ひのです。
総務で給与計算を回しながら、すぐ隣の島で経理の方たちが決算業務と格闘するのを、毎日のように見てきました。
今日は「経理 将来性」「経理 仕事なくなる」で検索したあなたに、管理部門の隣の住人として本音を話します。
「経理 将来性」と検索して、「なくなる」「やめとけ」なんて言葉が並ぶと、それだけで気持ちが沈みますよね。
白状すると、僕の本業の給与計算も、定型作業のかたまりです。
ソフトが賢くなるたびに「この仕事、いつか要らなくなるんじゃないか」と冷っとした経験は、一度や二度じゃありません。
だからこの不安は、僕にとっても他人事じゃないんです。

先に結論を言いますね。経理の将来性は「ない」のではなく、これから大きく二極化します。仕訳や入力といった定型作業はAIに移っていく。でも、数字の意味を読み、税務や経営に橋を架けられる経理は、むしろ価値が上がります。
【この記事でわかること】
・『経理に将来性がない』と言われる理由と、AIで代替される業務
・データで見る経理の需要
・AIでなくなる業務と、むしろ残る業務
・AI時代に生き残る経理になるためのスキルと資格
・年代別の動き方と、将来を見据えた転職の考え方
まず結論から。
求人ボックスでは経理(正社員)の平均年収は約427万円、東京は約486万円(2026年時点・目安)。そして経理・財務は売り手市場が続く見込みと公表されています(MS-Japan/doda)。
一方で野村総合研究所は、日本の労働人口の約49%が将来AI等で代替されうると試算しました(2015年)。
この「需要は強いのに、代替もされる」というねじれこそ、二極化の正体です。
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この記事の執筆者の信頼性

僕「ひの」は、3度の社労士試験受験・2年半の勉強を経て令和元年度に合格した、現役の社会保険労務士です。本業では総務部門で給与計算・年末調整・社会保険事務を担当しています。
【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
総務部門で給与計算・社会保険事務を担当(現役)
正直に言うと、僕は税理士でも会計士でも、経理そのものの専門家でもありません。
だからこの記事の数字は、公的統計や調査の公開値を出典つきで載せ、そこに「給与計算という定型業務を、AIと並走しながら毎月回している、管理部門の隣の住人」としての解釈を添えてお伝えします。

AIに仕事を奪われるかどうかは、経理だけの話じゃありません。給与計算をしている僕にとっても切実なテーマです。
だからこそ、脅さず・盛らず、データで冷静に見ていきましょう。
『経理に将来性がない』と言われる3つの理由
まず、なぜ「将来性がない」と言われるのか。
背景には、はっきりした3つの理由があります。順番に見ていきましょう。
経理に将来性がない理由① AI・自動化で定型業務が置き換わる
仕訳入力、伝票処理、経費精算、請求書のデータ化。
こうした定型業務は、AI-OCRやクラウド会計の自動仕訳が得意とする領域です。「Aiによって人がやらなくてもいい作業」が増えているのは、まぎれもない事実です。
経理に将来性がない理由② クラウド会計の普及で少人数化が進む
freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計が普及し、銀行口座やクレジットカードと連携した自動記帳が当たり前になりました。
同じ業務量を、より少ない人数で回せるようになっています。
経理に将来性がない理由③ 『数字は合って当たり前』で評価されにくい
経理は減点方式の仕事です。
ミスなく回しても褒められにくく、「地味」「ルーティン」という印象が先行する。これが「将来性がない」というイメージにつながっています。

ここまで読むと不安になりますよね。でも、これらは全部「定型業務」の話。経理の仕事は定型作業だけではありません。むしろAIが定型を引き受けるほど、人にしかできない部分の価値が上がります。ここが分かれ道です。
経理の仕事がAIで代替される可能性
「経理なくなる」論のいちばんの根拠が、野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究で発表されています。
よく引用される数字を、正しく押さえておきましょう。
| 業務・職種の例 | AIによる代替の傾向 |
|---|---|
| 仕訳・記帳・データ入力 | 高い (定型・計算が中心) |
| 経費精算・請求書処理 | 高い (OCR・自動連携が得意) |
| 連結決算の集計作業 | 中〜高 (ツールで自動化が進む) |
| 税務判断・節税の検討 | 低い (文脈の判断が必要) |
| 経営への数字の説明・予測 | 低い (人にしかできない) |
| 内部統制・監査対応 | 低い (責任と判断を伴う) |
出典:野村総合研究所「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」(2015年・英オックスフォード大学との共同研究)
これはAIによる代替の「可能性」を示した試算であり、実際にどこまで置き換わるかは、企業の業務設計や個人のスキル次第です。

大事なのは、表の上半分(定型作業)と下半分(判断・説明・責任)がくっきり分かれていること。AIが上半分を引き受けても、下半分はむしろ人の取り合いになります。経理の将来性は、ここで決まります。
『AIでなくなる経理業務』とむしろ『残る経理業務』
経理の中身を「なくなる側」と「残る側」に仕分けすると、これから磨くべき方向がはっきりします。
つまり「経理がなくなる」のではなく、「経理の中の定型作業がなくなる」が正確です。

誰でもできるような仕事は、なくなるという事です。
残る側・価値が上がる側に軸足を移せるかどうかが、これからの分かれ目になります。
それでも経理の将来性が高い3つの理由
「経理なくなる」論の一方で、経理には将来性が高いと言える根拠があります。
ここは感情論ではなく、データで確認しましょう。
経理の将来性が高い理由① 経理・財務は売り手市場が続く
少子化と団塊ジュニア世代の定年が迫る「2040年問題」を背景に、企業は早めの人材確保に動いています。
とくに20〜30代で会計の経験を持つ若手は数が少なく、慢性的な人手不足。経理・財務の転職市場は売り手が強い状態が続く見込みです(MS-Japan/doda)。
【売り手市場を裏づけるデータ】
・経理、財務は売り手市場が続く見込み(MS-Japan「管理部門の転職市場動向」)
・2026年上半期の経理求人も好調の予想(doda 経理の転職市場動向)
・若手の会計経験者が不足し、未経験可の求人まで広がっている
経理の将来性が高い理由② どの会社にも必要で、景気に強い
会社が存在する限り、お金の流れを管理する経理は必要です。

実際の現金はAIにはさわれませんから。
営業のように売上の波で消える職種ではなく、不況でも真っ先に切られにくい。この「景気耐性」は、長く働くうえで大きな安心材料です。
経理の将来性が高い理由③ 経験が積み上がり、年齢とともに年収が伸びる
経理は経験がそのまま信用になる職種です。
年代別の平均年収を見ると、きれいな右肩上がりになっています。
337万
443万
489万
515万
20代の約337万円から50代の約515万円へ、約1.5倍。
派手さはありませんが、読みやすい右肩上がりは経理の大きな強みです。AIが定型を担っても、この「経験の積み上がり」は簡単には消えません。

給与計算で人件費を見てきた立場から言うと、経理は「いる会社が潰れない限り食いっぱぐれない」職種です。地味だけど堅い。この安定感は、AI時代だからこそ価値が増していると感じます。
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AI時代に『生き残る経理』になる5つの力
では、二極化の「残る側」に立つには何を磨けばいいのか。優先度の高い順に5つ挙げます。
経理系の資格で『代替されない力』を証明しよう
スキルは目に見えにくいもの。
だからこそ、資格は「判断できる経理」であることの分かりやすい証明になります。会計系の資格別の年収目安を見てみましょう。
| 資格 | 年収の目安 | 代替されにくさへの効き方 |
|---|---|---|
| 日商簿記2級 | 約490万円 | 経理の入場券。基礎の証明 |
| 日商簿記1級 | 約600万円 | 連結・原価計算まで対応でき一段上へ |
| USCPA(米国公認会計士) | 約650万円〜 | 英語×会計でグローバル業務に強い |
| 税理士科目合格 | 求人により上振れ | 税務という代替されにくい専門性 |
出典:doda「資格別の平均年収」ほかをもとに作成(目安)
資格そのものより、その先の「判断業務の経験」とセットになることで市場価値が伸びます。

僕も社労士の前に簿記を少し触りましたが、仕訳が分かるだけで経理との会話がまるで変わりました。資格は知識の証明であると同時に、「この人は判断する側に行ける」というサイン。AI時代ほど、この差は効いてきます。
職種・年代・勤務エリアの4問に答えるだけ。現役社労士「ひの」が、経理の経験を活かせる転職エージェントと動き方を診断します。
30秒で診断をはじめる →将来(AI時代)を見据えた経理の動き方
同じ「将来に備える」でも、年代によって打ち手は変わります。詳しくは各年代の記事にまとめていますが、ここでは要点だけ。
・20代は、定型業務だけでなく決算に関われる環境を選ぶこと
・30代は、税務や連結など「判断業務」の実績を作ること
・40代以降は、マネジメントや専門性で「AIに置き換わらない立ち位置」を固めること。
年代別の戦い方は、『20代の経理転職を解説した記事』・『30代の経理転職を解説した記事』でも詳しく書いています。
将来性を踏まえた経理の転職・キャリアの考え方
このまま定型業務だけで大丈夫か
と不安なら、まず今の自分が市場でどう評価されるかを知るのが先決です。判断業務に関われる職場かどうかは、求人票だけでは分かりません。
そこで頼りになるのが、士業・管理部門に特化した転職エージェント『ヒュープロ』です。
経理のキャリアを理解した担当者が、決算や税務に関われる求人、将来性のあるポジションを一緒に探してくれます。経理に向いているかを整理したい方は『経理に向いている人の記事』も参考になります。
まずは「自分の市場価値」を知ることから
ヒュープロの電話面談では、あなたの経理経験で狙える求人と想定年収を無料で教えてもらえます。AI時代に伸ばすべき方向も、プロに聞くのがいちばん早いです。
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経理の将来性についてよくある質問(FAQ)
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まとめ ~経理の将来性は「二極化」。残る側に立とう~
【この記事のまとめ】
・「経理がなくなる」のではなく「経理の中の定型作業がなくなる」
・定型業務はAIに移るが、決算・税務・経営説明・内部統制は人に残り価値が上がる
・経理・財務は売り手市場が続く見込み。年収も年代とともに右肩上がり
・生き残る鍵は、決算・税務・連結・経営説明・IT/DXの5つの力
・簿記2級→1級・USCPA・税理士科目で「代替されない力」を証明できる
・不安なら、まず市場価値の確認から。判断業務に関われる職場を選ぶ

給与計算という定型業務をAIと並走しながら回している僕から見ても、経理の将来は「暗い」とは思いません。暗いのは、定型作業だけで立ち止まったときだけ。
残る側に軸足を移せば、AIはむしろ強い味方になります。あなたの数字の経験は、これからも確かな武器です。
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