CFO(最高財務責任者)の年収は、転職エージェントJAC Recruitmentの実績データで平均1,548.7万円。
しかし「実際どうやったらなれるのか」「何の資格が必要か」という道筋がよくわからない、という経理・財務担当者が多いのが現実です。
ひのです。社労士として働きながら、本業では会社の管理部門で給与計算・人件費管理を担っています。
CFOは僕の専門のさらに上のポジションですが、管理部門で人件費と労務を横断的に見てきた立場から、データに基づいて正直にお伝えします。
「憧れの職種だけど実態がよくわからない」という状態のまま動くより、年収・キャリア・資格・転職市場を一度整理してから動いた方が確実に効率がいい。
この記事では、CFOの年収相場から転職市場の現状、なるためのキャリアまでを解説します。

「CFO 年収」を調べる人には2種類います。経理財務でキャリアを積んでいて「いつかCFOを」という人と、今まさに転職先としてCFOポジションを狙っている人。どちらにも使えるよう、データと実態の両方を整理しました。
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この記事の執筆者の信頼性

僕「ひの」は、3度の社労士試験受験・2年半の試験勉強を経て令和元年度社労士試験に合格した、現役の社会保険労務士です。
【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
総務部門で給与計算・社会保険事務を担当(現役)
僕はCFOではありません。ただ、給与計算・年末調整・源泉徴収という会社の管理部門で回しています。
だからこそ本記事の年収・市場データはすべて公的統計や求人サイト・予備校の公開数値を出典付きで載せ、僕はそれを「管理部門で働いてきた社労士」としての目線で解釈してお伝えします。
CFOとは何か?役割と仕事内容を整理する
CFO(Chief Financial Officer)とは、企業の財務機能全体を統括する最高財務責任者のことです。CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)と並ぶ経営幹部のひとりで、
数字で経営を支えるCEOの右腕
として機能します。
かつてのCFOは『過去の数字を管理する』役割が中心でしたが、現在はFP&AやIRなど、将来に向けた未来志向の役割が重視されています(出典:ブラックライン株式会社「財務・会計用語集:CFO組織」2026年5月)。
CFOの5つの仕事内容
| 領域 | 主な内容 |
|---|---|
| 経理(Accounting) | 財務会計業務。正確な決算数値をステークホルダーへ報告する |
| 財務(Treasury) | 資金計画・調達・運用。 中長期的なコーポレートファイナンスを担う |
| 税務戦略(Tax Compliance & Planning) | 税金を戦略的に管理してキャッシュフローを最大化する |
| FP&A(Financial Planning & Analysis) | 財務モデルで事業計画を策定し、分析に基づく意思決定を支援する |
| IR(Investor Relations) | 投資家・株式市場への情報発信。 企業価値向上の重要な役割を担う |
出典:ブラックライン株式会社「財務・会計用語集:CFO組織」をもとに当サイト作成
企業規模によってCFOの役割は変わる
| 企業フェーズ | CFOのメインミッション |
|---|---|
| スタートアップ (シード〜アーリー) | キャッシュフロー管理・VC資金調達・財務基盤の立ち上げ |
| 成長期 (グロース〜上場準備) | 資本政策・IPO準備・内部統制構築・エクイティストーリー設計 |
| 上場後 (中堅企業) | M&A・PMI・連結決算高度化・グループガバナンス強化 |
| 大手・グローバル企業 | グローバル連結・海外IR・コーポレートファイナンス全体最適化 |
管理部門から見ていると、ベンチャーのCFOと大手のCFOは「同じ肩書き、別の仕事」と言っていいくらい中身が違います。ベンチャーは資金調達と生き残りが全て。大手は組織の重さに逆らって変革を動かす力が問われます。

どちらが合うかを先に考えることが、CFO転職の最初のステップだと思います。
CFOの年収相場【企業フェーズ・規模別データ2026年】
CFOの年収は企業の規模・フェーズ・業種によって大きく異なります。
転職エージェントJAC Recruitmentが支援した実績データでは、CFOに就任した方の平均年収は1,548.7万円、ボリュームゾーンは1,200〜1,500万円でした。

やはり、CFOは経営層なので年収が高いです。
年収約3,000万円での就任事例もあります(出典:JAC Recruitment「CFOの転職事情」)。
企業フェーズ別CFO年収の目安
| 企業フェーズ | CFO年収の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| スタートアップ (シード〜アーリー) | 500万〜1,000万円 | 現金報酬は低め。 ストックオプションが主な上乗せ |
| 成長期ベンチャー (上場準備中) | 800万〜1,500万円 | 資金調達実績で年収が大きく変わる |
| 上場企業 (中堅) | 1,000万〜2,000万円 | 業績連動賞与あり。安定感が高い |
| 上場企業 (大手・外資) | 1,500万〜3,000万円以上 | 外資はボーナス込みで3,000万超も標準的 |
出典:JAC Recruitment(2026年5月)、ヤマトヒューマンキャピタル(2024年)、リネアコンサルティング(2026年1月)各社データをもとに当サイト作成
関連職種との年収比較
CFOの年収水準を把握するために、関連職種との比較データを見てみましょう。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| 経営者・CEO・COO | 1,385万円 |
| M&A・投資銀行部門 | 1,181万円 |
| 経営・戦略・業務コンサルタント | 999万円 |
| 経営企画・戦略 | 942万円 |
| 経理・会計・財務(一般) | 703万円 |
出典:OpenWorkキャリア「職種別年収推移」(2026年5月時点)
一般の経理・財務職の平均が703万円であるのに対し、CFOに就任すると1,200万〜1,500万円が標準的なゾーンになります。
CFOと一般経理では年収に800万円前後の差が生じていることがわかります。
ベンチャーCFOのストックオプション(SO)という武器
ベンチャー・スタートアップのCFOは現金報酬だけ見ると大手より低く見えますが、ストックオプション(SO)が付与されているケースが多く、IPO達成時には数千万円〜数億円規模のキャピタルゲインを得るケースもあります。
現在IPO準備中の成長企業のCFOポジションでは、年収1,000〜1,500万円+SOが標準的な提示となっています(出典:doda「経営者・経営幹部(CFO)の求人」2026年5月時点)。
現金年収だけで比較するのではなく、SO設計も含めて判断することが重要です。
CFOの年収が高くなる3つの条件
JAC Recruitmentの「平均1,548万円」は転職エージェント経由でCFOになった人のデータです。内部昇進でCFOになった人の年収も含めた全体の平均はもう少し下がります。

CFOがビジネスパーソンたちの中では圧倒的に高い水準であることは間違いありません。また、外資系・大手上場企業のCFOになると、3,000万円以上の事例が現実的に存在します。
CFOになるには何が必要か
CFOへのキャリアは1日で積み上がるものではありません。
財務・会計の実務から始まり、マネジメント・M&A・資金調達・IRといった役割を段階的に担いながら、最終的に経営幹部へ上り詰めるのが一般的なルートです。
CFOに求められる8つのスキル・経験
| スキル・経験 | 内容 |
|---|---|
| 財務・会計の専門知識 | 最低5年以上の財務会計ポジション経験が求められる |
| 資金調達経験 | 大規模な資金調達(数十億〜)の実行経験が高く評価される |
| M&A経験 | 企業の成長戦略としてM&Aが重視され、関連経験の需要が高まっている |
| IPO準備経験 | 資本政策・内部統制・証券会社対応など、上場準備を牽引した経験 |
| グローバル経験 | 海外子会社管理、英語での投資家対応、クロスボーダー案件経験 |
| 戦略的思考力 | 経営戦略の立案・事業ポートフォリオの再構築に関与できる能力 |
| リーダーシップ | 財務部門を統括し、組織全体を動かす推進力 |
| デジタルスキル | データ分析・AI活用など最新技術を理解し業務に生かせる能力 |
出典:JAC Recruitment「CFOへの転職で求められるスキル・経験」(2026年5月)をもとに当サイト作成
CFOの転職で有利になる資格5選
| 資格 | 強み | 特に有効な場面 |
|---|---|---|
| 公認会計士(CPA) | 財務・監査・M&A・IPO対応を網羅する最難関資格 | 上場準備企業・監査対応・大型M&A |
| USCPA(米国公認会計士) | US GAAP・IFRS・国際税務を理解する国際資格 | 外資・グローバル展開企業・海外子会社管理 |
| MBA | 経営戦略・マーケ・財務を体系的に習得 | 経営視点の証明・大手企業のCFO候補選考 |
| 証券アナリスト(CMA) | 企業価値評価・投資分析・財務モデリング | 資金調達・M&A・IR業務 |
| 日商簿記2級 | 財務数値の構造理解・内部統制の基礎を証明 | CFO候補としての財務数値リテラシー証明 |
出典:JAC Recruitment「CFOへの転職に生かせる資格」(2026年5月)をもとに当サイト作成
なお、資格がなくてもCFOになれるケースは実在します。
IPOや大型M&Aを主導した実績があれば、資格なしでもCFOとして迎えられる例は多数あります。ただし、資格があると採用側への説明がしやすく、選考突破率が上がることは事実です。
CFOになるための3つのキャリア
具体的にCFOに上り詰めるためのキャリアを解説します。
主には3つのルートがあります。
① 王道キャリア:経理・財務担当から管理職を経てCFOへ
事業会社の経理・財務部門で実務経験を積み、段階的にマネジメント職→財務部長→CFOへとステップアップするルートです。現場のオペレーション課題からビジネスモデルの根幹まで熟知している点が強みで、経営陣から信頼を得やすい。最もオーソドックスなルートで、20〜30年かけて到達するケースが多く、就任年齢は40〜50代が中心です。
② 会計士・コンサル出身:専門性を武器に事業会社CFOへ
大手監査法人やFAS(財務アドバイザリー)での経験を起点に、事業会社のCFOへ転身するルートです。多様な企業の会計監査やM&Aを通じて培われた専門性が経営幹部の実務に直結します。特にIPOを目指す企業や機関投資家から出資を受ける企業で、内部統制を適切に構築するアドバンテージとなります(出典:sincereed「CFO転職は難しい?」2026年6月)。
③ スタートアップ抜擢:若手がPE・VC経験を武器に30代CFOへ
近年、創業間もない企業のCFOとして若手が抜擢されるケースが増えています。PEファンドやVCでの投資実行経験を持つ人材が、大規模な資金調達を成功させる交渉力を武器に、30代でのCFO就任を実現するルートです。チームマネジメント経験者も選ばれやすい傾向にあります。
実際にCFOに向いている人と向いていない人はどのような人でしょうか。
公認会計士資格は「あれば圧倒的に有利」ですが「なければ絶対になれない」わけではありません。それより「どんな規模のお金を動かしてきたか」という実績の方が採用側は気にします。

「CFOは経理部長の延長」ではなく「CEOの相棒として経営判断に責任が持てるか」が問われるポジションだと理解しておくといいと思います。
CFO転職市場の現状と求人動向【2026年】
CFOを対象とした求人は、一般の転職市場とは性質が異なります。
IPO準備やM&Aといった経営アクションは競合への情報漏洩を防ぐ必要があるため、募集の大部分は「非公開求人」として扱われ、ハイクラス特化のエージェント経由でのスカウト型採用が主流です(出典:sincereed 2026年6月)。
CFO転職が難しいと言われる4つの理由
特に④は重要で、CFOは「経理部長の延長」ではありません。
CEOの戦略的パートナーとして意思決定に加わり、投資家・取締役会・各部門長と対話できる総合力が求められます。応募必須要件として、公認会計士資格や事業会社での経理財務マネジメント経験が設定されるケースが多いです。(出典:sincereed 2026年6月)
業種別のCFOニーズ
| 業種 | CFOに求められる主なミッション |
|---|---|
| IT・通信・Web | 大型ラウンド資金調達・エクイティストーリー設計・海外投資家対応 |
| 製造(自動車・化学・機械) | グローバル連結決算・原価管理・海外子会社ガバナンス |
| 流通・小売・EC | KPIドリブン予実管理・マーケ投資ROI管理・IPO準備 |
| 金融・PE・VC・不動産 | M&A全サイクル・ストラクチャードファイナンス・EXIT戦略 |
| メディカル・バイオ・ヘルスケア | AMED補助金対応・長期R&D投資・海外VC資金調達 |
| 建設・不動産・サービス | 銀行折衝・資金繰り・管理部門全般統括(ゼネラリスト型) |
出典:JAC Recruitment「CFOの転職動向」(2026年5月)をもとに当サイト作成
CFO転職を成功させる5つのポイント
CFOになりたいと思って転職活動をする際のポイントをまとめました。
CFO転職で見落とされがちなのが④のCEO相性の確認です。「財務が得意な人が欲しい」と言いながら、実態は「CEOの言うことを数字で裏付けるだけの人」を求めているケースがあります。

入社後に「思っていたのと違う」となる前に、何を期待されているかを面接でしっかり引き出してください。
CFO転職に使える転職エージェント【おすすめ2選】
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ヒュープロとMS-Japanは「競合」ではなく「役割が少し違う」と理解しておくといいです。ヒュープロは士業・会計事務所方面に強く、MS-Japanは上場企業・IPO準備企業への財務責任者案件に強い印象があります。
両方に登録して求人の幅を広げるのが現実的な使い方です。
よくある質問(CFOになるには・年収・転職)
まとめ ~CFOはただの経理部長の延長ではない~
【この記事のまとめ】
・CFOの平均年収は1,548.7万円、ボリュームゾーンは1,200〜1,500万円
・スタートアップCFOは年収500万〜1,500万円+ストックオプション、上場大手CFOは年収1,500万〜3,000万円以上
・CFOの仕事は「経理・財務・税務戦略・FP&A・IR」の5領域。過去の管理から未来志向へシフト中。
・CFOになるには、財務会計の最低5年以上の実務+マネジメント+M&A/IPO/資金調達の実績が王道です
・CFOになるのに有利な資格は公認会計士 > USCPA > MBA > 証券アナリスト > 日商簿記2級
・CFOになるためのキャリアは、
①経理→管理職→CFO
②会計士・コンサル→CFO
③スタートアップ抜擢(30代も可)
・CFO転職は非公開求人が主流 → 経理財務特化エージェント(ヒュープロ・MS-Japan)の活用が必須です
CFOは「年収1,500万円以上を狙える数少ないポジション」のひとつです。
ただし、それに見合うだけのキャリア設計が必要になります。まず経理財務の実務を深め、マネジメントを経験し、M&AやIPOに関与する機会を積極的につくる。その積み重ねの先にCFOのポジションがあります。
今すぐCFOを目指すキャリアを動かすなら、経理財務に特化したエージェントへの相談が第一歩です。『経理の年収を上げるには何が必要かの記事』もあわせて読んでみてください。

CFO年収の「平均1,548万円」という数字は、経理財務キャリアの最終到達地点のひとつとして覚えておいてください。今日の仕事がどのフェーズに繋がっているか意識しながら動くと、同じ仕事でも積み重なり方が変わります。まず一歩、動いてみてください。
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