こんにちは。ひのです。
社労士試験の勉強で、いちばん時間を使うのが過去問です。ところが「どの過去問を使えばいいのか」は、意外とどこにも書かれていません。

僕も1年目は、本屋で立ち読みして何となく選んでいました。
この記事では、無料のサイトやアプリから市販の問題集まで、実際の収録年数と価格を並べて比べます。
先に結論を書きます。演習量だけなら無料の過去問サイトで足ります。足りないのは、法改正への対応と、白書・統計から出る一般常識です。
僕は3回受験して、3年目に択一式47点で合格しました。1年目と3年目でいちばん変わったのが、この過去問の使い方でした。
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この記事の執筆者の信頼性

僕はひのと言います。
【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
令和元年(2019年)に3度目の受験で社労士試験に合格しました。1年目は選択式で3科目の基準点を割り、択一式も36点でした。
2年目は択一式43点で基準点まで2点、3年目に47点で合格しています。過去問は1年目に5周、2年目に10周しました。
この記事は「過去問は大事です」で終わる記事ではありません。どこで手に入れて、何年分を、どう回すのか。数字で見ていきたいと思います。
【結論】社労士の過去問はどれを使う? ~目的別の早見表~

先に目的から逆に引けるように早見表にまとめました。
| 目的 | おすすめ | 費用 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| お金をかけずに演習量を積む | 社労士過去問ランド | 0円 | 平成16年〜令和7年の7,700肢。解説に条文と通達が付く |
| スキマ時間に選択式を鍛える | 社労士秒トレアプリ | 無料+アプリ内購入 | 空欄形式で選択式に特化。忘却曲線で自動出題 |
| 択一式を一問一答で回す | 資格の大原 社労士トレ問 | 無料+アプリ内購入 | 科目ごとに購入。ダウンロードすればオフラインで使える |
| 本試験と同じ形で通しで解く | TAC 年度別過去問題集5年分 | 3,300円 | 年度別に5年分。解説に全国の正解率が載る |
| 論点別に10年分をつぶす | TAC 過去10年本試験問題集 | 6,600円(4冊) | 科目別・項目別の一問一答。10年分を網羅 |
| テキストと紐づけて回す | LEC 必修過去問題集 | 4,180円(2冊) | 平成28年〜令和7年。必修基本書の該当ページ付き |
| 講義ごと補いたい | 山川靖樹の社労士予備校 | 月4,400円 | 全講座225時間が受け放題。過去問10年分もダウンロードできる |
無料でも有料でも、収録されている問題そのものは同じ本試験問題です。違うのは解説の厚さと、法改正への対応と、回しやすさの3つだけです。

だからこそ、最初に無料で試してから買っても遅くありません。
社労士の過去問はどこで手に入る? ~無料と有料~

過去問の入手先は大きく3つに分かれます。無料のサイトとアプリ、市販の問題集、そして通信講座の付属教材です。

収録年数だけを見ると、無料の過去問ランドが22年分でいちばん多いです。市販の問題集は10年分が標準になっています。

費用は0円から6,600円まで幅があります。順番に見ていきましょう。
社労士の過去問① 社労士過去問ランド ~無料で7,700肢~

会員登録も利用も無料のWEBアプリです。平成16年から令和7年までの過去問7,700肢を収録しています。
一問一答のほか、間違えた問題だけを出す弱点出題、付箋を貼った問題だけを出す付箋出題、条件を指定する検索出題があります。
解説に出題根拠の条文・判例・通達が載っているので、テキストに戻る手間が減ります。無料でここまでやるサイトはほかにありません。
使い方や評判は下の記事で詳しく検証しています。
関連記事:社労士過去問ランドの評判と使い方|過去問だけで合格できるか現役社労士が解説
社労士の過去問② 試験オフィシャルサイト ~当年度の問題だけ~
社会保険労務士試験オフィシャルサイトには、その年の試験問題が選択式・択一式ともPDFで掲載されます。
ただし掲載されるのは当年度分だけで、過去年度の問題は残っていません。正答の発表も合格発表日です。
本試験の紙面そのままを1回分だけ手に入れたいときには使えます。過去問演習の主軸にはできません。
社労士の過去問③ 社労士秒トレアプリ ~選択式に特化~

選択式の空欄形式に特化したアプリです。無料でダウンロードでき、アプリ内購入で範囲を広げられます。
App Storeの評価は4.7(5,199件)で、社労士のアプリのなかでは群を抜いています。忘却曲線に沿って自動で出題される仕組みが入っています。

選択式は1科目でも基準点を割ると不合格になるので、ここを毎日触れるのは大きいです。
社労士の過去問④ 資格の大原 社労士トレ問 ~択一式の一問一答~

大原出版が提供する択一式のトレーニング問題集アプリです。無料ダウンロードで各科目10問・合計100問のお試しが入っていて、本編は科目ごとに購入します。
ダウンロードすればオフラインで使えます。1問30秒のタイマー、シャッフル出題、過去10回分の正誤記録、理解度の色分けが付いています。
アプリの比較は下の記事にまとめています。
関連記事:社労士アプリと音声教材のおすすめは?無料・有料を3回受験した現役社労士が徹底比較
社労士の過去問⑤ TAC社労士の年度別過去問題集5年分 ~本番と同じ形で~
直近5年分を年度別に収録した問題集です。2026年度版は832ページ、定価3,300円で、問題編と解説編に分けられます。
最大の特徴は解説の正解率です。TACの本試験解答分析サービスのデータをもとに、その肢を全国の受験生の何割が正解したかが載っています。
正解率が高いのに自分が間違えた肢は、最優先で潰す。この判断ができるのは年度別の問題集だけです。
出典:TAC出版「2026年度版 みんなが欲しかった!社労士の年度別過去問題集5年分」
社労士の過去問⑥ TAC よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集 ~論点別に10年~
10年分の過去問を科目別・項目別に並べ直した一問一答形式の問題集です。全4冊で、セット価格は6,600円です。
1冊目の労基・安衛・労災で428ページあります。4冊そろえると相当な分量になりますが、論点別に並んでいるので、苦手科目だけを買うこともできます。
出典:TAC出版「【2026年度版】よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集セット」
社労士の過去問⑦ LEC 出る順社労士 必修過去問題集 ~テキストと紐づく~
平成28年から令和7年までの10年分を、択一式と選択式の両方収録しています。労働編と社会保険編の2冊で、1冊2,090円です。
表が問題、裏が解答解説というつくりで、巻末の黒用紙で裏写りを防げます。各問題にA・B・Cの重要度が付いていて、同じシリーズの必修基本書の該当ページが書いてあります。
キリトリ線が入っていて、覚えた問題を切り離せるのもこの問題集だけの仕組みです。
出典:LEC「2026年版 出る順社労士 必修過去問題集 1 労働編」
社労士の過去問⑧ 山川靖樹の社労士予備校 ~講義ごと月額で~
月額4,400円で全講座225時間が受け放題になる予備校です。過去問10年分の教材と、全講座のテキストPDFをダウンロードできます。
過去問だけを買うのではなく、分からなかった論点の講義をその場で見られるのが月額制の強みです。
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社労士の過去問⑨ 通信講座に付属する過去問演習
フォーサイトやスタディングなどの通信講座には、過去問演習の機能がそのまま入っています。テキストと問題が同じアプリの中でつながるのが利点です。
市販の問題集を何冊も買うと、結局1万円前後になります。そこまで出すなら講座を検討したほうが早い、という判断もあります。
関連記事:【2026年度】社労士通信講座おすすめランキング|現役社労士が9社を徹底比較
社労士の過去問は何年分やるべき?

結論から書きます。市販の問題集が10年分で揃えているのは、10年で出題論点がほぼ一巡するからです。
TACの過去10年本試験問題集も、LECの必修過去問題集も、収録は10年分です。予備校が10年で線を引いているという事実が、そのまま答えになっています。
| 年数 | どんな人向けか | 注意点 |
|---|---|---|
| 5年分 | 受験1年目、時間が足りない人 | 出題の周期が長い論点を取りこぼす |
| 10年分 | 標準。ほとんどの受験生 | 市販の問題集はここで揃っている |
| 20年分以上 | 2回目以降、択一式で45点前後まで来ている人 | 古い問題は法改正で答えが変わっている |
20年分を回せば強くなるかというと、そうとも限りません。古い過去問は、出題当時の法律で作られています。改正された論点は、昔の正答が今は誤りになります。

僕は2年目に古い問題まで手を広げて、かえって混乱しました。
迷ったら10年分です。そのうえで、直近3年分だけは年度別で通しで解いておくと、本試験の時間配分が体に入ります。
社労士の過去問はいつから始める?

「テキストを一通り終えてから」と考えている人が多いのですが、それだと遅すぎます。
科目のインプットが終わったその日に、その科目の過去問を解き始めるのが正解です。
| 時期 | やること | 過去問の使い方 |
|---|---|---|
| 9月〜12月 | 労働科目のインプット | 読んだ章の過去問をその日のうちに解く |
| 1月〜3月 | 社会保険科目のインプット | 同じく章ごとに解く。労働科目は週1で回す |
| 4月〜5月 | 全科目の2周目 | 間違えた肢だけに絞る。法改正の講義を入れる |
| 6月〜7月 | 横断整理と白書対策 | 年度別で通しで解いて時間配分を測る |
| 8月 | 直前期 | 新しい教材は足さない。間違えた肢だけ回す |
社労士試験は8月下旬に実施されるので、逆算するとこうなります。必要な勉強時間は一般に1,000時間と言われ、1年で割ると1日あたり2.74時間です。僕は3回受験したので、通算では1,800時間かかりました。

僕は1年目に、労働基準法だけで21日を使ってしまいました。
インプットに時間をかけすぎると、演習の時間がなくなります。過去問を解いて初めて、どこを覚えていないかが分かります。
勉強時間の配分は下の記事で詳しく計算しています。
関連記事:社労士の勉強時間は1000時間?3回受験した僕の実際は1800時間
社労士試験において過去問はなぜ大事か

社労士試験の問題は、試験委員が「社労士になる人にはこの知識を持っておいてほしい」と考えて作っています。
過去問を何年分も積み重ねると、試験委員が何をどの深さで理解してほしいのかが見えてきます。
社労士の過去問が効く理由① テキストにメリハリが付く
社労士試験のテキストは1,000ページ前後あります。全部を同じ濃さで読むのは、時間的に不可能です。
過去問を先に解くと、どこが何度も問われていて、どこがほとんど問われていないかが分かります。読む濃さを変えられるようになります。

僕は1年目に労働基準法だけで21日を使いました。順番が逆だったと今なら分かります。
社労士の過去問が効く理由② 知らない問題に対応できる
本試験では、見たことのない問題が必ず出ます。そこで効いてくるのが、過去問を通じて身についた出題者の癖です。
この試験委員は何を問いたいのか。長く付き合っていれば、文章の趣旨から見当がつきます。
社労士過去問のおすすめ活用方法

やることは2つだけです。
ひたすら解くことと、問われた論点をテキストに戻って印をつけること
です。
そのときに、出題者の問われ方まで書き込むのがポイントです。単純な知識問題なのか、事例問題なのかで、必要な理解の深さが変わります。

社労士の過去問の回し方① 1周目は解けなくていい
1周目で正解する必要はありません。答えを見て、テキストの該当箇所に戻り、問われた論点に印をつける。この往復が1周目の作業です。
時間を計る必要もありません。1問に5分かかってもかまいません。
社労士の過去問の回し方② 2周目は理由を言えるかで判定する
2周目からは、正誤を当てるだけでは足りません。なぜ誤りなのかを1行で説明できるかどうかで判定します。
説明できた肢は卒業させます。全部の肢を同じ回数だけ回すのは、時間の使い方としてもったいないです。
社労士の過去問の回し方③ 3周目からは時間を計る
本試験の択一式は210分で70問、1問あたり3分です。選択式は80分で8問、1問あたり10分になります。
3周目以降は間違えた肢だけに絞って、時間を計って解きます。条文の数字は口に出して確認すると残ります。
社労士の選択式は過去問だけで足りる?

択一式の話ばかりしてきましたが、落ちる人の多くは選択式で落ちています。
選択式は8科目で各5点の40点満点、試験時間は80分です。1科目でも3点を割ると、総得点が基準を超えていても不合格になります。
択一式は10年分で700問になりますが、選択式は同じ10年でも80問です。演習量そのものが決定的に足りません。
社労士の選択式対策① 条文を音で覚える
選択式は条文の言い回しをそのまま抜いてくる形式です。意味を理解しているだけでは埋まりません。
目的条文や、数字が入る箇所は、声に出して読むと残ります。秒トレのようなアプリは、この空欄形式に特化しています。
社労士の選択式対策② 択一式の勉強を選択式の目で見る
択一式の過去問を解くときに、この肢が選択式で出たらどこが空欄になるかを考える癖をつけると、同じ演習で二度使えます。
数字、期間、条文の主語。この3つが空欄になりやすいところです。
社労士の選択式対策③ 労一・社一だけは別に手当てする
残るのが労働一般常識と社会保険一般常識です。ここは白書と統計が出どころなので、過去問の延長線上には答えがありません。
毎年更新される範囲なので、最新年度の対策講座を単科で買うのがいちばん早い手当てになります。
社労士の過去問でやってはいけない4つの使い方

3回受験して、僕自身がやってしまった失敗を4つ挙げます。
やってはいけない使い方① 周回数を目標にする
2年目に過去問を10周しました。結果は択一式43点で不合格です。答えを覚えていただけで、理由を説明できていませんでした。
周回数は結果であって目標ではありません。数えるなら、説明できるようになった肢の数を数えたほうが役に立ちます。
やってはいけない使い方② テキストを読み終えてから始める
テキストを1周してから過去問に入ると、最初の科目を忘れた状態で演習が始まります。科目ごとに、読んだらすぐ解くほうが定着します。
やってはいけない使い方③ 古い過去問の答えをそのまま覚える
法改正があった論点は、当時の正答が今は誤りです。市販の問題集は法改正に合わせて問題文を補正していますが、無料のサイトやアプリはそこまで手が回らないことがあります。
アプリを選ぶときは、最新年度の法改正に対応しているかの記載を確認しておきましょう。
やってはいけない使い方④ 直前期に新しい教材を足す
7月に入ってから新しい問題集を買うと、どれも中途半端に終わります。直前期は、それまで使ったものを間違えた肢だけ回すほうが点になります。
【分岐点】社労士の過去問だけで合格できる?

ここがこの記事でいちばん大事なところです。結論から言うと、過去問だけでは受かりません。
理由は2つあります。
①は分かりやすい話です。過去問は出題当時の法律で作られているので、改正されればその肢は使えません。問題は②です。令和7年度の選択式では、労一で3点以上を取れた人が31.1%、社一は28.7%しかいませんでした。

社労士試験は選択式で1科目でも基準点を割ると、総得点が高くても不合格になります。この2科目は白書と統計から出るため、過去問では原理的に対策できません。

1年目に3科目で足切りになったときは、選択式の怖さがまるで分かっていませんでした。
社労士の過去問で埋まらない部分の補い方① 山川靖樹の社労士予備校で講義ごと補う
ヤマ予備は月額制なので、分からなかった論点の講義だけをその都度見に行く使い方ができます。テキストのPDFも過去問10年分の教材も、月額の中に含まれています。
演習量は足りているのに、改正点と一般常識だけが手つかず。その状態を最短で埋められるのがこの形です。
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社労士の過去問で埋まらない部分の補い方② アガルートの白書対策講座だけを外注する
白書と労働経済は、独学でいちばん報われない範囲です。どこから出るか読めないうえ、毎年数字が入れ替わるため、自力で追うと時間だけが消えていきます。
アガルートは白書対策講座を16,280円の単科で売っています。講座をまるごと買い替えずに、この1科目分の穴だけを外注できます。
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社労士で過去問以外に行うべき対策

過去問で埋まらない部分を、何で埋めるかを整理します。
| 対策 | なぜ必要か | いつやるか |
|---|---|---|
| 法改正対策 | 改正点はその年に出やすい | 4月〜6月 |
| 白書・統計対策 | 選択式の労一・社一の出どころ | 5月〜7月 |
| 横断整理 | 似た制度の数字を混同しないため | 6月〜7月 |
| 模擬試験 | 時間配分と体力の確認 | 6月〜8月 |
| 選択式の演習 | 1科目でも基準点割れで不合格になるため | 通年 |
僕が3年目にやって、いちばん効いたのが模試と横断整理でした。模試3回分を各5周して、間違えたところを横断表に落とし込みました。
1年目は模試の1万円をケチって受けていません。あれは完全な失敗でした。
関連記事:社労士合格体験記!1回目の試験受験へ!模試ボロボロ!
関連記事:社労士の勉強法!合格までの効率的な学習を現役社労士が解説
社労士の過去問に関するよくある質問
社労士の過去問まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
【この記事のまとめ】
・演習量だけなら無料で足りる。社労士過去問ランドは平成16年〜令和7年の7,700肢を無料で収録
・市販の問題集は10年分が標準。TACの過去10年が4冊6,600円、LECの必修過去問が2冊4,180円
・本試験と同じ形で解くならTACの年度別5年分3,300円。解説に全国の正解率が載る
・試験オフィシャルサイトに残るのは当年度分だけ
・迷ったら10年分。直近3年分だけは年度別で通しで解く
・1周目は解けなくていい。2周目は理由を言えるかで判定、3周目からは時間を計る
・周回数は目標にしない。10周しても説明できなければ点にならない
・過去問だけでは受からない。法改正と、選択式の労一・社一が埋まらない
社労士試験の過去問は、無料でも有料でも中身は同じ本試験問題です。差がつくのは、どれを買ったかではなく、間違えた肢に何回戻ったかです。
僕が3年かかったのは、1年目と2年目にこの往復をしていなかったからでした。

過去問は解く道具ではなく、テキストのどこに戻るかを教えてくれる地図です。
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