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監査法人は激務?繁忙期の残業、BIG4と中小の違い、辞めどきを現役管理部門が解説

監査法人は、本当に激務なのか?

公認会計士試験の合格発表が近づくたびに、この検索が静かに増えるそうです。

内定をもらった人も、転職を考える人も、入る前にいちばん気になるのが「働き方」だからだと思います。

ひのです。社労士をやりながら、本業は会社の総務で給与計算と人件費の管理をしています。

監査法人は僕の専門のさらに外側ですが、毎年春になると、フロアを行き来する会計士の方々を横目に「この人たちは今、どれくらいの稼働なんだろう」と眺めてきました。採用する側・人件費を見る側として、会計士の働き方はずっと隣にありました。

【監査法人の激務について】
・繁忙期はどれくらい忙しいの?残業は月に何時間?
・BIG4と中小、激務なのはどっち?
・ついていけなかったら…1年で辞める人もいるって本当?
・激務でも続ける価値はある?それとも早めに動くべき?
・監査法人を抜けるなら、どんな転職先があるの?

わかります。僕も社労士試験の勉強中は「この資格さえ取れば働き方は楽になる」と思い込んでいた時期がありました。

現実は合格後にこそ働き方の本番が待っていて、理想と体力のギャップに何度もへこみました。監査法人の激務も、たぶん似た構造です。

先に結論を言います。監査法人は『通年でずっと激務』なのではなく、『繁忙期に負荷が極端に集中する』仕事です。

ひの
ひの

だから本当の問いは『激務かどうか』ではなく、『その波を自分が乗りこなせるか、乗りこなす価値があるか』です。

【この記事を読むとわかること】
・監査法人の繁忙期がいつ来て、残業がどこまで膨らむのか
・激務になる『構造的な5つの理由』
・BIG4と中小、法人ごとの激務度の違い
・『ついていけない』『1年で辞める』の分かれ道
・激務がきついときの現実的な選択肢と、激務を避ける転職先

まずは全体像を数字でつかみます。監査法人の忙しさは、1年の中でこれだけ波があります。

時期繁忙の度合い残業の目安(月)
4月中旬〜5月上旬
(3月決算の本番)
★★★★★ ピーク80時間を超えることも
1月・7月・10月
(四半期レビュー)
★★★★☆ 山40〜60時間程度
6月
(株主総会前)
★★★☆☆ やや繁忙30〜50時間程度
8月・11月・2月
(閑散期)
★☆☆☆☆ 落ち着く20〜40時間程度

※残業時間は複数の会計士向け転職メディアが示す相場値です。実際の数字は法人・部署・担当クライアントで大きく変わります。

ひの
ひの

ポイントは『平らに忙しい』のではなく『春に一気に来る』こと。裏を返せば、夏や秋は有給も取りやすい時期です。この濃淡を知らずに『監査法人=年中ブラック』と決めつけると、判断を確実に誤ります。

監査法人への転職も、監査法人からの転職も、いちばんの近道は自分の経歴がいまどう評価されるかをプロに聞くことです。

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  1. この記事の執筆者の信頼性
  2. 監査法人の繁忙期はいつ?年間スケジュールで激務の波を可視化
  3. 監査法人の残業時間の実態!繁忙期は月80時間を超える?
  4. なぜ監査法人は激務になるのか?5つの理由
    1. 激務になる理由① 決算日が3月に集中、クライアントの締めが一斉に来る
    2. 激務になる理由② 公認会計士は『簡単に増やせない』専門職だから
    3. 激務になる理由③ 監査品質への要求が年々厳しくなっているから
    4. 激務になる理由④ クライアント側の都合に振り回されやすいから
    5. 激務になる理由⑤ 『監査意見を出す』責任の重さが精神的な負荷に
  5. BIG4監査法人と中小監査法人、激務なのはどっち?
  6. 【BIG4】法人別に見る規模と『一人あたりの負荷』
  7. 『監査法人についていけない』『1年で辞める』人の実態
  8. 監査法人の激務は働き方改革で変わったの?
  9. 監査法人の激務がきついとき、辞める前に考える3つの選択肢
    1. 選択肢① 法人の中で監査以外の部署へ異動する
    2. 選択肢② 会計士資格を活かして事業会社・コンサルへ移る
    3. 選択肢③ いったん市場価値だけ把握して、繁忙期明けに動く
  10. 監査法人の激務を避ける転職先とは?事業会社経理・CFO・コンサル
  11. 監査法人の激務に向いている人・向いていない人
  12. 監査法人の1日のスケジュール ~繁忙期と閑散期で比較~
  13. 監査法人の激務な繁忙期を乗り切るコツ
  14. 公認会計士の激務は将来性に見合うのか?
  15. 監査法人の種類と激務度
  16. 『監査法人はきつい・頭おかしい』と言われる繁忙期
  17. 監査法人の激務に関するよくある質問
  18. まとめ ~監査法人の激務は『業界の構造』を知ること~

この記事の執筆者の信頼性

僕「ひの」は、3度の受験・2年半の勉強を経て令和元年度の社会保険労務士試験に合格した、現役の社会保険労務士です。本業は事業会社の総務で、給与計算・年末調整・社会保険事務を担当しています。

【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
総務部門で給与計算・社会保険事務を担当(現役)

正直に言うと、僕は公認会計士でも、監査法人で働いた経験もありません。監査法人は僕の専門の『隣』にある世界です。

ただ、採用と人件費を見る側として、会計士の働き方や報酬水準はずっと近くで見てきました。

だからこの記事では、激務の体感を語るのではなく、公表データと一次的に確認できる事実を出典付きで並べ、そのうえで管理部門から見た視点を添えたいと思います。

監査法人の繁忙期はいつ?年間スケジュールで激務の波を可視化

監査法人の激務を語るうえで、いちばん大事なのが『繁忙期がいつ来るか』です。

日本では3月決算の企業が多く、上場企業に限ると約7割が3月決算。そのため、3月末を締めたクライアントの監査が一斉に動く4〜5月に、負荷が集中します。

監査法人の月別稼働イメージ(3月決算クライアント中心の場合)
1月やや繁忙
2月落ち着く
3月立ち上がり
4月繁忙
5月最繁忙
6月繁忙
7月
8月落ち着く
9月立ち上がり
10月
11月落ち着く
12月やや繁忙
※担当クライアントの決算期によって、波の位置は前後します
時期主な監査業務稼働イメージ
1月12月決算の対応・第3四半期レビューやや繁忙
2月閑散期。調書の整理や自己研鑽にあてやすい落ち着く
3月期末監査の準備、棚卸立会などの実査立ち上がり
4月3月決算の期末監査が本格化繁忙へ
5月監査意見の形成。GWを返上することもあるピーク最繁忙
6月株主総会対応・有価証券報告書繁忙
7月第1四半期レビュー
8月夏期休暇を取りやすい閑散期落ち着く
9月9月中間決算の準備立ち上がり
10月第2四半期レビュー
11月閑散期・研修落ち着く
12月第3四半期の準備・12月決算の対応やや繁忙

3月決算企業が多い背景は、国税庁の会社標本調査でも確認できます(全法人ベースでも3月決算が最多)。出典:国税庁「会社標本調査」

ひの
ひの

つまり監査法人の激務は『春の一点集中型』。4〜5月をどう乗り切るかが勝負で、ここを越えれば夏はぐっと楽になります。逆に言うと、この時期に有給やプライベートの予定を入れるのはほぼ不可能だと思っておいたほうがいいです。

監査法人の残業時間の実態!繁忙期は月80時間を超える?

では、監査法人の激務のピークで残業はどこまで膨らむのでしょうか。

会計士向けの転職メディアが示す相場をならすと、おおよそ次のようなイメージです。残業代がそのまま給与に乗るため、忙しい月ほど手取りが増えるのも監査法人の特徴です。

時期残業の目安(月)1年目の手取りイメージ
閑散期(夏・秋)20〜40時間27万円前後の月も
通常期40時間前後30万円台前半
繁忙期(4〜5月)80時間を超えることも残業代で50万円前後になる月も

注意したいのは、繁忙期の月80時間という水準が、いわゆる『過労死ライン』に近いということ。残業代で稼げる一方、体力と生活リズムは確実に削られます。
『稼げるからきつくても平気』と『きついから稼げても続かない』は紙一重です。

ひの
ひの

僕が人件費を見る立場で言うと、繁忙期に残業代が跳ね上がるのは『その分、無理をしている』というサインでもあります。お金の額面だけでなく、その裏でどれだけ削られているかをセットで見てほしいところです。

なぜ監査法人は激務になるのか?5つの理由

監査法人の激務は、個々の上司や法人の体質というより、監査法人という仕事の『構造』から来ています。

激務になる理由を5つに分けて解説します。

激務になる理由① 決算日が3月に集中、クライアントの締めが一斉に来る

さきほど解説したとおり、上場企業の約7割が3月決算です。

担当する会社の決算がバラけていれば負荷も分散できますが、現実は3月末に一斉に締まる。

だから人を平らに配置できず、春に一気に負荷がかかります。これは監査法人を変えても消えない、業界全体の構造です。

ひの
ひの

AIの進化により、業務量もDX化が進んでおり、実際は改善傾向にあります。

激務になる理由② 公認会計士は『簡単に増やせない』専門職だから

忙しいなら人を増やせばいい、とはいかないのが公認会計士という専門職のつらいところ。

公認会計士試験の合格率は令和7年(2025年)で7.4%という狭き門で、有資格者がそもそも限られています。

慢性的な人手不足のなかで繁忙期を回すため、一人あたりの負荷が上がりやすいのです。(出典:公認会計士・監査審査会

激務になる理由③ 監査品質への要求が年々厳しくなっているから

会計不正や監査の信頼性が問われるたびに、求められる手続きや文書化のレベルは上がってきました。

同じクライアントでも、年々『見るべきこと・残すべき証拠』が増えている。

品質を担保するための作業量が、そのまま稼働に乗ってきます。

激務になる理由④ クライアント側の都合に振り回されやすいから

監査業務は、クライアントから資料が出てこないと進みません。自分のペースで出来ないのがポイントです。

先方の経理の動きが遅れれば、そのしわ寄せは監査チームの夜と週末に来ます。

自分の段取りだけでは完結しない仕事である点が、激務感を強めます。

激務になる理由⑤ 『監査意見を出す』責任の重さが精神的な負荷に

監査法人の仕事は、最終的に『この決算書は信頼できる』とお墨付きを出すこと。

社会的な責任が重く、ミスが許されにくい緊張感があります。物理的な残業時間以上に、この精神的なプレッシャーを『きつい』と感じる人は少なくありません。

その結果、チェックが二重三重になってしまい業務を増やします。

ひの
ひの

つまり監査法人の激務は、誰かのせいというより『決算集中×人手不足×品質要求×他者依存×責任の重さ』の掛け算。ここを理解しておくと、『自分が無能だからついていけない』と抱え込まずに済みます。
きついのは、あなたのせいではなく構造のせいです。

BIG4監査法人と中小監査法人、激務なのはどっち?

『監査法人が激務』

と一口に言っても、大手BIG4と中小監査法人では、忙しさの『種類』が違います。

どちらが上というより、しんどさの出方が異なる、と捉えるのが正確です。

【BIG4(大手)の激務の特徴】
・担当は大規模、上場クライアントが中心で、求められる品質と文書化の量が多い
・分業が進んでいる分、一人の守備範囲は狭く深くなりがち
・繁忙期の残業は重いが、人員と教育体制は手厚い
・GW返上などピークの集中度が高い

【中小監査法人の激務の特徴】
・一人が広い範囲を任され、雑務まで含めて『何でも屋』になりやすい
・プロパー職員が少なく、繁忙期に頼れる人手が限られる
・クライアントの規模は小さめでも、掛け持ちで負荷が読みにくい
・教育は現場任せになりやすく、立ち上がりが大変なことも

比較軸BIG4(大手)中小監査法人
クライアント大規模・上場が中心中小・非上場も多い
業務範囲狭く深い(分業)広く浅い(一人で多く)
繁忙期の重さ重いが体制で支える人手不足でダイレクトに来る
教育体制研修が手厚い現場でのOJT中心
年収水準高め法人による差が大きい
ひの
ひの

ざっくり言うと、BIG4は『量と品質のプレッシャー』、中小は『一人あたりの幅広さと人手不足』。最初の数年でみっちり鍛えられたいならBIG4、早く幅広く任されたいなら中小、という選び方が現実的です。

【BIG4】法人別に見る規模と『一人あたりの負荷』

BIG4の中でも、企業規模と一人あたりの報酬には差があります。

公表されている直近の売上規模と、一人あたり報酬を並べてみます。

監査法人売上規模(2025年度)1人あたり報酬
有限責任 あずさ監査法人約1,314億円約725万円
有限責任監査法人トーマツ約1,298億円約757万円
EY新日本有限責任監査法人約1,229億円約803万円
PwC Japan有限責任監査法人約842億円約889万円

おもしろいのは、売上規模が最大級のあずさ・トーマツより、規模を絞ったPwC Japanのほうが一人あたり報酬は高い傾向にあること。

『大きい=待遇がいい』とは限らず、人員あたりの稼ぎ方の設計が法人ごとに違う、ということです。法人ごとの社風・得意業種は『四大監査法人はどこがいいかを比較した記事』で詳しく掘り下げています。

激務の度合いを『法人の名前』だけで決めるのは危険。同じBIG4でも、配属される部署と担当クライアントで働き方はまるで変わります。

ひの
ひの

名前で選ぶより、入ってからの配属とチームを面接で確かめにいくほうが、よほど激務リスクを下げられます。

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『監査法人についていけない』『1年で辞める』人の実態

『監査法人 ついていけない』『監査法人 1年で辞める』

検索すると、こうした言葉がいくつも並びます。

まず知ってほしいのは、こう感じる人はあなただけではない、ということです。

【『ついていけない』は、こんな瞬間】
・繁忙期に仕事量が読めず、終わりが見えない
・専門用語と監査ツールに最初の数か月でつまずく
・先輩も忙しく、質問するタイミングがつかめない
・『自分だけ遅い』と感じて自信をなくす

ただ、これらの多くは『無能だから』ではなく『立ち上がりと繁忙期が重なっているから』起きます。

1年目で辞める人が一定数いるのも事実ですが、会計士資格があれば次のキャリアは十分に描けるため、辞めること自体は珍しくも恥でもありません。

問題は、辞める判断を『繁忙期のピークの感情』で決めてしまうことです。

【早めに動いたほうがいい】
・繁忙期以外も常時オーバーワークが続いている
・睡眠や食欲など、心身に不調が出ている
・1年たっても成長実感がまったくない
・ハラスメントなど環境そのものに問題がある

【もう少し続ける価値あり】
・きついのは繁忙期の一時的なものだと説明がつく
・大変ですが、スキルは確実に伸びている実感がある
・繁忙期が明ければ休めて、回復できている
・人間関係そのものは悪くない

ひの
ひの

辞めるか続けるかは、ピークの最中ではなく、繁忙期が明けて少し休んだあとの自分に聞くのがいちばん正確です。5月の深夜に出した結論と、8月のお盆に出す結論は、たいてい別物ですから。

監査法人の激務は働き方改革で変わったの?

結論から言うと、昔ほどの『青天井の激務』は減っています。

労働時間の管理が厳しくなり、リモートワークや繁忙期の業務平準化、人員の手当てなど、各法人とも働き方の改善に動いてきました。

深夜まで会議室に缶詰、という光景は以前より確実に少なくなっています。

とはいえ、ここまで見てきた『決算集中・人手不足・品質要求』という構造そのものは変わっていません。

改革で『青天井』はなくなったが、『繁忙期に山が来る』のは健在

これが正直なところです。改善を過大評価も過小評価もせず、波がある前提で備えるのが現実的です。

ひの
ひの

制度が変わっても、3月決算が一斉に来るという根っこは変わりません。『昔よりマシ』は本当ですが、『楽になった』とまでは言いきれない。期待値はそのあたりに置いておくと、入ってからのギャップが小さくて済みます。

監査法人の激務がきついとき、辞める前に考える3つの選択肢

『監査法人もう限界かも…』

と思ったとき、いきなり退職届に向かう前に、間に挟める選択肢が3つあります。

選択肢① 法人の中で監査以外の部署へ異動する

監査がきついからといって、会計士のキャリアが監査だけということはありません。

アドバイザリーやIPO支援など、同じ法人内でも繁忙期の出方が違う部署があります。

ひの
ひの

まずは法人を辞めずに環境だけ変えられないか、を探るのが第一の手です。

選択肢② 会計士資格を活かして事業会社・コンサルへ移る

監査法人で数年鍛えた経験は、事業会社の経理・財務やコンサルで高く評価されます。

激務の波を抜けて、決算期以外は落ち着いて働く環境に移る人は多いです。どのような求人があるのかは会計専門の転職エージェント『ヒュープロ』で簡単に確認ができます。

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会計士の詳しい移り先は、次章でまとめてます。

選択肢③ いったん市場価値だけ把握して、繁忙期明けに動く

いますぐ辞めなくても、自分にどんな求人があるかを知っておくだけで気持ちは軽くなります。

『いつでも動ける』とわかっていると、目の前の繁忙期も冷静に乗り切れる。情報収集だけ先に済ませ、実際の転職は繁忙期が明けてから、という段取りが安全です。

ひの
ひの

3つに共通するのは『辞める前に、選べる状態をつくっておく』こと。追い込まれてから動くと選択肢が狭まります。元気なうちに逃げ道を用意しておくのは、逃げではなく戦略です。

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監査法人の激務を避ける転職先とは?事業会社経理・CFO・コンサル

監査の仕事はきついけれど、会計士としての専門性は手放したくない。

そんな人のために、激務の波から抜けやすい代表的な転職先を整理します。会計士資格と監査経験は、想像以上に幅広い場所で評価されます。

転職先特徴激務度こんな人に
事業会社の経理・財務決算期以外は比較的落ち着き、腰を据えて働ける★★☆☆☆繁忙期の波から抜けたい人
管理部門の幹部候補・CFO経営に近い立場へ。会計士の専門性が武器になる★★★☆☆いずれ上を目指したい人
FAS・コンサル(M&A・財務DD)報酬は上がりやすいが繁忙はある★★★★☆刺激と年収を取りたい人
中小監査法人・税理士法人監査を続けつつ働き方を調整できる★★★☆☆監査の仕事自体は好きな人
独立・開業自由度は高いが収入は自分次第★★☆☆☆〜長期で独立を見据える人

いちばん人気の受け皿は、やはり事業会社の経理・財務です。

具体的な進め方は『監査法人からの転職を解説した記事』、年収の伸ばし方は『CFO・経理財務の年収の記事』、経理職そのものの実態は『経理への転職の記事』で詳しくまとめています。

ひの
ひの

『監査がきつい=会計士に向いていない』ではありません。監査という働き方が合わなかっただけで、資格と経験を活かせる場所は他にいくらでもあります。場所を変えるという発想を、選択肢に入れておいてください。

監査法人の激務に向いている人・向いていない人

監査法人は激務という前提を踏まえて、監査法人に向いている人・向いていない人を見ておきます。あくまで傾向なので、当てはまらなくても落ち込む必要はありません。

【監査法人に向いている人】
・繁忙期と閑散期のメリハリを楽しめる
・短期集中で一気に片づけるのが得意
・専門性を高めることに喜びを感じる
・若いうちにまとめて鍛えられたい
・チームで動くのが苦にならない

【監査法人に向いていない人】
・年間を通して一定のペースで働きたい
・繁忙期に予定を空けられないのが強いストレス
・他者の都合で残業が決まるのが耐えがたい
・体力や睡眠リズムの乱れに弱い
・数字より対人の仕事に喜びを感じる

ひの
ひの

向き不向きは、能力ではなく『波との相性』で決まる部分が大きいです。波に乗れるなら監査法人は最高の修行場ですし、波がどうしても苦手なら、波の小さい場所へ移ればいい。それだけのことだと思います。

監査法人の1日のスケジュール ~繁忙期と閑散期で比較~

激務のイメージは、1日の流れで見るとよりはっきりします。

同じ監査法人でも、繁忙期と閑散期では一日の過ごし方がまるで別物です。

時刻繁忙期の一日(4〜5月)閑散期の一日(夏・秋)
9:00クライアント先へ出社、前日の宿題を確認出社しメールと調書整理から
午前往査・証憑の突合・先方への質問対応調書レビューや社内研修
12:00昼食もそこそこに作業を継続同僚と外でゆっくりランチ
午後追加で出た検出事項の対応、上司のレビュークライアント往査や打ち合わせ
18:00ここからが本番、調書を仕上げる定時で退社できる日もある
21:00以降残務処理と翌日の段取り基本的に残業なし
ひの
ひの

同じ職場とは思えないほど、季節で生活が変わります。だからこそ『今がどの時期の話か』を抜きに激務を語ると、実態を見誤ります。面接で1日の流れを聞くときは、必ず『繁忙期の』と付けて確認してください。

監査法人の激務な繁忙期を乗り切るコツ

構造的に避けられない繁忙期も、備え方しだいでダメージは大きく変わります。現場でよく語られる工夫を5つにまとめました。

【繁忙期を乗り切る5つのコツ】
①繁忙期に入る前に、睡眠と食事のリズムを整えておく
②『わからない』は抱え込まず、早い段階で先輩に聞く
③閑散期にまとまった休みを取る計画を、先に立てておく
④『今だけ』『5月まで』と期限を区切って割り切る
⑤無理を続けず、体調の異変は早めに上司へ共有する

特に効くのは、3つ目の『閑散期の休みを先に決めておく』こと。

ゴールが見えていると、人は同じ負荷でも踏ん張れます。『この繁忙期を越えたら夏に1週間休む』と決めておくだけで、5月の深夜の景色は少し違って見えますよ。

ひの
ひの

繁忙期を乗り切るコツは、根性ではなく段取りです。終わりを設計しておく人ほど、波に飲まれずに泳ぎきれます。気合いで耐えるより、回復の予定を先に押さえるほうが、ずっと現実的な対策です。

公認会計士の激務は将来性に見合うのか?

では、これだけの激務に耐える価値はあるのか。

監査法人で数年働くことと引き換えに得られるものを、正直に考えてみたいと思います。

激務の対価として得られるもの内容
会計・監査の専門スキル短期間で濃く鍛えられ、生涯使える土台になる
高い年収水準平均800万円前後と、同年代より高めからスタートできる
つぶしの効くキャリア事業会社・コンサル・独立など出口が広い
市場価値『元監査法人』の肩書きは転職市場で評価されやすい
独立の選択肢将来、税理士登録や開業という道も開ける

激務には激務なりの『見返り』があります。問題は、その見返りが自分の欲しいものと一致しているか。専門性と年収とつぶしの効くキャリアが欲しいなら、数年の激務はかなり割のいい投資です。

ひの
ひの

逆に、そこに魅力を感じないなら、無理に監査法人で耐える必要はありません。

監査法人の種類と激務度

ここまでBIG4と中小を比べてきましたが、実際には監査法人にはもう少し細かい区分があります。

監査法人の規模によって激務の出方が違うので、ざっとまとめてみます。

種類規模の目安主なクライアント激務の傾向
大手(BIG4)数千人規模大企業・上場品質と量の負荷が重いが、人員と体制は手厚い
準大手数百人規模中堅上場・IPO企業BIG4に近い経験を少人数で、幅広く任されやすい
中小数十〜百人規模中小・非上場一人の守備範囲が広く、人手不足が直撃しやすい
個人事務所数人規模小規模クライアント監査以外の業務も担当、繁忙が読みにくい

『大手は激務、中小は楽』という単純な話ではありません

準大手や中小は人数が少ない分、一人が背負う幅が広く、繁忙期に頼れる人手が限られます。規模が小さいほど『仕組みより個人の頑張りで回す』場面が増える、と捉えておくと近いです。

ひの
ひの

どの種類にも、それぞれの激務とそれぞれの良さがあります。『大手で分業の深さを取る』のか『中小で幅広さを取る』のか。
激務の総量より、自分が背負いたい負荷の形で選ぶと後悔が少ないです。

『監査法人はきつい・頭おかしい』と言われる繁忙期

検索すると、『監査法人 頭おかしい』『繁忙期 辛い』といった、かなり強い言葉も出てきます。

きれいごとで終わらせないために、この検索結果に解説します。

【繁忙期に漏れがちな本音】
・終わりが見えなくて、何のために働いているの?
・周りが優秀すぎて、自分だけついていけない気がする…
・こんな働き方は普通じゃない、頭おかしいんじゃないか…
・もう全部投げ出して辞めたい…

こうした感情の多くは、繁忙期のピークという『特殊な状態』が言わせています。

睡眠が削られ、終わりが見えない時期は、誰でも思考がネガティブに振れます。だから、この時期に出てくる『辞めたい』『向いてない』は、いったん割り引いて受け止めてあげてください。

ただし、繁忙期が明けて休んでも気持ちが戻らない、心身の不調が続く。

そこまで来ているなら、それは一時の感情ではなく本物のサインです。さきほど挙げた『早めに動いたほうがいいサイン』に当てはまるなら、我慢を美徳にせず、環境を変えましょう。

ひの
ひの

労務を見る立場から言わせてもらうと、『頑張って壊れる』のがいちばんもったいない結末です。

監査法人の激務に関するよくある質問

Q. 監査法人は本当に激務で、辞める人が多いのですか?

繁忙期は確かに激務ですが、『通年でずっと』ではありません。春のピークに負荷が集中する波型の忙しさです。辞める人が一定数いるのは事実ですが、その多くは会計士資格を活かして事業会社やコンサルへ前向きに移っていきます。ネガティブな離職ばかりではない点は知っておいてください。

Q. 繁忙期の残業は月に何時間くらいですか?

会計士向けメディアの相場では、4〜5月のピークで月80時間を超えることもあるとされます。一方、夏や秋の閑散期は月20〜40時間程度まで下がります。法人・部署・担当クライアントで差が大きいので、あくまで目安です。

Q. BIG4と中小監査法人では、どちらが激務ですか?

しんどさの種類が違います。BIG4は大規模クライアントの『品質と量のプレッシャー』、中小は一人で広く担う『幅広さと人手不足』。どちらが上というより、自分がどちらの負荷に耐えやすいかで選ぶのが現実的です。

Q. 激務でも年収は高いのですか?

公認会計士の平均年収はおおむね800万円前後とされ、一般的な水準より高めです。繁忙期は残業代も乗るため、1年目でも手取りが50万円前後になる月があります。ただし、その分だけ体力を使っている裏返しでもあります。

Q. 激務を避けるなら、何月入社がいいですか?

立ち上がりと繁忙期が重なると一番きついので、繁忙期の直前(年明け〜3月)入社は負荷が高めです。可能なら、繁忙期が明けて落ち着く夏ごろの入社だと、慣れる時間を取りやすくなります。

Q. 繁忙期に有給休暇は取れますか?

4〜5月のピークはほぼ取れないと思っておいたほうがいいです。その代わり、8月や11月などの閑散期はまとまった休みを取りやすい。年間でならせば休めますが、『取りたい時に取る』より『取れる時に取る』働き方になります。

Q. 「ついていけない」と感じたら、すぐ辞めるべきですか?

ピークの最中に結論を出すのはおすすめしません。立ち上がりと繁忙期が重なって誰でもきつい時期だからです。判断は繁忙期が明けて少し休んだあとに。そのうえで心身の不調が続くなら、無理せず環境を変える検討に入ってください。

Q. 監査法人の激務がきついとき、どこに相談すればいいですか?

まずは法人内の上司やメンターに異動の相談を。社外の選択肢を知りたいなら、士業・管理部門に特化した転職エージェントに登録して、求人を見ながら相談するのが手軽です。情報を持つだけでも気持ちは軽くなります。

まとめ ~監査法人の激務は『業界の構造』を知ること~

【この記事のまとめ】
・監査法人は通年ではなく『繁忙期に集中』する波型の激務(ピークは4〜5月)

・繁忙期の残業は月80時間超になることも、閑散期は20〜40時間程度

・激務の正体は『決算集中×人手不足×品質要求×他者依存×責任』の構造

・BIG4と中小はしんどさの種類が違う/法人名より配属で決まる

・辞めるか続けるかはピーク中ではなく繁忙明けに判断する

・きつければ、事業会社経理・CFO・コンサルなど波の小さい場所へ移る手がある

監査法人の激務は、正体を知らないと『自分が弱いせいだ』と抱え込んでしまいます。でも実際は構造の問題。波があると分かっていれば、乗りこなすことも、見切りをつけることも、落ち着いて選べます。

ひの
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きつさの真っただ中にいる人ほど、元気なうちに『選べる状態』だけ作っておいてください。

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