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税理士事務所に未経験で転職できる?現在の求人条件を現役社労士が解説

税理士事務所に未経験で転職できる?求人755件の条件 税理士

「税理士 転職 未経験」

簿記の勉強を始めてみて、「この簿記の知識を仕事にできたら」と思い、今の仕事を続ける未来が見えなくなって、なにか手に職をつけたくなった。

理由はそれぞれでも、税理士事務所への転職を考えて最初にぶつかるのは「未経験でも本当に入れるのか」という不安だと思います。

ひのです。

社会保険労務士の資格を持ちながら、本業では会社の総務で給与計算と社会保険の事務をしています。

ひの
ひの

僕は税理士ではありませんが、顧問税理士事務所の担当さんとは毎月やり取りしています。未経験から入って、数年で頼れる担当になった人も見てきました。

この記事では、ヒュープロで「未経験可」と絞り込める税務・税理士の求人を、2026年9月時点で1件ずつ開いて読みました。全部で755件に及びました。

求人票の応募資格、年収、休日、固定残業代まで拾って集計しています。そこに、国税庁の税理士試験のデータと、日本商工会議所の簿記検定のデータを重ねました。

「未経験でも大丈夫」「やる気があれば何とかなる」といった言葉ではなく、実際の税理士の求人が何を求めているのかを数字で見ていきたいと思います。

【この記事でわかること】
・未経験可の税理士求人で、応募に必要な資格の内訳
・未経験可の求人の実態
・未経験の税理士転職は何歳までいけるか
・簿記2級と税理士試験の科目合格、どちらから取るべきか
・税理士事務所で評価されやすい経験
・志望動機の例文と、面接でよく聞かれる質問
・未経験から税理士事務所に転職するステップ

税理士求人は、実際に見てみると印象がかなり変わります。

士業・管理部門に特化した転職エージェントの「ヒュープロ」なら、未経験可の税理士求人をまとめて探せます。(登録は無料です)

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  1. この記事の執筆者の信頼性
  2. 「税理士事務所に未経験で転職」はできる?先に結論
    1. 「税理士 転職 未経験」で調べる人は、3つのタイプに分かれます
  3. 未経験可の税理士求人755件を全部読んでわかったこと
    1. 未経験可の税理士求人、応募に必要な資格の内訳
    2. 「未経験可」でも、会計事務所の経験を求める求人がある
    3. 未経験可の税理士求人の年収は、下限300万円台が6割
    4. 必要な資格ごとに見た、税理士求人の年収
    5. 未経験可の税理士求人、勤務地は東京が4割
    6. 未経験可の税理士求人、働き方の条件
    7. 固定残業代は4割の求人に。時間数の中央値は30時間
  4. 未経験から入れる税理士の職場、3つの入口
    1. 未経験可の税理士求人を出している会社の種類
    2. 未経験可の税理士求人を出している事務所の規模
  5. 税理士事務所の仕事内容|未経験で最初に任される業務
    1. 未経験でも最初から役に立てる仕事
    2. 未経験で最初につまずきやすい仕事
  6. 税理士事務所・会計事務所・税理士法人の違い
  7. 未経験の税理士転職は何歳まで?年代別の現実
    1. 税理士試験の受験者は、41歳以上がいちばん多い
    2. ただし、税理士試験の合格率は年齢とともに下がる
    3. 年代別|未経験の税理士転職の現実
    4. 20代なら、未経験でも選べる求人が多い
    5. 30代は、簿記2級と前職の経験の伝え方で決まる
    6. 40代以上は、資格か経験のどちらかを武器に
    7. 50代で未経験は、目的をはっきりさせてから
  8. 簿記2級は必要?未経験の税理士転職で見られる資格
    1. 日商簿記2級の合格率は、ネット試験で31.9%
    2. 簿記3級だけでは足りない?
  9. 税理士試験の受験資格が変わった。未経験でも科目合格から
    1. 税法科目の受験資格は、税理士事務所の実務でも満たせる
    2. 税理士登録には、2年以上の実務経験も必要
  10. 前職別|未経験でも税理士事務所で活きる経験
    1. 経理経験がある人は、最も評価されやすい
    2. 総務や人事の経験は、年末調整で活きる
    3. 営業や接客の経験は、顧問先とのやり取りで活きる
    4. 販売や接客の経験は、社長への説明で活きる
    5. 金融や公務員の経験は、制度と数字の両方で活きる
    6. 一般事務の経験は、記帳と資料整理ですぐに活きる
  11. 未経験可の税理士求人を見るときのチェックポイント
    1. 未経験の求人チェック① 応募資格は最後まで読む
    2. 未経験の求人チェック② 固定残業代の時間数を確認する
    3. 未経験の求人チェック③ 最初に任される仕事を聞く
    4. 未経験の求人チェック④ 休日と試験休暇を見る
    5. 未経験の求人チェック⑤ 年収は下限を基準に考える
  12. 未経験の税理士転職、東京と地方でどう違う?
    1. 東京や大阪なら、未経験でも条件で選べる
    2. 地方では、運転免許と早めの行動がカギ
  13. 女性や子育て中でも、未経験で税理士事務所に転職できる?
    1. 繁忙期の働き方は、面接で具体的に聞く
    2. 残業代の扱いも確認しておく
  14. 未経験の税理士転職で失敗する5つのパターン
    1. 未経験の税理士転職の失敗① 繁忙期の直前に入所する
    2. 未経験の税理士転職の失敗② 「未経験可」だけで選ぶ
    3. 未経験の税理士転職の失敗③ 年収だけで選ぶ
    4. 未経験の税理士転職の失敗④ 勉強を続ける前提がない
    5. 未経験の税理士転職の失敗⑤ 人と話す仕事だと知らずに入る
  15. 税理士事務所に未経験で入ってからの3年
    1. 未経験から年収を上げていく順番
  16. 未経験の税理士転職の志望動機(例文つき)
    1. 未経験の志望動機でよくあるNGとOK
    2. 未経験の志望動機に入れたい3つの要素
    3. 志望動機の例文① 20代・営業から
    4. 志望動機の例文② 30代・経理から
    5. 志望動機の例文③ 40代・総務から
  17. 税理士事務所の面接でよく聞かれる質問
    1. 面接の最後に聞いておきたい逆質問
  18. 未経験の税理士転職で職務経歴書に書くこと
    1. 未経験でも評価される「正確さ」と「段取り」
  19. 未経験で税理士事務所に入る前にやっておきたい準備
    1. 国税庁のサイトは、無料の教科書になる
  20. 未経験なら税理士事務所と事業会社の経理、どちらを選ぶ?
  21. 未経験の税理士転職、勉強と転職活動のスケジュール例
  22. 未経験の税理士転職を成功させる6ステップ
  23. 未経験の税理士転職に強い転職エージェント
    1. ヒュープロをおすすめする理由
    2. 転職エージェントを使うときの流れ
  24. 税理士事務所に未経験で転職するときのよくある質問
    1. Q.資格なしでも税理士事務所に転職できますか?
    2. Q.未経験の税理士転職は何歳までできますか?
    3. Q.未経験で税理士事務所に入ると、年収はいくらですか?
    4. Q.簿記2級と税理士試験の科目合格、どちらを先に取るべきですか?
    5. Q.30代で未経験だと、税理士事務所は厳しいですか?
    6. Q.40代・50代でも未経験で税理士事務所に入れますか?
    7. Q.未経験可の求人なのに、実務経験を求められるのはなぜですか?
    8. Q.正社員の求人が多いですか?
    9. Q.リモートで働ける税理士事務所はありますか?
    10. Q.入所するなら、いつの時期がいいですか?
    11. Q.税理士を目指さなくても、税理士事務所で働けますか?
    12. Q.簿記3級だけでも応募できますか?
    13. Q.資格の勉強と転職活動、どちらを先にすべきですか?
    14. Q.未経験可の求人は、どの地域に多いですか?
    15. Q.税理士事務所の未経験可の求人は、第二新卒でも応募できますか?
    16. Q.入所後に資格の勉強を支援してもらえますか?
    17. Q.転勤のない税理士事務所はありますか?
    18. Q.子育て中でも未経験で働けますか?
    19. Q.簿記の勉強は独学でも大丈夫ですか?
    20. Q.未経験から税理士事務所に入って、何年で一人前になれますか?
    21. Q.会計ソフトが使えないと採用されませんか?
  25. 税理士事務所に未経験で転職するときのまとめ

この記事の執筆者の信頼性

令和元年度 社会保険労務士試験の合格証書

僕はひのと言います。

【主な保有資格】
社会保険労務士(全国社会保険労務士会連合会 登録)
ファイナンシャルプランナー2級(日本FP協会 登録)
会社の総務部門で給与計算・社会保険事務を担当(現役)

令和元年度の社労士試験に合格しました。3回受験していて、働きながらの勉強時間は通算で約1,800時間です。

総務では給与計算と社会保険の手続きのほか、中途採用で入社する人の手続きや、面接の段取りも受け持っています。

ひの
ひの

だから「未経験の人を採るとき、会社は何を見ているか」は、採用する側の実感として分かります。

一方で、源泉所得税や年末調整、決算まわりは顧問税理士事務所と一緒に進めています。

ただし、先に断っておきます。僕は税理士でも、会計事務所の職員でもありません。

事務所の内側の話は、事務所に勤める知り合いから聞いた内容と、公表されているデータ、そして求人票の記載にもとづいてこの記事を書いています。

「税理士事務所に未経験で転職」はできる?先に結論

「税理士事務所に未経験で転職」はできる?先に結論

先に結論を書きます。

税理士事務所には、未経験でも転職できます。ヒュープロで「未経験可」に絞り込んだ税務・税理士の求人は755件あり、税務・税理士の求人全体3,230件の23.4%にあたります。

ただし、何も資格を持たずに応募できる求人ばかりではありません。

755件の応募資格を読むと、日商簿記2級以上を条件にしている求人が274件、じつに36.3%ありました。

簿記3級以上や税理士試験の科目合格まで含めると、何らかの資格を条件にしている求人は半分を超えます。

ひの
ひの

「未経験可」は「何も知らなくていい」という意味ではないんです。ここを誤解すると、応募しても書類で落ち続けます。

一方で、資格を条件にしていない、または応募資格に資格の記載がない求人も273件、36.2%ありました。

つまり、入口は2つに分かれています。

・資格なしで入れる求人
・簿記2級があると一気に選択肢が広がる求人

です。

未経験の税理士転職、入口は2つ
資格なしでも応募できる
・資格不問、または記載なし:273件
・簿記3級以上:82件
・入ってから勉強する前提の求人が中心
簿記2級以上で広がる
・簿記2級以上:274件
・税理士試験の科目合格:92件
・税理士などの資格:31件
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人755件の応募資格をひのが集計(2026年9月時点)。応募資格のうち最も低い条件で分類しています。

右側の求人に応募するには、簿記2級か税理士試験の科目合格が必要です。

資格が何もない人が応募できるのは273件ですが、簿記2級があれば、3級以上や資格不問の求人も含めて632件まで広がります。

年齢については、はっきりした壁は求人票からは見えませんでした。755件のうち、応募資格に年齢の上限を書いていた求人は20件、2.6%だけです。

ただ、年齢が上がるほど「何か1つ武器があるか」を見られるのは確かです。この点は、後ほど解説します。

簿記2級があれば、応募できる未経験可求人は273件から632件に爆増します

「税理士 転職 未経験」で調べる人は、3つのタイプに分かれます

未経験で税理士の仕事を調べる人は、大きく3つに分かれると思います。

タイプよくある状況まず読んでほしい章
①簿記を勉強中の人3級・2級の勉強を始めて、仕事にしたくなった簿記2級は必要?の章
②経理や事務の経験がある人会計に近い仕事をしていて、専門性を高めたい前職別の章
③税理士を目指したい人資格を取って、長く働ける仕事に就きたい受験資格が変わった、の章

あなたがどのタイプでも、最初に知っておきたいのは「今の自分が応募できる求人がどれくらいあるか」です。この記事の数字は、そのための物差しとして使ってください。

税理士などの士業求人に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」には税理士求人が多数掲載されています。また伴走支援で納得の転職が可能です。(登録は無料です)

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未経験可の税理士求人755件を全部読んでわかったこと

未経験可の税理士求人755件を全部読んでわかったこと

ここからは、ヒュープロで「未経験可」に絞り込んだ税務・税理士の求人755件を、項目ごとに見ていきます。

求人一覧の表示だけでなく、1件ずつ詳細ページを開いて応募資格や給与の備考まで読みました。

ひの
ひの

一覧に出ている条件と、詳細ページの応募資格が違うことも結構あります。だから全部開きました。

未経験可の税理士求人、応募に必要な資格の内訳

まずは、応募資格に書かれている「必要な資格」です。複数の資格のどれかがあればよい、という求人は、いちばん低い条件で数えています。

未経験可の税理士求人で、応募に必要な資格(755件)
資格不問・記載なし
273件(36.2%)
日商簿記2級以上
274件(36.3%)
日商簿記3級以上
82件(10.9%)
税理士試験の科目合格
92件(12.2%)
税理士・公認会計士などの資格
31件(4.1%)
簿記(級の指定なし)
3件(0.4%)
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人(2026年9月時点・755件)の詳細ページの応募資格をひのが集計。

いちばん多いのは簿記2級以上で、資格不問とほぼ同じ数です。この2つで、全体の7割を超えます。

ちなみに、運転免許を必要な資格に入れている求人も48件ありました。顧問先を車で回る地方の事務所では、簿記より先に免許を求めることもあります。

「未経験可」でも、会計事務所の経験を求める求人がある

もうひとつ気をつけたいのが、応募資格の「必須の業務経験」です。

必須の業務経験件数割合
記載なし381件50.5%
社会人経験93件12.3%
会計事務所での経験92件12.2%
不問81件10.7%
経理・会計の経験45件6.0%
その他63件8.3%

出典はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人755件をひのが集計したものです(2026年9月時点)。

未経験可の絞り込みで出てくるのに、必須経験に「会計事務所での経験」と書いてある求人が92件ありました。業界は未経験でも、実務の経験は必要、という意味で使われている場合があるということです。

ひの
ひの

一覧の「未経験可」だけを見て応募すると、ここで弾かれます。応募資格の欄は必ず最後まで読んでください!

未経験可の税理士求人の年収は、下限300万円台が6割

次に年収です。年収が書かれていた745件を、下限と上限に分けて見ました。

未経験可の税理士求人、年収の下限(745件)
250万円未満
9件(1.2%)
250万円台
25件(3.4%)
300万円台
464件(62.3%)
400万円台
163件(21.9%)
500万円台
40件(5.4%)
600万円以上
44件(5.9%)
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人をひのが集計(2026年9月時点・年収記載745件)。

下限の中央値は350万円でした。未経験で入る場合、最初の年収は300万円台が中心と考えておくのが現実的です。

一方で、上限の中央値は600万円です。上限が600万円以上の求人は399件で、半分を超えています。

未経験可の税理士求人、年収の上限(745件)
300万円台以下
27件(3.6%)
400万円台
130件(17.4%)
500万円台
189件(25.4%)
600万円以上
399件(53.6%)
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人をひのが集計(2026年9月時点・年収記載745件)。

入口は300万円台でも、経験と資格を積めば上がっていく余地がある求人が多い、ということです。

必要な資格ごとに見た、税理士求人の年収

必要な資格ごとに、年収の中央値も比べてみました。

必要な資格件数年収の下限
(中央値)
年収の上限
(中央値)
資格不問・記載なし267件350万円600万円
日商簿記3級以上80件350万円555万円
日商簿記2級以上273件339万円500万円
税理士試験の科目合格91件370万円700万円
税理士・公認会計士などの資格31件500万円1,000万円
簿記(級の指定なし)3件354万円500万円

年収が書かれている求人だけで集計しているため、件数は上のグラフと少し違います。

目立つのは、税理士試験の科目合格を条件にしている求人の上限の中央値が700万円と、簿記2級以上の500万円より200万円高いことです。

資格不問の求人の上限が簿記2級以上より高いのは、経験者も同じ求人で募集していて、経験者向けの年収を上限に書いているケースが含まれるためだと考えられます。

ひの
ひの

入ったあとに年収を伸ばすなら、簿記2級の次は税理士試験の科目合格。この順番が、求人の数字にもそのまま出ています。

未経験可の税理士求人、勤務地は東京が4割

未経験可の税理士求人の勤務地(上位5都府県)
東京都
314件(41.6%)
大阪府
70件(9.3%)
愛知県
47件(6.2%)
福岡県
34件(4.5%)
神奈川県
30件(4.0%)
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人をひのが集計(2026年9月時点・全755件に対する割合)。

東京都だけで314件です。そのあとに大阪府、愛知県、福岡県、神奈川県と続きます。

ひの
ひの

上位5都府県のほかでは、北海道23件、静岡県20件、埼玉県20件、京都府16件などでした。地方でも未経験可の求人はありますが、数は限られます。

未経験可の税理士求人、働き方の条件

未経験可の税理士求人に書かれている条件(755件)
完全週休2日制
484件(64.1%)
第二新卒歓迎
366件(48.5%)
資格取得支援制度
354件(46.9%)
年間休日120日以上
287件(38.0%)
リモート・在宅
233件(30.9%)
試験休暇
230件(30.5%)
研修あり
170件(22.5%)
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人の詳細ページ(休日・休暇欄と求人の特徴欄)をひのが集計(2026年9月時点)。

完全週休2日制は6割を超え、試験休暇も3割の求人に書かれていました。資格取得支援制度も半分近くの求人にあります。

ひの
ひの

未経験で入る人の多くが、働きながら簿記や税理士試験の勉強を続けます。その前提で制度を用意している事務所が多いということです。

固定残業代は4割の求人に。時間数の中央値は30時間

給与の備考欄に固定残業代が書かれていた求人は306件、40.5%でした。そのうち時間数が読み取れた229件の中央値は、月30時間です。

固定残業代に含まれる時間数(229件)
月20時間以下
92件(40.2%)
月21〜30時間
64件(27.9%)
月31〜45時間
73件(31.9%)
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人のうち、給与備考に固定残業代の時間数が書かれていた229件をひのが集計(2026年9月時点)。
ひの
ひの

給与計算をしている立場から言うと、固定残業代の時間数は必ず確認してください。月45時間分が含まれている求人と、20時間分の求人では、同じ月給でも意味がまったく違います。

固定残業代は、その時間分の残業代を先に払っておく仕組みです。時間を超えた分は、別に支払われるのが原則です。

税理士などの士業求人に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」には税理士求人が多数掲載されています。また伴走支援で納得の転職が可能です。(登録は無料です)

ヒュープロで未経験可の税理士求人を見てみる

応募資格や固定残業代など、求人票の細かいところも担当者に確認できます

関連記事:税理士事務所はやめとけ?言われる7つの理由と見極め方を現役社労士が解説

未経験から入れる税理士の職場、3つの入口

未経験から入れる税理士の職場、3つの入口

未経験で税理士の仕事に就くといっても、入る先は1つではありません。求人を出している会社の種類と規模で見ると、入口は大きく3つに分かれます。

未経験可の税理士求人を出している会社の種類

会社の種類(求人票の記載)件数割合
税理士法人・会計事務所581件77.0%
非上場企業44件5.8%
弁護士事務所9件1.2%
BIG4・大手税理士法人3件0.4%
社会保険労務士法人・事務所2件0.3%
プライム市場上場企業1件0.1%
記載なし115件15.2%

出典はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人755件の詳細ページにある「会社タイプ」欄をひのが集計したものです(2026年9月時点)

8割近くが税理士法人・会計事務所です。BIG4などの大手税理士法人で未経験可の求人は、今回は3件しかありませんでした。

ひの
ひの

未経験でいきなり大手、は数字で見てもかなり狭き門です。まずは中小の事務所や中堅の税理士法人で経験を積むのが王道だと思います。

未経験可の税理士求人を出している事務所の規模

未経験可の税理士求人、会社の従業員数(755件)
10人未満
61件(8.1%)
10〜29人
176件(23.3%)
30〜99人
174件(23.0%)
100〜299人
61件(8.1%)
300人以上
117件(15.5%)
記載なし
166件(22.0%)
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人の詳細ページにある従業員数欄をひのが集計(2026年9月時点)。

従業員10人から99人の事務所が、合わせて350件で半分近くを占めます。未経験の人を育てる余力があるのは、このくらいの規模の事務所が中心ということです。

未経験の税理士転職、3つの入口
① 小規模の会計事務所(10人未満)
・所長の近くで仕事の全体を早く覚えられる
・教え方は所長しだい
・地元の中小企業や個人事業主が中心
② 中規模の事務所・税理士法人(10〜99人)
・未経験可の求人がいちばん多い
・先輩が複数いて質問しやすい
・研修や分業の仕組みがあることも
③ 大きな税理士法人・一般企業(100人以上)
・研修が整っていることが多い
・分業が進み、担当分野が決まりやすい
・未経験可の求人は少なめ
ひの作成。件数はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人の集計(2026年9月時点)にもとづきます。

どの入口がいいかは、何を優先するかで変わります。

早く一人前になりたいなら小規模、教えてもらえる環境を重視するなら中規模、研修や制度を重視するなら大きな法人です。

規模ごとの年収の違いや働き方は、こちらの記事でもまとめています。

関連記事:税理士の年収はいくら?勤務・開業・規模別の平均と年収を上げる方法

税理士事務所の仕事内容|未経験で最初に任される業務

税理士事務所の仕事内容|未経験で最初に任される業務

未経験で入った人が、最初にどんな仕事をするのか。ここがイメージできると、面接での受け答えも、入所後の不安もずいぶん変わります。

業務内容未経験で任される時期の目安
記帳顧問先の領収書や通帳をもとに、会計ソフトに仕訳を入力する入所直後から
資料整理顧問先から届いた書類を分類し、足りないものを確認する入所直後から
試算表の作成補助毎月の数字をまとめ、先輩のチェックを受ける数か月後から
年末調整従業員の控除の書類を集め、所得税を精算する入所後の12月から
確定申告の補助個人の顧問先の申告書づくりを手伝う入所後の2月から3月
決算・法人の申告の補助決算整理と申告書づくりを手伝う1年目の後半から
顧問先の担当月次の訪問や社長とのやり取りを受け持つ2年目以降が多い

時期の目安は事務所によって大きく違います。上の表は、未経験で入った場合によくある順番として見てください。

ひの
ひの

最初は入力の仕事が中心です。地味に見えますが、仕訳の意味が分かってくると、試算表や決算の流れが一気に理解できるようになるそうです。

未経験でも最初から役に立てる仕事

記帳と資料整理は、未経験でも最初から戦力になれる仕事です。

ここで求められるのは、会計の知識よりも、正確さと段取りです。前職で正確な入力や書類の整理をしてきた人は、ここで早く信頼を得られます。

未経験で最初につまずきやすい仕事

つまずきやすいのは、顧問先ごとにやり方が違うことです。同じ経費でも、会社によって使う勘定科目や処理の仕方が違うことがあります。

分からないことをその場で確認し、自分用のメモに残しておくと、2回目からは迷わなくなります。

ひの
ひの

これ、本当に大事です!

税理士補助の仕事内容や年収は、こちらの記事でさらに詳しく書いています。

関連記事:税理士補助とは?仕事内容・年収・きついと言われる理由を現役社労士が解説

税理士事務所・会計事務所・税理士法人の違い

税理士事務所・会計事務所・税理士法人の違い

税理士求人を探していると、

「税理士事務所」「会計事務所」「税理士法人」

という3つの言葉が出てきます。未経験だと、ここで迷う人も多いと思います。

呼び方どんな組織か未経験で入るときの見方
税理士事務所税理士が個人で開いている事務所所長の方針が職場のルールになりやすい
会計事務所会計業務も扱うことを示す呼び方
(税理士事務所とほぼ同じ意味で使われる)
名前より、規模と教育体制を見る
税理士法人複数の税理士が社員となって作る法人先輩や分業の仕組みがあることが多い

「会計事務所」は法律上の決まった名前ではなく、税理士事務所が会計業務も扱うことから名乗っている場合がほとんどです。

一方で「税理士法人」は、税理士法にもとづいて作られた法人です。

日本税理士会連合会によると、令和8年8月末時点で税理士法人は主たる事務所が5,330、従たる事務所が3,167あります。

ひの
ひの

名前の違いより、何人で、どんな顧問先を、どう教えながら回しているか。未経験の人が見るべきなのはそこです。

今回の未経験可の求人755件でも、会社の種類の欄では「税理士法人・会計事務所」がひとくくりで581件でした。

応募先を選ぶときは、呼び方ではなく規模と中身で比べてください。

未経験の税理士転職は何歳まで?年代別の現実

未経験の税理士転職は何歳まで?年代別の現実

「税理士事務所 未経験 何歳まで」

未経験で税理士の仕事に移るとき、いちばん気になるのが年齢だと思います。

結論からいうと、法律上の年齢制限はありません。求人の募集で年齢を制限することは、原則として禁止されているからです。

ただし、例外もあります。長く勤めてキャリアを育てることを目的に、若い人を正社員で募集する場合は、年齢の上限を書くことが認められています。

今回の755件でも、応募資格に年齢の上限を書いていた求人は20件ありました。

年齢の上限件数
29歳以下7件
35歳以下12件
45歳以下1件
合計(755件中)20件(2.6%)

出典はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人の応募資格をひのが集計したものです(2026年9月時点)

例外として年齢の上限を設けられる場合については、厚生労働省「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」で確認できます。

上限を書いている求人は全体の2.6%です。年齢が理由で応募すらできない求人は、数としては多くありません。

ひの
ひの

ただ、書いていないから年齢を見ていない、とは限りません。書類選考では、年齢と経験のバランスは見られます。これは採用の段取りをしている側としての実感です。

税理士試験の受験者は、41歳以上がいちばん多い

年齢の不安を和らげてくれるデータがあります。国税庁が公表している、令和7年度(第75回)税理士試験の年齢別の結果です。

令和7年度税理士試験の受験者数(年齢別)
20歳以下
1,742人(4.8%)
21〜25歳
6,752人(18.6%)
26〜30歳
6,420人(17.7%)
31〜35歳
5,100人(14.0%)
36〜40歳
4,674人(12.9%)
41歳以上
11,632人(32.0%)
出典:国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果」。受験者数は合計36,320人。

受験者がいちばん多い年齢層は、41歳以上の11,632人でした。受験者全体の32.0%です。36歳以上まで広げると、44.9%になります。

ひの
ひの

税理士を目指す人の半分近くが、36歳以上ということです。「今から始めても遅い」と感じる必要はありません。

ただし、税理士試験の合格率は年齢とともに下がる

一方で、合格率は年齢が上がるほど下がっていきます。ここでいう合格率は、1科目以上に合格した人の割合です。

令和7年度税理士試験の合格率(年齢別)
20歳以下
35.4%
21〜25歳
29.4%
26〜30歳
25.5%
31〜35歳
24.8%
36〜40歳
21.4%
41歳以上
11.5%
出典:国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果」。合格者は一部科目合格者と5科目合格者の合計。

41歳以上の合格率は11.5%で、20歳以下の35.4%の3分の1ほどです。働きながら、家庭を持ちながら勉強する人が多い年代なので、勉強時間の確保が難しいのだと思います。

ひの
ひの

僕も働きながら社労士試験に3回挑みました。年齢より、勉強時間をどう作るかのほうがずっと大きな問題でした。

年代別|未経験の税理士転職の現実

年代別に見た、未経験の税理士転職
20代
・未経験可の求人の多くが対象
・「第二新卒歓迎」も48.5%
・簿記3級からでも動ける
・簿記2級があると選択肢が広がる
30代
・簿記2級があると書類が通りやすい
・前職の経験の伝え方が合否を分ける
・35歳以下の年齢上限を書く求人もある
・都市部のほうが選べる求人が多い
40代以上
・簿記2級に加えて科目合格があると強い
・経理や金融などの経験が武器になる
・年齢上限を書く求人は少ない
・税理士試験の受験者は41歳以上が最多
ひの作成。数値はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人(2026年9月時点)と国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果」にもとづきます。

20代なら、未経験でも選べる求人が多い

20代は、未経験での転職がいちばんしやすい年代です。755件のうち「第二新卒歓迎」と書かれた求人は366件で、半分近くありました。

簿記3級からでも動けますが、簿記2級を取ってから応募すると、選べる求人の数がまったく違います。

先に簿記2級を取ってから動く、という順番が現実的です。

30代は、簿記2級と前職の経験の伝え方で決まる

30代になると、「なぜ今、税理士の仕事なのか」を聞かれます。簿記2級は、その本気度を示すいちばん分かりやすい材料です。

前職の経験を、税理士事務所の仕事にどうつなげるかを言葉にできるかどうかで、書類の通り方が変わります。

前職別の活かし方は、このあとの章で解説します。

40代以上は、資格か経験のどちらかを武器に

40代以上で未経験から入る場合は、簿記2級に加えて、税理士試験の科目合格や、経理・金融などの近い経験があると強くなります。

実際に、41歳以上の受験者のうち1,339人が、令和7年度に1科目以上合格しています。

40代から科目合格を積み上げる人は、決して珍しくありません。

ひの
ひの

40代で未経験の方は、年齢で諦める前に、まず簿記2級か科目合格を1つ取ってから相談してみてください。見える景色が変わります。

50代で未経験は、目的をはっきりさせてから

50代で未経験から入る場合は、正社員として長く勤めることより、経験や人脈をどう活かすかが問われます。

経理や金融、総務などで長く働いてきた人は、その経験を顧問先の支援に活かせる事務所を探すのが現実的です。

「シニア歓迎」と書かれた求人も、755件のうち19件ありました。

ひの
ひの

年齢が上がるほど、「何ができるか」を具体的に言える人が強いです。

税理士などの士業求人に特化した転職エージェントである「ヒュープロ」には税理士求人が多数掲載されています。また伴走支援で納得の転職が可能です。(登録は無料です)

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簿記2級は必要?未経験の税理士転職で見られる資格

簿記2級は必要?未経験の税理士転職で見られる資格

ここまでの数字で、簿記2級が大きな分かれ目になることが見えてきました。

この章では、未経験の税理士転職でどの資格がどう評価されるのかを整理します。

資格未経験可求人で
応募できる件数
評価のされ方
資格なし273件入ってから勉強する前提。意欲の伝え方が大事
日商簿記3級358件「勉強を始めている」ことの証明。20代なら十分な武器
日商簿記2級632件未経験の税理士転職で最も評価されやすい
税理士試験の科目合格724件年収の上限が高い求人にも応募できる

件数はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人755件(2026年9月時点)の応募資格をひのが集計し、その資格で条件を満たす求人を数えたものです

簿記2級があれば、資格なしのときの2倍以上の求人に応募できます。科目合格まであれば、税理士などの有資格者向けを除くほぼすべての求人が対象になります。

ひの
ひの

簿記2級は、未経験の税理士転職の「入場券」みたいなものだと思います。持っているかどうかで、スタートラインが変わります。

日商簿記2級の合格率は、ネット試験で31.9%

では、簿記2級はどれくらいの難しさなのか。日本商工会議所が公表しているデータで見てみます。

日商簿記2級の合格率
ネット試験(2026年4〜6月)
31.9%
統一試験 第173回(2026年6月)
15.1%
統一試験 第172回(2026年2月)
15.1%
統一試験 第171回(2025年11月)
23.6%
統一試験 第170回(2025年6月)
22.2%
出典:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記 2級・3級受験者データ(ネット試験)」「2級受験者データ(統一試験)」。合格率は実受験者に対する割合。

ネット試験は2026年4月から6月に33,659人が受けて、10,749人が合格しました。合格率は31.9%です。統一試験は回によって差が大きく、直近の第173回は実受験者4,821人のうち728人の合格で、15.1%でした。

ネット試験はテストセンターで随時受けられるので、働きながらでも日程を合わせやすいのが利点です。

簿記2級の難易度や、取ったあとのキャリアについては、こちらの記事で詳しく書いています。

関連記事:簿記は転職に有利?3級・2級・1級の市場価値と狙える職種・年収を現役管理部門が解説

簿記3級だけでは足りない?

簿記3級を必要資格にしている求人は82件、10.9%ありました。3級だけでも応募できる求人はあります。ただ、3級は「勉強を始めた証明」にはなっても、実務で使う知識としては入口です。

20代なら3級で動いて入所後に2級を取る、30代以上なら2級を取ってから動く、という使い分けがおすすめです。

税理士試験の受験資格が変わった。未経験でも科目合格から

税理士試験の受験資格が変わった。未経験でも科目合格から

「税理士 科目合格 転職」

未経験から税理士の仕事を目指す人にとって、大きな追い風になっている制度の変更があります。税理士試験の受験資格の緩和です。

国税庁によると、令和5年度の試験から、会計学に属する科目である簿記論と財務諸表論は、受験資格の制限がなくなりました。

つまり誰でも受験できます。

科目の区分科目受験資格
会計学に属する科目簿記論
財務諸表論
制限なし(令和5年度から)
税法に属する科目所得税法・法人税法・相続税法・消費税法又は酒税法・国税徴収法・住民税又は事業税・固定資産税学識・資格・職歴のいずれかの要件が必要

出典は国税庁「税理士試験受験資格の概要」と「令和8年度(第76回)税理士試験公告」です。

つまり、今の仕事をしながら簿記論や財務諸表論の科目合格を取っておき、それを持って税理士事務所に応募する、という順番が取れるようになりました。

ひの
ひの

科目合格が1つあるだけで、未経験可の求人のうち724件が応募の対象になります。しかも、科目合格を条件にする求人は年収の上限も高めでした。

税法科目の受験資格は、税理士事務所の実務でも満たせる

税法に属する科目を受けるには、学識・資格・職歴のいずれかの受験資格が必要です。このうち職歴の要件には、法人や個人事業者の会計に関する事務に2年以上従事した場合が含まれます。

異なる勤務先の職歴も、通算して2年以上になれば受験資格になります。

未経験で税理士事務所に入って2年働けば、この職歴の要件で税法科目に進める可能性があるということです。

どの業務が職歴として認められるかは、国税庁の受験資格の案内で確認してください。

税理士登録には、2年以上の実務経験も必要

さらに、税理士として登録するには、試験の合格だけでなく、租税または会計に関する事務に通算2年以上従事した実務経験が必要です(日本税理士会連合会「税理士の資格取得」)。

税理士事務所で働く時間は、そのまま税理士になるための実務経験にもなります。未経験で飛び込むことに、制度の面でも意味があるということです。

未経験から税理士を目指す流れ(例)
今の仕事
簿記2級を取る
未経験可の求人のうち632件に応募できるようになります。
転職
税理士事務所に入る
記帳や試算表など、会計の実務から始めます。
入所後
簿記論・財務諸表論
受験資格の制限がない会計学の科目から合格を積み上げます。
2年後
税法科目へ
会計の事務の職歴が通算2年以上になれば、職歴の要件で受験資格を満たせる場合があります。
合格後
税理士登録
5科目の合格と、2年以上の実務経験で登録できます。
ひの作成。国税庁「税理士試験受験資格の概要」、日本税理士会連合会「税理士の資格取得」をもとにした一般的な例です。受験資格の詳細は国税庁の案内で確認してください。

働きながら税理士試験を受ける人向けの制度を持つ事務所もあります。今回の755件では、休日・休暇の欄に「試験休暇」がある求人が230件、30.5%でした。

ひの
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税理士事務所で実務を積んでおけば、仕事が試験対策にもなるという構図です。ぜひ求人を参考にしてみてください。

ヒュープロで試験休暇のある税理士求人を探す

科目合格を目指す人向けの制度がある事務所を、担当者と一緒に探せます。登録無料です

関連記事:税理士補助とは?仕事内容・年収・きついと言われる理由を現役社労士が解説

前職別|未経験でも税理士事務所で活きる経験

前職別|未経験でも税理士事務所で活きる経験

「税理士事務所の経験はない。でも、今までの仕事は無駄じゃない」

未経験で応募するときは、この伝え方がとても大事です。前職ごとに、税理士事務所の仕事のどこにつながるかを整理しました。

前職活きる経験税理士事務所での場面
①事業会社の経理仕訳・月次決算・支払処理記帳と試算表づくりを早く覚えられる
②総務・人事給与計算・年末調整・社会保険年末調整や源泉所得税の実務にすぐ入れる
③営業顧客との関係づくり・提案顧問先とのやり取りや資料の催促がうまい
④金融(銀行・保険)決算書を読む力・融資の知識顧問先の資金繰りや融資の相談に強い
⑤一般事務正確な入力・書類の整理記帳代行や資料整理で重宝される
⑥販売・接客相手に合わせた説明専門用語を社長に分かりやすく伝えられる
⑦公務員制度を読む力・手続きの正確さ税制改正や申告の手続きを正確に進められる
ひの
ひの

どの前職にも、税理士事務所の仕事につながる部分があります。大事なのは、それを自分の言葉で説明できることです。

経理経験がある人は、最も評価されやすい

755件の中には、必須の業務経験に「経理・会計の経験」を挙げる求人が45件ありました。経理の経験があれば、こうした求人にも応募できます。

事業会社の経理で仕訳や月次決算をしてきた人は、税理士事務所の側から見ると「半分経験者」です。顧問先の経理担当者の気持ちが分かる、という点も強みになります。

関連記事:経理は未経験だとしんどい?つらい時期の乗り越え方と転職のタイミング!

総務や人事の経験は、年末調整で活きる

総務や人事で給与計算や年末調整をしてきた人は、税理士事務所の12月から1月の仕事にすぐ入れます。

ひの
ひの

ここは僕の本業そのものです。年末調整の書類の集め方や、従業員からの質問への答え方は、税理士事務所でもそのまま使えると思います。

営業や接客の経験は、顧問先とのやり取りで活きる

税理士事務所の仕事は、実は人と話す仕事です。資料を集め、足りないものを催促し、結果を社長に説明します。

営業や接客で相手に合わせて話してきた経験は、数字の知識より身につけるのが難しい部分です。ここをきちんと伝えられると、未経験でも評価が変わります。

販売や接客の経験は、社長への説明で活きる

販売や接客で、お客様に合わせて説明してきた人は、専門用語を分かりやすく言い換える力を持っています。

税理士事務所では、社長に試算表や決算の結果を説明する場面が毎月あります。ここで「分かりやすい」と言われる担当者は、顧問先から長く頼られます。

ひの
ひの

説明が分かりやすい担当さんは、本当にありがたいです!

金融や公務員の経験は、制度と数字の両方で活きる

銀行や保険会社で決算書を読んできた人は、顧問先の数字を「経営の目線」で見られます。融資の相談に強い担当者は、社長から頼られます。

公務員として制度を扱ってきた人は、税制改正の内容を読み解いたり、手続きを正確に進めたりする場面で力を発揮できます。

ひの
ひの

前職は違っても、税理士事務所の仕事のどこかに必ずつながります。

一般事務の経験は、記帳と資料整理ですぐに活きる

一般事務で正確な入力や書類の整理をしてきた人は、記帳と資料整理ですぐに戦力になれます。

入所後の最初の仕事がまさにこの2つなので、「最初の半年で一番早く信頼される人」になれる可能性があります。

ひの
ひの

このように前職が税理士事務所で活きることは多いので、自信を持っていきましょう!

未経験可の税理士求人を見るときのチェックポイント

未経験可の税理士求人を見るときのチェックポイント

未経験可の求人は755件もあるので、どれを選ぶかで入ってからの1年が大きく変わります。

求人データを読んで分かった、見ておきたいポイントを表にしました。

チェックする項目見るところ今回の755件での状況
①応募資格必要な資格と必須の業務経験会計事務所経験を必須にする求人が92件
②固定残業代何時間分が含まれているか記載ありが306件、時間数の中央値は月30時間
③休日完全週休2日制か、年間休日は何日か完全週休2日制が484件、年間休日の中央値は120日
④試験の支援試験休暇、資格取得支援試験休暇230件、資格取得支援制度354件
⑤教育研修の有無、最初に任される仕事研修ありが170件
⑥年収の幅下限と上限の差下限の中央値350万円、上限の中央値600万円

数値はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人755件をひのが集計(2026年9月時点)

年間休日の中央値は、日数が書かれていた305件で計算しています。

未経験の求人チェック① 応募資格は最後まで読む

一覧の「未経験可」だけで判断せず、詳細ページの応募資格を最後まで読んでください。

ひの
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必須の業務経験や、運転免許などの条件が後ろのほうに書かれていることがあります。

未経験の求人チェック② 固定残業代の時間数を確認する

固定残業代が何時間分か書かれていない求人は、面接か転職エージェント経由で確認しましょう。

今回の求人では、月31時間から45時間分を含む求人も73件ありました。

未経験の求人チェック③ 最初に任される仕事を聞く

研修の有無は、求人票だけでは分からないことも多いです。

「最初の3か月は何をしますか」と聞いて、具体的な答えが返ってくる税理士事務所は、教える準備ができています。

ひの
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教育の仕組みは、未経験の人にとって年収より大事な条件かもしれません。最初の1年で覚えたことが、その後の伸び方を決めるからです。

未経験の求人チェック④ 休日と試験休暇を見る

働きながら簿記や税理士試験の勉強を続けるなら、休日の取りやすさは大事な条件です。

今回の755件では、完全週休2日制が484件、年間休日の日数が書かれていた305件のうち120日以上が283件でした。試験休暇がある求人は230件です。

ひの
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試験休暇は、ある事務所とない事務所で、試験勉強のしやすさがまるで違います。

未経験の求人チェック⑤ 年収は下限を基準に考える

求人に書かれた年収は幅があります。未経験で入る場合は、下限に近い金額で決まることが多いと考えておきましょう。

今回の未経験可の求人では、下限の中央値が350万円でした。生活の計画は、この下限の金額で立てておくと安心です。

未経験の税理士転職、東京と地方でどう違う?

未経験の税理士転職、東京と地方でどう違う?

未経験可の求人755件のうち、東京都は314件で41.6%を占めていました。求人の数は、住んでいる地域によって大きく変わります。

地域未経験可の求人数探し方のポイント
東京都314件数が多いので、教育体制や休日で絞り込める
大阪府70件東京に次いで多い。税理士法人の求人も選べる
愛知県・福岡県・神奈川県47件・34件・30件ある程度の数から比べられる
北海道・静岡県・埼玉県23件・20件・20件条件を広めに取って早めに動く
そのほかの県10件前後以下が多い出た求人を逃さないよう、登録しておく

件数はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人(2026年9月時点)の勤務地をひのが集計

東京や大阪なら、未経験でも条件で選べる

東京や大阪で探す場合は、未経験可の求人の中から、教育体制や休日、試験休暇の有無で絞り込む余裕があります。

ひの
ひの

求人の数が多いぶん、1件目で決めずに、3件以上を比べてから応募するのがおすすめです。

地方では、運転免許と早めの行動がカギ

地方の税理士事務所では、顧問先を車で回ることが多いため、運転免許を必要な資格に入れている求人があります。今回の755件でも48件ありました。

求人の数自体が少ないので、良い求人が出たらすぐ応募できるように、簿記の資格と書類を先に準備しておくと動きやすくなります。

ひの
ひの

地方で探す人ほど、転職エージェントに登録して新しい求人の連絡をもらえるようにしておくのが大事です。

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女性や子育て中でも、未経験で税理士事務所に転職できる?

女性や子育て中でも、未経験で税理士事務所に転職できる?

子育てをしながら、あるいはこれからのライフイベントを考えながら、未経験で税理士事務所を目指す人も多いと思います。

税理士求人の「特徴」の欄を数えてみました。

未経験可の税理士求人の特徴欄に書かれていること(755件)
転勤なし
402件(53.2%)
女性活躍
309件(40.9%)
育休・産休実績あり
279件(37.0%)
フレックス制度
231件(30.6%)
残業代全額支給
139件(18.4%)
時短勤務あり
101件(13.4%)
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人の詳細ページにある「この求人の特徴」欄をひのが集計(2026年9月時点)。

転勤なしは半分以上、育休・産休の実績ありは4割近くの求人に書かれていました。時短勤務ができる求人も101件あります。

ひの
ひの

税理士事務所は、長く働く人を大事にする職場が多い業界だと感じます。資格を取りながら、腰を据えて働けるのは大きな魅力です。

繁忙期の働き方は、面接で具体的に聞く

ただし、1月から3月の繁忙期は、時短勤務の人にも仕事が集中しやすい時期です。

「時短勤務の方は、繁忙期にどう働いていますか」と具体的に聞いておくと、入ってからのギャップを減らせます。

聞きにくい場合は、転職エージェントに確認してもらいましょう。

残業代の扱いも確認しておく

「残業代全額支給」と書かれた求人は139件、18.4%でした。一方で、固定残業代を含む求人は306件ありました。

どちらが良い悪いではありませんが、繁忙期の残業がどう給与に反映されるかは、入る前に必ず確認しておきたいポイントです。

未経験の税理士転職で失敗する5つのパターン

未経験の税理士転職で失敗する5つのパターン

せっかく未経験で税理士事務所に入っても、早い段階で辞めてしまう人もいます。

よくある失敗のパターンを5つにまとめました。

未経験の税理士転職の失敗① 繁忙期の直前に入所する

1月から3月は確定申告を中心に、税理士事務所がいちばん忙しい時期です。この直前に入ると、全体が見えないまま繁忙期に巻き込まれます。

できれば繁忙期が明けた6月前後に入ると、落ち着いて仕事を覚えられます。

繁忙期の直前に入ると、先輩も自分の仕事で手一杯になり、質問しにくい状態が続きます。最初の数か月で「聞けない」経験をすると、その後も質問をためらうようになりがちです。

ひの
ひの

入る時期ひとつで、最初の印象がまったく変わります。

未経験の税理士転職の失敗② 「未経験可」だけで選ぶ

応募資格に会計事務所経験が必須と書かれていたり、教える人がいなかったりする求人もあります。一覧の表示だけで選ぶと、入ってから苦しくなります。

とくに、少人数の事務所で「未経験可」と書かれていても、実際には即戦力を期待されている場合があります。

面接で最初の仕事の内容を聞けば、どちらなのかはだいたい分かります。

未経験の税理士転職の失敗③ 年収だけで選ぶ

未経験の段階では、年収の差より教育の差のほうが大きく効きます。最初の1年で身につく力が、その後の年収を決めるからです。

年収が少し高くても、教える人がいない職場では、2年目以降に伸び悩みます。

逆に最初の年収が下限に近くても、科目合格や担当の広がりで上がっていく事務所なら、数年で差は逆転します。

未経験の税理士転職の失敗④ 勉強を続ける前提がない

税理士事務所では、入ったあとも簿記や税法の勉強が続きます。

資格取得支援制度が354件、試験休暇が230件の求人に書かれているのは、それが当たり前の業界だからです。

未経験の税理士転職の失敗⑤ 人と話す仕事だと知らずに入る

黙々と数字を入力する仕事だと思って入ると、顧問先とのやり取りの多さに戸惑います。電話、メール、訪問での資料の受け渡しは、毎月の仕事です。

ただ、これは前職で人と接してきた人にとっては、むしろ強みになる部分です。会計の知識は入ってから覚えられますが、人とのやり取りの感覚は、すぐには身につきません。

ひの
ひの

ここは未経験の人が、経験者に勝てる部分だと思います!

【入る前に確かめておきたいこと】
・入所の時期は繁忙期を避けられるか
・応募資格の必須経験を満たしているか
・最初の3か月の仕事は決まっているか
・試験勉強を支える制度があるか

繁忙期の忙しさや、税理士事務所で「やめとけ」と言われる理由は、こちらの記事で数字を使って詳しく書いています。

関連記事:税理士事務所はやめとけ?言われる7つの理由と見極め方を現役社労士が解説

ヒュープロで教育体制のある税理士求人を探す

研修の内容や最初に任される仕事など、求人票だけでは分からないことを担当者に確認できます

税理士事務所に未経験で入ってからの3年

税理士事務所に未経験で入ってからの3年

未経験で入ったあと、どんな順番で仕事を覚えていくのか。事務所によって違いますが、よくある流れを3年分まとめました。

未経験で税理士事務所に入ってからの3年(例)
1年目前半
記帳と資料整理
先輩の顧問先の記帳から始め、会計ソフトと勘定科目に慣れます。
1年目後半
試算表と年末調整
月次の試算表づくりを手伝い、12月からは年末調整、1月は法定調書に関わります。
1年目の春
初めての繁忙期
確定申告と3月決算の法人の申告を補助し、1年の流れを体で覚えます。
2年目
担当を持つ
小さな顧問先から担当を任され、月次の訪問や社長とのやり取りが始まります。
3年目
決算と申告を任される
法人の決算と申告書づくりを一通り担当し、後輩に教える立場にもなります。
ひの作成。国税庁が定める申告・納付の期限をもとにした一般的な例で、実際の流れは事務所によって異なります。

この流れで進めば、3年目には法人の決算から申告までを一通り経験することになります。ここまで来ると、同じ業界での転職でも「経験者」として扱われるようになります。

ひの
ひの

顧問先から見ていても、2年目に担当になったばかりの人と、3年目の人では安心感がまるで違います。3年は、ひとつの区切りだと思います。

経験者になると、年収の上限が高い求人にも手が届くようになります。今回の未経験可の求人でも、上限の中央値は600万円でした。

未経験から年収を上げていく順番

入所してからの年収は、資格と担当の広さで上がっていきます。

今回の未経験可の求人では、必要な資格ごとに年収の上限の中央値がはっきり分かれていました。

必要な資格ごとの年収の上限(中央値)
税理士・公認会計士などの資格
1,000万円
税理士試験の科目合格
700万円
資格不問・記載なし
600万円
日商簿記3級以上
555万円
日商簿記2級以上
500万円
出典:ヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人のうち年収記載のある求人をひのが集計(2026年9月時点)。資格不問の求人には、経験者向けの年収を上限に書いた求人も含まれます。

科目合格を条件にする求人の上限の中央値は700万円で、簿記2級以上の500万円より200万円高くなっています。

ひの
ひの

入所したら、まずは実務を覚えながら科目合格を1つ目指す。これが年収を上げる一番の近道です。

未経験の税理士転職の志望動機(例文つき)

未経験の税理士転職の志望動機(例文つき)

未経験で応募するとき、書類でいちばん見られるのが志望動機です。

「なぜ税理士事務所なのか」「なぜ今なのか」「入ってから何をしたいのか」

この3つが入っていると伝わります。

未経験の志望動機でよくあるNGとOK

よくある書き方どう見えるかこう変える
×安定していそうだから業界への関心が見えない〇前職で感じた会計や税金の大切さから書く
×手に職をつけたい自分の都合だけに見える〇身につけた力で顧問先に何を返したいかを書く
×勉強させてほしい教わる前提に見える〇すでに始めている勉強(簿記など)を具体的に書く
×数字が好き根拠が弱い〇数字を扱った前職の具体的な場面を書く

未経験の志望動機に入れたい3つの要素

要素書くこと見られているポイント
きっかけ前職で会計や税金に触れた具体的な場面思いつきではないか
準備簿記の取得や勉強の状況入所後も学び続けられるか
入所後どんな仕事で貢献したいか長く働くイメージがあるか

この3つがそろっていると、未経験でも「この人なら育ちそうだ」と思ってもらえます。

志望動機の例文① 20代・営業から

「前職では法人営業として中小企業の経営者と接するなかで、資金繰りや税金の悩みを多く聞いてきました。数字の面から経営者を支える仕事がしたいと考え、日商簿記2級を取得しました。貴所では、未経験から担当を持つまでの育成の流れがあると伺い、早く顧問先を任せていただける力をつけたいと考えて志望しました。」

志望動機の例文② 30代・経理から

「事業会社の経理として、月次決算と顧問税理士事務所への資料提出を5年間担当してきました。決算の数字を作る側から、申告まで含めて会社を支える側に移りたいと考えるようになりました。経理の立場で、どんな資料がそろうと税理士事務所の仕事が進むかを理解していることは、顧問先とのやり取りで活かせると考えています。」

志望動機の例文③ 40代・総務から

「総務として給与計算と年末調整を担当してきました。年末調整や源泉所得税の実務は、顧問税理士事務所と一緒に進めてきた経験があります。働きながら簿記論の勉強を始め、今年の税理士試験を受験しました。これまでの実務と勉強を活かし、年末調整や個人の確定申告の分野から貴所に貢献したいと考えています。」

例文はあくまで型です。自分の前職の具体的な場面を1つ入れるだけで、ぐっと伝わる文章になります。逆に、どの事務所にも出せるような志望動機は、読む側にすぐ分かります。

応募する事務所の顧問先の業種や、力を入れている分野を調べて、1行だけでもその事務所に合わせた言葉を入れておくと印象が変わります。

ひの
ひの

採用の段取りをしていると、具体的な場面が1つ書いてある志望動機は、それだけで印象に残ります。数字や期間が入っているとなおいいです。

税理士事務所の面接でよく聞かれる質問

税理士事務所の面接でよく聞かれる質問

未経験の応募者が、税理士事務所の面接でよく聞かれる質問と、答え方のポイントをまとめました。

よく聞かれる質問聞かれる理由答え方のポイント
なぜ税理士事務所なのですか?続けられるかを見ている前職での具体的なきっかけを話す
税理士を目指しますか?長く働く意思を見ている目指すなら科目と時期、目指さないなら別の目標を話す
繁忙期の残業は大丈夫ですか?1〜5月の忙しさを知っているかを見ている時期を理解していることを伝え、確認したいことは聞き返す
簿記の勉強はどこまで進んでいますか?入所後に伸びるかを見ている取得済みの級と、今勉強している内容を話す
前職を辞める理由は何ですか?同じ理由で辞めないかを見ている不満ではなく、次にやりたいことを軸に話す

逆に、応募者から聞いておきたい質問もあります。最初の3か月の仕事、ひとりあたりの担当件数、繁忙期の残業時間、試験休暇の取り方などです。

面接で自分から聞きにくい質問は、転職エージェントを通して確認してもらうのが楽です。

面接の最後に聞いておきたい逆質問

逆質問確かめられること
入所後、最初の3か月はどんな仕事から始めますか?教育の流れがあるか
未経験で入った方は、今どんな仕事をされていますか?未経験者が育っているか
繁忙期の残業は、月に何時間くらいですか?1〜5月の忙しさ
試験休暇は、実際にどれくらい取られていますか?制度が使われているか
ひとりあたりの担当件数は、どれくらいですか?仕事量が適正か

とくに2つ目の「未経験で入った方は今どうしているか」は、答えにくい事務所ほど、未経験者が定着していない可能性があります。

ひの
ひの

聞き方ひとつで、印象は悪くなりません!逆質問は必ずしてみてください。

未経験の税理士転職で職務経歴書に書くこと

未経験の税理士転職で職務経歴書に書くこと

志望動機と並んで大事なのが、職務経歴書です。

未経験の場合、税理士事務所の経験がないぶん、前職の書き方で差がつきます。

書く項目書き方のポイント例
担当した業務数字や期間を入れる「月次決算を5年間担当」
「年末調整を年120名分」
使えるソフト会計ソフトやExcelの具体名「弥生会計で仕訳入力」「Excelで関数とピボット」
資格と勉強取得済みと勉強中を分けて書く「日商簿記2級取得」
「簿記論を勉強中」
人とのやり取り誰と、どんな調整をしたか「取引先50社の請求入金管理」
工夫したこと正確さや段取りを示す場面「チェックリストを作りミスをなくした」

表の例は書き方の型です。自分の前職の実際の数字に置きかえて使ってください。

ひの
ひの

総務で入社手続きをしていると、数字が入っている職務経歴書は読みやすいと感じます。「何を、どれくらい」が一目で分かるからです。

未経験でも評価される「正確さ」と「段取り」

税理士事務所の仕事は、期限と正確さの仕事です。前職で締め切りを守ってきたこと、ミスを減らす工夫をしてきたことは、業界が違っても評価されます。

「チェックリストを作った」「ダブルチェックの仕組みを整えた」といった具体的な場面を1つ書くだけで、書類の印象が変わります。

未経験で税理士事務所に入る前にやっておきたい準備

未経験で税理士事務所に入る前にやっておきたい準備

内定が出てから入所までの期間に、やっておくと最初の1年が楽になる準備があります。

【入所前にやっておきたい準備】
・簿記3級・2級の仕訳を、見てすぐ分かるまで復習する
・会計ソフトの体験版を触っておく
・Excelの基本操作(関数、並べ替え、フィルター)を確認する
・確定申告と年末調整の流れを、国税庁のサイトで読んでおく

どれも、入所してから教わることです。ただ、事前に一度触れておくだけで、最初の説明の理解度がまったく違います。

国税庁のサイトは、無料の教科書になる

確定申告や年末調整の手引きは、国税庁のサイトで誰でも読めます。

税理士事務所の仕事の多くは、ここに書かれた手続きを顧問先の代わりに進めることです。

ひの
ひの

僕も年末調整の時期は、毎年国税庁の手引きを読み直しています。実務の人ほど、一次の資料を大事にしています。

未経験なら税理士事務所と事業会社の経理、どちらを選ぶ?

未経験なら税理士事務所と事業会社の経理、どちらを選ぶ?

未経験で会計の仕事に就きたいと考えたとき、税理士事務所と並んで候補になるのが事業会社の経理です。

税理士事務所と事業会社の経理、未経験で入るなら
税理士事務所
・未経験可の求人が多い(ヒュープロで755件)
・何社もの会社の数字に触れられる
・税理士試験の実務経験につながる
・1〜5月に繁忙期が集中する
事業会社の経理
・自分の会社1社の数字を深く見る
・忙しさは月末と決算期に分散
・未経験で入る場合は経理補助から
・税務の判断は顧問税理士に任せることが多い
ひの作成。件数はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人(2026年9月時点)の集計によります。

会計と税金を幅広く覚えたい人、税理士試験を目指したい人には、税理士事務所が向いています。

一方で、忙しさの波を小さくしたい人、1つの会社にじっくり関わりたい人には、事業会社の経理が合っています。

ひの
ひの

税理士事務所で経験を積んでから事業会社の経理に移る人もいます。先に税理士事務所に入ると、あとから選べる道が増えます。

経理の未経験転職について知りたい人は、こちらの記事も参考になります。

関連記事:経理は未経験だとしんどい?つらい時期の乗り越え方と転職のタイミング!

未経験の税理士転職、勉強と転職活動のスケジュール例

未経験の税理士転職、勉強と転職活動のスケジュール例

未経験から税理士事務所を目指すとき、簿記の勉強と転職活動をどう並べるかで、入所の時期が決まります。繁忙期明けの6月前後に入所する場合の例を並べました。

6月入所を目指すスケジュール(例)
前年秋
簿記の勉強を始める
3級から始め、2級まで進めます。ネット試験なら日程を選んで受けられます。
1〜2月
簿記2級を受ける
2級を取ると、応募できる未経験可の求人が大きく広がります。
3月
求人を探し始める
エージェントに登録し、応募資格や休日を詳細ページで比べます。
4月
応募と面接
志望動機と職務経歴書を仕上げ、面接で最初の仕事や残業を確認します。
5月
内定と退職の準備
今の職場の引き継ぎをしながら、会計ソフトやExcelを触っておきます。
6月
入所
繁忙期明けの落ち着いた時期に、記帳と資料整理から始めます。
ひの作成。簿記の受験時期や選考の期間は人によって異なります。6月前後の入所は、確定申告と3月決算の山を避ける目安です。

もちろん、いつ入所しても仕事は覚えられます。ただ、1月から3月は確定申告の時期で、事務所に教える余裕がないことが多いです。

逆算して動けるなら、繁忙期明けを狙うのがおすすめです。

ひの
ひの

簿記の勉強から入所まで、半年以上かけるつもりで計画すると焦らずにすみます。

未経験の税理士転職を成功させる6ステップ

未経験の税理士転職を成功させる6ステップ
未経験から税理士事務所に転職する6ステップ
STEP1
簿記の勉強を始める
まずは3級、できれば2級まで。2級があると応募できる未経験可の求人が632件に広がります。
STEP2
入所の時期を決める
繁忙期を避けて6月前後の入所を目安に、逆算して動き始めます。
STEP3
求人を読み比べる
応募資格・固定残業代・休日・試験休暇を、詳細ページで確認します。
STEP4
志望動機を作る
前職の具体的な場面と、入所後にやりたいことをつなげます。
STEP5
面接で確かめる
最初の仕事、担当件数、繁忙期の残業時間を聞きます。
STEP6
入所後も勉強を続ける
簿記論・財務諸表論など、受験資格のいらない科目から積み上げます。
ひの作成。件数はヒュープロ「未経験可」の税務・税理士求人(2026年9月時点)の集計によります。

いちばん大事なのは、STEP1とSTEP3です。資格で入口を広げ、求人をきちんと読んで入る先を選ぶ。この2つができれば、未経験でも失敗はかなり減らせます。

STEP2の入所時期も、見落とされがちなポイントです。繁忙期を避けて入れるかどうかで、最初の半年の覚えやすさが大きく変わります。

ひの
ひの

あなたの今の状況から、どのSTEPにいるかを確かめてみてください。

資格で入口を広げて、求人を読み込んで選ぶ。これが近道です

税理士求人は、実際に見てみると印象がかなり変わります。

士業・管理部門に特化した転職エージェントの「ヒュープロ」なら、未経験可の税理士求人をまとめて探せます。(登録は無料です)

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未経験の税理士転職に強い転職エージェント

未経験の税理士転職に強い転職エージェント

未経験の税理士転職では、求人の数だけでなく、求人票に書かれていない情報をどれだけ集められるかが大事です。

そこで頼りになるのが、士業や管理部門に強い転職エージェントです。

ヒュープロをおすすめする理由

項目ヒュープロ
得意な分野士業・管理部門(税理士事務所・会計事務所・税理士法人・経理など)
税務・税理士の求人3,230件(2026年9月時点・ひの集計)
うち未経験可755件(23.4%)
未経験可の多い地域東京・大阪・愛知・福岡・神奈川
利用料無料

この記事で集計した755件は、ヒュープロのサイトで「未経験可」に絞り込んで出てくる求人です。担当者に相談すれば、応募資格の細かい条件や、事務所の教育体制も確認してもらえます。

ひの
ひの

未経験だと、どの求人が自分に合うのか判断する材料が少ないですよね。そのための転職エージェントです。

とくに、簿記2級を持っている20代の人や、簿記2級や科目合格を持っている30代・40代の人は、応募できる求人がかなり多くなります。

まずは自分の条件で何件あるかを確かめてみてください。

士業・管理部門に特化した転職エージェントの「ヒュープロ」なら、未経験可の税理士求人をまとめて相談できます。(登録は無料です)

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登録無料・約1分。今すぐ転職しなくても、求人を見るだけで使えます

転職エージェントを使うときの流れ

ヒュープロを使った転職の流れ
1
無料登録
希望の職種と勤務地、今の経験や資格を登録します。
2
担当者と面談
未経験であることや、簿記の勉強の状況を伝えます。
3
求人の紹介
応募資格を満たす未経験可の求人を紹介してもらいます。
4
書類の準備と応募
志望動機や職務経歴書の書き方も相談できます。
5
面接と条件の確認
聞きにくい残業時間や教育体制は、担当者に確認してもらいます。
ひの作成。

登録したからといって、すぐに転職しなければいけないわけではありません。まずは自分の条件で応募できる求人がどれくらいあるかを知るだけでも、次の一歩が決めやすくなります。

関連記事:ヒュープロの評判は悪い?やばい・しつこい口コミの真相を現役社労士が解説

ほかのエージェントとも比べたい人は、管理部門と士業に強いMS-Japanもあわせて使うと、求人の全体像がつかみやすくなります。

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税理士事務所に未経験で転職するときのよくある質問

Q.資格なしでも税理士事務所に転職できますか?

できます。ヒュープロの未経験可の税務・税理士求人755件のうち、資格不問または資格の記載がない求人は273件、36.2%ありました。

ただ、簿記2級があると応募できる求人は632件まで広がります。資格なしで応募しつつ、並行して簿記の勉強を始めるのがおすすめです。

Q.未経験の税理士転職は何歳までできますか?

法律上の年齢制限はありません。755件のうち、応募資格に年齢の上限を書いていた求人は20件、2.6%でした。

令和7年度の税理士試験でも、受験者がいちばん多いのは41歳以上の11,632人です。年齢より、資格や前職の経験をどう示すかが大事です。

Q.未経験で税理士事務所に入ると、年収はいくらですか?

未経験可の求人745件(年収記載あり)では、年収の下限の中央値が350万円、上限の中央値が600万円でした。下限は300万円台が62.3%です。

Q.簿記2級と税理士試験の科目合格、どちらを先に取るべきですか?

先に簿記2級がおすすめです。未経験可の求人で最も多い条件が簿記2級以上で、274件ありました。

科目合格は、入所してから働きながら狙う人が多いです。簿記論と財務諸表論は受験資格の制限がないので、簿記2級のあとに挑戦できます。

Q.30代で未経験だと、税理士事務所は厳しいですか?

厳しすぎることはありません。年齢の上限を書いた求人は少なく、35歳以下が12件、29歳以下が7件でした。

30代は、簿記2級と、前職の経験を税理士事務所の仕事にどうつなげるかを説明できるかで結果が変わります。

Q.40代・50代でも未経験で税理士事務所に入れますか?

可能性はありますが、20代と同じやり方では難しくなります。簿記2級に加えて科目合格や、経理・金融・総務などの近い経験を武器にするのが現実的です。

令和7年度の税理士試験では、41歳以上の受験者のうち1,339人が1科目以上に合格しています。

Q.未経験可の求人なのに、実務経験を求められるのはなぜですか?

「未経験可」が、税理士業界は未経験でも、会計の実務経験は必要という意味で使われていることがあるからです。755件のうち92件が、必須の業務経験に会計事務所での経験を挙げていました。

Q.正社員の求人が多いですか?

はい。755件のうち740件、98.0%が正社員の求人でした。

Q.リモートで働ける税理士事務所はありますか?

あります。755件のうち、求人の特徴にリモートや在宅勤務が書かれていた求人は233件、30.9%でした。

ただ、最初は先輩の近くで仕事を覚えるために、出社が中心になることが多いです。

Q.入所するなら、いつの時期がいいですか?

繁忙期が明けた6月前後がおすすめです。1月から3月の確定申告の時期に入ると、全体が分からないまま忙しさに巻き込まれやすくなります。

Q.税理士を目指さなくても、税理士事務所で働けますか?

働けます。資格を持たずに長く働いている職員もいます。ただ、年収を上げていくには、科目合格などの資格が効いてきます。

Q.簿記3級だけでも応募できますか?

できます。755件のうち、簿記3級以上を条件にしている求人は82件ありました。資格不問の273件と合わせると、358件に応募できます。

Q.資格の勉強と転職活動、どちらを先にすべきですか?

20代なら並行して進めるのがおすすめです。30代以上なら、簿記2級を取ってから転職活動を始めると、書類が通りやすくなります。

Q.未経験可の求人は、どの地域に多いですか?

東京都が314件で最も多く、大阪府70件、愛知県47件、福岡県34件、神奈川県30件と続きます。上位5都府県で495件、全体の65.6%です。

Q.税理士事務所の未経験可の求人は、第二新卒でも応募できますか?

できます。755件のうち366件、48.5%の求人に「第二新卒歓迎」と書かれていました。

Q.入所後に資格の勉強を支援してもらえますか?

支援制度がある事務所は多いです。755件のうち、資格取得支援制度が354件、試験休暇が230件、資格受験者歓迎が149件の求人に書かれていました。

Q.転勤のない税理士事務所はありますか?

多くあります。755件のうち402件、53.2%の求人の特徴欄に「転勤なし」と書かれていました。

Q.子育て中でも未経験で働けますか?

働ける求人はあります。755件のうち、育休・産休の実績ありが279件、時短勤務ありが101件でした。繁忙期の働き方は、面接で具体的に確認してください。

Q.簿記の勉強は独学でも大丈夫ですか?

3級と2級は、独学で合格する人も多い資格です。日商簿記2級のネット試験は、2026年4月から6月の合格率が31.9%でした。

仕事と両立しやすいように、日程を選べるネット試験を使うのも手です。

Q.未経験から税理士事務所に入って、何年で一人前になれますか?

事務所や担当する業務でかなり違います。この記事の「入ってからの3年」の例のように、1年目は記帳と補助、2年目から担当を持ち、3年目に決算と申告を回す、という流れを一つの目安にしておくと計画が立てやすくなります。

Q.会計ソフトが使えないと採用されませんか?

未経験の場合、会計ソフトが使えることを条件にする事務所は多くありません。

ただ、体験版を触っておくと、面接で意欲を伝える材料になりますし、入所後の立ち上がりも早くなります。

ひの
ひの

ほかにも気になることがあれば、転職エージェントの担当者に聞いてみるのが早いです。聞くだけなら、お金はかかりません。

税理士事務所に未経験で転職するときのまとめ

税理士事務所に未経験で転職するときのまとめ

長い記事になったので、大事なところだけまとめます。

【この記事のポイント】
・ヒュープロの税務・税理士求人3,230件のうち、未経験可は755件(23.4%)
・資格なしで応募できるのは273件。簿記2級があれば632件に広がる
・未経験可の求人の年収は、下限の中央値350万円、上限の中央値600万円
・年齢の上限を書いた求人は20件(2.6%)
・簿記論と財務諸表論は、令和5年度から受験資格の制限なし
・「未経験可」でも、応募資格と固定残業代は詳細ページで必ず確認
・前職の具体的な場面を、税理士事務所の仕事につなげて伝える

未経験で税理士事務所に入るのは、決して無謀な挑戦ではありません。求人の4件に1件近くが未経験可で、働きながら資格を取る人を支える制度も広がっています。

大事なのは、簿記2級などで入口を広げてから、求人をきちんと読んで選ぶことです。

ひの
ひの

未経験から入って、数年で顧問先に頼られる担当になった人を見てきました。最初の一歩は、自分が応募できる求人が何件あるかを知ることだと思います。

まずは求人を見て、今の自分の条件で応募できる事務所を探すところから始めてみてください。

ヒュープロで未経験可の税理士求人を見てみる

登録無料・約1分。士業・管理部門に特化した転職エージェントです。見るだけでも使えます

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