司法書士を目指すみなさん、そして司法書士として活躍されているみなさん、こんにちは!ひのです。
グローバル化が進み、日本で暮らす外国人は3年連続で過去最多を更新しました。こうした流れの中で、こんな疑問を持つ方が増えています。
結論から先に言うと、司法書士試験の合格に英語力はまったく必要ありません。でも、合格した「あと」の実務やキャリアでは、英語力が大きな武器になる場面が確実に増えています。

僕も社労士として実務に出てから「もっと専門外のスキルを掛け合わせておけば」と痛感した経験があるので…。
この記事では、「試験に英語は必要か」という疑問にハッキリ答えたうえで、英語を活かせる司法書士の業務(渉外登記・国際業務)、需要と将来性、年収・キャリアへの影響、求められる英語レベルまで、根拠データつきで正直に解説します。
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この記事の執筆者の信頼性

僕はひのと言います。
【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
3度の社労士試験受験、2年半の試験勉強を経て令和元年度社労士試験に合格しました。
3度目で合格した「難関国家資格を受験者目線で語れる」のが強みです。
司法書士をはじめとする難関資格について、一次情報(法務省・出入国在留管理庁・各予備校の公式データ)にあたって検証し、受験生・実務家の双方に役立つ正直な情報発信を続けています。

この記事の数字は、法務省・出入国在留管理庁などの公的データと、現役の渉外司法書士事務所が公開している実務情報をもとに裏取りしています。出典は本文中に明記しているので、安心して読み進めてくださいね。
【結論】司法書士に英語力は必要?場面別に整理
「英語力が必要かどうか」は、どの場面の話かで答えがまったく変わります。まずは結論を表で整理しました。
| 場面 | 英語力の必要性 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 司法書士試験の合格 | 不要 | 試験科目は11科目すべて法律科目。英語の出題は一切なし |
| 一般的な登記・相続実務 | ほぼ不要 | 日本人顧客が中心なら英語を使う場面は少ない |
| 渉外登記・国際業務 | あると強い | 外国人・外国企業が絡む案件で差別化できる |
| 企業内・外資系へのキャリア | 武器になる | 求人でTOEIC600〜850点超が評価される |

つまり「受かるのに英語はいらない、でも受かったあとに英語があると一気に世界が広がる」というのが正直な答えです。
司法書士試験の合格に英語力は不要 ~試験科目に英語はない~

まず受験生がいちばん気になる点をハッキリさせます。司法書士試験の筆記試験は11科目すべてが法律科目で、英語の出題は一切ありません。
TOEICの点数や英検の級が合否に関係することもなく、出願に語学要件もありません。
実際の出題科目は次のとおりです。午前の部・午後の部に分かれ、合計350点(択一210点+記述140点)で争われます。
| 区分 | 出題科目 |
|---|---|
| 午前の部(択一) | 憲法・民法・刑法・商法(会社法)の4科目 |
| 午後の部(択一+記述) | 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法・供託法・不動産登記法・商業登記法の7科目 |
見てのとおり、英語が入り込む余地はゼロです。「英語が苦手だから司法書士はムリかも…」という不安は、まったく気にしなくて大丈夫。

合否を分けるのは英語ではなく、民法・不動産登記法・商業登記法といった主要科目をどれだけ正確に積み上げられるかです。
司法書士試験の難易度や合格率、必要な勉強時間については、『司法書士試験の難易度・合格率の記事』で、効率的な学習の進め方は『司法書士の勉強法・ロードマップの記事』でくわしく解説しています。
むしろ司法書士に必要なのは、英語力よりも条文を正確に読み解く力や、コツコツ学習を続ける継続力です。英語が苦手でも、これらの適性があれば十分に合格を狙えます。
「英語ができないから不利かも」という心配は、いったん完全に手放して大丈夫です。
それでも『英語ができる司法書士』に価値がある理由

試験には不要でも、合格後の実務では英語の価値が年々高まっています。
その最大の背景が、日本で暮らす外国人の急増です。出入国在留管理庁によると、在留外国人数は2024年末で約376万人と、3年連続で過去最多を更新しました(前年から約10.5%増)。
実際に「英語ができる司法書士」を求めるのは、日本に進出する外国企業、日本の不動産に投資する海外オーナー、日本で暮らす在留外国人、外国企業を顧客に持つ国内企業など多岐にわたります。
こうした依頼者は今後も増える見込みで、対応できる司法書士の数が追いついていないのが現状。だからこそ、早くこの分野に強くなった人ほど有利です。
日本人顧客だけを相手にする事務所がひしめく中で、外国人・外国企業という伸びている市場を取りに行けるのが大きな強みです。国際的な法律事務所や大手司法書士法人からの引き合いも期待できます。

「英語ができる司法書士」は、ライバルが少ないブルーオーシャン。
もちろん、すべての司法書士に英語が必要なわけではありません。地域密着で日本人顧客を中心に活躍する道も立派なキャリアです。
ただ、「他の司法書士と差をつけたい」「伸びている市場を取りに行きたい」なら、英語は非常にコストパフォーマンスの高い投資になります。
司法書士の英語学習なら、無料体験から始められるスタディサプリENGLISHのようなアプリが手軽です。まずは無料で試して、続けられそうか確かめてみましょう。
英語を活かせる司法書士の業務【渉外司法書士とは】

英語が司法書士の仕事で最も活きるのが、「渉外(しょうがい)司法書士」と呼ばれる分野です。
渉外とは、外国人や外国企業が関わる法律問題を扱うこと。具体的には、次のような業務で英語力が役立ちます。
| 分野 | 英語が活きる具体的な業務 |
|---|---|
| 不動産登記(渉外) | 外国人が日本の土地・建物を購入する際の所有権移転登記、外国籍の方が関わる相続登記 |
| 商業・法人登記(渉外) | 外国企業の日本進出(子会社・支店の設立)、外国会社の登記、外国人を役員に選任する際の変更登記 |
| 顧客対応・書類説明 | 外国人顧客への手続き説明、契約内容の英語でのフォロー、海外とのメール・電話のやり取り |
| 帰化許可申請(※) | 外国人が日本国籍を取得する帰化申請のサポート(行政書士と司法書士の双方が扱える業務) |

特に伸びているのが、外国企業の日本進出にともなう会社設立や役員変更の登記です。海外の本社とやり取りしながら手続きを進めるので、英語で書類のやり取りができる司法書士は本当に重宝されます。
【具体例】外国企業が日本に子会社を設立するケース
たとえば、アメリカの企業が日本に販売子会社を作るとします。
司法書士は日本法人の設立登記を担当しますが、ここで本社(アメリカ)から取り寄せる書類の多くが英語です。定款や取締役の就任承諾書、本国での会社の存在を証明する書類などをやり取りしながら、必要に応じて宣誓供述書やサイン証明書を整えていきます。
このとき、海外の担当者や現地の公証人と英語でメールや電話のやり取りができる司法書士なら、翻訳会社や通訳を挟まずにスピーディーに手続きを進められます。
依頼者にとっては「英語で直接相談できる安心感」が大きな価値になり、リピートや紹介にもつながるのです。

登記の知識はあっても、英語で外国本社とやり取りできる司法書士は本当に少数。だからこそ、この組み合わせができる人は強いんです。
司法書士と行政書士の業務範囲の違いは、『司法書士と行政書士の違いの記事』で、行政書士とのダブルライセンスで国際業務を一気通貫で扱う戦略は『司法書士のダブルライセンスの記事』でくわしく解説しています。
渉外登記が増えている背景には、いくつかの社会の変化があります。
海外投資家による日本の不動産購入(インバウンド不動産投資)、国際結婚や外国籍の家族が関わる相続、外国企業の日本市場への参入などです。こうした場面では必ず登記が発生し、当事者に外国人・外国法人が含まれます。
日本語だけで完結しないこれらの案件こそ、英語ができる司法書士の出番なのです。
渉外司法書士の実務で英語が必要になる具体的な場面
「渉外登記」では、外国で作成された書類を扱う場面が多く、ここで英語力が直接活きてきます。代表的なのが次のような書類・手続きです。
① 外国語で作成された添付書類の翻訳
商業登記・不動産登記の申請書に添付する書類が外国語で作成されている場合、原則として日本語の訳文を添付しなければなりません。
訳文には翻訳者の記名と「翻訳した旨」の記載が必要です。
英語が読めれば、外国の書類の内容を正確に把握し、翻訳・確認をスムーズに進められます。
② 宣誓供述書・サイン(署名)証明書
印鑑証明書の制度がない国の外国人が登記手続きに関わるときは、印鑑証明書の代わりに宣誓供述書(しゅくせいきょうじゅつしょ)やサイン証明書を用意します。
サイン証明書は「署名そのもの」を証明する書類、宣誓供述書は「本人の属性を明示し内容に責任を負う」書類で、取得地や様式に細かい注意点があります。
外国の公証人・領事館とのやり取りで英語が役立ちます。
③ 外国人役員・外国会社の本人確認
外国企業が日本に子会社を作るときや、外国人を役員に選任するときは、外国人役員の本人確認証明書が必要です。
2024年4月からは外国人渉外登記の取扱いも一部改正され、必要書類が見直されました。
最新の取扱いを正確に押さえつつ、海外の当事者と英語でやり取りできる司法書士は、案件を任されやすくなります。
ここまで読むと「英語+登記の専門知識」の掛け合わせが、いかに希少かが分かりますよね。

英語ができる人は世の中に大勢いても、登記実務まで分かる人はごくわずか。だからこそ価値が出るんです。
④ 海外の当事者とのやり取り・契約のフォロー
渉外案件では、海外の依頼者本人や、その代理人・現地の専門家とやり取りする場面が出てきます。手続きの進め方や必要書類を英語で説明し、相手の疑問に答えられると、案件がスムーズに進みます。
とくに不動産売買や会社設立は金額も大きく、依頼者は不安を抱えがち。母国語に近い英語で丁寧にフォローできる司法書士は、それだけで強く信頼されます。
また、登記が終わったあとも「謄本(登記事項証明書)の内容を英語で説明してほしい」といった依頼が入ることがあります。
こうしたアフターフォローまで英語で対応できると、継続的な顧問契約や次の案件につながりやすくなります。
英語力で広がるキャリアと年収への影響

司法書士の年収は、働き方によって大きく変わります。まずは全体像を見てみましょう。
ここに英語力という付加価値が乗ると、年収はさらに上振れしやすくなります。
渉外・国際業務は専門性が高く単価も高いため、対応できる人材が報酬交渉で有利になるからです。実際、企業の国際法務や外資系の求人では、英語力が評価され、語学要件のない求人より好条件が提示される傾向があります。

僕が見てきたかぎりでも、「司法書士の資格」だけでも十分強いですが、そこに「英語」を掛け合わせると、戦えるフィールドが国内から世界へ広がります。年収アップを狙うなら、英語は有力な選択肢の一つです。
合格後の就職・転職を具体的に進めたい人は、『司法書士の転職エージェント・求人の探し方の記事』もあわせてご覧ください。
いずれのルートでも、英語は「あればプラス評価」から「あると任される」へと、年々その重みを増しています。自分がどの働き方を目指すかで、必要な英語レベルも変わってきます。
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司法書士に求められる英語レベルは?TOEIC何点が目安?

「司法書士にどのくらいの英語力が必要か?」
は、目指すフィールドによって変わります。求人や実務でよく目安とされるTOEICスコアを整理しました。
ただし、ここは正直にお伝えします。僕自身、難関資格の実務に出てから痛感したのですが、多くの事務所・企業は「英語力そのもの」より「法律知識・登記の実務経験」を重視しています。

英語はあくまで掛け算の片方。司法書士としての実力が土台にあってこそ、英語が武器になると考えてください。
なお、評価されるのはTOEICのスコアだけではありません。
実務で本当に役立つのは、契約書や登記書類で使われる「リーガル英語(法律英語)」に慣れているかです。一般的な英会話力に加えて、定款・委任状・宣誓供述書といった書類の英語表現を理解できると、渉外案件での信頼度が一段と高まります。
スコアはあくまで入口の目安と考え、実務で使う英語に少しずつ慣れていきましょう。
英語が活きる司法書士になるために
順番を間違えないことが大切です。
英語から入るのではなく、まず司法書士に合格し、実務の土台を作ってから英語を伸ばすのが王道ルートです。
STEP1:まず司法書士試験に合格する
英語は試験に出ません。今は主要科目の攻略に集中。最短合格を狙うなら通信講座の活用が現実的です。
STEP2:登記実務の経験を積む
不動産登記・商業登記の基本を実務で固める。ここが英語を乗せる「土台」になります。
STEP3:渉外・国際業務に挑戦しながら英語を磨く
渉外案件に関わりつつ、実務で使う英語を強化。TOEICで力を可視化すると求人でも評価されやすくなります。
まずSTEP1の合格が最優先。
司法書士を独学と通信講座で迷っている人は『独学か通信講座かを比較した記事』、司法書士の通信講座選びは『司法書士通信講座おすすめ比較ランキングの記事』が参考になるので、ぜひご覧ください。
ありがちな失敗が、「英語から先に頑張ってしまう」パターンです。
英語をいくら磨いても、司法書士の資格と登記の実務がなければ、渉外司法書士としては仕事になりません。逆に、合格して実務に出れば、英語は必要になった場面で実務に直結する形で伸ばせます。順番を守ることが、遠回りに見えていちばんの近道です。
司法書士が英語力を伸ばす勉強法
合格後、または学習と並行して英語を伸ばすなら、スキマ時間を使える学習ツールが続けやすくおすすめです。
実務で使うのは「読む・書く」が中心なので、契約書や書類で使う英語表現に少しずつ慣れていくと効果的です。
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司法書士と英語に関するよくある質問(FAQ)
Q. 司法書士試験に英語の科目はありますか?
A. いいえ、ありません。筆記試験は憲法・民法・刑法・商法・不動産登記法・商業登記法など11科目すべてが法律科目で、英語の出題や語学要件は一切ありません。
Q. 英語が苦手でも司法書士になれますか?
A. はい、なれます。合否を分けるのは英語ではなく主要科目の理解度です。英語が苦手でも合格にはまったく影響しないので安心してください。
Q. 渉外司法書士とは何ですか?
A. 外国人や外国企業が関わる法律手続き(渉外業務)を扱う司法書士のことです。外国人の不動産取得・相続の登記や、外国企業の日本進出にともなう会社設立・役員変更の登記などで、英語力が活きます。
Q. 司法書士に必要な英語レベルはどのくらいですか?
A. フィールドによります。企業内・法務系の求人で目安TOEIC600点〜、渉外案件で700〜800点台、外資系・大手事務所で850点以上が一つの基準です。ただし多くの職場は英語より法律知識・実務経験を重視します。
Q. 在留資格(ビザ)の手続きは司法書士ができますか?
A. いいえ、在留資格・ビザ申請は行政書士の専門業務で司法書士は扱えません。司法書士の領域は「登記」が中心です。なお帰化許可申請は行政書士・司法書士の双方が扱える例外的な業務です。
Q. 英語ができると司法書士の年収は上がりますか?
A. 上がる可能性があります。渉外・国際業務は専門性が高く単価も高いため、英語対応できる人材は報酬交渉で有利になりやすく、語学要件のない求人より好条件が提示される傾向があります。
Q. 英語はいつ勉強すればいいですか?
A. まずは司法書士試験の合格が最優先です。試験に英語は不要なので、合格後、または学習に余裕が出てから、スキマ時間で実務英語を伸ばすのが効率的です。
英語学習は「続けられること」がいちばん大切です。忙しい司法書士の実務と両立するなら、机に向かう必要のある重い教材より、通勤や休憩のスキマ時間にスマホで進められる教材のほうが現実的です。
短時間でも毎日触れて、TOEICなどで定期的に手応えを確かめると、無理なく力が伸びていきます。
まとめ ~司法書士に英語は『合格に不要、実務で武器』~
司法書士と英語力の関係を、試験・実務・キャリアの3面から解説してきました。
最後にポイントを整理します。
【この記事のまとめ】
・司法書士試験の合格に英語力は不要(11科目すべて法律科目)
・合格後の渉外・国際業務では英語が大きな武器になる
・背景は在留外国人の増加(2024年末 約376万人で過去最多)
・必要レベルの目安はTOEIC600〜850点超。ただし法律知識・実務経験が土台
・在留資格・ビザは行政書士の業務、司法書士は登記が中心(帰化は両方可)
・順番は「①合格 → ②実務 → ③英語」。まず合格が最優先

英語が苦手でも、司法書士には何の問題もなくなれます。そして合格したあと、もし英語を掛け合わせられたら、あなたの市場価値は一気に上がります。まずは目の前の合格を、確実に勝ち取りましょう。応援しています!
英語を活かす司法書士になる第一歩は、何より試験に合格すること。
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