「財務 転職」で検索する指は動くのに、応募ボタンの上で止まる
経理は何年もやってきた、でも『財務』と名のつく求人になると、急に自分には届かない気がしてくる。
その距離感、よくわかります。
ひのです。社労士をやりながら、本業は会社の総務で給与計算と社会保険。財務部とは資金繰り表や人件費の見通しで毎月数字をつき合わせてきた、管理部門の隣の住人です。
白状すると、僕は20代のころ「いまの働き方を変えたい」と思いながら、在職中に一歩も動けませんでした。求人を眺めては、そっと閉じる。それを何百回。
気づけば30代、結局キャリアを変えるのに社労士試験へ2年半(3回受験)を払うハメになりました。「自分の市場価値を確認するだけ」でもしておけば、と今でも思います。
先に結論を言います。財務は経理より年収が一段高く、しかもポジションの数が少ない「狭き門」です。だからこそ、経理で積んだ数字の経験は、財務の世界では強い武器になります。

問題は『行けるかどうか』ではなく『どう見せて、どう動くか』なんです。
【この記事でわかること】
・財務とはどんな仕事か
・財務の年収はいくらか、経理とどれだけ差があるか
・『財務は狭き門』と言われる本当の理由
・財務に転職する3つのルート
・財務で評価されるスキルと、年収を上げる資格
・失敗しない進め方とエージェントの選び方
まず結論から言いますと、財務職の平均年収は約531万円(マイナビ転職エージェント調べ)。同じ調べの経理職の平均年収443万円と比べて、約88万円も高い水準です。
さらにdoda転職求人倍率は2026年4月時点で2.38倍(出典:doda)と、管理部門人材は売り手市場が続いています。

財務は「会社のお金を動かす側」。経理が記録する人なら、財務は調達して回す人です。担い手が少ないぶん、経理経験者がそのスキルを持ち込めば、年収を一段上げにいける職種なんですよ。
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この記事の執筆者の信頼性

僕『ひの』は、3度の社労士試験受験・2年半の試験勉強を経て令和元年度社労士試験に合格した、現役の社会保険労務士です。
【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
総務部門で給与計算・社会保険事務を担当(現役)
正直に言うと、僕は税理士でも会計事務所の職員でもなく、財務そのものの専門家でもありません。
だからこそ本記事の年収・市場データはすべて公的統計や転職サービスの公開数値を出典付きで載せ、僕はそれを『管理部門の隣で資金繰りや人件費の数字を見てきた実務者』の目線で解釈してお伝えします。

給与計算で人件費を扱う側から見ると、財務の人が評価される瞬間ははっきりしています。『資金繰りを回せる』『銀行と話せる』『数字で経営に説明できる』。ここを押さえている人は、管理部門の中でも一段高く見られます。
財務とはどんな仕事?経理・会計との違い
「財務 転職」を考えるなら、まず財務が何をする仕事かを押さえておきましょう。経理と混同されがちですが、役割はけっこう違います。
財務(ファイナンス)は、企業の資金を「調達して、運用して、管理する」仕事です。
銀行との折衝や資金繰り、資金調達(融資・社債・増資)、投資判断、リスク管理など、会社の将来のお金に関わる意思決定が中心になります(出典:マイナビ転職 会計士)。
一方の経理は、日々の取引を記録し、月次・年次決算や財務諸表を作る「記録する」仕事。会計は、その記録を経営や外部に「報告・分析する」仕事です。
| 区分 | 主な役割 | 時間軸 | キーワード |
|---|---|---|---|
| 財務 | 資金の調達・運用・管理 | 未来 | 資金繰り・銀行折衝・投資判断 |
| 経理 | 取引の記録・決算 | 過去〜現在 | 仕訳・月次/年次決算 |
| 会計 | 記録の報告・分析 | 過去〜現在 | 財務会計・管理会計・開示 |
出典:マイナビ転職 会計士「財務の平均年収」をもとに当サイト作成

ざっくり言うと、経理が「会社のお金の写真を撮る人」なら、財務は「これから撮る写真の構図を決める人」。給与計算をしている僕から見ても、財務は経営の意思決定にいちばん近い管理部門です。
財務の年収は高い?経理との差をデータで見る
財務に興味を持つ最大の理由が「年収」という方も多いはず。データで確認しましょう。
財務の平均年収は約531万円。同じマイナビ転職エージェントの調べで経理は443万円なので、その差は約88万円です(出典:マイナビ転職 会計士)。
| 職種 | 平均年収(目安) | 出典 |
|---|---|---|
| 財務 | 約531万円 | マイナビ転職エージェント |
| 経理 | 約443万円 | マイナビ転職エージェント |
| 経理(求人ボックス・全国) | 約427万円 | 求人ボックス |
| 日本の平均年収(参考) | 約478万円 | 国税庁 |
出典:マイナビ転職 会計士/求人ボックス 給料ナビ(2026年時点)/国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」。集計方法が異なるため目安です。

財務531万、経理443万。同じ「数字を扱う管理部門」でも、調達・投資という上流に行くだけで年収が一段上がる。これが財務に人気が集まる理由です。
年齢別に見る財務の年収
財務は経験とポジションで大きく伸びます。年代別を見てみましょう。
| 年代 | 平均年収 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 448万円 | 459万円 | 434万円 |
| 30代 | 605万円 | 655万円 | 443万円 |
出典:マイナビ転職エージェント「財務・会計」をもとに作成(目安)

20代で448万、30代で605万。30代でぐっと跳ねるのは、担当から「資金繰りを任される側」に変わるからです。逆に言えば、20代のうちに財務の入り口に立てるかどうかが、その後の年収カーブを左右します。
役職で決まる、財務年収の天井
財務も経理と一緒で役職で年収が跳ね上がります。担当のままだと頭打ち、マネジメントやCFOに進めるかが分かれ道です。
| 役職 | 年収レンジ(目安) |
|---|---|
| 担当 | 350〜500万円 |
| 主任・係長 | 450〜650万円 |
| 課長・財務マネージャー | 600〜900万円 |
| 財務部長・IR責任者 | 900〜1,300万円 |
| CFO・管理部長 | 1,000〜1,800万円 |
出典:転職エージェント公開データをもとに当サイト作成(目安)

財務で年収700万円を狙うなら、部長候補やIR責任者クラスが目安(マイナビ調べ)。担当で止まらず、資金調達やIR、子会社管理まで任される立ち位置に行けるかが勝負どころです。
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なぜ財務は『狭き門』と言われるのか
財務の求人を探すと、経理ほど数が出てきません。これは事実で、理由が3つあります。
特に効いてくるのが3つ目です。
条件の良い財務求人は『非公開求人』として出ることが多く、転職サイトを眺めているだけでは出会えないケースが少なくありません。
だからこそ、財務に強いエージェント経由で探すほうが、結果的に近道になります。

うちの会社でも、財務まわりの欠員はめったに公募になりません。気づいたら社内の経理から異動していた、なんてことも。表に出ない求人をどう拾うかが、財務転職のいちばんのコツなんです。
財務に転職する3つのルート
財務への入り方は一つではありません。自分に合うルートを選ぶだけで、成功率がぐっと上がります。
ルート① 経理から財務へ(王道)
いちばん現実的なのが、経理経験を活かして財務に移るルートです。
仕訳・月次・年次決算で培った「数字を読む力」は、財務の資金繰りや予実管理にそのまま活きます。社内異動が狙えるならベストですが、財務ポジションのある会社へ転職するのも有効です。
ルート② 未経験から財務を目指す
完全未経験から財務はハードルが高めですが、『20代+日商簿記2級+前職の数字経験』があれば、まずは経理や財務アシスタントから入り、財務に近づくのが現実的です。
いきなり財務担当より、「経理→財務」の二段ロケットで考えるのが堅実です。
ルート③ 会計事務所・コンサル・金融から
会計事務所・税理士法人で税務会計を、コンサルや金融機関で財務分析・資金調達を経験した人は、事業会社の財務へ横展開しやすいです。
専門性がそのまま評価につながります。

迷ったら王道のルート①、経理からの横移動を軸に考えましょう。「経理で決算を回せる」は、財務の面接でいちばん効く実績のひとつ。
遠回りに見えて、いちばん確実な入り口です。
未経験からの基礎固めは『簿記2級は転職に有利!未経験でも狙える職種と年収の記事』、経理からのキャリア全体像は『経理の転職完全ガイドの記事』もあわせてどうぞ。
財務転職で評価される人材・スキル
財務を採用する企業が見ているポイントを、武器になる順に整理しました。
財務は「数字を作る」だけでなく「数字で人を動かす」仕事です。
銀行・経営・各部署との交渉が日常なので、経理以上にコミュニケーション力が問われます。

給与計算側から見ても、財務の人は社内交渉がうまい。資金の話は社長案件になりやすいので、経営層と渡り合える胆力がある人ほど重宝されます。数字に強い『だけ』では足りない、ここが財務の面白さでもあります。
財務で年収を上げる4つの方法
社内昇給は緩やか。財務で年収を一段上げるなら、効果の大きい順に4つです。
① 規模の大きい会社・上場企業へ移る
同じ財務でも、会社の規模で年収は大きく変わります。
上場企業やIPO準備企業の財務・IRは、年収水準が一段上です。
② 役職を上げる(担当→財務マネージャー)
課長・マネージャー以上で年収レンジが跳ね上がります。
資金繰りを一人で回せる、チームを率いられるが分かれ目です。
③ 希少スキル(資金調達・IR・IFRS・英語)を磨く
資金調達やIR、IFRS対応、英語は対応できる人が少なく希少価値が高いです。そのまま【市場価値=年収】に直結します。
④ 資格で専門性を証明する
簿記1級・USCPA・証券アナリスト(CMA)などは「この人は任せられる」というシグナルになり、応募できる求人の年収帯を引き上げます。

4つのうち即効性がいちばん高いのは①の『移る』です。同じ経験・同じ働きでも、在籍する会社が違うだけで提示年収が一段変わる。これは給与計算で各社の水準を見てきた実感です。
財務の転職に役立つ資格
財務は資格が必須ではありませんが、専門性の証明として年収・選考に効きます。
| 資格 | 効き方 |
|---|---|
| 日商簿記2級 | 会計の基礎の証明。経理・財務の入場券 |
| 日商簿記1級 | 連結・原価計算まで対応。一段上の評価 |
| USCPA(米国公認会計士) | 英語×会計でグローバル財務に強い |
| 証券アナリスト(CMA) | 財務分析・投資判断の専門性を証明 |
| 税理士科目 | 税務という代替されにくい専門性 |
| FP・CIA・CFE | 資産・内部監査・不正検査で加点 |
出典:マイナビ転職 会計士ほかをもとに当サイト作成(目安)

財務狙いでまず効くのは簿記2級、次に1級やUSCPA。社労士に2年半かけた僕から見ると、250〜350時間で取れて経理・財務の扉が開く簿記2級はコスパ抜群です。USCPAの世界は『USCPAの転職』で詳しく書いています。
USCPAから財務・会計のキャリアを広げる道は『USCPAの転職!年収・転職先・難易度・未経験の始め方の記事』で解説しています。
財務の転職を成功させる進め方5ステップ
やることが分かっていれば、財務の転職活動は怖くありません。在職中に静かに動くのが鉄則です。
いちばん大事なのがステップ3。
退職を決める前に『自分の市場価値』を先に確認しておくと、勢いで辞めて後悔する失敗を防げます。
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財務転職のよくある失敗と回避法

求人票の「財務」ほどあてにならない言葉はありません。中小だと経理・総務込みのことも多い。中身を面接前に聞けるのが、特化型の転職エージェントを使う最大の価値ですよ。
財務に向いている人・向いていない人
| 向いている人 | きつくなりやすい人 |
|---|---|
| 数字から戦略を考えるのが好き | ルーティンの安定を最優先したい |
| 銀行・経営との交渉が苦にならない | 人と折衝するのが強いストレス |
| 先を読んで計画を立てるのが得意 | 決まった作業を黙々と進めたい |
| 責任とプレッシャーを力に変えられる | プレッシャーで実力が出にくい |
「向いていない」に当てはまっても悲観は不要です。
同じ管理部門でも、記録を正確に積む経理、人を支える人事・労務など、活きる場所は必ずあります。経理の適性は『経理に向いている人・向いていない人の記事』も参考にしてください。
財務転職のエージェントの選び方【特化型が近道】
財務でキャリアを積むなら、財務の実務と求人の内情を理解した特化型を軸に、求人数や地方を総合型で補うのが王道です。
職種・年代・勤務エリアの4問に答えるだけ。現役社労士「ひの」が、経理の経験を活かせる転職エージェントと動き方を診断します。
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経理・財務・会計事務所・税理士法人の求人に集中し、担当者が管理部門のキャリアを理解しています。対応エリアは首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)+大阪・愛知・福岡が中心。
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MS-Japanの評判は『MS-Japanの評判の記事』、ヒュープロの評判は『ヒュープロの評判の記事』で解説しています。
| 比較項目 | ヒュープロ | MS-Japan |
|---|---|---|
| タイプ | 士業・管理部門特化 | 管理部門・士業特化 (東証プライム上場) |
| 強み | 経理・財務に集中・スピード対応 | 求人数が業界最大級・全国対応 |
| 対応エリア | 首都圏+大阪・愛知・福岡 | 全国 |
| こんな人に | 都市部で財務キャリアを積みたい | 幅広く比較したい・地方も見たい |
出典:各社公式サイトの公開情報をもとに当サイト作成(2026年6月時点)

「ヒュープロとMS-Japan、どっち?」と聞かれたら、僕は『両方登録して比べてください』と答えます。特化型は会社ごとに抱える求人が違うので、2社見ると相場観が一気にクリアになります。
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管理部門・士業特化。経理・財務の求人が業界最大級
正直な注意点として、ヒュープロの求人は首都圏・都市部が中心です。地方で地元転職をしたい方は、リクルートやdodaなど総合型との併用が現実的です。
財務の転職についてよくある質問(FAQ)
まとめ ~財務は狭き門。でも経理の数字は確かな武器~
【この記事のまとめ】
・財務は資金の調達・運用・管理が中心。経理(記録)、会計(報告)より経営に近い
・財務の平均年収は約531万円、経理443万円より約88万円高い(マイナビ調べ)
・財務は人数が少なく即戦力前提・非公開求人が多い「狭き門」。エージェント経由が近道
・転職ルートは3つ=経理から/未経験から(経理経由)/会計事務所・コンサル・金融から
・年収を上げる鍵は、規模の大きい会社へ移る、役職、希少スキル、資格
・進め方は5ステップ。退職を決める前に市場価値の確認を済ませる
「財務なんて自分には届かない」と感じていたとしても、経理で積んだ仕訳・決算・資金の数字は、財務の世界でちゃんと値段がつく財産です。

回り道をした僕からの本音は、「確認だけでも、早めに」。財務に行くかどうかは、自分の市場価値と非公開求人を知ってから決めれば大丈夫。
今日の一歩が、あなたの数年後の年収カーブを変えます。
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