話でもあります。

同じ『やばい』でも、①と⑤ではまったく別のことを言っています。自分がどれを気にしているのかを決めてしまうと、ここから先の読み方がずいぶん変わりますよ。
データで見るEY新日本監査法人の規模

口コミを読む前に、この法人がどれくらいの大きさなのかを知っておくと、見え方がかなり変わります。
EY新日本の構成人員 6,517名の内訳
出典:EY新日本有限責任監査法人「業務及び財産の状況に関する説明書類」第26期(2024年7月1日〜2025年6月30日)。合計は6,517名で内訳と一致
| 区分 | 人数 |
|---|---|
| 公認会計士 | 3,061名(うち社員517名) |
| 特定社員 | 18名 |
| 公認会計士試験合格者等 | 1,396名 |
| 監査補助職員 | 1,441名 |
| その他事務職員等 | 601名 |
| 合計 | 6,517名 |
EY新日本監査法人の被監査会社は3,805社。BIG4で最も多い
| 区分 | 会社数 |
|---|---|
| 金商法・会社法監査 | 805社 |
| 金商法監査 | 52社 |
| 会社法監査 | 1,263社 |
| 学校法人監査 | 74社 |
| 労働組合監査 | 5社 |
| その他法定監査 | 831社 |
| その他任意監査 | 775社 |
| 合計 | 3,805社 |
上場企業だけでなく、学校法人や労働組合まで幅があるのが特徴です。働く側から見ると、配属されるクライアントによって仕事内容がまったく変わります。
EY新日本監査法人の業務収入は1,229億円
EY新日本の業務収入の内訳(第26期・億円)
出典:EY新日本「業務及び財産の状況に関する説明書類」第26期(監査証明業務99,339百万円、非監査証明業務23,546百万円、合計122,886百万円。単位未満の端数処理により内訳の単純合計とは1百万円の差があります)
非監査証明業務が全体の約2割です。監査以外の仕事も一定の規模でやっている、という読み方ができます。

6,500人規模になると、同じ法人名でも事務所とクライアント次第で見える景色が違います。『EY新日本はやばい』が当たっているかどうかは、実のところ、どの事業部の話をしているかでほぼ決まってしまうんですよね。
EY新日本監査法人は1人あたりの担当社数が、BIG4でいちばん多い

ここが、この記事でいちばん伝えたい数字かもしれません。
| 法人 | 被監査会社数 | 人員数 | 1人あたりの社数 |
|---|---|---|---|
| EY新日本 | 3,805社 | 6,517名 | 0.58社 |
| トーマツ | 3,215社 | 6,295名 | 0.51社 |
| あずさ | 3,255社 | 7,362名 | 0.44社 |
| PwC Japan | 1,447社 | 3,660名 | 0.40社 |
1人あたりの被監査会社数(当サイト試算・目安)
各法人の被監査会社数を構成人員で割った値。実際の担当社数は職位と事業部で大きく異なります
では、この密度の差は現場で何になって出てくるのか。被監査側にいた立場から言えるのは、次の3つです。
どれも会計士個人の怠慢ではありません。抱えている数が多ければ、自然とそうなります。

こちらが「来週なら空いています」と伝えて、返ってくる候補日が3週間先だった時がありました。あのときの担当の方は、後から聞いたら9社持っていました。あの返信の遅さの理由が分かります。
入る前に確認できるのは、法人全体の平均ではなく、配属される可能性のある事業部の実態です。そこを知っているのは、いま実際にその法人へ人を送り込んでいる人だけです。
ヒュープロは会計士・管理部門の転職に特化していて、BIG4それぞれの事業部ごとの募集状況や、直近の異動・退職の傾向まで把握しています。登録は無料で、相談だけで終わってもかまいません。
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EY新日本監査法人の口コミサイトの点数を、どう読むか

「EY新日本 やばい」で検索すると、口コミサイトが上位に並びます。すでに何ページか読んだあとで、ここに来た人も多いはずです。
あの点数が無駄だとは僕は思いません。ただ、情報源ごとに集まりやすい声の偏りがあります。
| 情報源 | 集まりやすい声 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 退職者中心の口コミサイト | 辞めた理由、不満 | 在籍中の満足層の声は入りにくい |
| 転職エージェントの解説記事 | 転職を後押しする方向 | 登録につなげる目的があることを前提に読む |
| 法人の採用ページ | 制度・研修・キャリアの整備 | 運用の実態までは分からない |
| 公表資料(説明書類など) | 人員数、クライアント数などの事実 | 雰囲気や働きやすさは書かれていない |
| 個人のブログやSNS | 具体的な体感 | 一人の事業部・一つの事務所の話 |
口コミサイトは仕組み上、辞めた人が書き込む割合が高くなります。低い点数がついていても、それが在籍者全体の実感とは限りません。

採用に関わっていると、口コミの点数を見て辞退した人が、あとで同じ会社に応募し直してくる場面があります。他人の体験は、あくまで他人の配属先での話なんですよね。
口コミの一行を、数字に置き換えて読む
口コミの表現と、公表数値の対応
口コミの点数そのものは、書いた人が何年にどの部署にいたかで簡単に上下します。ただ「何が起きているか」の記述は、たいてい公表されている数字と噛み合っています。
口コミの点数ではなく本文を、数字と突き合わせながら読むほうがいいです。
逆に言うと、数字で説明のつかない口コミは、その人固有の事情である可能性が高く、上司との相性の話を法人全体の話として受け取ってしまうと判断を誤ります。
EY新日本監査法人の繁忙期はいつ来るのか

年間を通した平均ではなく、山と谷の落差で見たほうが実態に近づきます。
被監査側から見た、監査法人の年間の波
色が濃い赤ほど負荷が高い時期。当サイトが被監査側での実務経験をもとに作成(目安)
| 時期 | 監査法人側の動き | 被監査側から見えた様子 |
|---|---|---|
| 1月〜3月 | 期中の監査手続、内部統制の評価 | 往査の日程調整が増える |
| 4月〜5月 | 3月決算の期末監査。年間で最も重い | 深夜のメール、休日の確認依頼が増える |
| 6月 | 株主総会対応、監査報告書の最終化 | 担当者の異動・退職の連絡が届く |
| 7月〜8月 | 第1四半期レビュー、比較的落ち着く | 返信が早くなり、面談も入りやすい |
| 9月〜12月 | 四半期レビューと期中手続 | 研修や有給取得の話を聞くようになる |
年中ずっと忙しいのではなく、2か月に極端に寄っています。これが監査法人の働き方の本質です。
監査法人全体の激務度と残業の目安は、『監査法人は激務?繁忙期の残業、BIG4と中小の違い、辞めどき』の記事にまとめています。

人件費を見ていると、残業が多い部署ほど「山が読めているか」で消耗度が変わるのが分かります。決まった時期に決まった山が来るなら、人はわりと耐えられる。読めない残業のほうが、きついです。
| 時間帯 | 往査中の現場で起きていること | 被監査会社側から見えている姿 |
|---|---|---|
| 9:00–10:00 | 会議室に机を並べ、前日の依頼資料の到着を確認する | 朝いちで「昨日お願いした資料、いかがでしょうか」と声がかかる |
| 10:00–12:00 | 証憑の突合、増減分析、前期調書との差分の洗い出し | 経理部の担当者が呼ばれて、伝票の背景を聞かれる |
| 13:00–15:00 | 担当者へのヒアリング。想定と違う数字が出ると、その場で追加依頼が発生 | 午後に「もう1件だけ」の依頼が積まれていく |
| 15:00–18:00 | 調書の作成。上位者のレビューコメントが返ってきて、その日のうちに直す | 会議室の電気がついたまま、経理部の定時が過ぎる |
| 18:00以降 | 翌日の依頼リストを作成して送る | 退勤前に、明日ぶんの宿題メールが届く |
この1日が、3月決算の会社なら4月から5月にかけて、何週間も続く。1社が終われば次の1社が始まる。担当社数が多い法人ほど、この「終わってすぐ次」の間隔が短くなります。
きついのは1日の長さそのものより、レビューコメントが返ってくるタイミングが読めないことです。
夕方に返ってくれば、その日のうちに直すことになります。帰る時間を自分で決められない期間が数週間続く、と考えたほうが実態に近いかもしれません。
EY新日本監査法人の離職率と、辞めたくなる人

EY新日本が離職率を単独で公表している一次資料は、確認できませんでした。
では何も分からないのかというと、そうではありません。会計士が監査法人を離れる理由は、構造としてかなりはっきりしています。
公認会計士のキャリアは、転職することが前提で作られている
公認会計士試験に合格した人の多くは、まず監査法人に入ります。実務経験を積み、修了考査を通って公認会計士として登録する。ここまでが共通ルートです。
その先には、事業会社の経理・財務、FASやコンサル、独立開業と、明確な出口が複数あります。
公認会計士が監査法人を辞める人が多いのは、労働環境が悪いからだけではありません。出口が豊富だからでもあります。
転職に動きやすい3つのタイミング
| タイミング | 状況 | 動く理由 |
|---|---|---|
| 修了考査の前後 | 入所3年目前後 | 資格が完成し、応募できる求人が一気に増える |
| シニアスタッフ期 | 入所4〜6年目 | 現場を回せるようになり、他業種から声がかかる |
| マネージャー打診期 | 入所7年目以降 | 管理業務中心になる前に、専門性の方向を決めたくなる |
年次別の動きやすさと、季節ごとの活動のしやすさは『公認会計士が監査法人から転職するタイミングはいつ?』の記事に詳しく書いています。
辞めるかどうかの判断そのものと、退職の手続きについては『公認会計士を辞めたい…辞めるべき人・残るべき人の違いと後悔しない辞め方』の記事が参考になるはずです。

去年まで一緒に論点を詰めた担当者が、翌年の名簿から消えている。あれを見るたびに、僕は『あの人はいまどこにいるんだろう』と考えていました。離職率という数字を何時間眺めても、その答えは出てきません。
辞めた会計士がいまどこで何をして、いくら受け取っているのか。
それを知っているのは、実際に会計士の転職を成立させている人たちです。ヒュープロは会計士の転職事例をまとめて持っているので、同じ職位・同じ時期に動いた人の行き先を具体的に聞けます。登録は無料です。
登録無料。事業会社・FAS・他法人まで、実例で教えてもらえます
辞めたくなる瞬間は、たいてい繁忙期には来ません。
辞めたくなるのは、繁忙期が終わって最初の静かな週です。繁忙期を走り切った直後に
「これをあと何年やるのか」
が急に頭に浮かびます。会計士の方が7月から8月に転職相談が増えるのは、そういう理由によります。
①なら、環境を変えるより担当を変えるほうが早く効くことがあります。②と③は、外に出たほうが解決します。
自分がどの型かを見分けないまま動くと、次の職場で同じことが起こる可能性が高いと思っています。
EY新日本監査法人に入る難易度と、年収の目安

EY新日本監査法人の難易度は、入社するときと退社するときで別物です。
EY新日本監査法人に入る難易度 ~公認会計士試験という関門~
この企業の定期採用の中心は公認会計士試験の合格者です。令和7年の合格率は7.4%で、この数字がそのまま入口の狭さになります。
一方で中途採用では、IT監査や内部統制、アドバイザリー、コーポレート職といった枠もあります。構成人員に監査補助職員1,441名とその他事務職員601名が含まれています。
EY新日本監査法人から出る難易度 ~転職市場からは歓迎されやすい~
採用側の実感として、大手監査法人出身という職歴は書類の段階でまず通ります。
会計基準を扱えること、期日に対する規律があること、複数の会社の内側を見てきていること。この3つは、事業会社の経理でもFASでも共通して欲しがられます。
EY新日本監査法人の年収目安
監査法人の役職別 年収レンジ(BIG4・目安)
出典:マンパワーグループ公開情報をもとに当サイトで作成(あずさ・トーマツ・PwC・EY新日本の各水準の幅。目安)
| 区分 | 目安 |
|---|---|
| 公認会計士・税理士の平均年収 | 約797万円 |
| 監査法人以外で働く会計士の平均 | 約960万円 |
| 事業会社の経理(全体平均) | 約427万円。ただし上場企業の経理・経営企画は上振れする |
事業会社に移ると平均値だけ見れば下がるように見えますが、これは無資格者も含む経理職全体の平均です。
公認会計士資格を持って上場企業の経理や経営企画に入る場合の水準とは別物になります。
役職別・年代別の詳細は『監査法人の年収は高い?役職別・BIG4別・年代別の実態』の記事にまとめています。

人件費を見ている側から言うと、資格と実務経験がそろっている人の提示額は、社内の等級表を飛び越えることがあります。平均年収だけ見て諦めるのは、正直もったいない。
入所したあとに、もうひとつ関門があります。
修了考査です。実務経験と実務補習を積んだうえで修了考査を受け、これに通ってはじめて公認会計士として登録できるからです。
EY新日本の構成人員で「試験合格者等1,396名」と「公認会計士2,544名(使用人)」が分けて書かれているのは、この線引きがあるからです。
つまり入所直後の数年は、繁忙期を回しながら修了考査の準備もする期間になります。
ここを甘く見て「とりあえず1年やってから考える」と決めると、実務経験の要件が中途半端な形で止まることがあるので、必ず自身のキャリアを考えてください。
辞めるかどうかを考えるなら、この要件がいまどこまで積み上がっているかを先に確かめておきたいです。
年収の話でいつも抜け落ちるのが、時間あたりの単価です。額面が同じでも、繁忙期に残業などでどれくらい積むかで実質はまるで変わります。
そして額面は、修了考査に通って公認会計士として登録された時点で一段上がるのが一般的な形になっています。

つまり入所2〜3年目の年収を見て「思ったより低い」と判断するのは早いです。
BIG4のなかでのEY新日本の立ち位置

EY新日本を選ぶか迷っている人の多くは、実際にはBIG4のどこかと比べています。
BIG4の業務収入(2025年度・億円)
出典:各監査法人「業務及び財産の状況に関する説明書類」。EY新日本は第26期の実数(122,886百万円)
| 法人 | 母体 | 語られやすい特徴 |
|---|---|---|
| EY新日本 | EY | 日本で最初に設立された監査法人にルーツ。被監査会社数が最多で、幅広い業種に分散 |
| あずさ | KPMG | 業種別の事業部制。金融に強いと言われる。監査DXを前面に出す |
| トーマツ | デロイト | アドバイザリー領域の広さ。グループ全体の事業幅が大きい |
| PwC Japan | PwC | 売上規模はやや小さいが、コンサル連携の色が濃い |
この表はあくまで語られ方です。実際にどう感じるかは、配属される事務所と事業部とクライアントで決まります。
法人ごとの規模・年収・社風をもっと細かく比べたい場合は、『四大監査法人はどこがいい?BIG4の規模・年収・社風』の記事を先に読んでおくと、面接で聞くべきことが具体的になります。
あずさとの比較は『あずさ監査法人はやばい?辞めたい激務と言われる実態』にまとめてあるので、2つを並べて読むと違いが見えやすいはずです。

法人名で選んだ人ほど、入ってから「思っていたのと違う」と言いがちです。逆に、事業部とクライアントで選んだ人は、多少きつくても納得して続けている。僕の見てきた範囲では、そういう差がはっきり出ています。
監査法人のパンフレットに並ぶ言葉は、どこの法人も驚くほど似ています。違いは、いま実際に募集している職種と条件のほうです。
管理部門・士業に特化したMS-Japanは東証プライム上場企業が運営していて、BIG4から準大手・中小監査法人まで横断で求人を扱っています。無料登録すれば、4法人の条件を同じ画面で見比べられます。
登録無料・全国対応。管理部門と士業の求人数は業界最大級
EY新日本に向いている人と向いていない人

ここまでの数字を踏まえて、自分はどちら寄りだと感じたでしょうか。
被監査会社数が最多ということは、裏を返せば触れられる業種の幅が広いということでもあります。
学校法人74社、労働組合5社、その他任意監査775社。上場企業だけを見ている法人では出会えない案件がここにあります。場数を早く踏みたい人には、この密度で働けるEY新日本監査法人はむしろ武器です。

向いていない側にチェックが多くても、会計の知識が無駄になるわけではありません。1社を深く見たい人ほど、事業会社の経理や内部監査で強いです。方向が違うだけの話です。
EY新日本監査法人の面接で聞いておきたい6つのこと

採用側にいて思うのは、面接は評価される場であると同時に、こちらを評価してよい場でもあるということです。
とくに③です。この記事で見た0.58社という数字は法人全体の平均なので、現場の実数は面接で聞くしかありません。
答えが具体的に返ってくるかどうかで、その事業部の管理の質が分かります。曖昧な返答しか返ってこないなら、それ自体を判断材料にしてもよいです。

こういう質問をする候補者を面倒だと思う採用担当を、僕は見たことがありません。むしろ長く働く前提で考えてくれている、と受け取ります。
| 面接で聞いたこと | 返ってきた答えの読み方 |
|---|---|
| 担当社数は何社くらいですか | 即答できるなら現場を把握している。「案件によります」だけで終わるなら、配属後に自分で調べることになる |
| 繁忙期はどのくらい続きますか | 月単位で具体的に返ってくるかどうか。「人によります」は答えになっていない |
| 配属はどう決まりますか | 希望を出すタイミングと、通る割合まで聞けると精度が上がる |
| 勤務地の異動はありますか | 全国16か所に事務所がある以上、可能性はゼロではない。曖昧に濁されたら、その前提で考えたほうがいい |
| 修了考査の支援はありますか | 制度の有無より、実際に何人が使っているかを聞く |
| 辞めた人はどこへ行きますか | ここを気持ちよく答えられる面接官がいる法人は、出口を隠していない |
この6つを聞いて、全部にすらすら答えが返ってくるなら、その現場の状況を把握しています。逆に、どれかひとつでも濁されたら、それは入ったあとに自分で確かめるしかないということです。
会計士・税理士に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」なら、監査法人や事業会社の内部事情を把握したうえで求人を紹介してくれるので、面接で聞きにくいことを事前に確かめられます。登録は無料なので、面接を受ける前の下調べとして使えます。
EY新日本監査法人を辞めた人が向かう、3つの転職先


往査に行くと、去年と名刺の肩書きが変わっている人に会います。
監査法人側にも、被監査会社側にも、それは起きます。
EY新日本監査法人は6,517名の組織で、毎年それなりの人数が転職します。出ていく先は、3つになります。
1.事業会社の経理・経営企画
いちばん人数が多い行き先です。
監査する側から、監査される側に回る。決算を「見る」仕事から「作る」仕事に変わるので、最初の半年は別の職種に転職したのとほとんど同じ感覚になります。
往査で会った経理部長が、元・監査法人という会社は珍しくないです。
彼らが口をそろえて言うのは「監査法人にいたときは、決算が締まってから来ていた。いまは締めるほうにいる」。
2.FAS・コンサル
M&Aのデューデリジェンス、バリュエーション、再生を行ないます。監査法人で身につけた財務諸表の読み方をそのまま持ち込め、いちばん地続きな行き先と言えます。
ただし監査法人と繁忙期の形が変わるだけで、忙しさそのものは消えません。
監査法人は3月と5月に山が来ますが、FASの山は案件が入った瞬間に来ます。カレンダーで予測できない忙しさに変わる、と言えます。
3.小規模事務所・独立
BIG4の看板を外して、自分の名前で仕事をする道です。
EY新日本は被監査会社3,805社を6,517名で回している組織だから、1人が触れる範囲は制度化されていて狭いです。そこを飛び出して、税務も含めて丸ごと見る側に回ります。
収入の振れ幅はいちばん大きく収入の上限は青天井です。
| 行き先 | 監査法人と比べて増えるもの | 減るもの | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 事業会社の経理・経営企画 | 当事者としての決定権、社内の人間関係 | 担当社数、移動、外部からの視点 | 1社を長く深く見たい人 |
| FAS・コンサル | 案件の単価と裁量、経営に近い距離 | スケジュールの予測可能性 | 山が読めなくても平気な人 |
| 小規模事務所・独立 | 案件の選択権、業務の幅 | 安定収入、組織の後ろ盾 | 自分で仕事を取れる人 |
監査法人の中にいると、外の求人がどうなっているかが本当に見えません。往査先の経理部が何人体制で、どんな人を探しているか、監査調書には書いていません。
会計士・税理士に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」なら、事業会社の経理・経営企画からFAS、小規模事務所まで会計士向けの求人を幅広く扱っているので、監査法人の外に自分がどう評価されるのかを、辞める前に確かめられます。登録は無料なので、まだ動く気がなくても情報だけ取っておいて損はありません。
EY新日本監査法人に入所して3年で残るもの、残らないもの

「EY新日本監査法人がやばい」と言われる環境に3年いて、何が手元に残るのでしょうか。
EY新日本監査法人は6,517名のうち、公認会計士が3,061名(うち社員517名)、試験合格者等が1,396名です。
つまり入所直後は「試験合格者等1,396名」の側にいて、3年かけて資格者の側に移っていきます。
| 3年で残るもの | どういう形で残るか |
|---|---|
| 財務諸表を疑う目 | 数字を見た瞬間に「ここは誰がどう作ったか」が浮かぶようになる。事業会社に移っても消えない |
| 大企業の内側を見た経験 | 上場企業の決算プロセスを何社ぶんも見る。この母数は外からは絶対に作れない |
| 期限を守り切る体力 | 監査報告書の日程は動かない。動かせない締切を何度もくぐった経験は職種を変えても効く |
| BIG4の職歴 | 履歴書の1行として、書類選考でほぼ落ちない土台になる |
| 3年では残らないもの | なぜ残らないか |
|---|---|
| 税務の実務 | 監査法人の業務は監査が中心。EY新日本の業務収入122,886百万円のうち監査99,339百万円という構成が、そのまま日々の業務内容になっている |
| 自分で数字を作る力 | 見る側にいる限り、伝票を起こす経験は積まれない。事業会社に移った初年度に、ここでつまずく人が多い |
| 特定の業界の深さ | 担当が毎年入れ替わることがある。3年で3業種、という配属もありうる |
| 社外の人脈 | 会う相手は被監査会社の経理部。立場上、そこから仕事が生まれることはない |
管理部門・士業の転職に強い「MS-Japan」なら、監査法人や事業会社の経理・財務の求人を扱っているので、公開資料では見えない「いまどの法人・どの会社が、どんな人を採っているか」を確かめられます。登録は無料なので、比較材料をひとつ増やすつもりで使えます。
EY新日本監査法人についてよくある質問
まとめ
長い記事になったので、大事なところだけまとめます。
【この記事のまとめ】
・EY新日本の被監査会社は3,805社でBIG4最多。人員は6,517名で2位
・1人あたりの担当社数は0.58社で、BIG4のなかでいちばん多い計算になる
・その密度は、往査の日程・資料依頼・返信の速さという形で外からも見える
・業務収入は1,229億円。うち非監査証明業務が約2割
・離職率の公表資料は確認できない。数字より、辞める人が多い構造を理解するほうが役に立つ
・被監査会社数が多いことは、触れられる業種の幅が広いという強みでもある
・法人の平均ではなく、配属される事業部の実数を面接で聞くこと
もしいま入るか迷っているなら、あるいは中にいて動くか迷っているなら、次にやることは一つです。
法人の評判を読み続けるのをやめて、いま募集している求人と、そこで自分に出る条件を確かめてみましょう。ここが分からないまま考え続けても、答えは出ません。
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にまとめています。

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