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新日本監査法人はやばい?EY新日本の評判の実態を公表データから解説【会計士の転職】

「EY新日本監査法人はやばい」

検索候補にその言葉が出てくるのを見て、指が止まった人が多いはずです。これから新日本監査法人に入ろうとしている人か、いま中にいる人か、どちらかかもしれません。

ひのです。社会保険労務士をしながら、本業では会社の管理部門で給与計算と人件費の管理を担当しています。

僕は公認会計士ではありませんし、監査法人で働いた経験もありません。

ひの
ひの

ただ、往査に来た会計士の方に「いま何社くらい抱えているんですか」と聞くのが、僕の癖でした。日程を決めるときに、その答えで返信の速さがだいたい読めるからです。5社と言われた年と、9社と言われた年では、まるで違いました。

担当社数が多い人ほど、資料の依頼はまとめて来て、返信は夜になり、往査の日程は動かせなくなります。

この記事では、その体感を裏づける数字から始めます。EY新日本には、他のBIG4と比べてはっきり違う特徴が1つあるからです。

EY新日本を数字で見ると、こうなる

クライアント数は
BIG4で最多
被監査会社3,805社。あずさ3,255社、トーマツ3,215社を上回る(各法人の公表資料)
人員は
BIG4で2位
構成人員6,517名。あずさの7,362名より約670名少ない
つまり
一人あたりが重い
1人あたりの担当社数は0.58社で、BIG4のなかでいちばん多い計算になる

出典:EY新日本「業務及び財産の状況に関する説明書類」第26期、有限責任 あずさ監査法人「法人概要」。1人あたりは当サイト試算

口コミに出てくる話のかなりの部分は、この数字から来ています。

【この記事でわかること】
・EY新日本が『やばい』と言われる5つの理由と、その中身
・公表資料で見るEY新日本の規模
・1人あたりの担当社数がBIG4で最多という事実と、それが働き方にどう出るか
・口コミサイトの点数より確度が高い情報の集め方
・辞めたくなる方と、辞めた人の行き先、年収の目安
・BIG4のなかでの立ち位置と、向いている人・向いていない人

ひの
ひの

叩く記事でも持ち上げる記事でもありません。数字で言えることと、言えないことを分けて置いていきます。

ひとつ先に。

この記事を読んでも、あなた自身が転職市場でいくらと言われるかは分かりません。それが分かるのは、いま実際に会計士へ求人を出している会社と話したときだけです。

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  1. この記事の執筆者の信頼性
  2. EY新日本が『やばい』と言われる5つの理由
    1. 新日本監査法人がやばい① クライアント数が多く、一人あたりの負担が重い
    2. 新日本監査法人がやばい② 組織が大きく、事務所が全国に分散している
    3. 新日本監査法人がやばい③ 繁忙期の集中がきつい
    4. 新日本監査法人がやばい④ 公認会計士以外には入口が限られる
    5. 新日本監査法人がやばい⑤ AIと監査DXで先が読めない
  3. データで見るEY新日本監査法人の規模
    1. EY新日本監査法人の被監査会社は3,805社。BIG4で最も多い
    2. EY新日本監査法人の業務収入は1,229億円
  4. EY新日本監査法人は1人あたりの担当社数が、BIG4でいちばん多い
  5. EY新日本監査法人の口コミサイトの点数を、どう読むか
  6. EY新日本監査法人の繁忙期はいつ来るのか
  7. EY新日本監査法人の離職率と、辞めたくなる人
    1. 公認会計士のキャリアは、転職することが前提で作られている
    2. 転職に動きやすい3つのタイミング
  8. EY新日本監査法人に入る難易度と、年収の目安
    1. EY新日本監査法人に入る難易度 ~公認会計士試験という関門~
    2. EY新日本監査法人から出る難易度 ~転職市場からは歓迎されやすい~
    3. EY新日本監査法人の年収目安
  9. BIG4のなかでのEY新日本の立ち位置
  10. EY新日本に向いている人と向いていない人
  11. EY新日本監査法人の面接で聞いておきたい6つのこと
  12. EY新日本監査法人を辞めた人が向かう、3つの転職先
    1. 1.事業会社の経理・経営企画
    2. 2.FAS・コンサル
    3. 3.小規模事務所・独立
  13. EY新日本監査法人に入所して3年で残るもの、残らないもの
  14. EY新日本監査法人についてよくある質問
  15. まとめ

この記事の執筆者の信頼性

僕はひのと言います。

【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)

項目内容
名前ひの
保有資格社会保険労務士(令和元年合格・3回受験)/FP2級
本業事業会社の管理部門。給与計算・社会保険事務・人件費管理を担当
監査との関わり被監査側として決算期の資料提出と往査対応。担当会計士との日程調整も
会計士との関わり監査法人から移ってきた会計士の受け入れと、退職手続きの実務
採用との関わり中途採用で応募書類の資格欄と職歴を確認する側

EY新日本の中で働いたことはないので、法人内部の評価や査定の話は出てきません。

【この記事で書かないこと】
・EY新日本の内部でしか分からない人事評価や査定の詳細
・特定の部署や個人を名指しした評判
・公表資料で裏の取れない離職率や年収の断定値
・過去の個別事案についての評価

ひの
ひの

監査を受ける側にいると、監査法人ごとの色は担当者を通してしか見えません。だからこそ、僕が見えた範囲のことだけを書いて、あとは公表資料を基に検証していきます!

EY新日本が『やばい』と言われる5つの理由

EY新日本が『やばい』と言われる5つの理由

「EY新日本がやばい」の検索の裏側にある不安を分けていくと、意味の違う5つが同じ言葉に押し込まれています。

【『やばい』の中身は5つに分かれる】
①クライアント数が多く、一人あたりの負担が重い
②組織が大きく、事務所が全国に分散している
③繁忙期の集中がきつい
④会計士以外には入口が限られる
⑤AIと監査DXで先が読めない

詳しくみていきましょう。

新日本監査法人がやばい① クライアント数が多く、一人あたりの負担が重い

これが、この法人にいちばん固有の話です。

EY新日本(新日本監査法人)は被監査会社3,805社に対して構成人員6,517名となっています。

単純に割ると1人あたり0.58社になります。あずさは3,255社を7,362名で割って0.44社なので、EY新日本のほうが3割近く多い計算です。

もちろん実際には、社員も事務職員も含めた頭数で割った数字なので、現場のスタッフ1人が0.58社を担当しているわけではありません。

それでも、法人全体として抱えている案件の密度は、この比較で見えます。

ひの
ひの

往査に来る方の担当社数が多い年は、こちらの質問への回答が翌日ではなく翌週になりました。責める気にはなれません。単純に、抱えている数が違うので。

新日本監査法人がやばい② 組織が大きく、事務所が全国に分散している

EY新日本は国内16か所に事務所を持っています。

組織が大きいことは悪いことではありませんが、配属される事務所とクライアントで日常業務がまるで変わる、という意味でもあります。

「EY新日本はこうだ」という口コミの多くは、その人から見た1つの事務所と1つの事業部の話です。

新日本監査法人がやばい③ 繁忙期の集中がきつい

3月決算の会社が多い日本では、4月から5月に全監査法人の負荷がかかり始めます。

これはEY新日本に固有の話ではなく、監査という仕事の構造です。ただし①で見たとおり案件の密度が高いぶん、山の高さは他より出やすいと考えるのが自然です。

新日本監査法人がやばい④ 公認会計士以外には入口が限られる

構成人員6,517名のうち、公認会計士が3,061名(うち社員517名)、公認会計士試験合格者等が1,396名。合わせると全体の約7割です。ほかに特定社員が18名います。

残りは監査補助職員1,441名とその他事務職員601名です。IT監査やコーポレート職といった入口は存在しますが、無資格からの正面突破は簡単ではありません。

新日本監査法人がやばい⑤ AIと監査DXで先が読めない

監査は定型的な手続の比重が大きいぶん、置き換わるのではという不安が定期的に出ます。

ここでの『やばい』は法人が危ないという意味ではなく、手を動かすだけの人が価値を出しにくくなるという不安に近いです。

裏を返せば、業種の知見や会計以外の掛け算を持てるかどうかで差がつく、という話でもあります。

ひの
ひの

同じ『やばい』でも、①と⑤ではまったく別のことを言っています。自分がどれを気にしているのかを決めてしまうと、ここから先の読み方がずいぶん変わりますよ。

データで見るEY新日本監査法人の規模

データで見るEY新日本監査法人の規模

口コミを読む前に、この法人がどれくらいの大きさなのかを知っておくと、見え方がかなり変わります。

EY新日本の構成人員 6,517名の内訳

公認会計士(うち社員517名)3,061名
公認会計士試験合格者等1,396名
監査補助職員1,441名
その他事務職員等601名
特定社員18名

出典:EY新日本有限責任監査法人「業務及び財産の状況に関する説明書類」第26期(2024年7月1日〜2025年6月30日)。合計は6,517名で内訳と一致

区分人数
公認会計士3,061名(うち社員517名)
特定社員18名
公認会計士試験合格者等1,396名
監査補助職員1,441名
その他事務職員等601名
合計6,517名
出典:EY新日本「業務及び財産の状況に関する説明書類」第26期

EY新日本監査法人の被監査会社は3,805社。BIG4で最も多い

区分会社数
金商法・会社法監査805社
金商法監査52社
会社法監査1,263社
学校法人監査74社
労働組合監査5社
その他法定監査831社
その他任意監査775社
合計3,805社
出典:EY新日本「業務及び財産の状況に関する説明書類」第26期。内訳の合計は3,805社で一致

上場企業だけでなく、学校法人や労働組合まで幅があるのが特徴です。働く側から見ると、配属されるクライアントによって仕事内容がまったく変わります。

EY新日本監査法人の業務収入は1,229億円

EY新日本の業務収入の内訳(第26期・億円)

993億円
監査証明業務
235億円
非監査証明業務
1,229億円
合計

出典:EY新日本「業務及び財産の状況に関する説明書類」第26期(監査証明業務99,339百万円、非監査証明業務23,546百万円、合計122,886百万円。単位未満の端数処理により内訳の単純合計とは1百万円の差があります)

非監査証明業務が全体の約2割です。監査以外の仕事も一定の規模でやっている、という読み方ができます。

ひの
ひの

6,500人規模になると、同じ法人名でも事務所とクライアント次第で見える景色が違います。『EY新日本はやばい』が当たっているかどうかは、実のところ、どの事業部の話をしているかでほぼ決まってしまうんですよね。

EY新日本監査法人は1人あたりの担当社数が、BIG4でいちばん多い

EY新日本監査法人は1人あたりの担当社数が、BIG4でいちばん多い

ここが、この記事でいちばん伝えたい数字かもしれません。

法人被監査会社数人員数1人あたりの社数
EY新日本3,805社6,517名0.58社
トーマツ3,215社6,295名0.51社
あずさ3,255社7,362名0.44社
PwC Japan1,447社3,660名0.40社
出典:4法人とも各法人の「業務及び財産の状況に関する説明書類」の公表値。1人あたりは当サイト試算(目安)

1人あたりの被監査会社数(当サイト試算・目安)

0.58社
EY新日本
0.51社
トーマツ
0.44社
あずさ
0.40社
PwC Japan

各法人の被監査会社数を構成人員で割った値。実際の担当社数は職位と事業部で大きく異なります

この数字は「スタッフ1人が0.58社を担当している」という意味ではありません。社員も事務職員も含めた全員で割った値です。あくまで法人全体の案件密度を比べるための指標として見てください。

では、この密度の差は現場で何になって出てくるのか。被監査側にいた立場から言えるのは、次の3つです。

【案件密度の高さが現場に出る形】
①往査の日程が動かしにくい
②追加資料の依頼がまとめて一度に来る
③担当者からの返信が翌日ではなく数日後になる

どれも会計士個人の怠慢ではありません。抱えている数が多ければ、自然とそうなります。

ひの
ひの

こちらが「来週なら空いています」と伝えて、返ってくる候補日が3週間先だった時がありました。あのときの担当の方は、後から聞いたら9社持っていました。あの返信の遅さの理由が分かります。

入る前に確認できるのは、法人全体の平均ではなく、配属される可能性のある事業部の実態です。そこを知っているのは、いま実際にその法人へ人を送り込んでいる人だけです。

ヒュープロは会計士・管理部門の転職に特化していて、BIG4それぞれの事業部ごとの募集状況や、直近の異動・退職の傾向まで把握しています。登録は無料で、相談だけで終わってもかまいません。

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EY新日本監査法人の口コミサイトの点数を、どう読むか

EY新日本監査法人の口コミサイトの点数を、どう読むか

「EY新日本 やばい」で検索すると、口コミサイトが上位に並びます。すでに何ページか読んだあとで、ここに来た人も多いはずです。

あの点数が無駄だとは僕は思いません。ただ、情報源ごとに集まりやすい声の偏りがあります。

情報源集まりやすい声読むときの注意
退職者中心の口コミサイト辞めた理由、不満在籍中の満足層の声は入りにくい
転職エージェントの解説記事転職を後押しする方向登録につなげる目的があることを前提に読む
法人の採用ページ制度・研修・キャリアの整備運用の実態までは分からない
公表資料(説明書類など)人員数、クライアント数などの事実雰囲気や働きやすさは書かれていない
個人のブログやSNS具体的な体感一人の事業部・一つの事務所の話

口コミサイトは仕組み上、辞めた人が書き込む割合が高くなります。低い点数がついていても、それが在籍者全体の実感とは限りません。

【点数より確度が高い3つのこと】
①公表資料の事実(人員構成、被監査会社数、事務所数)
②配属される可能性のある事業部の話(面接で直接聞く)
③同じ職位・同じ時期に在籍していた人の話(エージェント経由が早い)

ひの
ひの

採用に関わっていると、口コミの点数を見て辞退した人が、あとで同じ会社に応募し直してくる場面があります。他人の体験は、あくまで他人の配属先での話なんですよね。

口コミの一行を、数字に置き換えて読む

「人が足りない」
被監査会社3,805社を6,517名で回す構成。1人あたり0.58社はBIG4で最も多い
「若手ばかりの現場」
試験合格者等1,396名+監査補助者1,441名で、合わせて構成人員の4割超
「上が忙しくて捕まらない」
社員517名+特定社員18名で3,805社を見る。1人の社員が抱える社数は7社を超える
「監査以外の仕事もある」
業務収入122,886百万円のうち非監査は23,546百万円。全体の2割弱

口コミの表現と、公表数値の対応

口コミの点数そのものは、書いた人が何年にどの部署にいたかで簡単に上下します。ただ「何が起きているか」の記述は、たいてい公表されている数字と噛み合っています。

口コミの点数ではなく本文を、数字と突き合わせながら読むほうがいいです。

逆に言うと、数字で説明のつかない口コミは、その人固有の事情である可能性が高く、上司との相性の話を法人全体の話として受け取ってしまうと判断を誤ります。

EY新日本監査法人の繁忙期はいつ来るのか

EY新日本監査法人の繁忙期はいつ来るのか

年間を通した平均ではなく、山と谷の落差で見たほうが実態に近づきます。

被監査側から見た、監査法人の年間の波

1月
期中手続
2月
期中手続
3月
期末準備
4月
期末監査
5月
最繁忙
6月
総会・報告書
7月
落ち着く
8月
閑散
9月
四半期
10月
四半期
11月
落ち着く
12月
期中手続

色が濃い赤ほど負荷が高い時期。当サイトが被監査側での実務経験をもとに作成(目安)

時期監査法人側の動き被監査側から見えた様子
1月〜3月期中の監査手続、内部統制の評価往査の日程調整が増える
4月〜5月3月決算の期末監査。年間で最も重い深夜のメール、休日の確認依頼が増える
6月株主総会対応、監査報告書の最終化担当者の異動・退職の連絡が届く
7月〜8月第1四半期レビュー、比較的落ち着く返信が早くなり、面談も入りやすい
9月〜12月四半期レビューと期中手続研修や有給取得の話を聞くようになる

年中ずっと忙しいのではなく、2か月に極端に寄っています。これが監査法人の働き方の本質です。

監査法人全体の激務度と残業の目安は、『監査法人は激務?繁忙期の残業、BIG4と中小の違い、辞めどき』の記事にまとめています。

ひの
ひの

人件費を見ていると、残業が多い部署ほど「山が読めているか」で消耗度が変わるのが分かります。決まった時期に決まった山が来るなら、人はわりと耐えられる。読めない残業のほうが、きついです。

時間帯往査中の現場で起きていること被監査会社側から見えている姿
9:00–10:00会議室に机を並べ、前日の依頼資料の到着を確認する朝いちで「昨日お願いした資料、いかがでしょうか」と声がかかる
10:00–12:00証憑の突合、増減分析、前期調書との差分の洗い出し経理部の担当者が呼ばれて、伝票の背景を聞かれる
13:00–15:00担当者へのヒアリング。想定と違う数字が出ると、その場で追加依頼が発生午後に「もう1件だけ」の依頼が積まれていく
15:00–18:00調書の作成。上位者のレビューコメントが返ってきて、その日のうちに直す会議室の電気がついたまま、経理部の定時が過ぎる
18:00以降翌日の依頼リストを作成して送る退勤前に、明日ぶんの宿題メールが届く
繁忙期の往査、1日の流れ(被監査側から見える姿と合わせて)

この1日が、3月決算の会社なら4月から5月にかけて、何週間も続く。1社が終われば次の1社が始まる。担当社数が多い法人ほど、この「終わってすぐ次」の間隔が短くなります。

きついのは1日の長さそのものより、レビューコメントが返ってくるタイミングが読めないことです。

夕方に返ってくれば、その日のうちに直すことになります。帰る時間を自分で決められない期間が数週間続く、と考えたほうが実態に近いかもしれません。

EY新日本監査法人の離職率と、辞めたくなる人

EY新日本監査法人の離職率と、辞めたくなる人

EY新日本が離職率を単独で公表している一次資料は、確認できませんでした。

「離職率◯%」と断定している記事を見かけたら、その数字の出どころが書かれているかを必ず確かめてください。出典のない離職率は、ただの憶測です。

では何も分からないのかというと、そうではありません。会計士が監査法人を離れる理由は、構造としてかなりはっきりしています。

公認会計士のキャリアは、転職することが前提で作られている

公認会計士試験に合格した人の多くは、まず監査法人に入ります。実務経験を積み、修了考査を通って公認会計士として登録する。ここまでが共通ルートです。

その先には、事業会社の経理・財務、FASやコンサル、独立開業と、明確な出口が複数あります。

公認会計士が監査法人を辞める人が多いのは、労働環境が悪いからだけではありません。出口が豊富だからでもあります。

転職に動きやすい3つのタイミング

タイミング状況動く理由
修了考査の前後入所3年目前後資格が完成し、応募できる求人が一気に増える
シニアスタッフ期入所4〜6年目現場を回せるようになり、他業種から声がかかる
マネージャー打診期入所7年目以降管理業務中心になる前に、専門性の方向を決めたくなる

年次別の動きやすさと、季節ごとの活動のしやすさは『公認会計士が監査法人から転職するタイミングはいつ?』の記事に詳しく書いています。

辞めるかどうかの判断そのものと、退職の手続きについては『公認会計士を辞めたい…辞めるべき人・残るべき人の違いと後悔しない辞め方』の記事が参考になるはずです。

ひの
ひの

去年まで一緒に論点を詰めた担当者が、翌年の名簿から消えている。あれを見るたびに、僕は『あの人はいまどこにいるんだろう』と考えていました。離職率という数字を何時間眺めても、その答えは出てきません。

辞めた会計士がいまどこで何をして、いくら受け取っているのか。

それを知っているのは、実際に会計士の転職を成立させている人たちです。ヒュープロは会計士の転職事例をまとめて持っているので、同じ職位・同じ時期に動いた人の行き先を具体的に聞けます。登録は無料です。

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辞めたくなる瞬間は、たいてい繁忙期には来ません。

辞めたくなるのは、繁忙期が終わって最初の静かな週です。繁忙期を走り切った直後に

「これをあと何年やるのか」

が急に頭に浮かびます。会計士の方が7月から8月に転職相談が増えるのは、そういう理由によります。

【会計士が辞めたくなるのは、だいたい3つ】
① 繁忙期明けに、次の1年が見えてしまう人。体力の問題ではなく、見通しの問題
② 担当会社が変わらなかったとき。学びの傾きが緩くなると人は退屈します
③ 被監査会社の経理部を見ていて、そちら側のほうが面白そうに見えたとき

①なら、環境を変えるより担当を変えるほうが早く効くことがあります。②と③は、外に出たほうが解決します。

自分がどの型かを見分けないまま動くと、次の職場で同じことが起こる可能性が高いと思っています。

EY新日本監査法人に入る難易度と、年収の目安

EY新日本監査法人に入る難易度と、年収の目安

EY新日本監査法人の難易度は、入社するときと退社するときで別物です。

EY新日本監査法人に入る難易度 ~公認会計士試験という関門~

この企業の定期採用の中心は公認会計士試験の合格者です。令和7年の合格率は7.4%で、この数字がそのまま入口の狭さになります。

一方で中途採用では、IT監査や内部統制、アドバイザリー、コーポレート職といった枠もあります。構成人員に監査補助職員1,441名とその他事務職員601名が含まれています。

EY新日本監査法人から出る難易度 ~転職市場からは歓迎されやすい~

採用側の実感として、大手監査法人出身という職歴は書類の段階でまず通ります。

会計基準を扱えること、期日に対する規律があること、複数の会社の内側を見てきていること。この3つは、事業会社の経理でもFASでも共通して欲しがられます。

EY新日本監査法人の年収目安

監査法人の役職別 年収レンジ(BIG4・目安)

スタッフ 560〜600万円
シニアスタッフ 700〜880万円
マネージャー 896〜1072万円
シニアマネージャー 1088〜1280万円

出典:マンパワーグループ公開情報をもとに当サイトで作成(あずさ・トーマツ・PwC・EY新日本の各水準の幅。目安)

区分目安
公認会計士・税理士の平均年収約797万円
監査法人以外で働く会計士の平均約960万円
事業会社の経理(全体平均)約427万円。ただし上場企業の経理・経営企画は上振れする
出典:職業情報提供サイト job tag(厚生労働省)、マンパワーグループ、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(会計事務従事者)

事業会社に移ると平均値だけ見れば下がるように見えますが、これは無資格者も含む経理職全体の平均です。

公認会計士資格を持って上場企業の経理や経営企画に入る場合の水準とは別物になります。

役職別・年代別の詳細は『監査法人の年収は高い?役職別・BIG4別・年代別の実態』の記事にまとめています。

ひの
ひの

人件費を見ている側から言うと、資格と実務経験がそろっている人の提示額は、社内の等級表を飛び越えることがあります。平均年収だけ見て諦めるのは、正直もったいない。

入所したあとに、もうひとつ関門があります。

修了考査です。実務経験と実務補習を積んだうえで修了考査を受け、これに通ってはじめて公認会計士として登録できるからです。

EY新日本の構成人員で「試験合格者等1,396名」と「公認会計士2,544名(使用人)」が分けて書かれているのは、この線引きがあるからです。

つまり入所直後の数年は、繁忙期を回しながら修了考査の準備もする期間になります。

ここを甘く見て「とりあえず1年やってから考える」と決めると、実務経験の要件が中途半端な形で止まることがあるので、必ず自身のキャリアを考えてください。

辞めるかどうかを考えるなら、この要件がいまどこまで積み上がっているかを先に確かめておきたいです。

修了考査に通る前に監査法人を離れると、実務経験の積み方を自分で設計し直すことになります。辞める前に、日本公認会計士協会が公開している要件を自分の職歴に当てはめて確認しましょう。

年収の話でいつも抜け落ちるのが、時間あたりの単価です。額面が同じでも、繁忙期に残業などでどれくらい積むかで実質はまるで変わります。

そして額面は、修了考査に通って公認会計士として登録された時点で一段上がるのが一般的な形になっています。

ひの
ひの

つまり入所2〜3年目の年収を見て「思ったより低い」と判断するのは早いです。

BIG4のなかでのEY新日本の立ち位置

BIG4のなかでのEY新日本の立ち位置

EY新日本を選ぶか迷っている人の多くは、実際にはBIG4のどこかと比べています。

BIG4の業務収入(2025年度・億円)

1,314億
あずさ
1,298億
トーマツ
1,229億
EY新日本
842億
PwC Japan

出典:各監査法人「業務及び財産の状況に関する説明書類」。EY新日本は第26期の実数(122,886百万円)

法人母体語られやすい特徴
EY新日本EY日本で最初に設立された監査法人にルーツ。被監査会社数が最多で、幅広い業種に分散
あずさKPMG業種別の事業部制。金融に強いと言われる。監査DXを前面に出す
トーマツデロイトアドバイザリー領域の広さ。グループ全体の事業幅が大きい
PwC JapanPwC売上規模はやや小さいが、コンサル連携の色が濃い

この表はあくまで語られ方です。実際にどう感じるかは、配属される事務所と事業部とクライアントで決まります。

法人ごとの規模・年収・社風をもっと細かく比べたい場合は、『四大監査法人はどこがいい?BIG4の規模・年収・社風』の記事を先に読んでおくと、面接で聞くべきことが具体的になります。

あずさとの比較は『あずさ監査法人はやばい?辞めたい激務と言われる実態』にまとめてあるので、2つを並べて読むと違いが見えやすいはずです。

ひの
ひの

法人名で選んだ人ほど、入ってから「思っていたのと違う」と言いがちです。逆に、事業部とクライアントで選んだ人は、多少きつくても納得して続けている。僕の見てきた範囲では、そういう差がはっきり出ています。

監査法人のパンフレットに並ぶ言葉は、どこの法人も驚くほど似ています。違いは、いま実際に募集している職種と条件のほうです。

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EY新日本に向いている人と向いていない人

EY新日本に向いている人と向いていない人

ここまでの数字を踏まえて、自分はどちら寄りだと感じたでしょうか。

【向いている人】
・幅広い業種を見たい。上場企業から学校法人まで手を広げたい
・繁忙期の山があっても、時期が読めるなら耐えられる
・案件の密度が高い環境で、早く場数を踏みたい
・大量の資料を突き合わせて、根拠で人を説得するのが苦にならない
・数年後に事業会社やFASへ出る前提で、土台を作りたい

【向いていない人】
・1社をじっくり深く見たい
・繁忙期と閑散期の落差そのものが苦痛
・自分の判断で会社を動かす仕事がしたい
・担当が定期的に替わる環境に馴染めない
・すぐに裁量の大きいポジションに就きたい

被監査会社数が最多ということは、裏を返せば触れられる業種の幅が広いということでもあります。

学校法人74社、労働組合5社、その他任意監査775社。上場企業だけを見ている法人では出会えない案件がここにあります。場数を早く踏みたい人には、この密度で働けるEY新日本監査法人はむしろ武器です。

ひの
ひの

向いていない側にチェックが多くても、会計の知識が無駄になるわけではありません。1社を深く見たい人ほど、事業会社の経理や内部監査で強いです。方向が違うだけの話です。

EY新日本監査法人の面接で聞いておきたい6つのこと

EY新日本監査法人の面接で聞いておきたい6つのこと

採用側にいて思うのは、面接は評価される場であると同時に、こちらを評価してよい場でもあるということです。

【EY新日本の面接で聞くべき6つ】
①配属される可能性のある事務所と事業部はどこか
②その事業部が担当しているクライアントの決算月の分布
③スタッフ1人が同時に担当する社数は何社くらいか
④繁忙期のピーク時、実際の勤務時間はどのくらいになるか
⑤直近1年で、その事業部から異動・退職した人数の傾向
⑥入所3年目の人が、いまどんな仕事をしているか

とくに③です。この記事で見た0.58社という数字は法人全体の平均なので、現場の実数は面接で聞くしかありません。

答えが具体的に返ってくるかどうかで、その事業部の管理の質が分かります。曖昧な返答しか返ってこないなら、それ自体を判断材料にしてもよいです。

ひの
ひの

こういう質問をする候補者を面倒だと思う採用担当を、僕は見たことがありません。むしろ長く働く前提で考えてくれている、と受け取ります。

面接で聞いたこと返ってきた答えの読み方
担当社数は何社くらいですか即答できるなら現場を把握している。「案件によります」だけで終わるなら、配属後に自分で調べることになる
繁忙期はどのくらい続きますか月単位で具体的に返ってくるかどうか。「人によります」は答えになっていない
配属はどう決まりますか希望を出すタイミングと、通る割合まで聞けると精度が上がる
勤務地の異動はありますか全国16か所に事務所がある以上、可能性はゼロではない。曖昧に濁されたら、その前提で考えたほうがいい
修了考査の支援はありますか制度の有無より、実際に何人が使っているかを聞く
辞めた人はどこへ行きますかここを気持ちよく答えられる面接官がいる法人は、出口を隠していない
面接での質問と、答えの読み方

この6つを聞いて、全部にすらすら答えが返ってくるなら、その現場の状況を把握しています。逆に、どれかひとつでも濁されたら、それは入ったあとに自分で確かめるしかないということです。

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EY新日本監査法人を辞めた人が向かう、3つの転職先

EY新日本監査法人を辞めた人が向かう、3つの転職先
ひの
ひの

往査に行くと、去年と名刺の肩書きが変わっている人に会います。

監査法人側にも、被監査会社側にも、それは起きます。

EY新日本監査法人は6,517名の組織で、毎年それなりの人数が転職します。出ていく先は、3つになります。

1.事業会社の経理・経営企画

いちばん人数が多い行き先です。

監査する側から、監査される側に回る。決算を「見る」仕事から「作る」仕事に変わるので、最初の半年は別の職種に転職したのとほとんど同じ感覚になります。

往査で会った経理部長が、元・監査法人という会社は珍しくないです。

彼らが口をそろえて言うのは「監査法人にいたときは、決算が締まってから来ていた。いまは締めるほうにいる」。

楽になること
往査の移動がなくなる。担当社数が1社になる。年間スケジュールが読める

きつくなること
四半期ごとに自分が締める。会計処理を「決める」責任が自分に来る。監査法人時代のように「意見を言って帰る」ができない。

2.FAS・コンサル

M&Aのデューデリジェンス、バリュエーション、再生を行ないます。監査法人で身につけた財務諸表の読み方をそのまま持ち込め、いちばん地続きな行き先と言えます。

ただし監査法人と繁忙期の形が変わるだけで、忙しさそのものは消えません。

監査法人は3月と5月に山が来ますが、FASの山は案件が入った瞬間に来ます。カレンダーで予測できない忙しさに変わる、と言えます。

3.小規模事務所・独立

BIG4の看板を外して、自分の名前で仕事をする道です。

EY新日本は被監査会社3,805社を6,517名で回している組織だから、1人が触れる範囲は制度化されていて狭いです。そこを飛び出して、税務も含めて丸ごと見る側に回ります。

収入の振れ幅はいちばん大きく収入の上限は青天井です。

行き先監査法人と比べて増えるもの減るもの向いている人
事業会社の経理・経営企画当事者としての決定権、社内の人間関係担当社数、移動、外部からの視点1社を長く深く見たい人
FAS・コンサル案件の単価と裁量、経営に近い距離スケジュールの予測可能性山が読めなくても平気な人
小規模事務所・独立案件の選択権、業務の幅安定収入、組織の後ろ盾自分で仕事を取れる人
EY新日本からの主な3つの行き先と、その交換条件

監査法人の中にいると、外の求人がどうなっているかが本当に見えません。往査先の経理部が何人体制で、どんな人を探しているか、監査調書には書いていません。

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EY新日本監査法人の辞めどきの目安
業種の違う会社を2〜3社担当し、期首から期末まで1周した経験が2回以上あれば、転職先を自分で選べる側です。

EY新日本監査法人に入所して3年で残るもの、残らないもの

EY新日本監査法人に入所して3年で残るもの、残らないもの

「EY新日本監査法人がやばい」と言われる環境に3年いて、何が手元に残るのでしょうか。

EY新日本監査法人は6,517名のうち、公認会計士が3,061名(うち社員517名)、試験合格者等が1,396名です。

つまり入所直後は「試験合格者等1,396名」の側にいて、3年かけて資格者の側に移っていきます。

3年で残るものどういう形で残るか
財務諸表を疑う目数字を見た瞬間に「ここは誰がどう作ったか」が浮かぶようになる。事業会社に移っても消えない
大企業の内側を見た経験上場企業の決算プロセスを何社ぶんも見る。この母数は外からは絶対に作れない
期限を守り切る体力監査報告書の日程は動かない。動かせない締切を何度もくぐった経験は職種を変えても効く
BIG4の職歴履歴書の1行として、書類選考でほぼ落ちない土台になる
3年いれば手元に残るもの
3年では残らないものなぜ残らないか
税務の実務監査法人の業務は監査が中心。EY新日本の業務収入122,886百万円のうち監査99,339百万円という構成が、そのまま日々の業務内容になっている
自分で数字を作る力見る側にいる限り、伝票を起こす経験は積まれない。事業会社に移った初年度に、ここでつまずく人が多い
特定の業界の深さ担当が毎年入れ替わることがある。3年で3業種、という配属もありうる
社外の人脈会う相手は被監査会社の経理部。立場上、そこから仕事が生まれることはない
3年いても残りにくいもの
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EY新日本監査法人についてよくある質問

Q1. EY新日本は本当に『やばい』のですか。

A. 被監査会社数がBIG4で最も多く、人員は2位なので、法人全体で見た案件の密度は高い側です。ただしこれは配属される事業部と事務所で大きく変わります。「やばい」の中身が繁忙期の重さなのか、水準の高さなのかで意味も変わるので、切り分けて読むことをおすすめします。

Q2. 被監査会社数が多いと、働き方はどうなりますか。

A. 往査の日程が動かしにくい、追加資料の依頼がまとまって来る、返信が数日後になる。被監査側から見ていた範囲では、この3つに出ていました。個人の能力ではなく、抱えている数の問題です。

Q3. EY新日本の離職率はどれくらいですか。

A. 法人が離職率を単独で公表している一次資料は確認できませんでした。数字を断定している情報は出どころを確かめてください。会計士は監査法人を出たあとの選択肢が広く、辞める人が多いこと自体は環境の悪さと直結しません。

Q4. あずさやトーマツと比べて、どこが違いますか。

A. 業務収入はあずさ1,314億円、トーマツ1,298億円、EY新日本1,229億円でほぼ横並びです。差が出るのは被監査会社数で、EY新日本が3,805社と最多。人員はあずさ7,362名に対しEY新日本6,517名なので、1人あたりの案件密度はEY新日本のほうが高い計算になります。

Q5. 公認会計士の資格がなくても入れますか。

A. 定期採用の中心は試験合格者ですが、監査補助職員が1,441名、その他事務職員等が601名在籍しており、IT監査や内部統制、コーポレート職などの入口があります。ただし会計士と同じキャリアパスにはなりません。

Q6. 一番忙しいのはいつですか。

A. 3月決算の会社を担当する場合、4月から5月が最も重くなります。逆に7月から8月は落ち着きやすく、年間を通して一定に忙しいわけではありません。

Q7. EY新日本の年収はどれくらいですか。

A. 法人別の公表値はありません。BIG4の目安として、スタッフ560〜600万円、シニアスタッフ700〜880万円、マネージャー896〜1,072万円、シニアマネージャー1,088〜1,280万円です(マンパワーグループ公開情報)。法人差より役職差のほうが大きくなります。

Q8. 全国16か所に事務所があると、転勤はありますか。

A. 事務所間の異動の可能性は否定できません。勤務地を限定したい場合は、面接の段階で確認しておくべき項目です。地方事務所は担当するクライアントの業種も本部と変わります。

Q9. 1年目や2年目で辞めるのはもったいないですか。

A. 修了考査までの実務経験が中断する点は考慮が必要です。ただし体調や適性の問題であれば、早い段階で方向を変えるほうが結果的に傷は浅く済みます。辞める前に異動やクライアント変更の可否を確認しておくと判断材料が増えます。

Q10. 転職活動はいつ始めるのが良いですか。

A. 繁忙期の真っ最中は面談の時間が取りづらく、判断も鈍ります。落ち着く7月から9月に情報を集めるのが現実的です。求人を見て条件を確かめるところまでは、繁忙期でも少しずつ進められます。

Q11. EY新日本から事業会社の経理に移ると、年収は下がりますか。

A. 一概には言えません。同じ「経理」でも上場企業の連結決算担当と中小企業の経理では提示額が大きく変わります。監査法人時代の額面だけで比べず、賞与の割合や残業代の扱いまで含めて確かめてください。

Q12. 担当する会社は自分で選べますか。

A. 基本的には配属で決まります。EY新日本の被監査会社は金商法・会社法監査805社、会社法監査1,263社、その他の法定監査831社、学校法人監査74社など幅があるので、希望の業種があれば入所前の面談で伝えておくほうが通りやすくなります。

Q13. 「やばい」と言われる法人を避ければ、楽になりますか。

A. 1人あたりの担当社数はEY新日本0.58社、トーマツ0.51社、あずさ0.44社、PwC0.40社。差はありますが、どこも0.4社を超えます。法人選びで変えられるのは程度であって、監査という仕事の形そのものではありません。

Q14. 辞める前に、社内でできることはありますか。

A. 担当替えの相談、部門異動、勤務地の変更。組織が6,517名ある以上、選択肢は社外だけではありません。ただし相談してから動くまでには時間がかかるので、社外の求人も並行して見ておくと判断が早くなります。

まとめ

長い記事になったので、大事なところだけまとめます。

【この記事のまとめ】
・EY新日本の被監査会社は3,805社でBIG4最多。人員は6,517名で2位
・1人あたりの担当社数は0.58社で、BIG4のなかでいちばん多い計算になる
・その密度は、往査の日程・資料依頼・返信の速さという形で外からも見える
・業務収入は1,229億円。うち非監査証明業務が約2割
・離職率の公表資料は確認できない。数字より、辞める人が多い構造を理解するほうが役に立つ
・被監査会社数が多いことは、触れられる業種の幅が広いという強みでもある
・法人の平均ではなく、配属される事業部の実数を面接で聞くこと

もしいま入るか迷っているなら、あるいは中にいて動くか迷っているなら、次にやることは一つです。

法人の評判を読み続けるのをやめて、いま募集している求人と、そこで自分に出る条件を確かめてみましょう。ここが分からないまま考え続けても、答えは出ません。

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