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公務員から行政書士になれる?特認制度の条件と試験で取るルートの比較を解説

公務員から行政書士になれる?特認制度と試験ルートの比較 行政書士

こんにちは。ひのです。

公務員から行政書士になる方法は、「行政書士試験に合格する」か「公務員として行政事務を通算17年(中卒は20年)以上担当する」かの2つです。

後者は試験を受けずに資格を得られる制度で、一般に「特認制度」と呼ばれています。

ただ、年数を満たせば誰でも自動的に行政書士になれるわけではなく、担当した仕事が「行政事務」に当たるかどうかで結論が変わります。

この記事では、行政書士法の条文と行政書士会の登録案内をもとに、特認制度の条件と、試験で取るルートを比べて整理しました。

【この記事でわかること】
・公務員が行政書士になれる2つのルート
・特認制度の条件(行政書士法2条6号)
・学歴別に必要な年数と、何歳で届くかの目安
・「行政事務」に当たる職歴の考え方
・特認で登録する流れと必要書類
・在職中に行政書士になれるか(兼業の制限)
・特認と試験のどちらを選ぶべきか
・公務員が試験で合格するための講座の選び方

ひの
ひの

僕は会社の総務で社会保険の手続きを担当していて、役所の窓口とやり取りする機会があります。役所の仕事の幅広さを知っているぶん、「どの仕事が行政事務に当たるのか」は気になるところなので、条文と登録の案内に沿って整理していきますね。

特認の年数が足りない人に向けて、働きながら試験で取るための講座も後半で紹介しています。

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  1. この記事の執筆者の信頼性
  2. 公務員から行政書士になれる?方法は「特認制度」と「試験合格」の2つ
    1. 行政書士になるにはどのルートでも登録が必要
    2. 行政書士になれない欠格事由に注意
  3. 公務員の行政書士特認制度とは?行政書士法2条6号の条件
    1. 行政書士法2条6号の条文
    2. 特認の年数は「通算」で数える
    3. 高卒以上なら17年、それ以外は20年
  4. 公務員が行政書士の特認を使えるのは何年後?学歴別の必要年数と年齢の目安
    1. 休職や育児休業の期間は年数に入る?
    2. 年数が足りない20〜30代は試験ルートが現実的
  5. 公務員の「行政事務」とは?行政書士の特認で数えられる職歴
    1. 行政事務に当たるかは職歴証明書の職務内容で判断される
    2. 行政執行法人・特定地方独立行政法人の職員期間も数えられる
    3. 職歴に不安がある人は申請前に行政書士会へ相談
  6. 公務員から行政書士に登録する流れ|職歴証明書と必要書類
    1. 公務員の職歴で登録するときに必要な書類
    2. 公務員の職歴で登録するときの費用
  7. 公務員は在職中に行政書士になれる?兼業の制限と登録のタイミング
    1. 公務員は法律で兼業が制限されている
    2. 資格を得ておくのは在職中でもできる
    3. 定年延長で特認の年数に届く人は増える
  8. 公務員が行政書士試験で取るルート|合格率と勉強時間
    1. 行政書士試験の合格率は10%前後〜15%台
    2. 30代・40代の合格率が高い
    3. 勉強時間の目安は800時間
  9. 公務員は特認と行政書士試験のどちらを選ぶ?年代別の比較
    1. 公務員の職種別に見る特認と試験の選び方
    2. 20代・30代の公務員は試験ルートがおすすめ
    3. 40代・50代の公務員は職歴をまず確認
  10. 公務員が行政書士の資格を取るメリット
    1. 在職中:行政法の知識が仕事に生きる
    2. 退職後:行政書士として独立開業できる
    3. 転職:民間企業の法務・総務で生かせる
  11. 公務員から行政書士になった後の働き方と年収
  12. 公務員が働きながら行政書士試験に合格する勉強のコツ
    1. 行政法は仕事の知識と結びつけて覚える
    2. 民法は事例を図にして解く
    3. 繁忙期は「量を減らしても止めない」
  13. 公務員が行政書士試験に合格するための通信講座の選び方
    1. 行政法をしっかり学びたい公務員はアガルート
    2. 費用を抑えたい公務員はフォーサイト
    3. 通勤時間で進めたい公務員はスタディング
  14. 公務員と行政書士についてよくある質問
  15. まとめ ~公務員から行政書士になる道は特認と試験の2つ~

この記事の執筆者の信頼性

社会保険労務士試験の合格証

僕はひのと言います。

【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
会社の総務部門で給与計算・社会保険事務を担当(現役)

僕は令和元年度の社労士試験に合格しました。合格までに3回受験して、通信講座を使った勉強期間は2年半です。

社労士試験にも「労一」「社一」という足切り科目があり、僕は2回目の受験で法令科目の得点は足りていたのに、この足切りで落ちています。行政書士の基礎知識も仕組みは同じで、法令科目とは別の対策が要ります。

行政書士部門の記事は、法律専門家の監修を受けています。

公務員から行政書士になれる?方法は「特認制度」と「試験合格」の2つ

行政書士 公務員 公務員から 行政書士になれる?

行政書士となる資格を持つ人は、行政書士法第2条で6つに分けて定められています。

行政書士になれる6つのルート
号行政書士となる資格を持つ人公務員が使えるか
1号行政書士試験に合格した者○(在職中でも受験できる)
2号弁護士となる資格を有する者司法試験合格者など
3号弁理士となる資格を有する者弁理士試験合格者など
4号公認会計士となる資格を有する者公認会計士試験合格者など
5号税理士となる資格を有する者税理士試験合格者など
6号公務員として行政事務を担当した期間が通算20年以上(高卒以上は17年以上)の者○(行政事務の経験が必要)

出典:行政書士法第2条(e-Gov法令検索)

公務員が現実的に使えるのは、1号の試験合格と、6号の行政事務の経験の2つです。

6号は、行政書士法の中で公務員のために用意されたルートで、試験を受けずに資格を得られます。

行政書士になるにはどのルートでも登録が必要

試験でも特認でも、資格を得ただけでは行政書士を名乗れず、連合会の名簿への登録(行政書士法第6条)を経て初めて仕事ができます。

資格を得ることと、行政書士として名乗って仕事をすることは別だと考えておきましょう。

行政書士になるまでの全体の流れは『行政書士になるには?資格の取り方と試験・登録・開業までの流れを現役社労士が解説』の記事で解説しています。

行政書士になれない欠格事由に注意

行政書士法第2条の2では、資格があっても行政書士になれない「欠格事由」が定められています。

公務員に関係が深いのは、懲戒免職の処分を受けてから3年を経過しない人は行政書士となる資格を持たない、という規定です。

未成年者や、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人なども、欠格事由に当たります。

公務員の行政書士特認制度とは?行政書士法2条6号の条件

行政書士 公務員 特認制度とは 行政書士法2条6号

特認制度は、行政書士法第2条第6号に定められたルートです。

行政書士法2条6号の条文

条文では、国または地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間と、行政執行法人や特定地方独立行政法人の役員・職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が、通算して20年以上になる者と定めています。

高等学校を卒業した者など(学校教育法第90条に規定する者)は、20年ではなく17年以上で足ります。

条件内容
担当した仕事国・地方公共団体の公務員としての「行政事務」
行政執行法人・特定地方独立行政法人での「行政事務に相当する事務」
必要な年数通算20年以上
高卒以上の場合通算17年以上
期間の数え方複数の勤務先の期間を通算できる

出典:行政書士法第2条第6号(e-Gov法令検索)

特認の年数は「通算」で数える

条文は「通算して」と書かれているので、国から地方へ、あるいは行政執行法人へと勤務先が変わっても、それぞれの行政事務の期間を合計できます。

途中で民間企業に勤めた期間があっても、前後の行政事務の期間を足し合わせて数えることになります。

高卒以上なら17年、それ以外は20年

17年で足りるのは、高等学校を卒業した人と、学校教育法第90条で大学に入学できるとされている人です。

短大・大学・大学院を卒業した人も高校卒業の学歴を持つので、17年以上が基準になります。

中学校卒業が最終学歴の人は20年以上、高校卒業以上の人は17年以上が、特認の年数の基準です。

ひの
ひの

「特認制度」は通称で、条文にこの名前が出てくるわけではありません。行政書士会の登録申請の案内では「行政事務担当経歴のある者(行政書士法第2条第六号)」と書かれています。

公務員が行政書士の特認を使えるのは何年後?学歴別の必要年数と年齢の目安

行政書士 公務員 特認は何年後? 学歴別の年数

入庁した年齢から行政事務だけを担当し続けた場合、特認の年数に届く年齢は次のとおりです。

公務員が行政書士の特認の年数に届く年齢の目安
最終学歴入庁の年齢(例)必要な年数年数に届く年齢
中学校卒業15歳20年35歳
高校卒業18歳17年35歳
短大卒業20歳17年37歳
大学卒業22歳17年39歳
大学院修了24歳17年41歳

出典:行政書士法第2条第6号をもとに当サイト作成(行政事務を続けて担当した場合の目安)

大学を卒業して22歳で入庁した人なら、ずっと行政事務を担当していれば39歳で17年に届きます。

ただし、行政事務に当たらない期間があれば、その分だけ届く年齢は遅くなります。

休職や育児休業の期間は年数に入る?

条文は「行政事務を担当した期間」を数えるので、実際に事務を担当していない期間がどう扱われるかは、登録の審査で判断されます。

育児休業などの期間がある人は、職歴証明書に期間を正確に書いてもらい、申請前に行政書士会へ確認しておくと安心です。

年数が足りない20〜30代は試験ルートが現実的

20代や30代前半で年数がまだ足りない人にとって、特認を待つのは10年以上先の話になります。

今すぐ行政書士の資格がほしい人は、特認を待たずに試験で取るほうが早道です。

20〜30代の公務員なら、今から1年かけて試験で取るほうが、特認を待つより10年以上早く行政書士の資格を持てます。

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公務員の「行政事務」とは?行政書士の特認で数えられる職歴

行政書士 公務員 行政事務とは 数えられる職歴

特認制度で一番大事なのは、公務員として在職した年数ではなく、「行政事務を担当した期間」が何年あるかです。

同じ公務員でも、担当した仕事が行政事務に当たらなければ、その期間は特認の年数に入りません。

行政事務に当たるかは職歴証明書の職務内容で判断される

行政書士法には、どの仕事が「行政事務」に当たるかの細かい一覧はありません。

青森県行政書士会の登録申請案内では、公務員の職歴で登録する人は所定の「公務員職歴証明書」を出し、職務内容をできる限り詳しく書くよう求めています。

つまり、行政事務に当たるかどうかは、職歴証明書に書かれた仕事の中身から判断されることになります。

職歴の例特認での扱いの考え方
窓口での申請受付・審査行政事務として説明しやすい
許認可・届出の審査や指導行政事務として説明しやすい
予算・契約・人事などの庶務職務内容の書き方しだいで判断される
技術職・研究職・医療職行政事務に当たるか個別に判断される
警察官・消防職員・自衛官・教員本来の職務は行政事務と異なると
判断される可能性がある

出典:行政書士法第2条第6号、青森県行政書士会「行政書士登録申請案内」をもとに当サイト作成(最終的な判断は登録時の審査による)

表の「考え方」は、条文と登録の案内をもとにした一般的な目安です。

同じ職種でも、配属された部署で行政事務を担当した期間があれば、その期間は年数に入る可能性があります。

行政執行法人・特定地方独立行政法人の職員期間も数えられる

条文では、行政執行法人と特定地方独立行政法人の役員・職員として「行政事務に相当する事務」を担当した期間も通算できるとしています。

独立行政法人のすべてが対象ではなく、行政執行法人と特定地方独立行政法人に限られている点に注意してください。

職歴に不安がある人は申請前に行政書士会へ相談

自分の職歴が行政事務に当たるか不安な人は、事務所を置く予定の都道府県の行政書士会に、申請前に相談しておくのが確実です。

ひの
ひの

退職してから「この期間は数えられない」と分かると、計画が大きく狂います。年数がぎりぎりの人ほど、在職中に職歴を整理して相談しておくのがおすすめですよ。

公務員から行政書士に登録する流れ|職歴証明書と必要書類

行政書士 公務員 特認の登録手順 職歴証明書

特認制度を使う人も、試験合格者と同じように行政書士会を通じて登録を申請します。

公務員の職歴で行政書士に登録する流れ

公務員の職歴で登録するときに必要な書類

書類内容
公務員職歴証明書所定の用紙に職務内容を詳しく書き、
証明権限のある人の証明印をもらう
退職辞令の写しなど証明書に退職年月日が書かれていない場合
学歴証明書(原本)行政事務の期間が17年以上20年未満の場合
登録申請書・履歴書・誓約書試験合格者と共通の書類
身分証明書(本籍地の市区町村)破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に
当たらないことの証明
写真・事務所の書類事務所の使用権を証する書面・位置図など

出典:青森県行政書士会「行政書士登録申請案内」

職歴証明書は、2枚以上になる場合は証明権者の割印が必要とされています。

書類の様式や細かい扱いは行政書士会ごとに違う場合があるので、申請する会の案内を必ず確認してください。

公務員の職歴で登録するときの費用

行政書士の登録1年目にかかる費用を東京と青森で比べたグラフ

出典:東京都行政書士会・青森県行政書士会の登録案内(2026年10月確認)

登録の費用は、試験合格者と特認の人で変わりません。

国に納める3万円と連合会への2万5千円は全国共通で、そこに入会する行政書士会ごとの入会金と会費が上乗せされます。

登録費用の内訳と、登録しないとどうなるかは『行政書士会の登録料は高すぎる?登録費用と年会費、登録しないとどうなるかを現役社労士が解説』の記事で解説しています。

公務員は在職中に行政書士になれる?兼業の制限と登録のタイミング

行政書士 公務員 在職中はなれる? 兼業の制限

在職中の公務員が、行政書士として仕事をするのは難しいのが実情です。

公務員は法律で兼業が制限されている

国家公務員は国家公務員法第103条・第104条で、地方公務員は地方公務員法第38条で、営利企業への従事や報酬を得て他の事業に関わることが制限されています。

行政書士として報酬を得て書類を作る仕事は、在職中の公務員が許可なく行うことは認められません。

区分根拠となる法律内容
国家公務員国家公務員法第103条・第104条営利企業の役員就任や自営の制限、
報酬を得て他の事業に関わる場合は許可が必要
地方公務員地方公務員法第38条営利企業への従事等は
任命権者の許可が必要

出典:国家公務員法、地方公務員法(e-Gov法令検索)

特認を使う人も試験で合格した人も、行政書士として開業するのは退職してからと考えておきましょう。

資格を得ておくのは在職中でもできる

行政書士試験は、年齢・学歴・国籍に関係なく誰でも受験できるので、公務員も在職中に受験して合格できます。

試験の合格で得た資格は何年たっても失われないため、在職中に合格だけ済ませ、退職のタイミングで登録する方法も取れます。

定年延長で特認の年数に届く人は増える

国家公務員の定年は、2023年度から段階的に引き上げられ、65歳になる予定です。

勤める期間が長くなるほど、行政事務の年数が17年や20年に届く人は増えていきます。

ひの
ひの

退職のタイミングで登録するなら、在職中に事務所の場所と登録費用の準備を進めておくと、退職後すぐに動けます。

在職中に合格だけ済ませておくなら、通勤時間に講義を聞いて問題を解けるスタディングが始めやすい講座です。

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公務員が行政書士試験で取るルート|合格率と勉強時間

行政書士 公務員 試験で取るルート 合格率と勉強時間

特認の年数に届かない人や、早く資格を持ちたい人は、行政書士試験で取るルートになります。

項目内容(令和8年度試験)
受験資格年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験できる
試験日毎年11月の第2日曜日(令和8年度は11月8日)
受験手数料10,400円
合格基準法令等で5割、基礎知識で4割、合計で6割以上の得点
合格率14.54%(令和7年度)

出典:行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」

行政書士試験の合格率は10%前後〜15%台

行政書士試験の合格者数と合格率の推移

出典:行政書士試験研究センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」をもとに当サイト作成

令和7年度の合格者は7,292人で、受験者は50,163人でした。

直近10年の合格率は、低い年で9%台、高い年で15%台です。

30代・40代の合格率が高い

行政書士試験 年代別の合格率 令和7年度

年代別に見ると、令和7年度は30歳代(19.41%)と40歳代(15.35%)が、どちらも全体平均の14.54%より高い結果でした。

働きながら受験する人が多い年代でも、合格率が低いわけではありません。

勉強時間の目安は800時間

行政書士の特認と試験ルートの期間比較

法律を初めて学ぶ人の勉強時間の目安は、800時間ほどです。

1日2時間なら約400日で、特認に必要な17年と比べると、試験のほうがはるかに早く資格を得られます。

行政法を仕事で使っている公務員は、行政法の理解に時間がかからないぶん、目安より短くなる場合があります。

勉強時間の内訳と、半年・1年のスケジュールは『行政書士の勉強時間とスケジュール!半年・1年で合格するための計画を解説』の記事で解説しています。

合格率の推移と難易度の考え方は『行政書士の難易度は?合格率・偏差値・勉強時間で本当の難しさを現役社労士が解説』の記事で解説しています。

【働きながら行政書士試験で取りたい公務員の方へ】

特認の年数を待たずに資格を持ちたいなら、仕事と両立しやすい通信講座を使うのが近道です。

・令和7年度試験の法令等科目カバー率97.83%
⇒『アガルートの行政書士講座』

・受講生の合格率58.5%(2025年度・条件を満たした受講生)
⇒『フォーサイトの行政書士講座』

・満点を目指さず合格点を狙う「非常識合格法」
⇒『クレアールの行政書士講座』

・スマホで学べてスタンダードは54,000円(税込)
⇒『スタディングの行政書士講座』

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公務員は特認と行政書士試験のどちらを選ぶ?年代別の比較

行政書士 公務員 特認と試験 どっちを選ぶ?

特認と試験のどちらが向いているかは、今の年齢と、これまでの職歴で決まります。

公務員が特認と試験のどちらを選ぶかの目安
比べる点特認制度(2条6号)行政書士試験(2条1号)
必要なもの行政事務の経験
通算17年(中卒は20年)以上
試験の合格
(受験資格の制限なし)
かかる期間17〜20年勉強時間800時間が目安
(1日2時間で約1年)
費用登録費用のみ受験手数料10,400円+教材・講座代
+登録費用
不確実な点職歴が行政事務と認められるか合格率14.54%(令和7年度)
資格を得る時期年数に届いた後合格発表の日

出典:行政書士法第2条、行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」をもとに当サイト作成

公務員の職種別に見る特認と試験の選び方

職種の例特認の見通しおすすめのルート
国家公務員(行政職)行政事務の期間が数えやすい年数に近ければ特認、遠ければ試験
地方公務員(一般行政職)窓口・許認可・庶務などの期間が中心年数に近ければ特認、遠ければ試験
技術職・研究職行政事務に当たらない期間が出やすい試験ルートが確実
警察官・消防職員本来の職務は行政事務と判断されにくい試験ルートが確実
教員本来の職務は行政事務と判断されにくい試験ルートが確実

出典:行政書士法第2条第6号をもとに当サイト作成(職歴の判断は登録時の審査による)

技術職や公安系の職種でも、事務部門に配属された期間は行政事務に当たる可能性があります。

職歴が混ざっている人ほど、配属ごとの期間と仕事の中身を書き出しておくと判断しやすくなります。

20代・30代の公務員は試験ルートがおすすめ

20代や30代の公務員は、特認の年数に届くまで10年以上かかることが多いです。

転職や将来の独立を考えているなら、試験で早めに資格を取っておくほうが、選べる道が広がります。

40代・50代の公務員は職歴をまず確認

40代以降で行政事務の経験が長い人は、特認の年数に届いている、またはもうすぐ届く可能性があります。

まず職歴を書き出し、行政事務に当たる期間を数えてみましょう。

年数が足りても職歴が行政事務と認められるか不安な人は、試験で取っておく方法もあります。

迷ったら「特認で何年後に届くか」と「試験なら何年で取れるか」を並べて、早いほうを選ぶのが基本です。

ひの
ひの

社労士試験にも、公務員の経験で科目の一部が免除される「公務員特例」という制度があります。行政書士の特認は、試験そのものを受けずに資格を得られる点で、それよりも大きな制度です。

公務員が行政書士の資格を取るメリット

行政書士 公務員 公務員が取る メリット

公務員が行政書士の資格を持つメリットは、在職中と退職後で分かれます。

在職中:行政法の知識が仕事に生きる

試験の柱は行政法と民法で、行政法では手続法・不服審査法・事件訴訟法といった、役所の仕事の土台になる法律をまとめて学びます。

窓口対応や許認可の仕事をしている公務員にとっては、日々の業務の根拠を整理し直す勉強にもなります。

退職後:行政書士として独立開業できる

行政書士は、官公署に出す書類の作成や提出の手続きの代理を仕事にする資格です。

役所の手続きの流れを知っている元公務員は、許認可の申請などで経験を生かしやすいといえます。

独立開業の準備と費用は『行政書士の独立開業ガイド!開業費用と手順、仕事の取り方を現役社労士が解説』の記事で解説しています。

転職:民間企業の法務・総務で生かせる

公務員から民間企業に転職する場合も、行政書士の資格は法律の知識を示す材料になります。

許認可の手続きが多い業界では、行政の仕組みを知っていること自体が強みになります。

公務員が取ると役立つ資格を広く比べたい人は『【2026年】公務員に有利なおすすめ資格10選!昇進・給与アップに役立つ資格を解説』の記事で解説しています。

公務員から行政書士になった後の働き方と年収

行政書士 公務員 行政書士に なった後の働き方

行政書士になった後の働き方は、独立開業と、事務所や企業に勤める道に分かれます。

働き方内容向いている人
独立開業許認可・相続・入管などの業務を自分で受ける役所の手続きの経験を生かしたい人
行政書士事務所に勤める先輩の行政書士のもとで実務を学ぶ開業前に実務経験を積みたい人
企業の法務・総務契約書や許認可の管理を担当する安定した収入を保ちたい人

出典:行政書士法第1条の2・第1条の3をもとに当サイト作成

行政書士の年収は、独立か勤務か、どの業務を扱うかで大きく変わります。

行政書士の年収の統計と、開業・勤務の違いは『行政書士の年収のリアルは?厚労省データと開業・雇われの収入、年収1000万円の条件を現役社労士が解説』の記事で解説しています。

行政書士事務所への就職と求人の探し方は『行政書士の就職先と求人の探し方!実務経験なしから働く方法を現役社労士が解説』の記事で解説しています。

公務員が働きながら行政書士試験に合格する勉強のコツ

行政書士 公務員 働きながら合格 勉強のコツ

公務員は、残業や繁忙期の波があっても、年間の予定が比較的見通しやすい仕事です。

その強みを生かして、1年の勉強の計画を先に立てておくと続けやすくなります。

時期やること1週間の勉強時間の目安
12〜3月行政法と民法の基礎を一周する平日1時間+休日3時間で約11時間
4〜6月憲法・商法・基礎知識を加え、過去問を始める約14時間
7〜8月受験申込み。過去問の2周目と記述式の練習約16時間
9〜11月模試と総復習。11月の第2日曜日に本番約18時間

出典:行政書士試験研究センター「試験の概要」(試験は毎年11月の第2日曜日)をもとに当サイト作成

行政法は仕事の知識と結びつけて覚える

行政手続法や行政不服審査法は、窓口や審査の仕事で触れる場面が多い法律です。

条文を読むときに、自分の仕事のどの場面で使われているかを思い浮かべると、記憶に残りやすくなります。

民法は事例を図にして解く

民法は行政法の次に配点が大きい科目で、人と人の関係を問う事例問題が中心です。

登場人物の関係を図にしてから選択肢を読むと、読み違いが減ります。

繁忙期は「量を減らしても止めない」

年度末や議会の時期など、忙しい時期は勉強時間が取れなくなりがちです。

忙しい週は過去問を1日1問だけにしてでも、毎日問題に触れ続けることが合格への近道です。

ひの
ひの

僕も社労士試験は働きながら受けました。忙しい時期に完全に止めてしまうと、元のペースに戻すのに時間がかかるので、少しでも続けることを優先するのがおすすめですよ。

科目ごとの配点と出題範囲は『行政書士試験の科目と配点は?法令・基礎知識の出題範囲と科目別の対策、勉強の優先順位を解説』の記事で解説しています。

公務員が行政書士試験に合格するための通信講座の選び方

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働きながら受験する公務員には、通勤時間やすき間時間に講義を聞ける通信講座が向いています。

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公務員と行政書士についてよくある質問

Q. 公務員は試験なしで行政書士になれますか?

A. 国や地方公共団体の公務員として行政事務を通算20年以上(高卒以上は17年以上)担当した人は、行政書士試験を受けずに行政書士となる資格を得られます(行政書士法第2条第6号)。

Q. 特認制度は何年働けば使えますか?

A. 行政事務を担当した期間が通算20年以上です。高校卒業以上の学歴がある人は17年以上で足ります。在職年数ではなく、行政事務を担当した期間で数えます。

Q. 警察官や消防士の経歴は特認の年数に入りますか?

A. 行政事務に当たるかは、職歴証明書に書かれた職務内容で判断されます。本来の職務が行政事務と異なると判断される可能性があるので、申請前に行政書士会へ相談するのが確実です。

Q. 公務員は在職中に行政書士試験を受けられますか?

A. 受けられます。行政書士試験は年齢・学歴・国籍に関係なく誰でも受験できます。ただし、在職中に行政書士として報酬を得る仕事をすることは、兼業の制限で難しいのが実情です。

Q. 特認制度でも登録費用はかかりますか?

A. かかります。費用は試験合格者と同じで、登録免許税(3万円)と連合会の登録手数料(2万5千円)のほか、入会する行政書士会の入会金・会費を納めます。

Q. 行政書士は公務員ですか?

A. 行政書士は公務員ではありません。日本行政書士会連合会の名簿に登録して、官公署に出す書類の作成などを仕事にする国家資格者です。

Q. 独立行政法人の職員期間も特認の年数に入りますか?

A. 行政執行法人と特定地方独立行政法人の役員・職員として行政事務に相当する事務を担当した期間は通算できます。すべての独立行政法人が対象ではありません。

まとめ ~公務員から行政書士になる道は特認と試験の2つ~

行政書士 公務員 まとめ 道は2つある

公務員から行政書士になる方法について、ポイントをまとめます。

【この記事のまとめ】
・公務員が行政書士になる方法は、試験合格と特認制度(行政書士法2条6号)の2つ
・特認は行政事務を通算20年以上(高卒以上は17年以上)担当した人が対象
・年数は在職期間ではなく、行政事務を担当した期間で数える
・登録には所定の公務員職歴証明書が必要で、職務内容から判断される
・在職中は兼業の制限があり、開業は退職後が基本
・20〜30代は試験ルート、40代以降は職歴を確認して選ぶ

特認の年数に届くまで待つか、試験で先に資格を取るかは、今の年齢と職歴で決まります。

まずは自分の職歴を書き出して、行政事務の期間を数えるところから始めましょう。

試験で取ると決めた人向けの通信講座の比較は『行政書士通信講座おすすめランキング12選【2027年合格目標】料金・合格率を専門家が比較』の記事で解説しています。

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