宅建士試験の合格を目指しているみなさん、こんにちは!
とにかく資格ブログの宅建部門を担当している小金井です。
不動産会社で働くなら、宅建は必須?
不動産会社の人は、みんな宅建を持っている?
宅建がないと、不動産会社でどうなる?
不動産会社への就職や転職を考えていて、「宅建は持っていないとダメなのかな」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産会社で宅建士が必要な理由と、宅建士の保有率、持っていない人がどんな働き方をしているのかを、不動産会社で働いてきた現役宅建士が解説します。
設置義務や登録者数などは、宅地建物取引業法の条文と国土交通省の公表データで確認した内容を紹介しています。
・不動産会社には、法律で「5人に1人以上」の宅建士を置く義務がある
・宅建士がいないと、重要事項の説明や契約書面への記名ができない
・宅建がなくても営業はできるが、持っていると仕事・評価・収入で有利

結論からいうと、不動産会社で働くのに宅建は「法律上の必須」ではありませんが、「実務上はほぼ必須」です。持っているかどうかで、任される仕事も評価も大きく変わりますよ。
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この記事の執筆者の信頼性

ひのブログ宅建部門執筆者:小金井俊(宅建士、管理業務主任者資格保有)
【主な保有資格】
宅地建物取引主任者(不動産適正取引推進機構 登録)
管理業務主任者(マンション管理業協会 登録)


【筆者プロフィール】
名前:小金井 俊
宅地建物取引士、管理業務主任者、2級ファイナンシャルプランナー合格。不動産会社勤務歴10年。宅建士は通信講座で合格したので、通信講座の良いところと悪いところをお伝えできればと思います。
※筆者の経験にもとづく評価になります。
ご自身に合う宅建士講座か、ホームページや資料請求、無料体験講座等を試された上、ご判断されることをおすすめします。
筆者は2010年に宅建士試験に合格し、2016年には管理業務主任者試験にも合格しました。
宅建士の資格を活かして2回転職し、不動産仲介・管理・開発の3社で働いてきた経験から、不動産会社の実態をお伝えします。
不動産会社で宅建士が必要な理由

まずは、不動産会社でなぜ宅建士が必要なのかを見ていきましょう。
不動産会社には宅建士の設置義務がある
宅建業を営む会社は、事務所ごとに、業務に従事する人の5分の1以上の割合で、成年者である専任の宅建士を置かなければなりません(宅建業法31条の3、施行規則15条の5の3)。

たとえば従業員10人の事務所なら2人以上、25人の事務所なら5人以上の宅建士が必要です。
ここでいう「専任」とは、その事務所に常に勤務して、宅建業の仕事に専念している状態をいいます。
ほかの会社と掛け持ちしている人や、別の事務所に勤務している人は、その事務所の専任の宅建士として数えることはできません。
退職などで宅建士が足りなくなった場合は、2週間以内に補充するなどの措置をとらなければなりません。
そのため不動産会社は、ぎりぎりの人数ではなく、ある程度余裕をもって宅建士を確保したいと考えています。
宅建士が足りないと不動産会社が処分を受けることも
宅建士の設置義務に違反したまま営業を続けると、業務停止などの監督処分の対象になります。

国土交通省の令和7年度の調査でも、専任の宅建士の設置に関する違反が、業務停止処分などの主な理由の一つに挙げられています。
同じ調査では、令和7年度の監督処分は163件(免許取消85件、業務停止36件、指示42件)でした。
免許取消になると、その会社は宅建業を続けられなくなるので、不動産会社にとって法令を守る体制づくりはとても重要です。
会社にとって宅建士の不足は経営に関わる問題なので、宅建士を持っている人は採用でも大切にされます。
宅建士にしかできない仕事がある
重要事項の説明、重要事項説明書(35条書面)への記名、契約書面(37条書面)への記名の3つは、宅建士にしかできません。

重要事項の説明は、契約が成立するまでに、物件や取引条件の大事な点を買主や借主に説明するもので、説明のときには宅建士証を見せる必要があります。
以前は書面への押印も必要でしたが、2022年5月の法改正で押印は不要になり、宅建士の記名だけでよくなりました。
あわせて、相手の承諾があれば、書面を紙ではなく電子データで交付できるようにもなっています。
オンラインで重要事項の説明を行う「IT重説」も広がっていますが、説明するのが宅建士であることに変わりはありません。

宅建士は、不動産の契約で売主と買主の間に立つ「立会人」のような存在です。不動産の取引に慣れていない人を守るために、宅建士の説明が欠かせないんです。
宅建がないと不動産会社でどうなる?

不動産業界では宅建士を持っている人が多いので、あえて「持っていない」立場で、筆者が見てきた実態をお伝えします。
宅建がないと任される仕事が限られる
宅建士でない人は、重要事項の説明や書面への記名ができないので、契約の最後の手続きを自分で完結できません。
会社としては、営業から契約まで一人で責任をもって進められる人に仕事を任せたいので、自然と宅建士に大きな案件が集まりやすくなります。
契約件数に応じた歩合がある会社では、任される仕事が減ることは、そのまま収入が減ることにもつながります。
本業とは別に、副業として宅建士の資格を活かす方法は、宅建士の副業は何ができる?在宅・未経験でも始めやすい仕事と注意点で紹介しています。
反対に、宅建を持っている人は、案件の最初から最後まで一人で担当できるので、お客様との信頼関係も築きやすくなります。
宅建を取るようにというプレッシャーが大きい
多くの不動産会社では、入社後に宅建の取得を強くすすめられ、毎年の試験で合格を目標にするよう求められます。
宅建士が多いことは、お客様からの信頼や設置義務の余裕にもつながるので、会社として資格取得に力を入れているところが多いのです。
会社によっては、宅建を持っていないと営業の仕事を任せてもらえないこともあります。
宅建がないと昇格できない会社もある
仕事で成果を出していても、宅建士を持っていないことを理由に、昇格や役職への登用が見送られる会社もあります。
筆者が働いた3社でも、管理職の多くは宅建士を持っていて、宅建は「持っていて当たり前」の資格として扱われていました。
宅建がないとお客様や取引先からの信頼で不利になる
名刺に「宅地建物取引士」と書かれているだけで、お客様や取引先からの信頼は大きく変わります。
不動産は高額な買い物なので、お客様は「この人は専門家なのか」をよく見ています。

宅建を持っていない時期の営業は本当に大変でした。合格してからは、お客様の反応も社内の評価も目に見えて変わりましたよ。
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不動産会社の宅建保有率

「不動産会社の人は、みんな宅建を持っているの?」という疑問について、データと筆者の経験から見ていきます。
宅建士の登録者数は約124万人
国土交通省の調査によると、令和7年度末の宅建士の総登録者数は1,243,738人で、宅建業者数は133,727業者です。
宅建業者は事務所ごとに宅建士を置く義務があるので、業者数が12年連続で増えている今、宅建士の需要も高い状態が続いています。
ただし、登録者の中には不動産業界以外で働く人や、宅建士証を持たずに登録だけしている人も含まれます。
令和7年度に新しく登録した人は34,714人で、総登録者数はこの10年で約24万人増えています。
宅建の人気が高く、毎年多くの人が試験に合格していることが、登録者数の増加につながっています。
大手の不動産会社は宅建士の保有を重視している
大手の不動産会社の営業職では、宅建士を持っている人が多数派というのが筆者の実感です。
採用情報や会社案内で宅建士の人数や保有率を紹介している会社もありますが、数え方や対象の職種は会社ごとに違うので、数字をそのまま比べることはできません。
気になる会社がある場合は、採用ページや面接で、営業職の宅建士の割合や資格取得の支援制度を確認しておくと安心です。
宅建士が多い会社ほど、社内で質問できる先輩が多く、資格を活かした仕事の進め方を学びやすいというメリットもあります。
中小の不動産会社は宅建士がぎりぎりのところもある
従業員の少ない不動産会社では、宅建士の人数が「5人に1人」の基準ぎりぎりというところもあります。
こうした会社では、宅建士が1人辞めるだけで設置義務を満たせなくなるおそれがあるので、宅建を持っている人は採用でとても有利です。
中小の会社では、宅建士になると早い段階から店長や責任者を任されることもあり、経験を積みたい人には大きなチャンスです。
仕事別に見た宅建士の必要度
同じ不動産会社でも、仕事の内容によって宅建士の必要度は大きく変わります。

売買仲介の営業は重要事項の説明が日常的な仕事なので、宅建はほぼ必須といえます。
一方で、事務スタッフは宅建がなくても働けますが、会社によっては契約書類の作成や宅建士のサポートを任されることもあり、持っていると重宝されます。
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宅建なしでもできる不動産会社の仕事

ここでは、宅建を持っていない人が不動産会社でどんな仕事をしているのかを紹介します。

宅建がなくても不動産の営業はできる
物件の案内や広告づくり、お客様との条件交渉などの営業の仕事は、宅建がなくてもできます。
実際に、宅建を持たずに営業として入社し、働きながら試験の合格を目指す人も少なくありません。
賃貸仲介の店舗などでは、宅建士の先輩と組んで物件の案内やお客様対応を担当しながら、仕事の流れを覚えていくのが一般的です。
ただし、契約の直前に行う重要事項の説明と書面への記名は宅建士にしかできないので、その場面だけは宅建士の先輩や上司に頼むことになります。
宅建がなくても働きやすい不動産の仕事
事務スタッフや賃貸物件の管理、建物のメンテナンスの手配などは、宅建がなくても始めやすい仕事です。
管理会社の仕事では、マンションの管理なら管理業務主任者、賃貸住宅の管理なら賃貸不動産経営管理士など、宅建とは別の資格が評価されることもあります。
宅建と相性の良い資格は、宅建士と相性が良いダブルライセンスで紹介しています。
宅建なしで入社した人の多くは取得を目指す
宅建なしで入社した人も、仕事の幅を広げるために、多くは入社後に宅建の取得を目指します。
受験料や講座の費用を会社が補助したり、合格すると祝い金を出したりする会社もあるので、入社前に制度を確認しておくとよいでしょう。
入社後すぐの試験で合格を目指すなら、入社前の時期から少しずつ勉強を始めておくと、仕事に慣れる時期と重なっても慌てずに済みます。
宅建を持っているだけで意味はある?

「宅建は持っているだけで役に立つの?」という疑問にもお答えします。

宅建を持っているだけでも就職・転職で有利になる
不動産会社は設置義務を満たすために宅建士を常に必要としているので、宅建を持っているだけで採用では有利になります。
宅建士に資格手当を出す会社も多く、実際に宅建士として働いていなくても、毎月の給与に差がつくことがあります。
宅建は、不動産の知識を持っていることを客観的に示せる資格なので、異業種から不動産業界へ転職するときにも説得力が増します。
不動産会社以外でも、金融機関や建設会社、一般企業の総務部門などで、宅建の知識が評価される場面があります。
宅建に合格しても登録しない人もいる
令和7年度は、宅建試験の合格者45,821人に対して、宅建士の新規登録者は34,714人でした。

合格した年度と登録する年度がずれることもあるので単純には比べられませんが、合格してもすぐには登録しない人が一定数いることがわかります。
宅建試験の合格は一生有効なので、今は登録しなくても、転職などで必要になったときに登録して宅建士として働くことができます。
宅建士として働くには登録と宅建士証の交付が必要
宅建士として重要事項の説明などを行うには、試験に合格したあと、都道府県知事の登録を受けて、宅建士証の交付を受ける必要があります。
宅建士証の有効期間は5年で、更新するときは法定講習を受けます。
登録には、2年以上の実務経験か、登録実務講習の修了が必要です。
実務経験がない人でも、登録実務講習を受ければ登録の要件を満たせるので、不動産会社に入る前に宅建士証を取っておくこともできます。
合格後の手続きは、宅建士合格後の流れと登録手続きでくわしく解説しています。

持っているだけの宅建も、転職のときには大きな武器になります。登録の手続きや求人の探し方に迷ったら、早めに動いておくのがおすすめです。
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宅建は不動産会社に入る前に取るべき?入社後でもいい?

不動産会社で働きたい人にとって、宅建を「いつ取るか」は大きな悩みどころです。

宅建を入社前に取るメリット
入社前に宅建を取っておくと、採用で有利になるだけでなく、入社してすぐに契約まで任される可能性が高くなります。
資格手当が入社直後からつく会社も多いので、収入の面でもスタートダッシュを切れます。
応募できる求人の幅も広がるので、条件の良い会社を選びやすくなるのも大きなメリットです。
宅建を入社後に取る人が多い理由
一方で、まずは未経験で不動産会社に入り、働きながら宅建を取る人も少なくありません。
実際の物件や契約に触れることで、試験に出る法律や取引の流れがイメージしやすくなるからです。
受験料や講座の費用を補助してくれる会社なら、費用の負担も抑えられます。
働きながら宅建に合格するコツ
仕事をしながら宅建に合格するには、毎日少しずつでも勉強を続けられる仕組みをつくることが大切です。
通勤時間や昼休みなどのスキマ時間に、スマホで講義を見たり過去問を解いたりすると、まとまった時間がとれなくても勉強を進められます。
不動産会社は10月の試験直前が繁忙期と重なることもあるので、夏までに基礎を終わらせておくと安心です。

僕は働きながら合格しましたが、一番効いたのは「毎日30分でも必ず問題を解く」と決めたことでした。仕事で触れた内容が試験に出ると、記憶にも残りやすいですよ。
宅建を活かせる不動産会社の選び方

宅建を持っているなら、資格をきちんと評価してくれる会社を選ぶことが大切です。

宅建士の資格手当と取得支援の制度を確認する
資格手当の金額や支給の条件、受験料や講座費用の補助などは、会社によって大きく違います。
同じ仕事内容でも、手当の有無だけで年収に差がつくことがあるので、求人票で必ず確認しましょう。
手当だけでなく、宅建士の人数が足りているかどうかも、入社後の働きやすさに関わるポイントです。
宅建士としての役割と働き方を確認する
入社後に宅建士として重要事項の説明をどれくらい担当するのか、休日やノルマはどうなっているのかも、事前に知っておきたいポイントです。
売買仲介か賃貸仲介か、管理か開発かによっても、宅建士としての働き方は大きく変わります。
デベロッパー(開発会社)で宅建がどう役立つかは、デベロッパーに宅建は必要かの記事でくわしく解説しています。
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不動産会社の宅建保有率と必要性に関するよくある質問
不動産会社で宅建は必須かのまとめ
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