「税理士事務所 やめとけ」
求人サイトで税理士事務所の募集を見ていて、ふと不安になって打ち込んだ言葉が、たぶんこれだと思います。
あるいは、すでに事務所で働いていて、2月の夜にパソコンを閉じたあと、スマホでこっそり調べたのかもしれません。
ひのです。
社会保険労務士の資格を持ちながら、本業では会社の総務で給与計算と社会保険の事務をしています。
僕は税理士ではありません。税理士事務所で働いたこともありません。

ただ、顧問税理士事務所の担当さんとは、毎月やり取りしています。資料を渡して、質問に答えて、決算の時期には一緒に締め切りに追われる側です。
だから税理士事務所の中の事情は、事務所の外側からなら何年も見てきました。担当さんが替わったときの引き継ぎの様子も、3月の返信が目に見えて遅くなる感じも、よく知っています。
この記事は、その外側からの実感と、国税庁や日本税理士会連合会が公表している数字、そして実際の求人を全部数えた結果だけで組み立てています。
口コミの「ブラックだった」「最高だった」を並べる記事ではありません。
「税理士事務所やめとけ」の中身を、数字で確かめられる部分と、事務所選びで避けられる部分に分けていきます。
【この記事でわかること】
・税理士事務所が「やめとけ」と言われる7つの理由と、その正体
・法律で決まっている締め切りを並べた、税理士事務所の1年
・税理士の53.6%が60歳以上。所長の年齢が職場に与える影響
・税理士試験の合格率21.6%と、5科目合格者527人という数字
・ヒュープロの税務求人3,217件を全部数えた年収と働き方
・やめとけと言われる事務所を、応募前に見分けるチェックリスト
・税理士事務所の経験が評価される転職先
税理士事務所について調べるのも重要ですが、今の求人状況を調べておくのもかなり重要です。税理士事務所案件を扱う転職エージェントの「ヒュープロ」なら、伴走支援であなたにピッタリの求人が見つかります。(登録は無料です)
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- この記事の執筆者の信頼性
- 「税理士事務所はやめとけ」は本当?先に結論
- 税理士事務所がやめとけと言われる7つの理由
- 税理士事務所の1年は、締め切りで埋まっています
- 税理士の半分以上が60歳以上。所長の年齢が職場を決める
- 税理士試験と仕事の両立は、合格率21.6%の世界
- 求人3,217件で見る税理士事務所の年収と働き方
- やめとけと言われる税理士事務所の特徴とチェックリスト
- 税理士事務所の面接で聞いておきたい7つの質問
- 規模で変わる税理士事務所の働き方
- 未経験で税理士事務所はきつい?
- それでも税理士事務所で働く5つのメリット
- 税理士事務所に向いている人・向いていない人
- 税理士事務所を辞めたいと思ったときの判断軸
- 税理士事務所の経験が生きる転職先
- 税理士事務所と事業会社の経理、働き方を比べる
- 顧問先の総務から見た、税理士事務所の担当者の仕事ぶり
- 税理士事務所への転職で失敗しないエージェントの使い方
- 税理士事務所はやめとけに関するよくある質問
- Q.税理士事務所はブラックな職場が多いのですか?
- Q.税理士事務所の繁忙期はいつですか?
- Q.税理士事務所の年収はどれくらいですか?
- Q.未経験で税理士事務所に入るのはやめたほうがいいですか?
- Q.税理士事務所を1年で辞めるのは早すぎますか?
- Q.税理士試験に受からなくても、税理士事務所で働き続けられますか?
- Q.会計事務所と税理士事務所は違うのですか?
- Q.税理士法人と個人の税理士事務所、どちらを選ぶべきですか?
- Q.40代・未経験でも税理士事務所に転職できますか?
- Q.子育てと両立しながら税理士事務所で働けますか?
- Q.税理士事務所を辞めるなら、いつがいいですか?
- Q.残業が少ない税理士事務所は、どう探せばいいですか?
- Q.地方でも税理士事務所の求人はありますか?
- 税理士事務所はやめとけのまとめ
この記事の執筆者の信頼性

僕はひのと言います。
【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
会社の総務部門で給与計算・社会保険事務を担当(現役)
令和元年度の社労士試験に合格しました。合格までに3回受験しています。
いま毎月回しているのは、給与計算、源泉所得税の納付、年末調整、社会保険の資格取得と喪失、算定基礎届、労働保険の年度更新です。
このうち源泉所得税と年末調整、それに決算まわりは、顧問税理士事務所と二人三脚で進めています。

つまり僕は、税理士事務所の「お客さん側の窓口」です。事務所の人が何に追われているのかは、こちらに届くメールの時刻でだいたい分かります。
ただし、ひとつだけ先に断っておきます。
僕は税理士でも、会計事務所の職員でもありません。
事務所の内側の話、たとえば担当件数の感覚や所長との距離感などは、事務所に勤める知り合いから聞いた話と、公表されている統計にもとづいて書いています。
「税理士事務所はやめとけ」は本当?先に結論

先に結論を書きます。
「税理士事務所はやめとけ」は、半分は本当で、半分は事務所選びで避けられる話です。
本当の半分は、税理士特有の締め切りです。
確定申告は3月15日、法人の申告は決算から2か月以内。この期限は法律で決まっていて、事務所の努力では動かせません。
だから1月から5月にかけて忙しくなるのは、どの事務所でも同じです。
ここを理由に「税理士事務所やめとけ」と感じる人は、正直どこへ行っても苦しくなります。

ここは本当に避けられません。僕の会社も3月決算なので、4月と5月は税理士の担当さんとのやり取りが一気に増えます!
もう半分は、事務所ごとの差です。
残業代がきちんと出るか。教えてくれる先輩がいるか。所長のやり方が昔のままか、クラウド会計に移っているか。
このあたりは事務所によってまったく違います。そして求人票と面接で、かなりの部分を事前に確かめられます。
税理士事務所で「やめとけ」と言いたくなる経験をした人の多くは、仕事そのものより、このハズレの事務所に当たっています。
やめとけの半分は、事務所選びで避けられます
「税理士事務所やめとけ」と検索する人は、2つのタイプに分かれます
「税理士事務所 やめとけ」と調べる人は、大きく2つに分かれると思います。
これから税理士事務所に入ろうか迷っている人と、すでに働いていて辞めたいと感じている人です。
入る前の人にとって大事なのは、ハズレの事務所を避ける方法です。すでに働いている人にとって大事なのは、今の事務所がハズレなのか、仕事そのものが合わないのかを見分けることです。
この記事では、どちらの人にも使えるように書いています。
入る前の人はチェックリストの章を、働いている人は辞めたいときの判断軸の章を、とくにじっくり読んでみてください。
右側の4つは、応募する前に見抜けます。その方法は、このあとチェックリストの章でまとめています。
残業時間や教育体制など、求人票に書かれていないことも担当者に確認できます
税理士事務所がやめとけと言われる7つの理由

まずは「税理士事務所やめとけ」と言われる理由を、7つに分けて見ていきます。
ネットの口コミや知恵袋の相談を読むと、言い方は違っても、出てくる理由はだいたいこの7つに集まります。
税理士事務所やめとけの理由① 締め切りが法律で決まっている
税理士事務所の仕事は、ほぼすべてに期限があります。しかもその期限は、国税庁が法律にもとづいて決めているものです。
所得税の確定申告は3月15日まで。個人事業者の消費税は3月31日まで。法人税は事業年度が終わった日の翌日から2か月以内。
どれも「頑張ったので1日延ばしてください」が通じません。

ここが一番のプレッシャーです。
この「動かせない締め切り」が、税理士事務所の緊張感の正体です。期限を過ぎれば、顧問先に延滞税などの不利益が出るからです。
しかも、締め切りに間に合わない原因の多くは、顧問先の資料が遅れることです。
自分の仕事が早くても、相手が遅ければ間に合わない。この構造が、税理士事務所の仕事を余計に苦しくしています。
税理士事務所やめとけの理由② 1月から5月に繁忙期が集中する
締め切りが1年に散らばっていれば、まだ楽です。ところが税理士事務所の締め切りは、1月から5月に固まっています。
1月は年末調整の後始末と、1月31日が期限の法定調書。2月と3月は確定申告。そして5月は、3月決算の会社の申告期限です。
この5か月は、息をつく暇がほとんどありません。

聞いているだけで息が詰まります…。
逆にいうと、6月から11月は比較的落ち着く事務所が多いです。忙しさが1年の中で偏っているのが、税理士事務所の働き方の特徴です。
この偏りのせいで、1月から5月は有給休暇を取りにくい雰囲気の事務所もあります。旅行や行事の予定を入れにくいのは、家族がいる人ほどつらく感じるポイントです。

担当さんに「6月に入ったら少し落ち着きます」と言われたことが何度もあります。それまでは、本当に大変そうでした。
税理士事務所やめとけの理由③ 所長の方針ですべてが決まる
税理士事務所の多くは、所長の税理士がひとりで開いた小さな事務所です。
小さな事務所では、所長の考え方がそのまま職場のルールになります。残業代の出し方も、休みの取り方も、使う会計ソフトも、所長が決めます。
良い所長に当たれば、これほど働きやすい職場はありません。合わない所長に当たると、逃げ場がありません。

まさに「所長ガチャ」です。
たとえば、会計ソフトはクラウドに移るのか、紙の資料を続けるのか。顧問先を増やして売上を伸ばすのか、今の顧問先を大事にするのか。こうした判断ひとつで、職員の働き方は大きく変わります。
しかも税理士は高齢化が進んでいて、所長が60代、70代という事務所も珍しくありません。この話は、あとの章で数字を出して詳しく見ます。
税理士事務所やめとけの理由④ 担当件数が多すぎる
税理士事務所の職員は、ひとりで何社もの顧問先を受け持ちます。
担当件数の目安は事務所によってまったく違いますし、公表された統計もありません。ただ、件数が多すぎる事務所では、毎月の記帳と試算表だけで手一杯になります。
そうなると、繁忙期の前に準備を進める余裕がなくなり、1月からの山がさらに高くなります。
担当件数が多いと、1社ごとにかけられる時間も短くなります。顧問先から「もっと相談に乗ってほしい」と言われても応えられず、板挟みになってしまうこともあります。
担当件数は求人票に書いていないことが多いので、面接で必ず聞きたい項目です。

ここは遠慮せずに聞いていいところです!
税理士事務所やめとけの理由⑤ 税理士試験との両立が長く続く
税理士事務所で働く人の中には、税理士試験を受けながら働いている人がたくさんいます。
税理士試験は1科目ずつ合格を積み上げる試験で、5科目そろうまで何年もかかるのがふつうです。
試験は例年8月。つまり、繁忙期が終わった6月と7月が、試験直前の追い込みの時期と重なります。
1月から5月は仕事が忙しすぎて勉強が進まず、6月から慌てて追い込む。この流れを毎年くり返している人も少なくないはずです。

1年の前半は仕事で追われ、夏は試験で追われる。これが何年も続くと思うと、かなりしんどいです。
税理士事務所やめとけの理由⑥ 資格がないと給与が伸びにくい
税理士事務所の給与は、資格と科目合格の数で大きく変わります。
無資格で入った場合、最初の年収はそれほど高くありません。科目合格や税理士登録で上がっていく仕組みの事務所が多いです。
このあと実際の求人を数えた結果を出しますが、年収の下限が300万円台の求人もあれば、上限が1,000万円を超える求人もあります。
この差の多くは、税理士資格と経験の差です。
税理士事務所やめとけの理由⑦ 教育がなく、放置される
小さな事務所ほど、新人を教える専任の人がいません。
先輩も自分の担当で手一杯なので、「前任者のファイルを見て同じようにやって」で終わってしまうことがあります。
とくに未経験で入った人にとって、これは大きな壁です。聞ける相手がいない状態で繁忙期に入ると、ほぼ確実に苦しくなります。
しかも税理士事務所の仕事は、顧問先ごとにやり方が少しずつ違います。
前任者のやり方をそのまま真似しても、なぜそうしているのかが分からないまま、次の年も同じところでつまずいてしまいます。

「背中を見て覚えろ」は、忙しい職場ほど起きやすいです。
税理士事務所の1年は、締め切りで埋まっています

ここからは、避けられない側の話を数字で見ていきます。まずは締め切りです。
税理士事務所の忙しさは、気合いや職場の雰囲気で決まるものではありません。国税庁が定めた期限の並び方で、ほぼ決まります。
主な期限を、1年の流れに沿って並べるとこうなります。
| 時期 | 主な締め切り | 税理士事務所で起きること |
|---|---|---|
| 1月20日 | 源泉所得税の納付 (納期の特例・7〜12月分) | 小さな顧問先の源泉税をまとめて計算 |
| 1月31日 | 法定調書(源泉徴収票など)の提出 | 年末調整の結果を税務署へ |
| 2月16日〜3月15日 | 所得税の確定申告 | 個人の顧問先の申告が一気に集中 |
| 3月31日 | 個人事業者の消費税の確定申告 | 確定申告の直後にもう一山 |
| 5月末 | 3月決算法人の申告期限 | 事業年度終了の翌日から2か月以内 |
| 7月10日 | 源泉所得税の納付 (納期の特例・1〜6月分) | 夏の小さな山 |
| 12月 | 年末調整 | 翌年1月の山の準備が始まる |
| 随時 | 相続税の申告 | 相続の開始を知った日の翌日から10か月以内 |
出典は国税庁の「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告」「法定調書の種類及び提出期限」

こうして並べると、1月から5月まで、ほぼ毎月大きな締め切りがあるのが分かります。
確定申告だけで、全国で2,353万人が申告しています
2月と3月の忙しさがどれくらいの規模か、国税庁の数字で見てみます。
国税庁の発表では、令和7年分の所得税の確定申告書を提出した人は2,353万人でした。前の年より0.6%増えています。
このうちe-Taxで申告した人は1,814万人で、全体の77.1%です。
もちろん、この全員が税理士に頼んでいるわけではありません。ただ、個人事業主や不動産収入のある人など、税理士事務所の顧問先の多くがこの2か月に申告します。
e-Taxの利用が77.1%まで広がっても、締め切りの日付そのものは変わりません。電子化で楽になるのは提出の手間で、資料を集めて数字を固める作業は残ります。

担当さんに聞くと、いちばん時間がかかるのは入力より「資料がそろわないこと」だそうです。これは電子化しても変わらないですよね。
3月決算の会社が多いほど、5月が重くなります
法人税の申告期限は、事業年度が終わった日の翌日から2か月以内です。3月決算の会社なら5月末、12月決算の会社なら2月末が期限になります。
日本では3月決算の会社が多いので、確定申告が終わってひと息つく間もなく、4月と5月に次の山がきます。
顧問先に12月決算の会社が多い事務所だと、2月に法人の申告と確定申告が重なって、さらに厳しくなります。
繁忙期の重さは、顧問先の構成で決まります。だから同じ税理士事務所でも、忙しさにはかなりの差が出ます。
繁忙期は避けられない。でも、重さは事務所で変わります
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繁忙期の残業時間や顧問先の構成は、求人票だけでは分かりません。担当者に確認してもらえます
税理士の半分以上が60歳以上。所長の年齢が職場を決める

次は、事務所の「中の人」の話です。
日本税理士会連合会が令和6年4月に行った「第7回税理士実態調査」では、回答した税理士の53.6%が60歳以上でした。

税理士会も高齢化が進んでいる!
この調査には3万8,607件の回答があり、回答率は44.8%です。
いちばん多いのは60歳代で、25.7%です。70歳代も22.0%います。40歳代より下を全部足しても、24.7%しかいません。

資格者の4人に1人しか50歳未満がいない業界です。所長が60代、70代というのは、むしろふつうなんですね。
開業税理士に限ると、60代以上は62.4%
事務所を開いている「開業税理士」に絞ると、高齢化はさらに進んでいます。同じ調査を報じた税界タイムスの記事では、60代以上の開業税理士の割合は62.4%でした。
そして60歳以上の開業税理士では、後継者が「いない」と答えた割合が84.5%にのぼると分析されています。

つまり、あなたが入ろうとしている事務所の所長も、60代以上である可能性が高いということです。
所長が高齢だと、何が起きやすいか
所長が高齢であること自体は、悪いことではありません。
経験が豊富で、顧問先からの信頼も厚いことが多いです。
ただ、働く側から見ると、気をつけたい点が3つあります。
| 起きやすいこと | 働く側への影響 | 面接での確かめ方 |
|---|---|---|
| やり方が昔のまま | 紙の資料や手入力が多く、作業時間が長くなる | 使っている会計ソフトと、クラウド会計の導入状況を聞く |
| 後継者が決まっていない | 所長の引退で、事務所が閉じる・売られる可能性がある | 事業承継の予定があるかを聞く |
| 所長しか判断できない | 確認待ちで仕事が止まり、繁忙期に詰まる | 所長以外に税理士が何人いるかを聞く |
とくに2つ目は見落とされがちです。所長が引退すると、事務所ごとほかの税理士法人に引き継がれることがあります。
そのとき職員は、新しい法人のやり方に合わせるか、辞めるかを選ぶことになります。

顧問先の側から見ても、担当の事務所が合併されると連絡先も担当者も変わるので大変です。働く人はなおさらだと思います。
若い税理士が多い事務所は、それだけで貴重です
逆にいうと、30代や40代の税理士が何人もいる事務所は、それだけで働く場所として価値があります。
教えてくれる人がいて、やり方が新しく、所長が引退しても事務所が続く可能性が高いからです。
求人票に「平均年齢」や「スタッフの年齢層」が書いてあれば、必ず見てください。書いていなければ、面接で聞いてかまいません。
所長の年齢と後継者の有無は、面接で聞いていい質問です
税理士試験と仕事の両立は、合格率21.6%の世界

税理士事務所で働く人の多くは、税理士試験と無関係ではいられません。
資格がなくても働けますが、給与を上げたい、いずれは独立したいと考えると、試験の話が必ず出てきます。
ここでは、国税庁が公表している最新の試験結果を見てみます。
令和7年度の受験者は36,320人、合格率は21.6%
令和7年度(第75回)の税理士試験では、受験申込者が45,517人、実際に受験した人が36,320人でした。合格者は7,847人で、合格率は21.6%です。
ただしこの7,847人は、1科目でも合格した人を全部含めた数です。5科目そろって税理士試験を「卒業」した人は、527人しかいません。

受験した人のうち、その年に5科目がそろったのは527人。受験者全体の1.5%ほどです。これは数字で見ると、かなり重いです。
税理士試験は、1科目ずつ合格を積み上げられる仕組みです。一度合格した科目は、ずっと有効です。だから多くの人は、1年に1〜2科目ずつ受けて、何年もかけて5科目をそろえます。
税理士試験は毎年8月。繁忙期明けの2か月が勝負
令和8年度の試験は、8月4日から6日の3日間でした。合格発表は11月27日の予定です。
つまり働きながら受ける人にとっては、確定申告と3月決算の山が終わった6月と7月が、試験前の最後の追い込み期間になります。
ここで事務所の理解があるかどうかで、合格のしやすさがかなり変わります。
| 時期 | 仕事 | 試験勉強 |
|---|---|---|
| 1月〜3月 | 年末調整の後始末と確定申告で最も忙しい | ほぼ手が回らない |
| 4月〜5月 | 3月決算法人の申告 | 平日の夜と休日に少しずつ |
| 6月〜7月 | 比較的落ち着く事務所が多い | 試験前の追い込み |
| 8月 | 通常業務 | 本試験(令和8年度は8月4日〜6日) |
| 9月〜12月 | 年末調整の準備が始まる | 次の年の科目の勉強を始める |
試験日は国税庁の「令和8年度(第76回)税理士試験公告」によるものです。
仕事の忙しさは事務所の顧問先の構成で変わるので、目安として見てください。
税理士試験に協力的な事務所かどうかは、求人票で分かります
税理士事務所の求人には、試験を受ける人向けの制度を書いているものがあります。たとえば試験前の休暇、科目合格ごとの手当、受験費用の補助などです。
税理士求人に特化しているヒュープロの求人でも、「試験休暇」と書かれた求人は54件、「科目合格」に触れた求人は174件ありました。数は多くないので、見つけたら大事にしたい求人条件です。
【試験に協力的な事務所のサイン】
・試験休暇がある(試験前に数日から1週間ほど)
・科目合格で給与が上がる仕組みがある
・受験予備校の費用を補助してくれる
・所長や先輩が働きながら合格している

逆に、面接で試験の話をしたときに所長の反応が冷たい事務所は、避けたほうがいいと思います。何年も続く話なので、ここは妥協しないでおきましょう。
関連記事:税理士補助とは?仕事内容・年収・きついと言われる理由を現役社労士が解説
試験休暇や科目合格手当など、受験生に向いた条件で求人を探せます。登録無料です
求人3,217件で見る税理士事務所の年収と働き方

「税理士事務所やめとけ」と言われる職場でも、実際にどんな条件で人を募集しているのかは、求人を見ればある程度分かります。
そこで、ヒュープロに掲載されている「税務・税理士」の求人を、2026年9月時点で全部数えました。全部で3,217件です。

1件ずつ年収と勤務地と募集文を拾って集計しました。口コミよりも、会社が自分で出している条件のほうが確かだと思ったからです。
なお、求人に書かれている年収は「下限〜上限」の幅で示されています。
下限は未経験や経験の浅い人、上限は経験者や有資格者を想定した金額と考えてください。
税理士事務所の求人の年収、下限は300万円台が最多
まずは年収の下限です。年収が書かれていた3,214件を分けると、いちばん多いのは300万円台で、41.2%でした。
下限の真ん中(中央値)は400万円でした。
入り口の年収は、300万円台から400万円台がほとんどです。税理士事務所に入ったばかりのうちは、高い年収は期待しにくいということです。
上限は1,000万円以上の求人が19.3%
一方で、年収の上限を見ると景色が変わります。
上限が800万円以上の求人は、合わせて1,239件。全体の38.6%です。上限の中央値は700万円でした。

下限は300万円台なのに、上限は1,000万円を超える。この幅の大きさこそが、税理士事務所の給与の特徴だと思います。
この差を埋めるのが、資格と経験です。「資格がないと給与が伸びにくい」という理由は、裏を返せば「資格と経験があれば伸びる」ということでもあります。
年収の上限が高い求人は、何が違うのか
では、上限が1,000万円を超える求人と、600万円に届かない求人では、何が違うのでしょうか。募集文に出てくる言葉を比べてみました。
| 募集文に含まれる言葉 | 上限1,000万円以上(619件) | 上限600万円未満(844件) |
|---|---|---|
| 補助 | 10.7% | 42.1% |
| 未経験可 | 11.5% | 30.7% |
| 巡回 | 7.4% | 16.2% |
| 事業承継 | 18.3% | 7.7% |
| M&A | 17.1% | 4.0% |
| マネージャー | 12.6% | 0.9% |
| 組織再編 | 8.2% | 1.5% |
出典はヒュープロ「税務・税理士 求人一覧」をひのが集計したものです(2026年9月24日時点)。それぞれのグループの中で、その言葉を含む求人の割合を出しています
上限が600万円未満の求人では、「補助」という言葉が42.1%の求人に出てきます。記帳や巡回など、税理士事務所の基本の仕事が中心です。
一方、上限1,000万円以上の求人では、「事業承継」「M&A」「組織再編」といった言葉が目立ちます。「マネージャー」は12.6%で、600万円未満の0.9%とは大きな差があります。

年収の差は、仕事の難しさと責任の差なんですね。記帳から始めて、専門分野を持つほど上がっていく。とても分かりやすい構造です。
つまり、税理士事務所で年収を上げる道筋ははっきりしています。
基本の仕事で経験を積み、相続や事業承継、組織再編などの専門分野を持ち、人をまとめる立場になることです。
税理士事務所の種類で年収はどう違うか
求人を出している会社の名前から、種類ごとに分けて年収の中央値を比べてみました。
| 会社の種類 | 件数 | 年収の下限(中央値) | 年収の上限(中央値) |
|---|---|---|---|
| 税理士法人 | 2,023件 | 400万円 | 700万円 |
| 会計事務所・税理士事務所 | 371件 | 350万円 | 600万円 |
| 株式会社など(コンサル会社・事業会社) | 301件 | 450万円 | 844万円 |
| 社名非公開 | 505件 | 400万円 | 600万円 |
会社名に「税理士法人」を含むものを税理士法人、「事務所」「会計」を含み株式会社などでないものを会計事務所・税理士事務所として分けています。
個人の会計事務所・税理士事務所は、税理士法人より下限も上限も低めです。規模が小さいぶん、給与の幅も小さくなりやすいのだと思います。
税理士事務所の求人は、5つの都府県に76.5%が集中
勤務地も数えてみました。東京都だけで1,488件、全体の46.3%です。
上位5つの都府県を足すと2,461件で、全体の76.5%になります。
東京や大阪で探すなら、選べる事務所の数が多いので、合わない事務所を避けやすくなります。地方で探す場合は、数が限られるぶん、1件ずつの見極めがより大事になります。
「税理士事務所やめとけ」とは逆の条件を出している求人も多い
最後に、働き方に関する言葉が募集文にどれくらい出てくるかを数えました。
完全週休2日制は約6割、年間休日120日以上は約半分の求人に書かれています。リモートやフレックスに触れた求人も、それぞれ4件に1件あります。

「税理士事務所は休めない」「ずっと出社」というイメージとは、だいぶ違う数字ですよね。僕も数えてみて少し驚きました。
もちろん、書いてあることと実際の運用が違う事務所もあります。それでも、こうした条件を求人票に書ける事務所が多いこと自体が、業界が変わってきている証拠だと思います。
ホワイトな条件の税理士求人は、探せばちゃんとあります
年間休日120日以上・リモート・フレックスなど、条件を絞って探せます。登録無料・約1分です
やめとけと言われる税理士事務所の特徴とチェックリスト

ここからは、避けられる側の話です。
「やめとけ」と言われる税理士事務所には、共通する特徴があります。そしてその多くは、応募する前か面接の場で見抜けます。
やめとけな税理士事務所の特徴① 求人票の年収に幅がありすぎる
年収が「300万〜1,000万円」のように極端に広い求人は、要注意です。
上限は所長やベテラン向けで、実際に入る人の多くは下限近くで決まる、ということがよくあります。
幅が広い求人を見つけたら、「自分の経験だといくらくらいになりそうか」を事前に確認しておくと安心です。
やめとけな税理士事務所の特徴② 残業代の書き方があいまい
「残業代は出します」とだけ書いて、固定残業代の有無や時間が書いていない求人があります。
固定残業代が入っている場合、何時間分が給与に含まれているかで、実質の時給は大きく変わります。

給与計算をしている立場から言うと、固定残業代の時間数が書いていない求人は、まず確認したほうがいいです。後から「それは込みです」と言われても、取り返せません。
やめとけな税理士事務所の特徴③ いつも同じ求人が出ている
同じ事務所の求人が、何か月も、あるいは1年中出ている場合は、人が定着していない可能性があります。
事業を広げているから募集が続いている、というケースもあるので、一概には言えません。面接で「今回の募集の理由」を聞けば、どちらかはだいたい分かります。
やめとけな税理士事務所の特徴④ 面接で所長しか出てこない
面接で所長だけが話して、一緒に働く先輩の姿が見えない事務所は、少し気をつけたいところです。
職場の雰囲気は、所長よりも隣の席の先輩で決まります。職場見学をお願いして断られる場合も、慎重に考えたほうがいいです。
やめとけな税理士事務所の特徴⑤ 教え方が決まっていない
「最初は何をしてもらいますか」と聞いて、答えがはっきりしない事務所は、教育の仕組みがない可能性が高いです。
逆に「最初の3か月は記帳と先輩の補助、半年後から担当を持ってもらう」のように、具体的に答えられる事務所は安心できます。
ここまでの特徴を、応募前と面接の2つの場面に分けてチェックリストにしました。
| 確認する場面 | チェックすること | 要注意のサイン |
|---|---|---|
| 求人票 | 年収の幅 | 下限と上限の差が極端に大きい |
| 求人票 | 残業代の書き方 | 固定残業代の時間数が書いていない |
| 求人票 | 休日 | 「週休2日制」だけで「完全」がついていない |
| 求人票 | 掲載の期間 | 同じ求人が長期間出続けている |
| 面接 | 募集の理由 | 欠員補充の理由を濁される |
| 面接 | 担当件数 | 目安を答えてもらえない |
| 面接 | 繁忙期の残業 | 「みんな頑張っている」など数字が出ない |
| 面接 | 教育の流れ | 最初の仕事が決まっていない |
| 面接 | 所長以外の税理士 | 所長ひとりで全件を判断している |
| 面接 | 会計ソフト | 紙と手入力が中心で、変える予定もない |
| 面接 | 事業承継 | 所長が高齢で、後継者の話が出ない |
| 職場見学 | 職員の年齢と人数 | 若手がいない、または極端に少ない |

「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いは、見落としやすいので注意です。「週休2日制」は、月に1回以上は週2日休める週がある、という意味で、毎週2日休めるとは限りません。
このチェックリストで引っかかる項目が多い事務所ほど、「税理士事務所やめとけ」と言われる状態に近いと考えてください。
ひとつでも当てはまったら即アウト、というわけではありません。ただ、3つ以上当てはまるなら、ほかの事務所も必ず見比べてほしいです。
面接で聞きにくいことは、エージェントに聞いてもらう
とはいえ、担当件数や残業時間、事業承継のことを、面接で自分から聞くのは勇気がいりますよね。聞き方を間違えると、「条件ばかり気にする人」と思われないか心配になりますよね。
こういうときは、転職エージェントを間に入れるのがいちばん楽です。エージェントの担当者が、事務所側に確認してくれます。

そのための転職エージェントです。
聞きにくいことほど、エージェント経由で聞けばいいんです
残業時間や担当件数など、面接で聞きにくいことを担当者が確認してくれます。登録無料・約1分
税理士事務所の面接で聞いておきたい7つの質問

チェックリストの項目を、実際に面接でどう聞けばいいのか。ここでは質問の形にして、聞く意図と、答えの読み方までまとめます。
全部を聞く必要はありません。自分にとって大事なものを3つか4つ選んで、メモしてから面接に行くのがおすすめです。
| 質問 | 聞く意図 | 安心できる答えの例 |
|---|---|---|
| ①入社後、最初の3か月はどんな仕事から始めますか? | 教育の流れがあるか | 「記帳と先輩の補助から始めて、半年後に担当を持ってもらいます」 |
| ②ひとりあたりの担当件数は、どれくらいですか? | 仕事量が適正か | 件数の目安と、補助スタッフの有無を具体的に答えてくれる |
| ③繁忙期の残業は、月に何時間くらいですか? | 繁忙期の重さ | 「2月と3月は月○時間くらい。それ以外は少なめです」と数字が出る |
| ④残業代はどのように計算されますか? | 固定残業代の有無 | 固定残業代の時間数と、超えた分の支払い方を説明してくれる |
| ⑤顧問先の決算月は、どの月が多いですか? | 5月と2月の山の大きさ | 決算月のばらつきを説明できる |
| ⑥使っている会計ソフトと、クラウド化の予定を教えてください | 作業のしやすさ | ソフト名がすぐに出て、今後の方針も話してくれる |
| ⑦今回の募集は、増員ですか、欠員補充ですか? | 定着しているか | 増員の理由、または前任者が辞めた理由を率直に話してくれる |

聞きにくいのは④と⑦だと思います。この2つは、エージェント経由で聞いてもらうのがいちばん角が立ちません。
答えそのものより、答え方を見てください。数字や具体例がすっと出てくる事務所は、中の仕組みが整っていることが多いです。
逆に、質問するたびに「そのへんは入ってから」とはぐらかされるなら、入ってからも同じ調子だと考えたほうがいいです。
逆質問は、面接の印象を悪くしません
「条件ばかり聞くと落とされるのでは」と心配する人もいます。
でも、担当件数や繁忙期のことは、仕事をきちんとやる前提で聞く質問です。聞き方さえ丁寧なら、むしろ仕事への真剣さが伝わります。
たとえば「繁忙期に向けて準備しておきたいので、例年の残業時間の目安を教えてください」と聞けば、失礼にはなりません。

聞き方ひとつで、印象はだいぶ変わります!
規模で変わる税理士事務所の働き方

税理士事務所とひとことで言っても、所長と数人だけの事務所から、全国に拠点がある大きな税理士法人まであります。
日本税理士会連合会によると、令和8年8月末時点で税理士の登録者は82,343人、税理士法人は主たる事務所が5,330、従たる事務所が3,167です。
規模によって、働き方はかなり変わります。ここでは3つに分けて、特徴を比べます。
| 規模 | よくある特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 個人の税理士事務所 (所長+数人) | 所長の方針がすべて。顧問先は地元の中小企業や個人事業主が中心 | 地元で長く働きたい人、所長と相性が合う人 |
| 中堅の税理士法人 (数十人規模) | チームで仕事を分けることが多い。相続や事業承継など専門部署がある場合も | 幅広く経験を積みたい人、科目合格を目指す人 |
| 大手の税理士法人 | 大企業や上場企業の税務が中心。分業が進み、ひとつの分野を深く担当する | 専門性を高めたい人、英語や国際税務に関心がある人 |
どの規模が良い悪いではなく、合う合わないの問題です。
ただ、「税理士事務所やめとけ」の理由として挙げた「所長の方針」「教育がない」は、個人の小さな事務所ほど当たり外れが大きくなります。

小さな事務所でも、所長が教え上手で、何でも相談できる職場はあります。ただ、それを外から見分けるのは難しいんですよね。
求人の6割は「税理士法人」
今回数えたヒュープロの税務求人3,217件のうち、会社名に「税理士法人」を含むものは2,023件で、62.9%でした。
個人の会計事務所・税理士事務所の求人は371件で、11.5%です。
税理士法人は複数の税理士が所属する法人なので、所長ひとりの方針に左右される度合いは、個人の事務所より小さくなりやすいです。
「所長と合わなかったらどうしよう」という不安が強い人は、まずは税理士法人の求人から見ていくと、選択肢が広がります。
大手の税理士法人は、別の意味で忙しい
「大手なら安心」と考える人もいますが、大手の税理士法人には大手なりの忙しさがあります。
顧問先は大企業や上場企業が中心で、決算のスケジュールが厳しく、扱う金額も大きくなります。英語の資料や海外の税制が関わる案件もあります。
そのかわり、分業が進んでいて教育の仕組みも整っていることが多く、年収も高めです。「忙しくても専門性と年収を取りたい」人には合っています。

規模が大きいほど楽になる、というわけではないんですよね。
関連記事:税理士の年収はいくら?勤務・開業・規模別の平均と年収を上げる方法
未経験で税理士事務所はきつい?

「税理士事務所 未経験 きつい」
と検索する人も、たくさんいます。
結論からいうと、未経験で入って最初の1年はきついです。ただし、それは能力の問題ではなく、覚えることの量と、最初の繁忙期のタイミングの問題です。
税理士事務所、未経験がきついと感じる3つの場面
| 場面 | きつい理由 | 乗り越え方 |
|---|---|---|
| 最初の確定申告 | 入って数か月で繁忙期が来ると、全体が分からないまま作業に追われる | 入社時期を繁忙期明けの6月前後にずらす |
| 顧問先とのやり取り | 専門用語で質問され、その場で答えられない | 「確認して折り返します」で持ち帰っていい |
| 会計ソフトの違い | 事務所や顧問先ごとに使うソフトが違う | 最初は1つのソフトに絞って覚える |
とくに入社のタイミングは大事です。
1月や2月に入社すると、右も左も分からないまま確定申告に突入します。できれば繁忙期が終わった6月前後に入れると、落ち着いて仕事を覚えられます。

総務の仕事でも、入社してすぐに年末調整が来ると本当に大変です。税理士事務所の確定申告は、その何倍も規模が大きいはずです。
未経験で入った1年目の流れ
6月に入ると、繁忙期までに半年ほど準備の時間が取れます。記帳と試算表に慣れてから繁忙期を迎えられるので、いきなり確定申告に放り込まれるより、ずっと落ち着いて仕事を覚えられます。

最初の繁忙期を越えると、1年の流れが一気に見えるようになるそうです。
未経験可の税理士求人は527件。16.4%
今回数えた求人のうち、「未経験可」と書かれていたのは527件で、全体の16.4%でした。
6件に1件ほどなので、決して多くはありません。ただ、東京や大阪など求人の多い地域なら、選べるだけの数はあります。
簿記2級について触れている求人は135件、簿記3級は27件でした。未経験で応募するなら、せめて簿記2級を持っておくと話が早くなります。
年齢は早いほど有利です
未経験での転職は、20代のうちのほうが圧倒的に有利です。事務所としても、若い人を一から育てて長く働いてもらいたいと考えるからです。
30代以降は、未経験より「経理の経験がある」「科目合格がある」など、何かひとつ武器があるほうが通りやすくなります。

なお、社会人経験がほとんどない20代前半だと、求人の選択肢がかなり狭くなります。まずは簿記2級を取って、応募できる幅を広げておくのがおすすめです。
経理の実務経験がなくて不安な人は、こちらの記事も参考になると思います。
関連記事:経理は未経験だとしんどい?つらい時期の乗り越え方と転職のタイミング!
未経験可・簿記2級歓迎など、経験が浅くても応募できる求人を探せます。登録無料です
それでも税理士事務所で働く5つのメリット

ここまで「税理士事務所やめとけ」の理由を中心に書いてきましたが、税理士事務所には、ほかの職場では得にくいメリットもあります。
やめとけの理由だけを見て判断すると、このメリットを取りこぼします。両方を並べてから決めてください。
税理士事務所のメリット① 何社分もの会社の数字を見られる
事業会社の経理が見るのは、自分の会社1社の数字だけです。税理士事務所では、業種も規模も違う会社の数字を何社も見られます。
飲食店、建設会社、不動産オーナー、IT企業。会社ごとにお金の流れ方がまったく違うことを、数年で肌で覚えられます。

これは本当にうらやましいです。総務の僕は、自分の会社の数字しか知りませんから。
税理士事務所のメリット② 税金の実務が一通り身につく
法人税、所得税、消費税、源泉所得税、年末調整、場合によっては相続税まで。税理士事務所では、税金の実務を一通り経験できます。
この経験は、どこに行っても通用します。
税理士事務所の経験者が経理の求人で評価されやすいのは、このためです。
税理士事務所のメリット③ 税理士を目指せる環境がある
税理士試験を目指すなら、税理士事務所は最も近い場所です。勉強した内容が、そのまま翌日の仕事で出てきます。
さらに、税理士として登録するには、試験の合格だけでなく、2年以上の実務経験が必要です。
税理士事務所で働いた期間は、この実務経験として数えられます(日本税理士会連合会「税理士の資格取得」)。
税理士事務所のメリット④ 経営者と直接話せる
顧問先の多くは中小企業なので、話す相手は社長本人であることが多いです。
会社の数字について社長と直接話す経験は、20代や30代ではなかなかできません。人と話すのが好きな人には、大きなやりがいになります。
税理士事務所のメリット⑤ 繁忙期以外は落ち着きやすい
1月から5月は大変ですが、6月から11月は比較的落ち着く事務所が多いです。
夏に長めの休みを取りやすい事務所もありますし、試験勉強の時間も取りやすくなります。忙しさの波を「メリハリ」と感じられる人には、むしろ働きやすい職場です。
やめとけの理由は、裏返すとそのまま強みになります
税理士事務所に向いている人・向いていない人

ここまで読んで、「自分は税理士事務所に向いているのかな」と思った人もいるかもしれません。

事務所の外から何人もの担当さんを見てきた経験から、向き不向きを整理してみます。
意外かもしれませんが、税理士事務所の仕事は、人と話す仕事です。
顧問先から資料を集め、分からないところを質問し、社長に結果を説明します。黙々と数字を入力するだけの仕事だと思って入ると、ギャップに苦しみます。

僕がいちばん助かった担当さんは、数字に強い人というより、「この資料が足りません」を早めに、分かりやすく伝えてくれる人でした。
逆に、「1年中同じペースで働きたい」という人には、正直向いていません。1月から5月の山は、どの事務所に行ってもなくなりません。
その場合は、税理士事務所で経験を積んだあとに、事業会社の経理など、忙しさが1年に分散する職場へ移るという道があります。
税理士事務所を辞めたいと思ったときの判断軸

すでに税理士事務所で働いていて、「辞めたい」と感じている人もいると思います。ここでは、感情ではなく、事実で判断するための基準を書きます。
税理士事務所を辞めたい理由が「繁忙期」だけなら、夏まで待つ
辞めたい気持ちが強くなるのは、たいてい1月から3月です。
もし理由が「今が忙しすぎる」だけなら、6月まで待ってから判断しても遅くありません。繁忙期が明けると、気持ちが落ち着くことがよくあります。
それに、繁忙期の途中で辞めると、引き継ぎで顧問先に迷惑がかかり、自分の評判にも響きます。

顧問先の側から見ると、3月に担当さんが急に替わるのが、いちばん困ります。辞めるなら、繁忙期明けがお互いのためです。
こんな状態なら、税理士事務所を変えることを考えていい
とくに最後の項目に当てはまる場合は、判断を急いでください。仕事より体のほうが大事です。
残業代の未払いは、事務所の規模に関係なく、労働基準法の問題です。社労士として言わせてもらうと、ここは我慢するところではありません。
税理士事務所を辞める前に確認しておきたいこと
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 経験年数 | 税理士事務所での経験が1年以上あると、転職先で評価されやすい |
| 担当した業務 | 法人の決算・申告、個人の確定申告、相続など、経験した業務を書き出しておく |
| 使える会計ソフト | 転職先で即戦力かどうかの判断材料になる |
| 科目合格の状況 | 税理士法人への転職では、科目合格が年収に直結しやすい |
| 退職のタイミング | 繁忙期明けの6月前後が、引き継ぎの面でも転職活動の面でも動きやすい |
このあたりを整理しておくと、転職活動がぐっと楽になります。
辞める判断は、繁忙期が明けてからでも遅くありません
今すぐ辞めなくても大丈夫です。今の経験でどんな求人に応募できるかを確かめるだけでも使えます
税理士事務所の経験が生きる転職先

「税理士事務所はやめとけ」と言われる一方で、税理士事務所の経験は、外に出るとかなり評価されます。
ここでは、税理士事務所の経験がそのまま生きる転職先を4つ紹介します。
| 転職先 | 税理士事務所の経験が評価される理由 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 別の税理士事務所・税理士法人 | 同じ仕事なので即戦力。規模や分野を変えて働き方を改善できる | 税理士を目指し続けたい人 |
| 事業会社の経理 | 決算・申告の流れを外から見てきた経験がそのまま生きる | 繁忙期の波を小さくしたい人 |
| 事業会社の税務部門 | 法人税や消費税の実務経験が評価される | 税務の専門性を残したい人 |
| FAS・コンサル会社 | 税務デューデリジェンスや組織再編などで税務の知識が生きる | 年収を大きく上げたい人 |
とくに相性がいいのは、事業会社の経理
4つの中でも、とくに相性がいいのが事業会社の経理です。税理士事務所で毎月の試算表や決算の流れを見てきた人は、経理の仕事の全体像がすでに頭に入っています。
しかも事業会社の経理は、忙しさが月末と決算期に分散していて、1月から5月に集中しません。

総務の隣の席にいる経理の人たちを見ていると、税理士事務所の出身者はやっぱり強いです。税理士事務所とのやり取りが、とにかくスムーズなんですよね。
とくに税務の経験が1年以上ある20代・30代で、東京や大阪で探す人は、経理の求人でも選べる幅が広くなります。
経理への転職を考えている人は、こちらの記事も読んでみてください。
関連記事:経理の転職完全ガイド!年収・進め方・成功のコツを現役社労士が解説
税理士事務所の税務求人にも、株式会社の求人が301件
今回数えたヒュープロの税務求人の中にも、株式会社などが出している求人が301件ありました。コンサル会社や事業会社の税務ポジションです。
この301件の年収の中央値は、下限450万円、上限844万円でした。税理士法人(下限400万円・上限700万円)よりも高めです。
税理士事務所で経験を積んでから外に出ると、年収が上がる可能性があるということです。
別の税理士法人へ移るのも立派な選択です
税理士事務所が合わないと感じても、仕事そのものが嫌いなわけではない、という人も多いと思います。その場合は、別の税理士事務所や税理士法人へ移るのがいちばん自然です。
今の事務所で覚えた仕事はそのまま使えるので、即戦力として迎えられます。規模や分野を変えるだけで、働き方ががらりと変わることも珍しくありません。
たとえば、個人の事務所から中堅の税理士法人へ移って教育の仕組みを手に入れる。法人税中心の事務所から、相続や事業承継に強い法人へ移って専門性を深める。こうした動き方ができます。
FASという選択肢もあります
税務の経験を活かして、M&Aの税務デューデリジェンスなどを担当するFASに移る人もいます。
年収は上がりやすい反面、忙しさは税理士事務所とは別の種類です。FASの仕事内容や働き方は、こちらの記事にまとめています。
関連記事:FASとは?仕事内容と年収、M&Aでの役割を解説【会計士の転職】
税理士法人・事業会社の経理・税務・FASまで、税務経験を活かせる求人をまとめて探せます
税理士事務所と事業会社の経理、働き方を比べる

税理士事務所の経験者が、次の職場の候補としてよく考えるのが事業会社の経理です。ここでは2つの働き方を並べて比べます。
いちばん大きな違いは、見る会社の数と、忙しさの波の形です。
税理士事務所では何社もの数字を同時に追いかけますが、経理は自分の会社1社の数字を深く追いかけます。
忙しさも、税理士事務所のように1月から5月に大きな山が来るのではなく、毎月の月末と決算期に小さな山が分かれて来ます。

うちの会社の経理を見ていても、決算期は忙しそうです。でも、2月から3月にずっと追われ続ける感じとは違います。
税理士事務所の経験は、経理で何に生きるか
| 税理士事務所での経験 | 経理で生きる場面 |
|---|---|
| 試算表の作成 | 月次決算をスムーズに締められる |
| 決算整理と申告書の作成補助 | 決算で何が必要かを先回りして準備できる |
| 消費税の実務 | 税区分の判断や、インボイスの確認が早い |
| 年末調整 | 給与担当との連携がしやすい |
| 顧問先とのやり取り | 顧問税理士事務所への説明や資料準備が的確になる |
経理の側から見ると、「税理士事務所が何を欲しがっているかが分かる人」は本当に貴重です。資料の準備に迷わないので、決算が早く締まります。
だから税理士事務所の経験者は、経理の求人で評価されやすいのです。とくに税務の経験が1年以上あり、20代や30代で都市部の求人を探す人は、選択肢がかなり広がります。
経理に移って後悔しやすい人
反対に、経理に移って後悔しやすいのは、税務の専門性を深めたい人です。
事業会社の経理では、申告書を作るのは顧問税理士事務所の仕事になることが多く、自分で税務判断をする場面は減ります。
税理士を目指している人や、相続や組織再編など高度な税務に関わりたい人は、税理士法人を移るほうが合っているかもしれません。
迷ったら、両方の求人を見比べてから決めればいいんです
顧問先の総務から見た、税理士事務所の担当者の仕事ぶり

税理士事務所の担当者が、顧問先からどう見えているか。お客さん側の窓口として、毎月やり取りしてきた僕の実感です。
月初の3営業日は、担当さんからのメールが多い
毎月の試算表を作るために、月初になると担当さんから資料の依頼が届きます。
通帳のコピー、請求書、給与の一覧、経費の精算書。そろっていないものがあると、何度か催促が来ます。

正直に言うと、催促されるたびに「すみません」と思っています。担当さんは、うちの会社みたいな顧問先を何社も抱えているんですよね。
資料がそろわないと、担当さんの仕事は止まります。自分の努力ではどうにもならない待ち時間があるのが、税理士事務所の仕事のつらいところだと思います。
3月と5月は、返信の時刻が遅くなる
繁忙期になると、担当さんから届くメールの時刻が、目に見えて遅くなります。
夜の9時、10時にメールが来ることもあります。内容はいつも丁寧なので、余計に大変さが伝わってきます。
6月に入ると、返信の時刻は昼間に戻ります。この差を見ると、税理士事務所の忙しさは1年の中でかなり偏っているのだと分かります。
税理士事務所の担当さんが替わるとき
何年かやり取りしていると、担当さんが替わることがあります。引き継ぎがしっかりしている事務所だと、新しい担当さんも最初から会社の事情を分かっていて、こちらは何も困りません。
逆に、引き継ぎが薄い事務所だと、同じ説明を一からすることになります。

担当さんの引き継ぎの質で、その事務所の仕組みがどれくらい整っているかが、外からでも分かります。これは、事務所選びでも大事な視点だと思います。
いい担当さんに共通していたこと
| いい担当さんがしていたこと | 顧問先から見た効果 |
|---|---|
| 足りない資料を、月初にまとめて1回で伝える | こちらも1回で準備できる |
| 期限の2週間前に、次にやることを知らせる | 社内の段取りが組みやすい |
| 専門用語を、一言で言い換えてくれる | 社長への説明がしやすい |
| 分からないことを「確認して折り返します」と言える | いい加減な回答がなく、安心できる |
どれも特別な能力ではありません。締め切りから逆算する習慣と、相手の立場に立った伝え方です。
こうした働き方ができる担当さんは、どの事務所に行っても評価されると思います。そして、それを育てる仕組みがあるかどうかが、良い事務所とやめとけな事務所の分かれ目です。
いい事務所には、いい担当さんを育てる仕組みがあります
税理士事務所への転職で失敗しないエージェントの使い方

ここまで読んで、「事務所選びが大事なのは分かったけど、外から見分けるのは難しい」と感じた人も多いと思います。
実際、残業時間や担当件数、所長の人柄などは、求人票を何枚読んでも分かりません。そこで使いたいのが、士業や会計の分野に特化した転職エージェントです。
ヒュープロをおすすめする理由
税理士事務所への転職なら、ヒュープロがいちばん使いやすいと思います。
| 項目 | ヒュープロ |
|---|---|
| 得意な分野 | 税理士事務所・会計事務所・税理士法人などの士業と、経理など管理部門 |
| 税務・税理士の求人数 | 3,217件(2026年9月24日時点・ひの集計) |
| 求人の多い地域 | 東京・大阪・愛知・神奈川・福岡(上位5都府県で76.5%) |
| 利用料 | 無料 |
| 向いている人 | 20代〜40代で、税理士事務所への転職や、税理士事務所からの転職を考えている人 |
今回数えた3,217件のうち505件は、社名が非公開の求人でした。こうした求人の中身は、担当者に相談すると教えてもらえます。

僕がいいと思うのは、「残業時間は実際どれくらいですか」といった聞きにくい質問を、担当者が代わりに確認してくれるところです。事務所選びの失敗を減らすには、これがいちばん効きます!
転職エージェントに伝えておくといいこと
とくに「避けたい事務所の特徴」は、遠慮せずに伝えてください。この記事のチェックリストをそのまま見せてもかまいません。
今すぐ転職しない人でも、登録して求人を眺めておくだけで、自分の経験の相場が分かります。ヒュープロの評判や使い方は、こちらの記事でもまとめています。
関連記事:ヒュープロの評判は悪い?やばい・しつこい口コミの真相を現役社労士が解説
登録無料・約1分。税理士事務所や税理士法人の求人に特化しています。今すぐ転職しなくても使えます
いくつかのエージェントを見比べたい人は、管理部門と士業に強いMS-Japanもあわせて使うと、求人の全体像がつかみやすくなります。
登録無料・全国対応。管理部門・士業の求人を幅広く扱っています
税理士事務所はやめとけに関するよくある質問

Q.税理士事務所はブラックな職場が多いのですか?
一概には言えません。今回数えたヒュープロの求人では、完全週休2日制に触れた求人が59.9%、年間休日120日以上が49.1%でした。
ただし、1月から5月の繁忙期はどの事務所でも忙しくなります。ブラックかどうかは、繁忙期の残業代がきちんと出るか、繁忙期以外も残業が多すぎないかで判断してください。
Q.税理士事務所の繁忙期はいつですか?
主に1月から5月です。1月は法定調書の提出(1月31日)、2月と3月は確定申告(所得税は3月15日、個人事業者の消費税は3月31日)、5月は3月決算法人の申告期限が重なります。
12月決算の顧問先が多い事務所では、2月末にも法人の申告期限が来ます。
Q.税理士事務所の年収はどれくらいですか?
ヒュープロの税務・税理士求人3,214件(年収記載あり)では、年収の下限の中央値が400万円、上限の中央値が700万円でした。
下限は300万円台が41.2%で最多、上限が1,000万円以上の求人も19.3%あります。資格と経験で大きく変わる仕事です。
Q.未経験で税理士事務所に入るのはやめたほうがいいですか?
やめる必要はありませんが、準備はしたほうがいいです。「未経験可」の求人は16.4%あります。
簿記2級を取ってから応募する、繁忙期明けの6月前後に入社する、教育の流れが決まっている事務所を選ぶ、の3つを意識すると、最初の1年がかなり楽になります。
Q.税理士事務所を1年で辞めるのは早すぎますか?
理由によります。繁忙期のつらさだけが理由なら、1年目の繁忙期を越えた6月前後に、もう一度考えるのがおすすめです。
残業代の未払いや、体調を崩すほどの働き方が続いている場合は、年数にこだわらずに環境を変えることを考えてください。
Q.税理士試験に受からなくても、税理士事務所で働き続けられますか?
働き続けられます。税理士事務所には、資格を持たずに長く働いているベテランの職員もたくさんいます。
ただ、資格や科目合格がないと、年収が頭打ちになりやすいのも事実です。長く働くなら、自分がどこを目指すのかを早めに決めておくと迷いが減ります。
Q.会計事務所と税理士事務所は違うのですか?
ほぼ同じ意味で使われています。税理士が開いている事務所を「税理士事務所」と呼び、会計業務も扱うことから「会計事務所」と名乗る事務所も多いです。
求人を探すときは、どちらの言葉でも検索してみると、見落としが減ります。
Q.税理士法人と個人の税理士事務所、どちらを選ぶべきですか?
迷ったら、まずは税理士法人から見るのがおすすめです。複数の税理士がいるので、所長ひとりの方針に左右されにくく、教育の仕組みがある法人も多いからです。
ヒュープロの税務求人でも、税理士法人の求人は2,023件で、全体の62.9%を占めていました。年収の中央値も、下限400万円・上限700万円と、個人の事務所(下限350万円・上限600万円)より高めです。
Q.40代・未経験でも税理士事務所に転職できますか?
可能性はありますが、20代より難しくなります。40代なら、経理や総務の経験、簿記2級以上、科目合格など、何かひとつ強みを示せると通りやすくなります。
未経験可の求人は全体の16.4%しかないので、年齢を理由に門前払いされないよう、エージェントに応募先を絞ってもらうのが近道です。
Q.子育てと両立しながら税理士事務所で働けますか?
働けます。ヒュープロの税務求人のうち、「時短」に触れた求人は262件、「リモート」は805件ありました。
ただし繁忙期は、時短の人にも仕事が集中しやすい時期です。面接で「繁忙期の時短勤務の人の働き方」を具体的に聞いておくと、入ってからのギャップを減らせます。
Q.税理士事務所を辞めるなら、いつがいいですか?
繁忙期が明けた6月前後がおすすめです。担当している顧問先の申告が一段落しているので引き継ぎがしやすく、転職先の事務所も新しい人を受け入れる余裕がある時期だからです。
逆に、1月から3月に辞めると、引き継ぎが中途半端になりやすく、顧問先にも迷惑がかかります。辞める時期から逆算して、3月か4月ごろから転職活動を始めると動きやすいです。
Q.残業が少ない税理士事務所は、どう探せばいいですか?
求人票で「残業少なめ」「年間休日120日以上」「完全週休2日制」などの条件を確認するのが第一歩です。ヒュープロの税務求人では、「残業少なめ」に触れた求人が585件(18.2%)ありました。
ただし、繁忙期も含めた実態は求人票だけでは分かりません。最終的には、面接かエージェント経由で「繁忙期の月の残業時間」を数字で確認してください。
Q.地方でも税理士事務所の求人はありますか?
あります。ただ、数は都市部に偏っています。ヒュープロの税務求人3,217件のうち、東京・大阪・愛知・神奈川・福岡の5都府県で76.5%を占めていました。
それ以外では、埼玉県78件、兵庫県76件、北海道68件、京都府62件、千葉県51件などです。地方で探す場合は、条件を広めに取って、早めに情報を集めておくと安心です。

ほかにも気になることがあれば、転職エージェントの担当者に聞いてみるのがいちばん早いです。聞くだけなら、お金はかかりません。
税理士事務所はやめとけのまとめ

長い記事になったので、大事なところだけまとめます。
「税理士事務所はやめとけ」と言われる理由は、7つに分けられます。そのうち3つは仕事の性質で、残りの4つは事務所選びで避けられます。
【この記事のポイント】
・締め切りは法律で決まっていて、1月から5月に集中する
・税理士の53.6%が60歳以上。開業税理士では60代以上が62.4%
・税理士試験の合格率は21.6%。5科目がそろったのは527人
・ヒュープロの税務求人3,217件では、年収の下限は300万円台が最多、上限は1,000万円以上が19.3%
・完全週休2日制に触れた求人は59.9%。ホワイトな条件の求人も多い
・やめとけな事務所は、求人票と面接のチェックリストで見抜ける
・税理士事務所の経験は、事業会社の経理などでも評価される
忙しい時期があるのは、税理士事務所という仕事の宿命です。でも、忙しさの重さと、働く環境の良し悪しは、事務所によってまったく違います。
「やめとけ」を信じて最初から選択肢を捨てるのは、もったいないと思います。
大事なのは、ハズレの事務所を避けることです。そのためには、求人票を読むだけでなく、中の事情を知っている人に聞くのがいちばん確実です。

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